ラベル #ISR の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル #ISR の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2026年7月21日火曜日

ロッキードのSR-72ブラックバードの息子がいまだに飛行していないのはなぜ?

 SR-72 Darkstar

SR-72 ダークスター。画像提供:クリエイティブ・コモンズ。

ロッキード・マーティンのSR-72「ブラックバードの息子」は運命が尽きつつある。マッハ6に達することはないだろう

The Lockheed Martin SR-72 ‘Son of Blackbird’ Will Never Hit Mach 6 As It Looks Doomed

実証機が2025年までに飛行しているはずだったが、写真もリーク情報も、公式な発表すらない。ロッキードの「ブラックバードの息子」をめぐるこの沈黙が意味することはなにか――そして核心にあるエンジン問題について。

https://www.19fortyfive.com/2026/07/the-lockheed-martin-sr-72-son-of-blackbird-will-never-hit-mach-6-as-it-looks-doomed/

2013年にロッキード・マーティンがSR-72のコンセプトを発表した際、ロードマップでは2030年までに運用開始されると示唆されていた。そのマイルストーンとして、実証機が初めて公に議論された2017年や、システムが試験される2020年代初頭などが挙げられていた。さらに2025年までには実証機が飛行し、2030年までに運用開始される予定だった。

当初のスケジュールで2025年の実証が示唆されていたにもかかわらず、飛行写真の流出や公式な発表がないことは、SR-72プログラムの大幅遅延と技術的なハードルを浮き彫りにしている。

したがって、仮にこのプログラムが運用開始に近づいているとしても、いずれの目標が達成された兆候は一切ない。これはSR-72のような極秘システムであっても、異例のことだ。

エンジンの問題?

新しいタービンベース複合サイクル(TBCC)システムを開発する課題は、このプロジェクトの技術的な難しさを浮き彫りにしており、そこに注がれた工学的な努力には敬意を抱かざるを得ない。

つまり、SR-72は離陸時には通常のタービンエンジンを使用するということだ。しかし、一旦飛行状態に入ると、システムはラムジェットへ、さらにスクラムジェットへ移行する――その間ずっとマッハ5まで加速し続け、さらにその先へと進むのだ!

これは航空機(軍用機であっても)にとって、通常の移行プロセスではない。

そして、この新システムを円滑に機能させるためには、空軍は新エンジンを開発するだけでなく、そのエンジンが確実に動作すること、そしてシステム全体が信頼性を持つことを一貫して実証する必要がある。

「ブラックバード後継機」を開発しているロッキード・マーティンは、TBCCを同機の主要システムとして特定している。このエンジンがなければ、SR-72は機能しない。

しかし、通常のタービンエンジンからラムジェット、そしてスクラムジェットへと移行させることは、極めて困難な作業なのだ。

戦闘機にこれを搭載するには膨大な試験と時間を要するため、このエンジンには重大な問題が生じる可能性が高い。

そして、そうした問題が、SR-72が直面しているとされる遅延の原因となっているのかもしれない。

極超音速技術は人々の予想以上に困難なものとなっている

SR-72は、米軍の関心がますます高まる分野、すなわち極超音速技術の一環である。これは、ロシアや中国、さらにはイランまでもが(ミサイルの分野において)すでに習得している技術である。

一方、米国は極超音速兵器の開発に苦戦している。

そして、もし米国が極超音速兵器の開発で苦戦しているのであれば、本質的に極超音速機であるSR-72も同様に困難に直面している可能性が高い。

米国が開発に苦戦してきた他の極超音速システムを見れば明らかだ。

ARRW、HAWC、HACMなどのシステムは、いずれも開発の遅延、設計変更、あるいは中止に直面してきた。

マッハ6のミサイルを製造することさえ困難であることが判明している。それなのに、空軍は再利用可能なマッハ6航空機を求めている。このシステムがまだ実用化されていないのは、筆者の見解では、複雑さが度を越しているからである。

