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1月20日大統領就任式典を前に展開された首都上空の防空訓練ファイティングヴァーゴとは

 


資料写真 D.C.州軍航空隊のF-16Cがセスナ182をエスコートしている。アーマゲドン20-4の実機飛行演習が行われたテネシー州で2019年11月21日に撮影。(Air National Guard photo by Senior Master Sgt. Craig Clapper)

 

「ファルコンヴァーゴ」演習はワシントンD.Cの空域管制・制御を目的に繰り返し実施されている。


「ファルコンヴァーゴ」演習が米首都上空で1月14-15日展開され、1月25-26日にも実施される。北米防空司令部NORAD発表では「通常の防空演習」とあるが、この演習は「制限空域進入、ハイジャック、未確認航空機対応など各種シナリオを展開する。他のNORAD演習同様に慎重に立案され、緊密な統制のもと実施する」とある。

演習には米陸軍のセスナUC-35A双発機、米海軍のキングエア300、沿岸警備隊MH-65Dドルフィンヘリコプター、民間航空パトロール隊のセスナ182小型機の他、空軍のF-16ファイティングファルコン戦闘機を動員する。関係者によれば戦闘機が高度2,500フィートまで降下し、地上からも視認できる場合もあるという。

ファルコンヴァーゴ演習は繰り返し実施し、ノーブルイーグル演習を支援する形となる。ノーブルイーグル演習では「カナダ、米国上空の空域の監視統制を重視する」とある。NORAD広報資料では「同演習はNORADの通常訓練の一環」とある。

NORADの防空演習ファルコンヴァーゴに参加したDC州軍航空隊のF-16機

 

今回の演習が関心を呼ぶ理由がある。各種航空機が本土の安全を支援するべく動員されることもそのひとつだ。2001年9月11日以前に米国東部を舞台とした統合防空演習が関心を集めることは皆無といってもよかたった。沿岸警備隊機材も本土防衛ほか国境警備の支援にあたることも興味深い。

民間航空パトロール隊のセスナ182T軽飛行機が加わることから空域警備の実施訓練に加えSMI(低速移動機への対応)訓練も想定しているのだろう。

2019年11月18日-22日に実施された先回の演習「アーマゲドン20-4」はテネシー州ノックスビル近郊のマギータイソン空港を舞台に民間航空パトロール隊の軽飛行機を応答なく制限空域へ侵入する機体に見立てた。この際はF-16ファイティングファルコンが首都地区州軍の113航空団から発進し、警戒確認・エスコート飛行を民間航空パトロールのセスナ182Tを対象に実施した。■


この記事は以下を再構成したものです。


NORAD Conducts Planned “Falcon Virgo” Air Defense Exercise Over Washington D.C. Area.

January 14, 2021 Military Aviation

TOM DEMERLY


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