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2025年12月21日日曜日

ウクライナのロシア攻撃は地中海に拡大。今度はタンカーを「爆撃機ドローン」で攻撃した模様で、公海上の海上交通の今後で心配な事態がこれから発生しそうだ。

 

ウクライナがロシア関連タンカーを「爆撃ドローン」で地中海で攻撃した(TWZ)

ロシアの影の船団に属するタンカーへのウクライナによるドローン攻撃は、黒海以外で初めての事例となった

トーマス・ニュードックハワード・アルトマン

公開日 2025年12月19日 12:20 PM EST

― 和平交渉が進まない間に既成事実として強奪した領土を離さないロシア(盗人猛々しいとはこのこと)に対し、少しでも状況を好転させようとウクライナは知恵を使っています。ロシアが使う「影の船団」をどこまで減らせるかがロシア経済の命運を握っているといってよく、このような事例は今後も出てくるでしょう。

X経由

シアとウクライナの間で黒海で展開されてきた「タンカー戦争」がエスカレートし、ウクライナの航空ドローンが地中海でロシアのいわゆる「影の船団」のタンカーを攻撃した。今回の事件は、報復攻撃が続いた後の出来事であり、今月初めにはロシアのプーチン大統領が、キーウがロシア商船への攻撃を強化したことに応じて「ウクライナを海から切り離す」と警告していた。

ウクライナ政府保安庁(SBU)内部の情報筋は、ウクライナ領土から「2,000キロ以上」(1,243マイル)離れた場所で「前例のない特殊作戦」が実施されたと本誌に語った。

標的はオマーン船籍の原油タンカーQendilで、攻撃時は空荷状態だった。同船は12月1日にインド・ジャムナガル港で荷揚げを終え、同港を出航していた。

「この攻撃は地域の生態系に何ら脅威を与えなかった」(SBU)。

同タンカーは11月4日にロシアの黒海港ノヴォロシースクを出港後、ボスポラス海峡と地中海を経由し、スエズ運河を通過してインドへ向かっていた。2006年建造で載貨重量115,338トンである。

ロイズ・リスト・インテリジェンスの船舶追跡データによれば、攻撃は地中海でマルタとクレタ島の間の海域を西進中に発生した。この位置はウクライナから約930マイル離れている。AISデータによると、同船は深夜直前にUターンし、不明な理由で東進に転じ、目的地をエジプトのポートサイドに変更した。

SBU(ウクライナ保安庁)は、特殊部隊「アルファ」による「多段階作戦」の一環で無人航空機が使用されたと説明した。同部隊は前日、クリミアのベルベク空軍基地に対する無人航空機攻撃も実施した。

SBUはタンカー攻撃の様子を収めたとされる映像を我々に提供した。

映像ではヘキサコプター型ドローンから甲板へ投下される弾薬が確認でき、短距離攻撃を示唆している。おそらく近隣船舶から「爆撃ドローン」が発射されたのだろう。隣国からのドローン発射が可能なのは、標的が沿岸から十数キロメートル以内に位置する場合に限られる。

SBUはタンカーが「致命的な損傷を受け、本来の目的で使用不能となった」と主張している。映像証拠からはタンカー上部構造への損傷が確認できるが、その深刻度は不明だ。

「ロシアは同タンカーを制裁回避に利用し、戦争資金を稼いだ」と同機関は声明で付け加えた。したがって国際法及び戦争法規・慣習の観点から、これは完全に正当な標的である。敵は理解すべきだ――ウクライナは決して手を緩めず、世界中のどこにあろうと攻撃を続けると」

セキュリティ企業ヴァンガードは声明で、この攻撃は「ウクライナがロシアの制裁対象石油輸出ネットワークに関連する海上資産に対し、無人航空システムを著しく拡大して使用していることを示す」と述べた。

EUと英国はQendilを制裁対象としていた。同船は「影の船団」の一部と見なされているためだ。影の船団とは、ロシア(およびイラン、ヴェネズエラ)が偽装工作で制裁の回避に使用する船舶を指す。これには船籍国の変更や複雑な所有権の連鎖が含まれ、ペーパーカンパニーがよく利用される。

