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2024年12月12日木曜日

アサドの敗北はロシアにとってウォータールーとなりプーチンの敗北につながるのか?(Defense One)

 Six days after Russia's Dec. 1 airstrikes on rebel positions in Idlib, Syria, protestors demonstrated in front of the Russian embassy in London, UK.

ロシアが12月1日にシリアのイドリブの反体制派陣地を空爆してから6日後、英国ロンドンのロシア大使館前でデモを行う抗議者たち。 マーク・ケリソン/イン・ピクチャーズ via Getty Images




2024年にロシアが台頭するというシナリオは、事実というよりもフィクションのように見えてきた


リアのアサド政権は、ウクライナにおけるモスクワの絶望的な努力の犠牲となった。同政権の崩壊は、ロシアは台頭し、ウクライナは破滅し、ウラジーミル・プーチンが戦略的首謀者とする物語を損なう戦略的・作戦的打撃である。

 ロシア軍は少なくとも2015年後半からアサドのために戦ってきた。モスクワは1950年代から軍事援助で支援してきた一族政権に味方しシリア内戦に介入することを決定した。プーチンは旧ソ連国外にあるロシア唯一の軍事基地があるタルトゥス港へのアクセスを維持しようとした。 

 内戦中、ロシアの直接的な軍事関与は、シリア政権の敵対勢力への空爆が中心だった。モスクワはまた、機甲部隊、防空部隊、歩兵部隊を荒れ果てた国に派遣したが、そのほとんどは空軍資産の保護にとどまった。 より重要だったのは、ワグナー・グループのようなロシアの民間軍事会社に雇われた数千人の武装集団の派遣だった。彼らはシリア部隊とともに突撃作戦を実施し、2010年代後半のアサドの成功に貢献した。

 ロシアが2022年2月に本格的なウクライナ侵攻を開始した数カ月後、モスクワは正規軍と民間傭兵の一部をシリアから北方1000マイルの予想外に困難な戦争にシフトさせ始めた。プーチンは、ウクライナの抵抗勢力を制圧するのに役立つ低リスクの行動と考えたのかもしれない。

 しかし、それがアサドの運命を決定づけた。 ここ数週間、シリアの反乱が加速するにつれ、ロシアは政権を支援するために傭兵の一部を送り返したと報じられている。 しかし遅すぎた。

 ロシアにとっての軍事的影響は劇的だ。タルトゥス海軍基地の喪失は、この地域におけるロシア軍事力を激減させるだろう。同基地には一握りの軍艦しか駐留していなかったが、ロシアは2017年以来、艦艇の修理、補給、整備を行う施設の能力を増強していた。軍艦が母港から遠く離れた場所で長期間活動できるようにすることで、ロシアは艦載巡航ミサイルと防空を通してNATOの地中海支配に挑戦し、さらには北アフリカとアフリカの角全域に影響力を拡大する態勢を整えた。

 戦略的な影響はさらに広範囲に及ぶ可能性が高い。モスクワと西側諸国との戦略的競争において、今年支配的だったのはロシアの台頭だった。その中心は、ウクライナの戦場におけるロシアのゆっくりとした、しかし着実な成長である。 

 クレムリンは漸進的な前進のため毎月何万人もの兵力を犠牲にしてきたが、ウクライナへの米国のコミットメントの持続性については深刻な疑問があり、新政権が支援を撤回した場合のギャップを埋める欧州の能力には長年の疑念がある。ジョージアではEUとNATOへの加盟を頓挫させようとする動きがあり、ルーマニアの選挙では親ロシア派が予想外の成功を収め、ドイツやフランスなどでは親ロシア派の過激派が台頭している。

 しかし、アサド政権の崩壊はプーチンに地政学的な大打撃を与え、プーチンのリーダーシップに疑念を抱かせ、他国がモスクワと協調する意欲を失わせる。これはロシアが台頭してきたという物語を台無しにし、モスクワがますます困難な状況に追い込まれていることを示す新しい証拠となる。 例えば、ルーブル暴落、労働市場の逼迫、8%を超えるインフレ率の上昇など、ロシアの誇る戦争経済は逆風に直面している。軍需物資では、ロシア軍がウクライナ戦争で頼りにしてきたソ連時代の装備が底をつきつつあるようだ。

 一方、11月にウクライナで発生したロシア軍の死傷者は1日あたり1300~1800人に上り、3年近くにわたる戦争で過去最高を記録した。そして今週末、欧州の指導者たちは、米国が支援を打ち切った場合、ウクライナに追加資金を提供する意向を表明した。

 ロシアが中東における顧客政権を失ったことで、2024年にモスクワが台頭するというシナリオは、事実というよりフィクションに見え始めてきた。■


John R. Deni 米陸軍大学戦略研究所研究教授、大西洋評議会非常勤シニアフェロー、NATO防衛大学シニアフェロー。本稿の見解は本人自身のものである。

Will Assad’s defeat be Putin’s Waterloo?

