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ロシアがバルト海でGPS妨害を露骨に行っている事実にNATOの忍耐力が試されている。国際合意を無視するロシアには相応の報いが下りて当然ではないだろうか。

  A screengrab of reported navigation issues in the airspace over eastern Europe on Jan. 19, 2023. (GPSJam screengrab) ウクライナ戦争は、安価な無人航空機の使用からこれまでにない規模の情報戦まで、現代の戦場における新戦術を前面に押し出した。しかし、同時に最新の電子戦も展開されている。ロシアによる可能性が高い、危険な干渉らしきものについて米大統領による国家宇宙ベース測位ナビゲーション・タイミング国家諮問委員会のメンバー、デイナ・ゴワード Dana Goward が分析した。 公 開されている航空機追跡データベースによると、1カ月以上前から、バルト海沿岸地域を飛行する航空機は、GPS信号への各種干渉を経験している。場合によっては、GPS受信機が電子的に捕捉されたり、航空機が意図したルートから何マイルも外れているように「スプーフィング」されたりしているようだ。 妨害やなりすましは以前からあるが、この地域ではほぼ毎日何らかの妨害が行われており、定期的に広範かつ重大な妨害が行われている。ウクライナ侵攻を支援するNATO諸国への嫌がらせとして、ロシアがこの活動の背後にいることはほぼ間違いないとされてきた。 このような妨害行為は、何千機もの民間航空機に危険を及ぼすものであるが、国際的な圧力は今のところ妨害行為を止めることができないため、NATOは相応の行動をとる時期に来ている。 12月25日と26日、ポーランド北部とスウェーデン南部の広い範囲が影響を受けた。翌週の大晦日には、フィンランド南東部の広い範囲で航空機の乱れが報告された。1月10日、13日、16日にはポーランドの北半分が主な標的となった。19日には、スウェーデン南部とポーランド北部が影響を受けた。直近では1月24日にエストニアとラトビアが標的となった。 いずれの場合も、妨害は民間航空機が搭載する航空安全ADS-Bシステムによって検知され、ウェブサイトGPSJam.orgに表示された。 テキサス大学ラジオナビゲーション研究所の大学院生ザック・クレメンツによるクリスマス妨害の分析。クレメンツ氏はGPSの妨害について研究しており、地球低軌道上の衛星から発生源を突き止めることに関して発表している[PDF]。 イン

歴史に残る機体(35)EA-6プラウラーはグラマン艦載機最後を飾り、文字通り縁の下の力持ちとなった電子支援機材として重宝された。

  歴史に残る機材32 グラマンA-6イントルーダーの系譜は、60年にわたる供用を経て終焉を迎えた E A-6Bプラウラーは、同型機の最後の運用者となった海兵隊が正式に退役させた。米海軍が同機を2015年7月に退役させて、終焉の日はじわじわと近づいていた。プラウラーの退場は、 グラマン のA-6イントルーダー・ファミリーの60年にわたる信じられないほど成功した実績の終わりを意味する。 すべてはYA2F-1に始まり、推力ベクトルノズルと、設計時(1950年代)には高度なコンピュータシステムを備えた、非常に野心的な空母艦載攻撃機だった。同機は1960年に初飛行し、その後A-6イントルーダーへ改良された。同機は、非常に大量の爆弾を搭載し、悪天候や夜間でも超低空飛行で敵地深くまで侵攻する、信じられないほどの攻撃力と正確さを備えた核搭載可能攻撃機であった。A-6は1963年に就役し、10年間ベトナムで戦い、その後、リビア、イラクなどで活躍した グラマンと海軍は、このイントルーダーから、敵防空レーダーを妨害するイントルーダーの電子戦型EA-6Aを短期間で誕生させた。この機体はわずか28機しか製造されず、1963年に初飛行した。しかし、コンセプトは成功し、ベトナムの危険な空で苦労して学んだ教訓も手伝い、4人乗りEA-6Bイントルーダーの再設計につながった。1968年に初飛行、1971年に就役した空母搭載可能な電子戦専用ジェット機である EA-6A prototype., USN EA-6Bは海軍と米海兵隊で48年間にわたり活躍し、その性能と必要性は増す一方だった。1998年に米空軍のEF-111レイヴンが退役すると、EA-6Bはアメリカの空軍力での電子戦支援で唯一の機体となり、同機以外には空軍のEC-130Hコンパス・コールが限られた能力を提供するだけだった。  EA-6A and EA-6B side by side. , USN 時代が進むにつれて、プラウラーの技はより多くなっていった。プラウラーはAGM-88高速対レーダーミサイル(HARM)を発射し防空体制制圧を支援し、ALQ-99ジャミングポッドで電子妨害支援も可能になった。EA-6Bの電子戦装備は、通信システムの妨害にも使用され、プラウラー・コミュニティは、イラクとアフガニスタンのアメリカ軍と同盟軍の地上部隊に恐怖をも

