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第6世代戦闘機はもう飛んでいる。早期実現させたデジタルエンジニアリングは装備品開発のパラダイムシフトを引き起こす....デジタル化を進めたローパー博士の強い信念。

 アメリカはデジタル設計で新型装備品をかつてないスピードで完成させている。

https://www.reutersconnect.com/all?id=tag%3Areuters.com%2C2020%3Anewsml_RC2DUG9YN9MU&share=true

 

世代第6世代戦闘機が飛行開始している。一体どうやってこんなに早く機体が完成したのだろうか。

 

また新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)が予想より早く供用開始できるのはなぜか。更にペンタゴンは新型の次世代迎撃ミサイル(NGI)を2020年代末に運用開始する計画だ。驚くべき早さの進展はすべてデジタルエンジニアリングの成果だ。

 

加速するデジタルエンジニアリング技術ではコンピュータシミュレーションと高性能アルゴリズムを駆使し実物と性能仕様を複製する。

 

政権交代で空軍を去る直前に調達トップのウィリアム・ローパーはデジタルエンジニアリングの「三位一体」に触れ、大規模装備開発でどんな違いが現れているか説明してくれた。例として第6世代ステルス戦闘機や新型陸上配備戦略抑止手段をあげた。デジタルエンジニアリング技術は正確かつ効果が高く、技術陣兵装開発部門は現物を使わず、あるいはテスト用試作モデルの政策に何年も費やさずに選択肢を逐一検討できる。

 

 

ローパーは「デジタル三位一体」について「新しいデジタル調達の実際』と題した文章でソフトウェア開発、コンピュータモデリング、共通技術標準の3つで構成すると解説している。

 

「『デジタル三位一体』のデジタルエンジニアリングおよび管理、アジャイルソフトウェア、オープンアーキテクチャがこれからやってくる次の大きなパラダイムシフトだ。単に優秀な装備を実現するのではなく、より良いシステムを構築する。これまでより早い設計、一気通貫の製造、アップグレードを簡単に行う。早くして悪いことはなにもない」

 

コンピュータモデリングで細部に至る評価を行い、実戦の各種状況を想定し、各種条件を変えつつ装備品の設計を検討できるというのは驚くべきことだ。

 

「デジタルエンジニアリングにより、利用者はデータの出どころを一つに絞ってアクセスできます。究極の透明性が開発中システムに生まれるわけです。NGIの例では開発工程が早まり、問題点やリスクをすばやく早くできました」とレイセオン・ミサイル&ディフェンスのメリッサ・モリソン−エリス部長がNational Interestに語っていた。

 

GBSDの開発元ノースロップ・グラマンはレイセオンと共同でNGIをミサイル防衛庁(MDA)に提示し、デジタルエンジニアリングを多用し、新型ICBMの製造、試験、改良に成功し、NGIでも同じ方法を採用した。

 

「MDAからは産業界にはミサイルは現実になってこそ意味がある、技術の裏付けの取れた性能を実現してほしいとの要望が伝えられました。エンジニアリングソフトウェアを使い、デザインサイクルを加速しました」とノースロップ・グラマン副社長(NGI担当)のテリー・フィーハンも述べている。

 

「デジタル調達でデジタルライフサイクルが実体のライフサイクル並になると、はるかに現実に近くなってくる。eシステムを構築し、『プリント』して検討する日が来るだろう」(ローパー)

 

この戦略が重要となる例は新型迎撃ミサイルNGIで、MDAが開発企業二社に契約交付すれば、数週間で次の段階に入れる。MDAは増大する新世代ICBMの迎撃性能の実現を急いでおり、この意味は重大だ。敵陣営は核兵器運搬手段を単に数の上で増強するにとどまらず、ミサイル誘導方式を大改良し、信頼性、標的捕捉能力、おとり装備の導入、対抗手段の採用で迎撃ミサイルを無効にしてくるはずで、NGIは大きな課題をかかえている。■

 

この記事は以下を再構成したものです。

 

How America's New Sixth-Generation Stealth Fighter Was Born

January 28, 2021  Topic: Security  Region: Americas  Blog Brand: The Buzz  Tags: MilitaryNGIGBSDICBMU.S. MilitaryStealth

by Kris Osborn

 

Kris Osborn is the defense editor for the National Interest. Osborn previously served at the Pentagon as a Highly Qualified Expert with the Office of the Assistant Secretary of the Army—Acquisition, Logistics & Technology. Osborn has also worked as an anchor and on-air military specialist at national TV networks. He has appeared as a guest military expert on Fox News, MSNBC, The Military Channel, and The History Channel. He also has a Masters Degree in Comparative Literature from Columbia University.

 


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