考えてみてほしい。華氏2,000度を超える温度にさらされるのだ。その速度と熱の下では、航空機は「熱膨張」と呼ばれる現象に見舞われる。

さらに、飛行中にエンジンの強力な吸気口を制御する必要もある。その間、極超音速で飛行する際に機体の周囲に形成されるプラズマシールドによって引き起こされる、極超音速兵器特有の通信遮断(5分間の恐怖)にも耐えなければならない。さらに、燃料の冷却問題や、繰り返される極超音速飛行による構造的疲労という根本的な問題もある。

したがって、現在の需要を満たすことさえ困難であり、ましてや需要の増加に対応できないという米国防衛産業基盤の全体的な危機を考慮すれば、SR-72の当初のスケジュールは大幅に遅れている可能性が高いと考えられている。

近いうちに初飛行を果たせたとしても、この先進的な機体がどれほど複雑(かつ高価)であるかを考慮すれば、量産は多大な労力と時間を要するプロセスになる。

SR-72の任務は変化した可能性がある

さらに、SR-72で当初設計された任務自体が変化したという問題もある。2013年当時、米国は圧倒的な制空権を享受しており、比較的制約の少ない環境に頼ることができた。

SR-72が開発された当時の前提は、衛星は脆弱で、ステルス性は次第に効果を失いつつあり、速度こそがすべてであるというものだった。

しかし今日、空軍には、より安価な機密ステルスドローン、高高度無人機、普及した衛星コンステレーション、AIを活用したセンサー融合など、情報・監視・偵察(ISR)の選択肢が多数ある。

中国上空で10億ドルの極超音速機を危険にさらすより、指揮官たちは数十機の衛星やステルスドローンを打ち上げることを選ぶかもしれない。つまり、SR-72の当初の事業計画は、10年前に見えたほどには説得力がないということだ。

まとめ

防衛産業基盤が抱える根本的な問題、米国が超音速兵器の開発全般において直面してきた複雑な課題、そして戦争の性質の変化を考慮すれば、同機がまだ飛行していないのは、エンジンが当初想定されていたより問題を抱えているためである可能性が高い。

空軍が試作機の存在を認めておらず、マッハ6デモ機が定期的に飛行していることを示唆するリーク情報も一切ないことから、開発遅れが生じている可能性が高いことは明らかだ。

SR-72は、事実上、飛行に至っていない構想に過ぎない。そして、その構想は当初のスケジュールから大きく遅れている。

こうした複雑な事情により、「ブラックバードの息子」は永遠に実現しない可能性さえある。■

著者について:ブランドン・J・ワイチャート

ブランドン・J・ワイチャートは、19FortyFive.comのシニア国家安全保障編集長である。また、Substack上の『The Weichert Brief』の運営も担当している。ワイチャートは、Rumbleで『National Security Talk』のホストも務めている。著書には4冊のベストセラー国家安全保障関連書籍があり、最新作は『A Disaster of Our Own Making: How the West Lost Ukraine』(エンカウンター・ブックス)である。Twitter/Xで@WeTheBrandonをフォローしよう。


2026年5月27日水曜日

新型ISR機材「ULTRA」高高度長時間滞空ドローンを米空軍が中東に投入する

 

The U.S. Air Force plans to send a new version of the glider-like Unmanned Long-endurance Tactical Reconnaissance Aircraft (ULTRA) drone with a turbocharged engine to the Middle East for an operational evaluation.2024年の過去の運用評価の際、アラブ首長国連邦のアル・ダフラ空軍基地に前線配備されていたULTRAドローン。米空軍

米空軍の新型ターボチャージャー搭載「ULTRA」監視ドローンが中東へ

グライダー形状の「ULTRA」が提供する長時間監視能力は、特にイランとの戦闘でMQ-9が損失を被っている状況下で高い需要を生む

空軍は、ターボチャージャー付きエンジンを搭載した、グライダーのような新型無人長距離戦術偵察機(ULTRA)ドローンを中東に派遣し、運用評価を行う。同機ULTRA Turboは、従来機より高速かつ高高度での飛行が可能でありながら、数日間空中に留まることができる。