MALDデコイにより米空軍は敵防空網を突破し、強力な攻撃実施を目指す。米軍機電子声紋のみまらず、EW攻撃能力まで付与された最新型二注目

  A DM-160 MALD(ミニチュア空中発射デコイ)は、その名の通り、巡航ミサイルのように航空機から発射される小型装備で、現役の米軍各機のレーダー特徴を模倣する。MALDは敵の地対空ミサイルを破壊できないが、高度な統合防空網を排除するため大きな役割を果たす。 全長9フィート、重量300ポンドのMALDはこの機能SAS音紋補強サブシステムを通じ発揮し、広範囲の周波数で発信するアクティブ・レーダー・エンハンサーを活用し、ミサイル型のMALDを、ステルスの元祖F-117ナイトホークからB-52など大型爆撃機に至るまで各種機種で、防御レーダー・システムを誤動作させる。 MALDの取り組みは1990年代に始まった。湾岸戦争でアメリカがADM-141戦術空中発射デコイ100機以上を連合軍航空機に先駆けイラクに展開し、イラク軍指揮官の目を欺き防空レーダーアレイを作動させることに成功した。敵レーダーが作動すると、連合軍航空機はAGM-88 HARMなど対レーダーミサイルで交戦し、その後の航空作戦のためイラク上空を安全にするのに極めて有効な手段となった。 ADM-141 TALDを発進させるF-14トムキャット (Wikimedia Commons) しかし、1990年代後半にMALDの開発は減速し、システム・コストを低く抑える目標が遠のいた。2002年に空軍はMALDコンセプトを一新する準備をし、3万ドルのADM-160Aを廃棄し、レイセオンのADM-160Bという、大型で性能の高い、単価12万ドルの新型を採用した。 2016年には、ADM-160C MALD-Jが正式に就役し、他の航空機のレーダーリターンを模倣できるオリジナルのSignature Augmentation Subsystemだけでなく、CERBERUSという名称で開発されたモジュール式電子戦能力も組み込まれた。CERBERUSは単一ジャマーではなく、1分以内で交換できる各種電子戦(EW)ペイロードを提供し、戦場の状況に合わせてEW攻撃を行うことができるようになっている。 ADM-160 MALDの能力を示すイメージ図。 言い換えれば、小型で消耗品のMALD-Jは、F-16かB-52で戦場に運ばれ、あらゆる種類の航空機の到来と敵の防空体制に勘違いさせ、早期警戒と標的レーダーアレイを妨害し防衛軍の対応をさらに

