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2021年1月29日金曜日

第6世代戦闘機はもう飛んでいる。早期実現させたデジタルエンジニアリングは装備品開発のパラダイムシフトを引き起こす....デジタル化を進めたローパー博士の強い信念。

 アメリカはデジタル設計で新型装備品をかつてないスピードで完成させている。

https://www.reutersconnect.com/all?id=tag%3Areuters.com%2C2020%3Anewsml_RC2DUG9YN9MU&share=true

 

世代第6世代戦闘機が飛行開始している。一体どうやってこんなに早く機体が完成したのだろうか。

 

また新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)が予想より早く供用開始できるのはなぜか。更にペンタゴンは新型の次世代迎撃ミサイル(NGI)を2020年代末に運用開始する計画だ。驚くべき早さの進展はすべてデジタルエンジニアリングの成果だ。

 

加速するデジタルエンジニアリング技術ではコンピュータシミュレーションと高性能アルゴリズムを駆使し実物と性能仕様を複製する。

 

政権交代で空軍を去る直前に調達トップのウィリアム・ローパーはデジタルエンジニアリングの「三位一体」に触れ、大規模装備開発でどんな違いが現れているか説明してくれた。例として第6世代ステルス戦闘機や新型陸上配備戦略抑止手段をあげた。デジタルエンジニアリング技術は正確かつ効果が高く、技術陣兵装開発部門は現物を使わず、あるいはテスト用試作モデルの政策に何年も費やさずに選択肢を逐一検討できる。

 

 

ローパーは「デジタル三位一体」について「新しいデジタル調達の実際』と題した文章でソフトウェア開発、コンピュータモデリング、共通技術標準の3つで構成すると解説している。

 

「『デジタル三位一体』のデジタルエンジニアリングおよび管理、アジャイルソフトウェア、オープンアーキテクチャがこれからやってくる次の大きなパラダイムシフトだ。単に優秀な装備を実現するのではなく、より良いシステムを構築する。これまでより早い設計、一気通貫の製造、アップグレードを簡単に行う。早くして悪いことはなにもない」

 

コンピュータモデリングで細部に至る評価を行い、実戦の各種状況を想定し、各種条件を変えつつ装備品の設計を検討できるというのは驚くべきことだ。

 

「デジタルエンジニアリングにより、利用者はデータの出どころを一つに絞ってアクセスできます。究極の透明性が開発中システムに生まれるわけです。NGIの例では開発工程が早まり、問題点やリスクをすばやく早くできました」とレイセオン・ミサイル&ディフェンスのメリッサ・モリソン−エリス部長がNational Interestに語っていた。

 

GBSDの開発元ノースロップ・グラマンはレイセオンと共同でNGIをミサイル防衛庁(MDA)に提示し、デジタルエンジニアリングを多用し、新型ICBMの製造、試験、改良に成功し、NGIでも同じ方法を採用した。

 

「MDAからは産業界にはミサイルは現実になってこそ意味がある、技術の裏付けの取れた性能を実現してほしいとの要望が伝えられました。エンジニアリングソフトウェアを使い、デザインサイクルを加速しました」とノースロップ・グラマン副社長(NGI担当)のテリー・フィーハンも述べている。

 

「デジタル調達でデジタルライフサイクルが実体のライフサイクル並になると、はるかに現実に近くなってくる。eシステムを構築し、『プリント』して検討する日が来るだろう」(ローパー)

 

この戦略が重要となる例は新型迎撃ミサイルNGIで、MDAが開発企業二社に契約交付すれば、数週間で次の段階に入れる。MDAは増大する新世代ICBMの迎撃性能の実現を急いでおり、この意味は重大だ。敵陣営は核兵器運搬手段を単に数の上で増強するにとどまらず、ミサイル誘導方式を大改良し、信頼性、標的捕捉能力、おとり装備の導入、対抗手段の採用で迎撃ミサイルを無効にしてくるはずで、NGIは大きな課題をかかえている。■

 

この記事は以下を再構成したものです。

 

How America's New Sixth-Generation Stealth Fighter Was Born

January 28, 2021  Topic: Security  Region: Americas  Blog Brand: The Buzz  Tags: MilitaryNGIGBSDICBMU.S. MilitaryStealth

by Kris Osborn

 

Kris Osborn is the defense editor for the National Interest. Osborn previously served at the Pentagon as a Highly Qualified Expert with the Office of the Assistant Secretary of the Army—Acquisition, Logistics & Technology. Osborn has also worked as an anchor and on-air military specialist at national TV networks. He has appeared as a guest military expert on Fox News, MSNBC, The Military Channel, and The History Channel. He also has a Masters Degree in Comparative Literature from Columbia University.