この攻撃がプーチン大統領の年次年末記者会見当日に発生したのは偶然ではないかもしれない。会見でプーチン大統領は、ウクライナによる影の船団タンカーへの最近の攻撃にロシアがしかるべき対応をすると述べた。

ウクライナへの全面侵攻開始以来、ロシアは制裁を回避し原油を輸出するために、1000隻以上と推定される影の船団に大きく依存し、必要不可欠な収入を得てきた。

プーチンは本日、ウクライナによる影の船団への攻撃に対し「確実に反撃する」と表明。「結局、期待した結果にはつながらない」と述べ、「供給を妨げることはなく、追加の脅威を生み出すだけだ」と付け加えた。

ウクライナはこれまで、黒海でロシア関連の影のタンカーを標的としたドローン攻撃を実施してきた。

ウクライナは11月下旬から12月上旬にかけて黒海でロシア関連の石油タンカーに対し攻撃を3回実施した。この作戦に対しロシアはシャヘド型ドローンを用いた同種の報復を行っている。

しかし、黒海戦域からこれほど離れた海域でロシア関連船舶に対するウクライナによる初の攻撃が確認されたことは新しい進展だ。イランとイスラエルの間で繰り広げられている秘密の対艦戦争が、この攻撃のモデルとなった可能性が高い。

地中海で短距離ドローンで攻撃を実行できる能力は、欧州海域の他の地域、あるいはそれ以上の海域でも船舶が脅威に晒される可能性があることを示している。さらに将来的には、ウクライナがスターリンク端末を搭載したワンウェイ攻撃ドローン含む、長距離対応システムの使用を開始する可能性もある。

いずれにせよ、今回の進展はロシアの石油輸出を困難にする可能性があるだけでなく、他の商船も増大するリスクを認識し、防護強化策を講じる必要性を意味する。

ケンディルへの攻撃は地中海では初の事例と思われるが、ウクライナによるロシア影の船団に対する作戦が地理的に拡大する可能性は否定できない。■

著者連絡先:thomas@thewarzone.com

トーマス・ニュードック

スタッフライター

トーマスは防衛分野のライター兼編集者であり、軍事航空宇宙分野や紛争に関する取材経験は20年以上である。著書は複数あり、編集手掛けた書籍はさらに多く、世界の主要航空出版物にも多数寄稿している。2020年に『ザ・ウォー・ゾーン』に参加する前は、『エアフォース・マンスリー』の編集長を務めていた。


ハワード・アルトマン

シニアスタッフライター

ハワードは『The War Zone』のシニアスタッフライターであり、『Military Times』の元シニアマネージングエディターである。それ以前は『Tampa Bay Times』のシニアライターとして軍事問題を担当した。ハワードの作品は『Yahoo News』、『RealClearDefense』、『Air Force Times』など様々な出版物に掲載されている。


Ukraine Strikes Russia-Linked Tanker In The Mediterranean With ‘Bomber Drone’

The Ukrainian drone attack on the tanker, part of the Russian shadow fleet, is the first one of its kind outside of the Black Sea.

Thomas Newdick, Howard Altman

Published Dec 19, 2025 12:20 PM EST

https://www.twz.com/news-features/ukraine-strikes-russia-linked-tanker-in-the-mediterranean-with-bomber-drone


2025年12月2日火曜日

2028年までに100万機のドローン購入を目指す米陸軍(TWZ)

米陸軍は2028年までに100万機のドローン購入を目指す(TWZ)日本も大量ドローン運用があたりまえになった現状に早く対応すべきです。まず防御策として基地や原発など重要施設をどう守るかを考えるべきでしょう。

陸軍長官は、陸軍の無人航空システム配備の遅れを脱却させようとしている

The U.S. Army has set a goal of buying one million new drones of all types over the next two to three years.

