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2017年7月21日金曜日

F-35A:依然不明なパイロット酸素供給トラブルの原因、ルークAFB



要は根本原因がわからないということですか。深刻ですね。しかしルーク基地以外のF-35では報告がないというのも変です。航空自衛隊向けの機材もルークにあるので日本としても看過できない問題です。機内に搭載されている部品の品質管理が問題なのでしょうね。まさかC国製は使われていないでしょうね

Aerospace Daily & Defense Report

Fix Elusive As Another F-35 Pilot Reports Trouble Breathing

Jul 19, 2017 Lara Seligman | Aerospace Daily & Defense Report

(写真)ルーク空軍基地第六十一戦闘飛行隊のパイロットがケンタッキー州空軍基地のあるルイスビルに自機を駐機した。April 20, 2017. USAF

  1. ルークAFB(アリゾナ)のF-35パイロットでまたもや低酸素症に似た症状が発生し、政府・民間合同専門家が困惑している。
  2. 第56戦闘機隊の教官パイロットが7月10日の訓練飛行中にめまいと息切れを覚えたと広報官ベッキー・ヘイス少佐が発表。パイロットは予備酸素に切り替え無事帰還したという。
  3. これ以前に5件の飛行生理事案がルークで発生したが、当初は最新事案は別の種類と見られていた。F-35運用は一時停止していたが、6月21日に条件付きで再開されている。原因究明は終わっていない。現在は飛行上限は25千フィートに制限されている。
  4. 7月10日事案の飛行後解析からパイロットマスクの弁が不良だと判明したとヘイス少佐は述べている。弁を交換したところパイロットは支障なく飛行できた。
  5. 「マスク上の弁の不良が原因と分かりましたが、先行5事例の原因は未解明のままです」(ヘイス少佐)
  6. F-35共同開発室(JPO)が5月26日に編成したアクションチームはいまだに根本原因をさぐれていない。ただしJPOは「各事例の特徴を把握すべく標準に従った体系的な作業」をしており、「可能性のある範囲をつきとめられそう」とJPO広報官ブランディ・シフが語っている。
  7. JPOが目を付けているのはハネウェルの機内酸素発生装置 (Obogs) に入る抽気でプラット&ホイットニー製F135エンジンが供給している。チームは事故の報告があった各機の空気状態を調査したとシフは説明。JPOは空軍研究部門と共同でルーク基地機の空気状態を調査し、ゆくゆくは同型機全部の点検も行うとシフは述べている。
  8. JPOは長期的にはセンサー技術の進歩をさらに進め飛行中の機内汚染物質の探知をめざすとシフは説明。
  9. Avition Weekから調査中の根本原因のリスト開示を求めたがシフに拒否された。
  10. JPOは酸素発生装置の酸素濃度濃縮アルゴリズムの精度を上げる作業に入っており、各種高度で一番妥当な酸素濃度をパイロットに供給する機能に注目している。高度が上がり空気が薄くなると人体は酸素量が多く必要となる。ただしこれはあくまでも応急措置であり、各事例で酸素濃度自体に問題があったことを明確に示す証拠はない。■

2017年6月10日土曜日

ルーク空軍基地のF-35Aが全機飛行停止措置に


これは変ですね。供用中のF-35Bではこのトラブルは聞こえてきませんし、5月に入ってから5機(にしか)発生していないというのはばらつきであり、部品製造レベルの品質管理が悪いためなのでしょうか。F-22の事例もありましたので原因究明が早くできるといいですね。

F-35s at Luke Air Force Base grounded after pilots suffered oxygen deprivation

ルーク空軍基地のF-35が飛行停止措置へ、酸素供給問題が発生。
By: Stephen Losey and Valerie Insinna, June 9, 2017 (Photo Credit: Air Force)
ルーク空軍基地(アリゾナ州)の第56戦闘機隊が6月9日にF-35AライトニングII戦闘機の飛行停止措置をとった。低酸素症が5月から計5件も発生したためだ。
  1. 米空軍は同日の報道発表でパイロット5名で低酸素症が先月から発生したと述べている。予備酸素が毎回稼働されパイロットは手順通り安全に着陸させている。
  2. 「安全な飛行運用に向け整備と運用を同調させるべく、当地でのF-35A飛行を停止することとした」と第56隊の指揮官ブルック・レオナード准将が報道資料で述べている。「空軍は今回の事象を深刻に受け止め、パイロットの安全と体調管理を最優先する。根本原因を調査するべく必要な措置を取る」
  3. F-35管理室JPOが技術、整備、航空医学の各専門家によるチームを立ち上げ、調査を開始する。現時点では機内の酸素発生装置(OBOGS)が故障したかは不明だ。                    
  4. 「F-35事業では多方面アプローチで機材で見られる生理現象を監視追跡しており、結果はウェポンシステム改善に使い、作戦時の戦術、技量、手順に応用する」とJPOは声明を発表。「進行中のJPO検討には政府関係機関と民間の技術、整備、航空宇宙生理学専門家がチームで対応している」
  5. 第56隊の広報係レベッカ・ヘイス少佐は飛行停止は今のところ一日のみと強調し、来週月曜日に再開するとしている。飛行停止の影響を受けるパイロットは49名ほどで当日は低酸素症の概略説明を受け先のパイロットがどう対処したかを学ぶ。航空医官からも症状の説明があり、現時点での分析内容を聞く。
  6. 56飛行隊はパイロット向けオープンフォーラムで懸念事項の解消に努める予定だ。
  7. ヘイス少佐はDefense Newsに対し今回の事態に遭遇したF-35Aは計5機で異なる飛行隊所属の機体だと説明している。事件遭遇のたび航空医学専門職が該当パイロットの生理学的データを集め、整備陣が機体からデータを回収している。情報の分析がまだ途中だがJPOチームに回し根本原因の把握に使うという。
  8. F-35Aではパリ航空ショーへの出発が今回の措置から一週間もしないうちに控えている。ロッキード・マーティン社パイロットが飛行展示する予定でヒル空軍基地所属の機体を使う。飛行展示は予定通り行うとロッキードの広報係マイク・レインは述べている。「予定は変更ありません。当社のパイロットにこの症状は出ていません」
  9. F-22ラプターでも酸素供給問題が発生しパイロット数名が低酸素症んいなったため空軍は同機を五か月間にわたり飛行停止したことが2011年にあった。2012年7月に空軍はF-22の低酸素症の原因はパイロットの生命維持ベストのバルブの締め付け不十分のため呼吸が制限されたと判明している。■