 


2018年2月1日木曜日

★見えてきたF-22改修の内容。2045年まで(以降も)最強の戦闘機とするために米空軍が考えていること。

The Air Force Has a Plan to Guarantee the F-22 Dominates the Skies Until 2045 (Or Longer) 

米空軍はF-22を2045年(以降も)空の支配者とすべく改修策を実行する





January 31, 2018


空軍は「アジャイルソフトウェア開発」をF-22ラプターに応用して新型センサー、レーダー、エイビオニクス、高性能兵器等の迅速導入を図る。
ラプターアジャイル性能実現事業Raptor Agile Capability Release (RACR)と呼ぶこの搭載戦略は空軍長官ヘザー・ウィルソン自らが率いて新型ハードウェアソフトウェア改修を迅速に実現し、F-22の優位性を維持するのが目的だ。
F-22では新ソフトウェア3.2B改修に向かっており、戦闘攻撃能力の引き上げを狙い、「AIM-120D及びAIM-9Xの搭載で戦力を向上させる」と空軍広報官エミリー・グラボウスキ大尉 Capt. Emily Grabowskiが語る。
空軍は新装備を3.2B改修テストで試射しておりエグリン、ネリス、ヒル、ティンダルの各空軍基地で評価作業中だ。
空具開発部門は具体的な脅威対象を実名であげていないが、もちろんロシアの防空体制の向上、ロシアと中国の第五世代戦闘機開発が念頭にある。
「迅速に進めてラプターが将来遭遇するであろう脅威に対抗できるようにします。契約形態を変えてリスクを受け入れた形で空軍が求める優先事項に対応していきます。性能は漸増させていきます」とロッキードでF-22を担当するケン・マーチャントKen Merchant副社長は語る。
グラボウスキ大尉はテスト評価段階は今年夏に完了すると述べている。
「新ソフトウェア、ハードウェアを兵装システムに統合する挑戦では大掛かりなテストが必要です。コードも50万行を超え、ハードウェアをサポートして初めて航空機に投入できるのです」(グラボウスキ)
3.2BでF-22はAIM-120DおよびAIM-9X空対空ミサイル運用が可能となり、同時に対地標的照準技術が向上する。現時点のF-22が搭載するのはAIM-9Xブロック1でソフトウェア改修でAIM-9Xブロック2運用が可能となる。
レイセオンのAIM-9X開発陣によればブロック2で信管が再設計されデジタル点火安全装置が付くことで地上での取扱いとともに飛行中の安全が高まる。ブロック2では電子装置も改良され発射後のルックオン機能でデータリンクで視程外交戦も可能となると同社は説明。
AIM-120Dの発射も可能となる。これは視程外運用可能な高性能中距離空対空ミサイル(AMRAAM)で全天候昼夜問わず発射できる「打ちっぱなし」ミサイルでアクティブレーダー誘導方式だとレイセオン資料でわかる。
AIM-120Dは従来のAMRAAMより射程が伸び、GPS誘導、慣性測距装置、双方向データリンクが付くとこれもレイセオン資料が説明している。
マーチャントはアジャイルソフトウェアアプローチはF-22の「最初に探知し、最初に発射し、最初に撃墜する」技術の維持が目的と述べた。
新型システムや技術が利用可能になった段階で順次導入していけばこれまでのような多年度開発と異なり、「オープンアーキテクチャア」戦略の中核部分になると空軍、ロッキード双方の開発部門が強調している。開発部門もコンピュータコードの追加で迅速さが求められているとマーチャントは述べる。「新ソフトウェアは直ちに機体に投入されアジャイルな民生ソフトウェア環境に応用されます」
流れの加速化で2024年予定のF-22中間改修の道が開く。80年代90年代製のポンプ、バルブ、機体を近代化し適正に機能するようにするのが目的だ。
すべてはF-22が2045年さらにその後も優勢でいられるようにするためだ。
さらにF-22と他機種との相互運用性を引き上げる重要な役割がアジャイルソフトウェア改修に期待される。LINK16データリンクでF-22から標的情報を無線を使わずに他機種に送ることが中心だとマーチャント、ブラボウスキ両名が語る。
「こちらの暗号が破られれば交信内容が傍受されます。LINK 16送信なら音声を使わずに情報共有ができます」(マーチャント)F-22に TACLink 16が搭載されればF-22からF-35、 F-16、 F-15等への送受信が可能となるとグラボウスキは説明。
F-22は2005年に作戦投入可能となり、多用途戦闘機としてステルス性能を生かしてレーダー探知を逃れマッハ2飛行を「スーパークルーズ」で実現する。スーパークルーズはアフターバーナーなしで実現する超音速飛行で、F-22のエンジン推力と機体空力特性あっての性能だ。

F-22はプラット&ホイットニーF119-PW-100ターボファンエンジン双発でアフターバーナーも備える。全翼幅44フィートで最大離陸重量は83千ポンド超。■