上級空軍曹 ジョセフ・バルトシェク/米空軍

陸軍は今後2~3年で、新型ドローンを100万機購入する目標を掲げた。これは、同軍上層部が無人航空システムの配備、特に小規模部隊向けの武装型において世界的な潮流に遅れを取っていることを認めたことを受けたものだ。陸軍の計画するドローン大量購入には、長距離片道攻撃型も多数含まれる可能性がある。

ダン・ドリスコル陸軍長官は、ニュージャージー州ピカティニー兵器廠からロイター通信との最近の電話インタビューで、陸軍の新たなドローン調達計画を語った。陸軍はまた、この購入が今後数年にわたり同様に高いペースで無人航空システムを量産できる産業基盤の育成につながることを期待している。

「今後2~3年でドローンを最低100万機購入する見込みだ」とドリスコル長官はロイターに語った。「 そして、1、2 年後には、紛争が発生した瞬間に、必要な数のドローンを製造できるほど堅牢で深みのあるサプライチェーンが稼働可能になるだろう」と述べた。

9 月、ケンタッキー州フォートキャンベルで第 101 空挺師団の隊員たちとともに、陸軍長官のダン・ドリスコルがさまざまなドローンを見学している。米陸軍

ロイターの報道では、この 100 万機のドローンのパッケージの内訳は明らかにされていない。しかし、ドリスコル長官が主に言及していたのは、一人称視点(FPV)の特攻ドローン小型の弾薬を投下するように構成されたドローンなど、兵器化された小型タイプであったことを示唆している。この種の無人航空システムは、ウクライナで続く紛争の両陣営で日常的に使用されており、一般の意識に完全に浸透している。

「ドリスコルとピカティニーの指揮官ジョン・レイム少将は、米国が、前例のない規模でのドローンの投入を特徴とする、ロシアのウクライナ侵攻からどのような教訓を得ているかについてロイター通信に語った」と同通信は報じている。「ウクライナとロシアはそれぞれ年間約400万機のドローンを生産しているが、中国はおそらくその2倍以上の生産能力を持つとドリスコルは述べた」「ドリスコルは、陸軍がドローンを『精巧な装備品』ではなく消耗弾薬のように捉えるよう根本的に変えたいと語った」とロイターの記事は付け加えた。

この後者の点は、国防総省が7月に発表したドローン政策を含む一連の改革の目的とも直接合致する。「米軍のドローン優位性を解き放つ」と称されるこの構想の主眼は、全軍に大量の無人航空システム(特に武装型)を迅速に配備することにある。

とはいえ、陸軍が少なくとも100万機の新規ドローン購入を計画している以上、各種任務を遂行する多種多様な機種が含まれる可能性は十分にある。前述の通り、イラン設計のシャヘド-136に代表される長距離特攻ドローンもこの計画の一環となり得る。ロシアも定期的に同設計の派生型改良型国内生産モデルをウクライナ攻撃に投入している。ウクライナ軍は同等の設計機を配備する動きを見せており、その他多くの片道攻撃型機も導入中だ。

シャヘド-136特攻ドローンの生産工場内部。ロシアメディア

イスラエルの特攻ドローンから影響を受けたシャヘド-136は、この種の無人航空機における世界標準的な存在となりつつある。同様のサイズのデルタ翼設計が、米国や中国を含む世界中で着実に登場している。中国の開発例としては、国営複合企業である北方工業集団公司(NORINCO)の飛龍-300Dがあり、特に低コスト・大量生産を目的としていると報じられている。これまで米国で製造された機体は、主に味方部隊への脅威増大を反映した訓練用補助装置として販売されてきた。

「確かにそうだ」と、ハワイ駐屯の第25歩兵師団長ジェームズ・「ジェイ」・バーソロミーズ少将は、10月の米国陸軍協会(AUSA)年次シンポジウムで、本誌ハワード・アルトマン記者からのシャヘド型ドローンへの関心に関する質問に答えた。「こちらは長距離偵察と長距離発射型攻撃能力において遅れを取っている」

ケンタッキー州フォートノックスに本拠を置き、ポーランドに前方指揮所を置く第5軍団のチャールズ・コスタンザ陸軍中将は、AUSA集会でハワード・アルトマン記者からシャヘド型ドローンの必要性について同様の質問を受け、別個にこう述べた。「我々には必要だ」