DZYNE Technologiesが開発したULTRAドローンの初期モデルは、2024年に中東で運用評価を少なくとも1回実施している。空軍研究本部(AFRL)が主導するULTRAプログラムは、航空情報・監視・偵察(ISR)の継続的カバーを比較的低コストで実現する方法を模索するため、近年追求してきた取り組みの一つだ。特に中東におけるこの追加能力の重要性は、イランへの最近の活発な戦闘作戦現在進行中のイラン港湾封鎖によって、さらに強調されている。この能力は、広大な太平洋全域での作戦を含め、他地域でも有用なものとなるだろう。

ULTRAドローンのストック写真。DZYNE Technologies

空軍の2027会計年度予算要求には、ULTRAプログラムに関する新たな運用評価計画やその他の計画の詳細が含まれている。4月、DZYNEは、AFRL(空軍研究実験室)に追加のULTRA Turboを供給する新たな契約を獲得したと発表した。

空軍の予算文書によると、「2026会計年度の資金は、CENTCOM(米中央軍)の責任区域(AOR)におけるOCONUS OA(米本土外での運用評価)を支援するもので、ULTRAシステム開発における次の段階(運用試験および評価)である」としている。「この評価は、2026会計年度のOCONUS OAから開始される。2027会計年度の予算は、OAを継続するとともに、ユーザーの要件を満たすために必要な能力向上に充てられる。」

空軍の予算文書によると、同軍のULTRAドローンはいわゆる「マルチINT」構成を採用しているが、これ以上の詳細は明記されていない。この用語は一般的に、電気光学式、赤外線、またはハイパースペクトルカメラ合成開口画像および地上移動目標指示モードを備えたレーダー、および/または信号情報(SIGINT)スイートなどを含む、複数のセンサーの組み合わせを指す。ULTRAドローンは、少なくとも機体下部にセンサータレットを装備した状態で、かねてから確認されている。

2024年、アラブ首長国連邦のアル・ダフラ空軍基地で撮影されたULTRAドローン。センサータレットが確認できる。USAF

予算文書には、この新型ドローンが4気筒ピストン航空機エンジンであるRotax 916を搭載していることも記載されている。Rotax 916は、多くの民間超軽量機に加え、イスラエルのElbit製Hermes 900など、軍事用途向けドローンにも採用されている。

「このエンジンは、高度25,000フィート以上での出力と運用能力を解き放ち、ULTRAの任務遂行の柔軟性を高め、悪天候下での耐性を向上させます」と、DZYNEは初飛行を発表したプレスリリースで述べている

2月、DZYNEは、ULTRA Turboが「高度25,000フィート、真対気速度(KTAS)100ノットで60時間の飛行を達成し、実戦的な任務を遂行する飛行を完了した」と発表した。

執筆時点で、同社のウェブサイトによると、ベースモデルのULTRAは70時間以上飛行可能で、高度25,000フィート、最大速度96ノットまで飛行でき、450ポンドのペイロードを搭載できる。ULTRA Turboは、航続時間(最大60時間以上とされている)を多少犠牲にする代わりに、速度と運用高度(120ノット、最大30,000フィート)で向上を図っている。

飛行中のULTRAドローン。DZYNE Technologies

速度の向上により、非常に離れた指定運用エリアへの往復にかかる時間が短縮される。これにより、現場での滞空時間も延長できる可能性がある。

特に滑空機のような設計の場合、高い高度で飛行できることは、燃料効率の面でメリットをもたらす。また、センサーの有効視野も広がり、例えば斜め飛行パターンを用いて、安全な距離からターゲットエリアの奥深くを観察する際にも有効だ。DYZNEが過去のプレスリリースで指摘しているように、より高い飛行高度で運用できることは、悪天候を回避する上でも利点となる。

DYZNEでは市販のスポーツグライダーを基本設計とするULTRAシリーズについて、導入および運用コストが比較的安価と説明しているが、正確な単価や飛行時間当たりのコストは不明。また、同型ドローンは展開時の占有面積も小さいとされる。空軍は現在、2027会計年度においてULTRAプログラム全体の開発を継続するため1,657万ドルの予算を要求している。

