2026年5月9日土曜日

カナダはF-35導入で政治的に逡巡するのを見てSaabがグリペンを営業中。二機種フリートが非効率であることは自明の理。一方でカナダはGCAPにオブザーバー参加中。

 

カナダはF-35の購入予定88機を、16機のみ購入とし、14機を保留中。サーブは主権維持でグリペンを提案中

2021年10月28日、テキサス州サンアントニオ・ケリー・フィールド合同基地にて、F-35ライトニングII一時配備(TDY)作戦に先立ち、アリゾナ州ルーク空軍基地第62戦闘飛行隊所属のF-35ライトニングIIが駐機している。第62戦闘飛行隊は、第149戦闘航空団および第301戦闘航空団のF-16、ならびに第301戦闘航空団のT-38と共に訓練を行う予定だ。F-35の多用途能力により、従来は専用機多数を必要としていた任務を遂行することが可能となる。F-35が持つ空優能力は、我が軍の空優戦力を強化し、将来の戦場において引き続き「制空権を掌握」することを確実にするものである。(米空軍写真:ブライアン・G・ローズ)

ナダは2023年、CF-18の代替としてロッキード・マーティンF-35Aステルス戦闘機88機の購入を約束したが、現在では16機のみ確約しており、長期調達部品の支払いで14機の購入権を確保している。マーク・カーニー首相率いる政権は、価格高騰や米国との関係悪化を背景に、同プログラムの見直し期限の設定を拒否している。一方、スウェーデンのサーブは、モントリオールの安全なデータセンターを中核とし、カナダ国内で1万2000人の雇用を創出し、5年以内に初号機を納入する「グリペンE」を代替案に提案している。また、オタワは英国・イタリア・日本による第6世代戦闘機プログラム「GCAP」にオブザーバー参加している。これは、カナダが米国軍事インフラへの依存そのものを再考していることを示すシグナルだ。

カナダのF-35導入計画は大幅に停滞している

カナダの戦闘機見直しはまだ終わっていないが、当初契約していた戦闘機部品の代金は支払われている。2023年に発表された当初の計画では、カナダは老朽化したCF-18を置き換えるため、ロッキード・マーティン製F-35A戦闘機88機を購入する予定だった。昨年、自由党のマーク・カーニー首相は、価格高騰は言うまでもなく、ワシントンとの関係悪化を受けて、同機の購入を見直すと述べた。

Army Recognitionによると、カナダはすでに16機のF-35の購入を確約しており、さらに14機分の長期調達部品に対する支払いを開始している。これらの支払いが必ずしも残りの機体に対する最終発注を意味するわけではないが、ロッキード・マーティンの極めて競争率の高い生産順序において、カナダの地位を維持していることは間違いない。オタワ政府は、納期を逃せば納入枠が他の購入者に割り当て直される可能性があることを認識している。

政権が検討が未決であると主張し、最終決定の期限設定を拒否していることを考えると、オタワの立場は微妙だ。それにもかかわらず、F-35の選択肢を開いたままにしておくために、依然として資金を投じている。

問題は、F-35が優れた航空機であるかどうかという単純なものではない(確かにそう見えるが)。最初の競争では、ステルス性、センサー、米国やNATO同盟国との相互運用性といった軍事的特性において、F-35はサーブのJAS 39グリペンEよりはるかに高い評価を得た。

F-35でカナダは主権を維持できるか?

それでもなお、カナダ当局はコスト、産業面での利益、主権、そして南隣の国への過度な依存に伴うリスクで再考を迫られている。そこが、サーブにとって有利な好機であると見なされている点だ。

CBCニュースによると、サーブ社はJAS39グリペンの提案の一環として、モントリオールにセキュアなデータセンターを設立する提案をした。同社によれば、同施設には任務に不可欠なデータ、ソフトウェア、技術情報がカナダ国内に保管され、セキュリティクリアランスを取得したカナダ人スタッフが配置されるという。

JAS 39JAS 39。画像提供:クリエイティブ・コモンズ。

F-35の物流およびデータシステムがロッキード・マーティンや米国発の技術と密接に結びついていることを踏まえ、サーブは自社の戦闘機がF-35より主権を保持できるとアピールしようとしているのは明らかだ。

ロッキード・マーティンは、カナダをはじめとするF-35の顧客が十分な主権的統制を欠いているとの主張に反論している。同社は、顧客が自国の要件に従って航空機を運用・維持するために必要なインフラとデータを提供していると述べている。それでも、ワシントンとの緊張が高まるにつれ、この懸念はカナダ国内で政治的な影響力を増している。

グリペンの売り込み

サーブは産業面でのメリットもアピールしている。同社は、現地の生産および維持管理業務を提案し、それによりカナダ国内で1万2,000人以上の雇用を支えることができるとしている。AeroTimeによると、サーブのミカエル・ヨハンソンCEOは、カナダの既存の航空宇宙産業基盤を利点として挙げ、同国が5年以内に最初のグリペンを受け取ることができると主張している。

ロッキード・マーティンは独自の経済的論点で対抗している。同社は、すでに110社以上のカナダ企業がF-35のサプライチェーンに貢献しており、1機あたり320万カナダドル相当のカナダ製部品が使用され、2058年までに155億カナダドルの産業価値が見込まれると述べている。

F-35への道筋は?

4月、L3ハリス傘下のMASとロッキード・マーティンが、ケベック州ミラベルにF-35の整備拠点(サステインメント・デポ)を設立する計画を発表したことで、F-35陣営は大きな後押しを受けた。『ディフェンス・ポスト』紙は、この施設がカナダ国内のF-35機群の整備を支援すると報じたが、CTVニュースは、MASが将来的には他国のF-35機も整備できることを期待していると伝えた。このプロジェクトは、F-35を放棄することなく、カナダの主権に関する懸念に応える手段として提示されている。

混成フリートの選択肢は有力な可能性として残っている。その計画では、カナダはすでに資金が確保されているか、一部が保護されている最初の16~30機のF-35を受け入れ、不足分をグリペンで補うことになるだろう。

このアプローチにはコストが伴う。2型式のフリートは、2つの訓練体制、2つの整備システム、そしてより複雑な後方支援体制を意味する。また、ワシントン側は、F-35からの離脱がNORAD(北米航空宇宙防衛司令部)の取り決めを複雑にする可能性があると警告している。

カナダはこれら2機種の先も見据えている。フィナンシャル・タイムズ紙によると、オタワは英国・イタリア・日本による第6世代戦闘機計画「グローバル・コンバット・エア・プログラム(GCAP)」へのオブザーバー参加を固めている。つまり、カナダはCF-18の後継機を検討しているだけでなく、米国の軍事インフラへの依存でも真剣に見直している可能性がある。

オタワは、F-35の生産枠を失わないよう資金を拠出し続け、サーブの「主権重視」提案を検討し、ケベック州での国内維持活動を支援し、将来的な非米国製戦闘機プログラムの模索を進めている。■

ジョージア・ギルホリーは、英国を拠点とするジャーナリストで、『ニューズウィーク』、『タイムズ・オブ・イスラエル』、『スペクテイター』などに寄稿している。ギルホリーは国際政治、文化、教育について執筆している。Xで彼女をフォローできる: @llggeorgia


Canada Was Going to Buy 88 F-35s — Today It’s Only Committed to 16 and Hedging on 14 More as Saab Pitches the Gripen Alternative


By

Georgia Gilholy

https://www.19fortyfive.com/2026/05/canada-was-going-to-buy-88-f-35s-today-its-only-committed-to-16-and-hedging-on-14-more-as-saab-pitches-the-gripen-alternative/



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