The narrative of Russia's ascendancy in 2024 is beginning to look like more fiction than fact.


BY JOHN R. DENI

RESEARCH PROFESSOR, U.S. ARMY WAR COLLEGE

DECEMBER 9, 2024



https://www.defenseone.com/ideas/2024/12/will-assads-defeat-be-russias-waterloo/401551/?oref=d1-homepage-top-story


2024年12月11日水曜日

イスラエルがシリア軍ミサイル艇を襲撃(The War Zone)―抵抗を受けない中で各国の攻撃でシリア軍兵力の解体が進んでいる。イスラエルにとっては好機となった。

 

AAREF WATAD / AFP via Getty Image





イスラエルは、旧アサド政権の軍事資産が反体制派の手に渡るのを防ぐための攻撃の一環として、シリア海軍の艦船を標的にしている


スラエルがシリアのラタキア港を攻撃し、少なくとも6隻のソ連時代のオサII級ミサイル艇を破壊したあとの写真と動画が公開された。 

 シリア海軍の資産に対する攻撃は、イスラエルがバッシャール・アル・アサド政権の軍事資産が反体制派の手に渡るのを防ぐことを目的とした、大規模な作戦の一部であった。

 イスラエルのイスラエル・カッツ国防相は本日未明、ラタキア港への攻撃を確認し、「イスラエル国を脅かす戦略的能力を攻撃し、破壊する」という広範な取り組みの一環として、自国の「海軍は昨夜、シリアの艦隊を破壊する作戦を行い、大成功を収めた」と述べた。イスラエルの艦船は、ラタキアの標的を攻撃するために不特定の対地ミサイルを使用したと伝えられている。イスラエル海軍は、ハープーンやガブリエル対艦ミサイル、NLOS(Non-Line-Of-Sight:見通し外弾道ミサイル)、浮遊弾を発射できるタイプなど、さまざまなコルベットやミサイル艇を保有している。

 使用された弾薬にかかわらず、すでに述べたように、入手可能な画像によれば、イスラエルの作戦でシリアのオサII少なくとも6隻が破壊された。 プロジェクト205ミサイル艇とも呼ばれるこの艇は、1960年代のソ連設計で、主武装は同じく年代物のP-15テルミット対艦ミサイル(西側ではSS-N-2スティックスとしても知られる)である。P-15はアクティブ・レーダー誘導ミサイルで、ベースライン・バージョンの射程は25マイル(40キロ)、改良型P-15M(シリアが受領したとされる)は50マイル(80キロ)に延びる。


TOPSHOT - An aerial photo shows Syrian naval ships destroyed during an overnight Israeli attack on the port city of Latakia on December 10, 2024. The UN special envoy for Syria on December 10 called on Israel to halt its military movements and bombardments inside Syria, days after the fall of president Bashar al-Assad. (Photo by AAREF WATAD / AFP) (Photo by AAREF WATAD/AFP via Getty Images)

イスラエル軍によるラタキア港湾都市への夜間攻撃で破壊されたシリア海軍艦艇の航空写真。 AAREF WATAD / AFP via Getty ImagesAAREF WATAD / AFP via Getty ImagesAAREF WATAD / AFP via Getty Images


 全長127フィート、満載重量235トンのオサIIは、一度に最大4隻の大型P-15を搭載できる。最高速度は約40ノットで、レーダー誘導式のAK-230近接武器システムを2基搭載している。


ラタキアで破壊された2隻のオサIIの艦首とAK-230砲塔の残骸、P-15ミサイル発射管の一部が見える。 AAREF WATAD / AFP via Getty Images


 昨夜の攻撃以前に、シリア海軍がオサIIを何隻保有していたのか、どれほどの航行能力があったのか、P-15ミサイルが搭載可能だったのかは不明だ。 

 シリアは以前、さらに古いオサI型とオサII型を混合して入手しており、後者の艦艇は、アサド政権が崩壊する前にシリアでまだある程度就役していた、最も能力の高い水上艦艇であった。

 入手可能な画像によれば、他の小型艦艇もイスラエルの攻撃に巻き込まれ、港湾インフラに損害を与えた。


夜間にイスラエルが行ったラタキア港湾都市への攻撃に巻き込まれた他の船舶を示す航空写真。 AAREF WATAD / AFP via Getty Images


 ヌール対艦ミサイル(中国製C-802のイラン製クローン)を発射できる、イランから供与された小型のティルII級ミサイル艇や、ロシア製のラプター級哨戒艇など、シリア海軍の在庫として知られている他の資産の運命は不明だ。