2024年の運用評価に関する現時点での情報からは、新型ターボチャージャー付きエンジンを搭載する以前でも、ULTRA設計がどのような能力を提供していたかについて、より現実的な見通しが得られる。これには、ドローンがアラブ首長国連邦のアル・ダフラ空軍基地から数千マイル離れたアフガニスタンへ出撃し、再び帰還する任務が含まれていたようだ。当時、空軍はこれらの任務にMQ-9リーパーも使用していたが、ペルシャ湾からアラビア海、パキスタンを経由して移動した後、現場に留まれる時間は限られていた。

赤でマークされたアル・ダフラ空軍基地と、北東にあるアフガニスタンとの距離を概観できる地図。Google Maps

余談だが、低空飛行するMQ-9は、2024年の「ULTRA」作戦評価以降でも、中東における米軍の空中ISR(情報・監視・偵察)体制で重要な要素であり続けている。先週の公聴会で、空軍参謀総長のケネス・ウィルスバック大将は、数十機の損失が報告されているにもかかわらず、イランとの最近の紛争においてリーパーが「おそらく最も価値のある戦力」であったと述べた。MQ-9による監視能力への継続的な需要、そして同時にこれらのドローンの脆弱性が高まっていることは、イエメンでフーシ派武装勢力を標的とした作戦の際にも指摘されていた。

前述の通り、イランに対する活発な戦闘作戦や同国港湾への継続的な封鎖は、持続的なISR監視能力に対する米軍の膨大な需要を浮き彫りにするに過ぎない。4月、本誌は、ギリシャにおいて一般に(非公式ながら)RQ-180、あるいはその派生型と呼ばれる、極めてステルス性が高く、超長航続時間、超高高度のISRドローンの出現という文脈において、こうした需要を詳細に検証した。RQ-180および関連設計は、言うまでもなく、ULTRAファミリーと全く異なるクラスに属する。

ただし、RQ-180のような極めて高度な資産を必要としない環境において、持続的なISRカバレッジを提供するため空軍や米軍の他の軍種が近年取り組んできたのはULTRAだけではない。成層圏での運用を想定したドローンや気球も、中東や太平洋地域およびその周辺での使用を含め、主要な関心領域だ。これらは高高度通信ノードとして利用可能であり、さらにはドローンや兵器を含む小型ペイロードの打ち上げにも活用できる可能性がある。

ULTRAに関する継続的な取り組みは、空軍がMQ-9の後継機候補を再検討している時期と重なっている。これまで空軍が公に提示してきた要件(最大航続距離932マイル、20時間の滞空時間など)は、ULTRAやULTRA Turboより航続距離が短い設計を示唆している。また、空軍はリーパー後継機では低コストかつ量産性を重視しており、高リスクな環境下でもより多くの機体を柔軟に投入できるようにしたいと考えている。これにより、能力の組み合わせを拡大し、ULTRAドローン部隊が参入できる運用上の余地が生まれる可能性がある。

USAF

全体として、ULTRAプログラムは依然として小規模ではあるものの、規模と範囲は拡大中で、同ドローンは新型のターボチャージャー付きエンジンを搭載して中東へ戻りつつある。■

ジョセフ・トレヴィシック

副編集長

ジョセフは2017年初頭から『The War Zone』チームの一員である。それ以前は『War Is Boring』の副編集長を務め、その署名記事は『Small Arms Review』、『Small Arms Defense Journal』、『Reuters』、『We Are the Mighty』、『Task & Purpose』など、他の出版物にも掲載されている。


USAF’s New Turbocharged ULTRA Surveillance Drones Are Heading To The Middle East

The persistent surveillance capabilities the glider-like ULTRA offers are in high demand, especially amid MQ-9 losses in fighting with Iran.