コスタンザ中将はまた、陸軍が各階層のドローン配備や、それらが増大する脅威に対抗する能力構築に取り組む現状について率直な評価を示した。「我々は遅れを取っている。率直に言おう。遅れを認識している」と第5軍団司令官は述べた。「我々の動きは十分速くない」

「ロシアのウクライナ侵攻(2022年)と、彼らの革新の仕方、そしてウクライナ側の革新を見て、ようやく我々は迅速に行動する必要に気づいた」と彼は付け加えた。

ウクライナにとって迅速な行動は生死にかかわる問題となり、能力の迅速な反復開発が極めて重要となっている。なぜなら対抗手段も同様に高速で開発されるからだ。

欧州の陸軍部隊は、新兵器ドローンの配備と対ドローンシステムの拡大・加速に向けた現在の取り組みにおいて、まさに最前線に立っている。しかし、こうした活動の一部は、特にウクライナの戦場で日常的に見られる状況と比較すると、依然として時代遅れに見える点で批判を受けている

ドリスコル陸軍長官の 100 万機ドローン計画は、7 月の国防総省の指示に沿った、真のパラダイムシフトに向けた新たな取り組みであることは明らかだ。同時に、特に資金調達、契約プロセス、米国の産業基盤の能力に関して、陸軍が新たな調達目標に少しでも近づけるかどうかについては、大きな疑問が残る。今年初めに発表された政策変更には、契約プロセスの簡素化を目的としたものがいくつか含まれていた。

ちょうど本日、ピート・ヘグセス国防長官は、米軍の調達プロセスに抜本的な変更を加えるさらなる計画を発表した。ここでの目標も、物事をより迅速に進めることを目指して、国防総省が米国の防衛産業基盤と協力する方法を根本的に変えることだ。

「これは産業基盤全体、そして最も重要なのは、現在我々が取引を行っている大手プライム(主要契約業者)に関係する」と、ヘグセスは本日早朝の演説で述べた。「大手防衛プライム企業各社は、スピードと量に焦点を当て、それを実現するために自らの資本を売却するという変化を必要としている」。

本誌 がしばしば指摘しているように、複雑な要件を厳しいスケジュールで満たすためなど、小規模あるいは非伝統的な企業との提携に関し、近年、米軍全体の関心は着実に高まっている。

ロイターによると、「(ドリスコル長官)、大手防衛企業と提携する代わりに、商業用途にも応用できるドローンを製造している企業と協力したいと考えている」と述べた。

「我々はアマゾンの配送や様々な用途でドローンを活用している他社メーカーとの提携を望んでいる」とドリスコルは語った。

今後数年で陸軍が最終的に100万機の新型ドローンを調達できるのか、またその構成は未だ不透明だ。しかしドリスコル長官は、無人航空システムの配備で軍の変革をもたらす可能性のある動きの時計を始動させた。■

著者への連絡先:joe@twz.com

ジョセフ・トレヴィシック

副編集長

ジョセフは2017年初頭から『The War Zone』チームの一員である。それ以前は『War Is Boring』の副編集長を務め、『Small Arms Review』『Small Arms Defense Journal』『ロイター』『We Are the Mighty』『Task & Purpose』など他媒体にも寄稿している。


Army Sets Out To Buy A Million Drones By 2028

The Secretary of the Army is aiming to finally get this service out from behind the curve when it comes to fielding uncrewed aerial systems.

Joseph Trevithick

Published Nov 7, 2025 7:09 PM EST

https://www.twz.com/air/army-sets-out-to-buy-a-million-drones-by-2028


2025年10月20日月曜日

ウクライナとロシア、先進迎撃ドローンの配備を競い、ドローン技術は進展していく(Forbes)―ウクライナ上空で展開しているのはまさしく第一次大戦の空戦の進化をなぞるハード、ソフト両面の進化です

 

ウクライナとロシアが先進迎撃ドローンの配備を競い、ドローン技術は進展していく(Forbes)―ウクライナ上空で展開しているのはまさしく第一次大戦の空戦の進化をなぞるハード、ソフト両面の進化です