これまでのウクライナ戦でわかったロシア軍電子戦の戦術効果について

  TASS ロシアのウクライナに対する電子戦で、これまで判明したことをまとめた。 2 022年2月24日モスクワ時間午前6時過ぎ、ロシア軍12個集団がウクライナ進攻を開始した。ロシア軍の電子戦(EW)装備は、歩兵、装甲、大砲と配備されていた。EWはロシア軍、特に陸軍で重要な役割を担う。「3分の1を攻撃し、3分の1を妨害し、最後の3分の1は崩壊する」というのは、ソ連・ロシア軍のドクトリンから生まれた格言だ。ロシア陸軍は、ロシアの西部、南部、中部、東部の各軍事区に各独立したEW旅団を配備している。また、陸軍の各戦術機動陣には、EW中隊が配置されているとされる。機動小銃・戦車旅団や師団に、最大30ものEW中隊が配備されることもある。 ロシアのEWドクトリン EWは、ロシア軍が敵の指揮統制(C2)、情報・監視・偵察(ISR)能力を打破するために不可欠だ。C2は無線と衛星通信(SATCOM)に依存する。通信を遮断すれば、敵は命令伝達、状況報告の収集ができなくなる。陸軍のEWは、敵対する地上、海軍、空中のレーダーも標的とする。レーダーは目標の探知・追尾というISRの重要な役割を担う。レーダーを破壊すれば、敵のISRデータを奪うことができる。ロシアのEWは、敵対するGNSS(Global Navigation Satellite System)信号もターゲットにする。GNSSの妨害で、米国の全地球測位システム(GPS)のような衛星コンステレーションが送信する位置、航法、タイミング情報を敵から奪う。 軍事利用される民間装備も、ロシアのEWシステムのターゲットになる。民間の携帯電話ネットワークや従来の通信手段がここに含まれる。ネットワークが妨害されたり、部隊や民間人の携帯電話に送られる偽の、あるいは戦意を喪失させるテキストメッセージの通信路として利用されることもある。ロシア軍の EW能力が、情報戦を広く展開するため不可欠であるのは明らかである。EW妨害信号は、サイバー攻撃も可能である。妨害信号は通信やレーダーを妨害するのではなく、悪質なコードを送ることができる。この場合、敵の無線機が受信し、ネットワーク感染で、敵のC2ネットワークに入り込む可能性がある。 ロシア軍EW中隊は、前線全体で最大50キロメートル(31マイル)の範囲で戦術的なEWの提供を期待される。一方、EW旅団は、数百キ

3月8日EA-6Bが米軍供用を終了、半世紀近く活躍した同機の豆知識

5 fun facts about the EA-6B to say goodbye to the Marine Corps' Prowlers 米海兵隊で退役するEA-6Bの豆知識5点 Blake Stilwell, We Are The Mighty https://www.businessinsider.com/facts-about-the-ea-6b-to-say-goodbye-to-the-marine-corps-prowlers-2019-3 カタールのアルユデイド航空基地に展開したEA-6Bプラウラー。 September 12, 2018. US Air Force/Tech. Sgt. Ted Nichols 2019年3月を持って海兵隊はEA-6Bプラウラー最後の飛行隊を解隊する。 これによりプラウラーの米軍供用に幕が下りる。戦術電子妨害機として1971年に供用開始し、現役機材では最長期間を飛んだが2019年3月8日がいよいよ最後となる。 後継機種はF-35共用打撃戦闘機でF/A-18ホーネットやAV-8Bハリヤーと同じ構図だ。 1. ホーチミンからISISまで相手に戦った 海兵隊のEA-6Bが空中給油を終え離脱していくイラク上空June 28, 2018. US Air Force/Staff Sgt. Keith James 最初に投入されたのは1972年の東南アジアでプラウラーは空軍、海軍、海兵隊の各機材と70回に渡る事態で260千時間を飛んだ。 2. 欠点のない勝利の実績 海兵戦術電子戦飛行隊2の9機がカタールのアルウデイド基地に揃ったAugust 16, 2018. US Army/Spc. Jose Diaz 一機も敵の手で喪失していない。北ヴィエトナム、リビア、イラク、イラン、タリバン、パナマと敵は数多かったがアメリカを守った170機のプラウラーを落とせなかった。 ただし事故等で50機を喪失しているのは残念だ。 3. 敵レーダー妨害が仕事 Wikimedia commons 敵レーダーをどう妨害するのか。無線信号を使えなくし、標的照準を不可能にする。 プラウラーはテロ掃討世界戦争で完璧な装備となり携帯電話通話を