Joseph Trevithick

Published May 25, 2026 1:28 PM EDT

https://www.twz.com/news-features/usafs-new-turbocharged-ultra-surveillance-drones-are-heading-to-the-middle-east



2026年5月14日木曜日

E-7レーダー機への姿勢を180度転換する国防総省とヘグセス長官はイラン戦でのE-3喪失が大きな契機となったのだろう

 


The Pentagon says it is working to amend its proposed Fiscal Year 2027 budget to request new funding for the E-7 Wedgetail airborne early warning and control aircraft.

米空軍/ジョン・リンズマイヤー上等兵

E-7レーダー機への姿勢を180度転換する国防総省とヘグセス長官はイラン戦でのE-3喪失が大きな契機となったのだろう

イランの攻撃でただでさえ稀少なE-3の1機失われたことを受け、減少・老朽化が進む空軍のE-3に代わるE-7の必要性は、かつてないほど切実なものとなってきた

TWZ

ジョセフ・トレヴィシック

2026年5月12日 午後6時22分(米国東部夏時間)公開

防総省は、米空軍の老朽化したE-3セントリーに代わるE-7ウェッジテイル空中早期警戒管制機の新規資金を要求するため、2027会計年度予算案の修正に取り組んでいる。当初案ではE-7への予算要求は一切含まれていなかったため、同プログラムの将来を巡り議会と新たな対立が生じる可能性が懸念されていた。議員らは今年初め、ウェッジテイル廃止に向けた以前の試みを覆すために介入してきた。以前は中止を強く主張していたピート・ヘグセス長官は、同省の「考え」が根本的に変わったと述べている。

オクラホマ州選出の共和党トム・コール下院議員は、本日早朝に行われた下院歳出委員会の公聴会で、ヘグセス長官に対しE-7に関する最新情報を求めた。同委員会の委員長であるコールは質問の中で、3月にサウジアラビアのプリンス・スルタン空軍基地がイランによる攻撃を受けた際、空軍の現有E-3機(空中早期警戒管制機(AWACS)としても知られる)の1機が失われた事実にも言及した。これにより、「ウェッジテイル」計画への注目が新たに高まっている。本誌が以前詳細に報じた通り、イランとの今回の紛争は、老朽化が進み、機数も減少しているE-3機への深刻な負担をさらに増大させる結果となった。

「具体的な質問をさせてほしい。これについては後で回答してもらっても構わないが、以前、交わしていた議論がある――E-3を1機失った件だ。幸いにも地上での事故だった。乗員の死傷者はいないようだ」とコール下院議員は前置きし、質問を切り出した。「当委員会はE-7への投資に関心を寄せてきた。国防総省は追加5機分の契約を締結したが、[2027会計年度の]空軍予算には計上されていない。これについては是正されるのだろうか?E-7に関する検討は現在どの段階にあるのか?」

4月時点で、空軍はボーイングに対し、E-7開発機計7機に関する契約を授与していた。ウェッジテイルの各バージョンは、すでにオーストラリア、韓国、トルコで運用中だ。英国も同機を配備する予定だ。しかし、米国専用の仕様が現在開発中である。

米空軍向けE-7ウェッジテイルのレンダリング画像。USAF

「その状況については十分承知しています。当省としては、将来的には他の衛星ISR(情報・監視・偵察能力)が、大きな役割を担うことになるだろうという立場をとっていたことは承知しています」と、ヘグセ長官はコール議員の質問に答えて述べた。「しかし、その考え方は、我々がすでに脱却した『売却して投資する』という思考様式、つまり緊縮財政的な考え方、つまり継続決議を次々と重ねていく姿勢を象徴していたと思います。つまり、我々は[原文ママ]、これらのプラットフォームに投資するため、既存のプラットフォームを処分しなければならなかったのです。そして、埋めるべき空白が依然として存在したままです。また、現在戦場で使用されているシステム、例えばMQ-9やA-10など、挙げればきりがないほどですが、それらに依然として資金が必要です。」

「そして、E-7もその一つです」とヘグセスは続けた。「そこで、我々は実際にそれを追加するため、OMB[ホワイトハウスの行政管理予算局]に予算修正案を提出した。この機体には将来性があると思う。戦場での役割がある。その点についても、今後さらに情報を提供していくつもりだ。」