Kozytskyi Charity Foundation Delivers UAVs To Ukrainian Armed Forces

ウクライナ、リヴィウ州 - 2月21日:ウクライナ、リヴィウ州で、ベソマル迎撃ドローンの間に立つコジツキー慈善財団のメンバーたち。(写真提供:Mykola Tys/Global Images Ukraine via Getty Images)

Global Images Ukraine via Getty Images

ロシア・ウクライナ戦争の経過とともに、ドローン技術は急速に進歩している。現在のシャヘド(Shahed)やリュティ(Liutyi)ドローンは、紛争初期に使用されたオルラン10(Orlan 10)やバイラクタルTB2(Bayraktar TB2)よりはるかに高度で多機能である。こうした進歩に歩調を合わせ、対ドローン技術も著しい進展を遂げている。特に両陣営は、ドローン運用を妨害する非物理的手段である電子戦システムを数多く開発してきた。しかし現在、敵ドローンを物理的接触で標的化し破壊する迎撃ドローンの開発と配備を両国が競っている。

ドローン迎撃機への需要が高まっている背景には、戦場におけるドローンの数と高度化の進展がある。光ファイバードローンの登場により、従来型の妨害装置の有効性は低下した。これらのシステムは電子戦の影響を受けにくいからだ。ドローンの多数は高度な人工知能処理を組み込んでおり、指令信号が妨害されてもフェイルセーフモードで動作可能だ。同時に、配備されるドローンの膨大な数が、高価で供給量に限りがある従来の防空システムを圧倒し始めている。こうした状況から、手頃な価格で大量生産可能な物理的対ドローン手段の必要性が痛感されている。

新型迎撃ドローンは低コストで軽量

迎撃ドローンの大きな利点は、ロシアとウクライナ双方で急速に拡大するドローン生産能力を活用できる点だ。その結果、1発あたり数十万ドルもする地対空ミサイルに比べ、比較的低コストで生産可能となる。この手頃な価格により、両国とも前線全域に大量配備できる。

Anti-aircraft Unit Uses FPV Drones To Take Down Russian Reconnaissance Devices

ウクライナ・ドネツク州 - 2025年7月18日:コスティャンティニフカ前線付近のドネツク州で、装置を点検する迎撃ドローンのカメラからの眺め。(写真:コスティャンティン・リベロフ/リブコス/ゲッティイメージズ)...

これらのシステムは軽量かつ高い機動性も備えている。多くのモデルはバックパックに収納可能、あるいは手投げで発射できるほど小型化されており、兵士が輸送や展開用の特殊車両を必要とせず、戦場で直接運用できる。これにより、特に兵士が主に徒歩で行動する地域において、前線全域への広範な配備が可能となる。

低コストかつコンパクトな形態でありながら、速度や性能は犠牲にされていない。多くの迎撃機の速度はは敵ドローンを飛行中に追い越せる。近年では高度なコンピュータビジョンと目標認識を可能にする小型AIチップの搭載が進んでおり、発射後は自律的に敵ドローンの識別・追跡・攻撃を行う「発射後放置」方式での運用が可能となる。

ウクライナの迎撃ドローン

ウクライナは2年以上前から一人称視点ドローンを用いてロシア製ドローンを迎撃してきたが、現在ではロシア製シャヘドドローンの集中攻撃に対抗するため、専門の迎撃ドローンを急速に増強している。これらの標的は分散配置されることが多く、防空システムによる十分な防護を欠いている。同時にシャヘドドローンは高度化が進み、ウクライナの妨害対策に対する耐性も高まっている。迎撃ドローンは、巡航ミサイルや極超音速ミサイル対策に高価値防空資産を温存しつつ、シャヘドの脅威を無力化する現実的な手段をウクライナに提供する。この優先順位を反映し、ウラジーミル・ゼレンスキー大統領は8月、ドローンに搭載型AI処理機能を提供するSkyNode Sモジュール3万基の大半を迎撃ドローン開発に振り向けると発表した。