 ラタキア港への攻撃以外にも、イスラエルはシリア全土の標的に対して合計300回以上の空爆を行っており、特に地対地ミサイルや地対空ミサイル、その他の防空資産に重点を置いていると伝えられている。固定翼機やヘリコプター、シリアの化学兵器プログラムに関連する場所も攻撃された。

 カッツ・イスラエル国防相はすでに、シリアに新政権が誕生して脅威となったり、イランとの連携を模索したりすれば、シリアの標的をさらに攻撃すると約束している。イスラエルはまた、シリア領内への地上侵攻を開始した。これは、北の隣国が現在不安定な状況にあるなか、緩衝材を提供するためだという。イスラエルの行動は、国連だけでなく、エジプト、イラン、イラク、カタール、サウジアラビア、トルコなど、この地域や中東全体の国々の批判を浴びている。

 その他、シリア情勢は依然として極めて流動的だ。反体制派がダマスカスまで南下し、この週末にアサド政権の残忍な独裁政権を崩壊させた後、さまざまな派閥が自分たちの地位を固めようとしている。イスラエル以外にも、ロシア、アメリカ、トルコなど、複数の外国勢がこの国の現状に積極的に関与している。

 今後数日、数週間、数ヶ月の間に何が起こるにせよ、イスラエルはすでにシリア海軍の残骸やアサド政権に属するその他の軍事資産に大きな打撃を与えている。


更新:午後1時50分東部標準時

イスラエル国防軍(IDF)は現在、バシャンアローと名付けられたオサII級を含む、シリア全土の旧アサド政権の資産を標的とした作戦からの攻撃映像を公開している。クリップは、イスラエルの防衛請負業者が開発のパイオニアであり、世界のリーダーであり続けているオペレータ-イン-ザ-ループガイダンスを備えた弾薬がミサイル艇に対し使用されたことを示している。前述のNLOS(Naval SPIKE Non-Line-Of-Sight)や、イスラエル海軍で使用されている海軍仕様のグリーン・ドラゴンは、この誘導方式を採用している。■


Israel Lays Waste To Syria’s Missile Boats (Updated)

Israel targeted Syrian Navy vessels as part of hundreds of strikes aimed at preventing former Assad regime assets falling into rebel hands.

Joseph Trevithick


https://www.twz.com/news-features/israel-lays-waste-to-syrias-missile-boats


2024年12月8日日曜日

速報)アサド政権が崩壊。脱出用ジェット機の墜落の可能性について主張が飛び交っている(The War Zone)―反乱勢力の中心HTSは米国がテロ組織と指定。トルコ、イスラエルが動きはじめた。一方ロシアは足場を失う。

 



A portrait of Syrian President Bashar al-Assad is pictured with its frame broken, in a Syrian regime's Political Security Branch facility on the outskirts of the central city of Hama, following the capture of the area by anti-government forces, on December 7, 2024. Syria's embattled government said on December 7 it was setting up a ring of steel around Damascus, state media reported, as rebels on a lightning advance said they were bearing down on the city. The leader of Hayat Tahrir al-Sham (HTS), the Islamist group which has headed the assault, told fighters to prepare to take Damascus, just over a week into a renewed offensive in the long dormant conflict. (Photo by OMAR HAJ KADOUR / AFP) (Photo by OMAR HAJ KADOUR/AFP via Getty Images)  

オマル・ハジ・カドゥール/AFP/ゲッティイメージズ



12日間にわたる電撃作戦で、反体制派はバシャール・アサドをシリア支配から追い出した


ディア報道複数によると、シリアの独裁者バシャール・アサドが土曜日に国外脱出のため飛行機に搭乗した。驚くべき蜂起が途中でいくつかの主要都市を制圧しながらダマスカス首都まで電撃的に進撃してから12日後となった。アサドを乗せたジェット機は撃墜されたか、あるいは機械的な問題が発生し、シリア北西部に墜落したとの主張もある。

 「国内のあちこちで目覚ましい進撃を遂げた後、ダマスカスに入ったと主張する反体制派に先んじて、アサド大統領は非公表の場所へ出国した」と、AP通信は、シリア人権監視団(SOHR)のラミ・アブドルラフマンへのインタビューを引用し報じた。アブドルラフマンはAP通信に対し、アサド大統領は日曜日にダマスカスから飛行機で出国したと語った。

 「バシャール・アサドは家族と共にロシアに出発し、数時間以内に辞任演説を行う見込みである」と、ステップ通信社はツイッターで報告していた。

 状況は流動的であり、現時点ではアサドの運命は依然として不透明であることを強調しておかなければならない。新たな情報が、現時点でメディアで流布されている一般的な見解を大幅に変える可能性がある。

 アサドが飛行機で脱出したという報道は、「ハヤト・タハリール・シャム」(HTS率いる反体制派がダマスカスに突入した直後に伝えられたと、ニューヨーク・タイムズが報じた。