ここで言及されている継続決議とは、議会が年間予算案を可決できない場合に、短期的な連邦政府の歳出措置のことで都度承認されてきた。

ヘグセス長官はまた、公的には変更されていない空軍の長期計画についても言及した。その計画とは、空中移動目標指示装置(AMTI)の任務のすべてではないにせよ、大部分を最終的に軌道上に移行させるというものだ。本日の長官発言は、E-7プログラムを中止すれば、近い将来に深刻な能力の空白が生じるリスクが生まれることを暗に認めるものであり、将来的には良い解決策が得られることを期待している。これは本誌が昨年以来警鐘を鳴らし続けてきた点である。巨額の投資やすでに進行中の試作活動にもかかわらず、宇宙ベースの能力が現実のものとなるには、早くても数年はかかる。E-3の一部をE-7で置き換えるという空軍の当初の計画は、空中早期警戒機が今後数年間も引き続き重要な役割を果たすという期待を裏付けていた。

E-3の後継機として、E-7ははるかに近代的で高性能な航空機である。「ウェッジテイル」は、現時点で世界随一の空中下視センサープラットフォームであり、長距離特攻ドローンや巡航ミサイルの探知において特に有用である。ボーイング737をベースとした同機は、戦闘指揮や、機載の広範な通信・データ共有システムを活用したネットワークノード機能など、他の任務要件にも適応可能だ。本誌は3月、オーストラリアがイランの攻撃から湾岸アラブ諸国を防衛するため、E-7の1機を中東に派遣すると発表した際にその意義を強調していた

ヘグセス長官が本日述べた国防総省の考え方の変化に関するコメントは、長官や部下の専門家が昨年提起した「E-7は脆弱すぎて将来の紛争では実用性に欠ける」という主張に触れていない。これは、空軍のウェッジテイルが存在しない状況下で空中早期警戒能力のギャップを埋めるため、米海軍が現在運用中のE-2Dアドバンスト・ホークアイの追加導入を伴う計画があったにもかかわらずのことである。本誌や他のメディアは、E-2Dでも生存性の問題が当てはまると即座に指摘していた。

以前、同機の計画中止を主張したヘグセス長官らは、空軍のウェッジテイル計画が2022年に開始されて以来直面してきたコスト超過や遅延も根拠に挙げていた。

議会は少なくとも2026会計年度において、E-7を「煉獄」から救うため介入し、同計画に10億ドル以上の新規資金を計上した。現在空軍が発注している7機のウェッジテイルのうち、5機は今年3月に契約が締結されたばかりである。同軍は以前、試作機の迅速な開発を支援するため、さらに2機を発注していた。それでもなお、空軍はE-7計画の将来について、曖昧な態度を取り続けていた。

「我々は当然ながら、議会の指示に従い、[E-7]の迅速な試作機開発を行うつもりだ。また、それらの迅速な試作機開発には資金を投入する」と、トロイ・メインク空軍長官は、2月に開催された空軍・宇宙軍協会(AFA)の年次ウォーフェア・シンポジウムの合間に開かれた円卓会議で、本誌やその他の報道機関に語った。「議会からは追加機に関する計画を提出するよう求められていた。それを実行するつもりだ。」

「ちなみに、『計画を提出する』ということは、予算に組み込むという意味ではない」 と、メインク長官は当時こうも述べていた。「それを実現するために何が必要かという計画を提示し、その後、彼ら[議会]と協議を行うつもりだ。」

少なくとも当初は、この通りとなった。先月、空軍が2027会計年度の予算案を全面的に公表した際、E-7は再びその対象から外されていたのである。

オーストラリア空軍のE-7Aウェッジテイル。RAAF

「空軍省は、E-7の資金を確保するため[20]27年度予算案をどのように調整すべきか、皆様と協力して検討し、その後、[20]28年度以降の予算策定に取り組むことを約束します」と、マインク長官は最近行われた別の公聴会で述べた。『Air & Space Forces Magazine』誌がこれを伝えていた。

