2026年5月25日月曜日

オーストラリアはAUKUS原子力潜水艦取得で現実の壁に直面している(要約)

 

以下は19fortyfiveの記事 The AUKUS Submarine Deal Is Based on Math That Won’t Ever Work を要約してお伝えするものです。


AUKUS潜水艦協定の実現は困難だ

米・英・豪3カ国による安全保障枠組み「AUKUS」に基づき、オーストラリアへ原子力潜水艦を配備する計画は、潜水艦建造能力という高い壁に直面し、事実上破綻しかけている。

1. 米国の深刻な建造能力不足 計画の根幹は、インド太平洋地域での中国の台頭を抑え込むため、広大な海域をカバーできる原子力潜水艦をオーストラリアに提供することにある。しかし、現在の米国の造船インフラは自国海軍の必要数を満たすことすらできていない。米海軍高官も、目標とする年間2隻のヴァージニア級潜水艦を安定して建造できるようになるのは「2030年代に入ってから」と認めており、当初の予定通りにオーストラリアへ潜水艦を引き渡すことは極めて困難な状況だ。

2. 「非現実的な建造ペース」 AUKUSの計画を予定通り進めるには、造船所が年間「2.3隻」という極めて高いペースで原子力潜水艦を製造し続ける必要がある。しかし、労働力不足や複雑なサプライチェーン、メンテナンスの遅れといった問題を抱える現在の防衛産業にとって、この数字は到底達成不可能な「机上の空論(実現不可能な数学)」だ。

3. 揺らぐ同盟への信頼と中国の優位性 状況改善の目処が立たないことから、米議会ではオーストラリアへの潜水艦の「売却・譲渡」ではなく、米軍の潜水艦をオーストラリアの港に一時的に派遣(ローテーション展開)するだけに留める代替案すら議論されている状だ。本来は中国に対抗するための協定であったにもかかわらず、皮肉にも西側諸国の製造業の衰退と、中国側の圧倒的な工業力が浮き彫りになる形となっている。

結論

抜本的な産業の建て直し(造船能力の劇的な拡大)が起きない限り、オーストラリアが約束通りの時期に十分な隻数の潜水艦を手に入れることは不可能だ。西側同盟が「大国間の競争」を持続できるだけの工業力を持っているかというテストにおいて、AUKUS計画は非常に厳しい現実に直面している。■


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