オハイオ級SSGN潜水艦。米海軍提供の画像をBanana Nanoで補正。
トマホーク巡航ミサイル2,080本の発射能力が消滅すると米軍の攻撃能力が大幅に低下する。米海軍はオハイオ級SSGNの運用継続に奔走中
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アイザック・サイツ
米海軍のオハイオ級SSGN誘導ミサイル潜水艦1隻は最大154発のトマホーク巡航ミサイルを搭載している。各オハイオ級SSGNには22基のミサイル発射管があり、各発射管には7発のトマホーク巡航ミサイルを収容できる。米海軍は4隻のオハイオ級SSGN誘導ミサイル潜水艦を運用している。タィコンデロガ級巡洋艦を含め、すべてが退役すると米海軍が容易に補充できない、膨大な数のトマホークミサイルの発射能力の喪失を意味する。
トマホークミサイル危機:米海軍に解決策がない
オハイオ級SSGNは、トマホーク巡航ミサイルを搭載するために改修された。オハイオ級の巨大なサイズゆえに、大量の巡航ミサイルを搭載することができ、米海軍内で独自の役割を担っている。
残念ながら、SSGNは老朽化と維持費の高騰により退役が予定されている。問題は、海軍が現在こ後継艦を準備できていないことであり、これは海軍の巡航ミサイル発射能力の相当な部分を失うことを意味する。
オハイオ級SSGNの独自の能力
オハイオ級SSGNは、米国海軍が最も強力な通常戦力プラットフォームである。
各艦には22基のミサイル発射管が装備されており、各発射管には7発のトマホーク巡航ミサイルを搭載できるため、1隻あたりの総搭載能力は最大154発に達する。
4隻の潜水艦全体で計算すると、展開可能なトマホークミサイルは616発となり、これは世界のどのクラスの潜水艦にもない火力の集中である。
この膨大な搭載量により、SSGNは多種多様な目標に対して大規模かつ協調的な攻撃を仕掛けることができる。紛争の初期段階で、1隻の潜水艦が数十発、あるいは100発を超える精密誘導ミサイルを連続発射することで、敵の防空網を圧倒することができる。
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同級潜水艦の退役とタイコンデロガ級巡洋艦の退役を合わせると、米海軍は2,080基のVLSトマホーク発射管を失うことになり、火力の大幅な低下を意味する。
潜水艦は水中で活動し、長期間にわたり隠密状態を維持できるため、水上艦や航空機では容易に実現できない生存性と奇襲性を備えている。
ミサイル発射能力に加え、同級潜水艦は特殊作戦部隊の支援も行っている。ネイビーシールズ隊員と装備を収容し、特殊システムを用いて秘密裏に展開させることができる。
こうした攻撃能力と特殊作戦支援の組み合わせにより、SSGNは単なる攻撃能力を超えた汎用性を備えている。
海軍がSSGNを退役させる理由
優れた能力にもかかわらず、オハイオ級SSGNは運用寿命の終盤に差し掛かっている。
退役の最大の要因は老朽化である。これらの潜水艦はもともと1980年代初頭に建造されたものであり、今後数年以内に退役すると40年以上を経過することになる。
時間の経過とともに、船体の構造部品、搭載システム、そして最も重要な原子炉は、修復や寿命の無期限延長が不可能な摩耗を被っている。
老朽化と密接に関連しているのが、増大する整備負担である。
潜水艦が老朽化するにつれ、大規模かつ時間のかかる整備期間が必要となっている。造船所での作業は長期化し複雑化しており、各潜水艦が展開できる時間が短くなり、総コストが増加している。この傾向により、特に新しい艦艇が同じ整備・建造リソースを争っている状況下では、就役期間の延長を正当化することが困難になっている。
重要な能力が失われる
海軍には各艦を退役させる正当な理由があるものの、艦隊は容易に代替できない重要な能力を失うことになる。
最も差し迫った影響は、ミサイル発射セル多数が失われることである。各潜水艦は最大154発のトマホークを搭載しており、これらをまとめて退役させることで、艦隊から616発分の発射能力が失われる。
これらの潜水艦は現在、海軍の対潜攻撃能力の相当な部分を占めており、その撤去は利用可能な火力に顕著な減少をもたらす。
SSGNが火力を集中させる方式を考慮すれば、この損失は特に重大である。事実、米海軍艦隊において、単一のプラットフォームからこれほど大量のミサイルを発射できる能力を持つ潜水艦は他にない。
該当する潜水艦が退役した後、海軍は一度に150発以上のトマホークミサイルを発射できるプラットフォームを失う。これにより、特に圧倒的な戦力が決定的となる紛争初期に大規模かつ迅速な攻撃作戦を実施する能力が低下する。
ヴァージニア級で代替できるのか?
この損失を補うため海軍は、ヴァージニア級攻撃型潜水艦、特にヴァージニア・ペイロード・モジュールを装備したブロックV型に期待している。これらの潜水艦は旧型より大幅に多くのミサイルを搭載可能で、総搭載数は1隻あたり約40発のトマホークに達する。だがそれでもオハイオ級SSGNの搭載能力には遠く及ばない。
SSGN 1隻の火力を補うには、ヴァージニア級潜水艦3隻が共同行動する必要があるが、実際の戦場状況下でこれを調整するのは、後方支援の面で悪夢のような事態となるだろう。
ヴァージニア級は十分な能力を備えているものの、オハイオ級の退役によって失われる火力を十分に補うことはできない。
もう一つ重要な問題はタイミングだ。SSGNは、その能力を完全に代替できるだけのヴァージニア級潜水艦が配備される前に退役することになる。
これにより、海軍の攻撃能力に一時的な空白が生じ、その期間は数年、場合によっては2030年代まで続く可能性がある。
この期間中、海軍は大規模かつステルス性の高いミサイル攻撃を行う選択肢が限られることになり、抑止力と作戦計画の両方に影響を及ぼす恐れがある。
一部の推計によると、その他潜水艦の改良を考慮したとしても、SSGN退役により能力は約60%低下する可能性がある。
海軍も、重要な能力を早すぎる時期に失うリスクを認識しているようだ。当初2026年に退役する予定だったUSSオハイオ(SSGN-726)とミシガン(SSGN-727)は、後継艦の準備が整うまで、現役を続ける可能性がある。■
著者について:アイザック・サイツ
アイザック・サイツ(防衛コラムニスト)は、パトリック・ヘンリー大学の戦略情報・国家安全保障プログラムを卒業した。また、ミドルベリー語学学校でロシア語を学び、民間企業で情報アナリストとして勤務した経験を持つ。
2,080 Tomahawk Cruise Missiles Will Soon Vanish, and U.S. Navy Is Scrambling to Keep Its Ohio-Class Submarines Alive
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