国防総省がE-7への姿勢を完全に転換したと表明しているにもかかわらず、空軍がいつから同機を実戦配備し始めるかは依然不透明なままだ。当初の目標は2027年にウェッジテイルを実戦任務に投入することだったが、昨年初め時点でスケジュールが2032年へとずれ込んでいた。現在は再開されているものの、この計画は事実上凍結されており、スケジュールはさらに遅れていた可能性も十分にあった。また、同機の調達と配備を加速させるための措置が講じられる可能性もある。

その間、近年すでに劇的なまで縮小中のE-3フリートは、運用要件を満たすのに苦戦し続けているイランとの最新の紛争により、AWACSへの需要は急増中だ。イランの攻撃により3月にこの貴重な航空機を1機喪失した空軍は、これまでにイランとの戦闘で失われた各種航空機の代替を検討していると述べているが、これには退役ずみお「セントリー」を保管状態から再整備し投入することが含まれるかは不明だ。その場合長期かつ多額の費用を要するプロセスとなるが、代替となるE-3の現実的な供給源は他にない。E-3の最終機は1990年代初頭に納入された

現状では、国防総省と空軍は、切実に必要とされる新型E-7の配備を進めることへの反対姿勢を完全に撤回したようだ。■


ジョセフ・トレヴィシック

副編集長

ジョセフは2017年初頭から『The War Zone』チームの一員である。それ以前は『War Is Boring』の副編集長を務め、その署名記事は『Small Arms Review』、『Small Arms Defense Journal』、『Reuters』、『We Are the Mighty』、『Task & Purpose』など、他の出版物にも掲載されている。


Pentagon’s Mindset On E-7 Radar Aircraft It Tried To Axe Has Completely Changed: Hegseth

E-7s to replace the Air Force's dwindling and aging fleet of E-3s are even more sorely needed now after one of the latter was lost to an Iranian attack.

Joseph Trevithick

Published May 12, 2026 6:22 PM EDT

https://www.twz.com/air/pentagons-mindset-on-e-7-radar-aircraft-it-tried-to-axe-has-completely-changed-hegseth



2026年3月23日月曜日

ギリシアのラリッサ基地に突如着陸した謎のUASの正体

 

解説 機密扱いの無人航空機(UAS)に関する伝承に「ラリッサの淑女」が新たな詳細を加える


Aviation Week

スティーブ・トリムブル、ガイ・ノリス

 2026年3月19日


concept image of the rq-180 flying above clouds米空軍は、2013年に『エイビエーション・ウィーク』誌がノースロップ・グラマンの「RQ-180」と特定した航空機の存在を依然として認めていないが、同機は謎の航空機の候補の一つに過ぎない。

クレジット:ロニー・オルストホーン(AW&ST向けコンセプト)


3月18日、ギリシャのラリッサ空軍基地付近で低空飛行中の正体不明の全翼型無人航空機(UAS)が写真および動画に収められ、長年機密扱いとなっていた軍用機プログラムの成果を、高解像度で捉える稀有な機会となった。


ネット上のコメント投稿者たちは、このギリシャ上空に侵入した機体を「ラリッサの淑女」と名付けた。これは、2009年に「カンダハールの野獣」としてデビューしたロッキード・マーティン社製RQ-170への、優雅なオマージュかもしれない。


地元メディア「OnLarissa」が公開した新たな画像には、W字型の主翼後縁を持つ黒塗りの機体が写っているほか、以下の特徴を持つUASの構成が明らかになっている。