ソーシャルメディアキャプチャ

ウクライナで最も広く報じられている迎撃機の一つが、ワイルドホーネッツ社製のスティングだ。地対空ミサイルの数分の1のコストで、時速300キロ超に達し、既にロシア製シャヘドドローンの数多くの迎撃成功実績がある。もう一つの注目システムは、ドイツ人技術者との共同開発によるタイタンで、自律追跡のAIを統合し、高速ロシア製ドローンの撃墜に最適化されている。

ウクライナは国内でも低コストの固定翼プラットフォームを生産している。例えばテクノ・タラスは1600ドル未満で、高度6000メートル・航続距離35キロを達成する。同様にウクライナの防衛企業ジェネラル・チェリーは1000ドルの迎撃機を開発し、300機以上のロシア製ドローン撃墜の実績がある。さらにウクライナのボランティア団体が開発した「スカイボーン・ルソリズ」ドローンは、400機以上のロシア監視ドローンを撃墜したと報告されている。

ロシアの迎撃ドローンは進化を続けている

ロシアもウクライナの深部ドローン攻撃増加に対応し、小型キネティック迎撃ドローンの開発を強化している。代表的なモデルがヨルカ迎撃システムで、5月9日のモスクワにおける戦勝記念日式典でロシア治安部隊が携行していた。これらのシステムは「発射後放置型」のキネティック装置で、AIを活用して最大1キロメートル離れた小型ドローンを迎撃する。現時点では重要イベントでの使用に限定されているが、複数の新型迎撃ドローンが開発中であり、近い将来配備される見込みだ。

Russian soldier firing a Yolka interceptor drone

2024年9月、ソーシャルメディアに投稿された動画からキャプチャ。ロシア兵がウクライナドローンに向けてヨルカ迎撃ドローンを発射する様子。ソーシャルメディアキャプチャ

「アーキペラゴ2025」展示会では、無人システム技術センター(CBST)が複数の新型モデルを展示。スクヴォレツ防空、キンジャール、ボルト、オヴォド防空、クレスチニクMなどが含まれる。各システムは高速交戦能力を有し、スクヴォレツ防空の速度は約270km/h、キンジャールは最大300km/hに達する。これらのシステムにはAI搭載の目標捕捉機能も組み込まれており、低高度自律迎撃を目的として設計されている。これはロシアのドローン防衛戦略の転換を示すものだ。

ロシアは他にも多数の迎撃ドローンを開発中であり、中には斬新な迎撃手法を採用するものもある。例えばオソエド迎撃機はネット発射機構を用い、時速140キロまでの敵UAVを捕獲する。さらに体当たり式迎撃にも対応した設計で、多様な運動エナジー攻撃手段を提供する。

迎撃ドローンの未来

その他の対ドローン技術と同様に、ドローンと迎撃機との競争は激化の一途をたどる一方だ。双方が生産能力を拡大しているため、技術面だけでなく数量面でも競争が生まれている。効果的な迎撃機をより多く配備できる側が、自軍の部隊やインフラをより効果的に保護できる立場に立つ。同時に、迎撃機より大量のドローン群を展開できる側が攻撃的優位性を維持する。欺瞞技術や探知技術の進歩もこの競争をさらに形作るだろう。双方が相手側のシステムの効果を低下させるべく取り組むからだ。

迎撃ドローンがその潜在能力を最大限に発揮するには、電子戦、指向性エナジーシステム、従来の防空システムなど、対ドローン防衛の他の層と完全に統合される必要がある。この統合により、迎撃ドローンは広範な防衛体系の中で費用対効果が高く柔軟な層として機能し、進化するドローン脅威に対する回復力を確保できる。


Ukraine And Russia Race To Deploy Advanced Interceptor Drones

ByVikram Mittal,Contributor. 

Sep 09, 2025, 02:14pm EDTSep 12, 2025, 10:33am EDT

https://www.forbes.com/sites/vikrammittal/2025/09/09/ukraine-and-russia-race-to-deploy-advanced-interceptor-drones/?ss=aerospace-defense


ヴィクラム・ミッタル、寄稿者。ヴィクラム・ミッタルは航空宇宙・防衛分野を担当する寄稿者です。