• 比較的深い中央胴体。これは、十分な大きさのペイロードベイを収容できると思われる。

• 荷重率の高い翼型、外縁部が長く細くなっている。これは、大きな空力弾性変形に対応できる主翼の特徴だ。

• 単輪式の主脚と、突出した前輪脚。

• 機体の後方および下方から見た際にエンジン排気ノズルが確認できない。これは、ステルス性を高めるためノズルが後部上部デッキに配置されていることを示唆している。

• ある角度では、機体中央付近に排気口の存在が示唆されている。


機密扱いの航空機を特定することは常にリスクを伴うが、最近ではそのリスクがさらに高まっている。米空軍は、2013年に本誌がノースロップ・グラマン社の「RQ-180」と特定した機体の存在を依然として認めていないが、これは候補の一つに過ぎない。2013年の米情報機関のリークにより、機密扱いのイスラエル製RA-1無人航空機(UAS)の存在も明らかになったが、その後出回っている写真や動画によると、これは同様の構成を持つ全翼機であったことが判明している。

新たな機体画像で際立つ特徴は、暗色の機体だ。これまでの本誌報道や一般による目撃情報では、RQ-180(内部では「シカカ」または「グレート・ホワイト・バット」とも呼ばれる)は、柔らかな白色ミッション塗装を施されているとされていた。対照的に、RA-1とされる写真には、黒塗装の機体が写っていた。

こうした表面的な類似点があるにもかかわらず、『エイビエーション・ウィーク』による新たな画像の分析では、「レディ・オブ・ラリッサ」こそが、ノースロップ社の依然として機密扱いされているUASである可能性が高いとの結論に至った。

第一に、白から黒への塗装変更は、たとえ「シカカ」という愛称が通用しなくなっても、些細な変更に過ぎない。第二に、外側の翼部が延長されている点は、RA-1ではなく、ノースロップ機の以前の画像とより一致している。第三に、本誌が以前報じたように、「RQ-180」には武器ベイが装備されている可能性が高く、これは「ラリッサの淑女」の構成に見られる深い内部ベイとも一致する。

そして最後に、米空軍による兵站物資の移動も、ラリッサでの活動がイスラエル以外の起源であることを示唆している。

航空機追跡筋によると、2月25日と3月9日に、米空軍のC-17輸送機2機がカリフォーニア州エドワーズ空軍基地からラリッサ基地へ向けて異例の飛行を行った。2月の飛行はカナダのガンダーおよびドイツのラムシュタイン空軍基地を経由してギリシャへ向かったが、最近の飛行もガンダーを経由し、ドイツのシュパンダレム空軍基地に立ち寄るルートをとっている。さらに重要な点として、2月25日には、より大型のロッキードC-5M(「RQ-180」を一体で輸送できる能力を持つと見られる)も、最初のC-17と同行して、オクラホマ州ティンカー空軍基地からシュパンダレムを経由してラリッサへ飛行した。

カリフォーニア州のビール空軍基地に所属する第74偵察飛行隊が運用を担当しているにもかかわらず、同州のエドワーズ空軍基地からの作戦関与は重要である。同基地は「RQ-180」機群の主要基地と見なされているためだ。本誌が最初に報じたように、RQ-180の試験および開発は、2014年2月にネバダ州エリア51のグルーム・レイクで5号機の初飛行が行われた後、同年からエドワーズで進められていると考えられている。

それから4年後、さらなる評価と運用準備試験を経て、2018年4月、ネバダ州ネリス空軍基地に拠点を置く第53航空団傘下の空軍戦闘コマンド所属部隊である第417試験評価飛行隊が編成された。表向きはノースロップB-21爆撃機の試験準備に関連していた第417飛行隊だが、その後、新型爆撃機の試験任務が第420試験評価飛行隊に割り当てられた際、同飛行隊は「RQ-180」の担当として特定された。■

スティーブ・トリムブル

Eメール:steve.trimble@aviationweek.com

スティーブは、ワシントンD.C.を拠点とするAviation Week Networkで、軍用航空、ミサイル、宇宙分野を担当している。

ガイ・ノリス

Eメール:guy.norris@aviationweek.com

ガイは『Aviation Week』のシニアエディターであり、技術および推進システムを担当している。コロラドスプリングスを拠点としている。


Debrief: ‘Lady of Larissa’ Adds Details To Classified UAS Lore

Steve Trimble Guy Norris March 19, 2026

https://aviationweek.com/defense/aircraft-propulsion/debrief-lady-larissa-adds-details-classified-uas-lore