 「シリア各派は日曜の明け方、アサド大統領がダマスカスを離れたと発表し、国外に逃れた難民に『ダマスカスが解放されたので、自由なシリアに戻ってください』と呼びかけた。一方、軍事作戦管理局の司令官は、ダマスカスにいる部隊に公共施設に近づかないよう指令を出した」と、Al Hadath TV が報じた。「各派はテレグラムで公開したメッセージで、バシャール・アサドが逃亡したとし、『ダマスカスを解放したと宣言する』と述べた。さらに、『バース党支配下の50年間の抑圧と13年間の暴政が終わった』と付け加えた。

 イラン国営テレビ局プレスTVもアサド政権の終焉を確認した。

 プレスTVは「アサド大統領の統治は終わった:シリア軍司令部が士官に伝える」とテレグラムで報じた。「シリア軍司令部は、首都ダマスカスに武装勢力が侵入したため、バシャール・アサド大統領の統治は終わったと士官に通知したと、ある士官が語った」

 アサド大統領を乗せたと思われるイリューシン Il-76 輸送機が撃墜されたか、あるいは機械的な問題が発生したという未確認情報がある。その位置からすると、シリアのラタキアにあるロシアの空軍基地に向かっていた可能性がある。この基地は、シリアの強権者にとって最も安全な場所のひとつと考えられてきた。

 「アサド大統領を乗せたと思われる飛行機がレーダーから消えた後、突然高度3,650メートルから1,070メートルまで数分間で急降下したという未確認情報が流れています」と、エジプト人ジャーナリストのKhaled MahmouedはTwitterで主張している。「バッシャール・アル・アサド大統領を乗せた疑いのある飛行機の3D飛行レーダーデータは墜落したことを示しています。シリア空軍のIL-76機の高度が急に下がったことから、撃墜されたようです」。

 FlightRadar24の3D飛行データによると、機体は墜落したようだ。

 「シリアにおける最近の出来事については、提供できる内容はない」と、アサド大統領が逃亡したことや航空機の状況に関する質問に対して、米国防当局者は本誌に語った。「状況を注意深く監視しているが、シリアにおける米国の任務は変わらない。詳細については、ホワイトハウスを参照してほしい」

 ダマスカス中心部のオマヤド広場は、アサド大統領の失脚を祝う人々で賑わった。

 トルコが支援する自由シリア軍はダマスカス中心部まで進軍し、オマヤド広場を占拠しているのが目撃された。

 ダマスカスには、アサド大統領に忠誠を誓っていた軍人たちが脱出した際に脱ぎ捨てたシリア・アラブ軍の制服が散乱していました。

 同日、戦車が大統領官邸を含む複数の戦略的要所につながるオマヤド広場に向かっているのが目撃されたとの報告があった。

 アサド大統領の軍の一部は、イラク国境を越えて東に逃亡したとの報告もある。

 アサド大統領が退去したとされる数時間前、本誌はシリアのロシア軍ハメイミム空軍基地で避難の兆候を示す画像を投稿した。IL-76やAN-124など輸送機数機が同基地に到着した。通常、An-72は同基地に前進配備されている。滑走路にはSu-24もいるようだ。これは、同基地における輸送機の存在が過去の日々と比較して大幅に増加したことを意味する。

 今日の一連の動きは、反体制派がアレッポを制圧し、続いて国内中央部のハマとホムスを制圧し蜂起の頂点となった。一方、米国が支援するクルド人主導のシリア防衛軍はシリア北部と東部の町を制圧し、ドゥルーズ派民兵組織は南部の旧体制地域を掌握した。

 地中海沿岸のアラウィ派の飛び地(シリアの港湾施設とロシアの基地がある)の状況は依然不明なままだ。アサド大統領はアラウィ派で、シリアで同民族から非常に強い支持を得ている。シリアの公式ニュースチャンネルSAMA-TVは、Telegram上で、アサド大統領に忠誠を誓う軍部隊は撤退していないと主張している。

 「テロリストのメディアプラットフォームによって流された、ラタキア北部の田舎から軍が撤退したというニュースは真実ではありません。また、総司令部は、このニュースはすべて偽りであると確認しています」とSAMA-TVは主張した。

 ホワイトハウス報道官によると、ジョー・バイデン大統領とそのチームは「シリアで起こっている異常事態を注意深く監視しており、地域パートナーと常に連絡を取り合っている」という。

 次期大統領のドナルド・トランプは、シリアに関する外交政策の課題について、シリアに約900人の部隊を駐留させている米国は同国に関与すべきではないと示唆している。

 「シリアにおいてロシアが得るものはほとんどない。オバマ大統領を本当に愚かに見せること以外には」と、トランプはソーシャルメディア上で述べた。「いずれにしても、シリアは混乱しているが、我々の友人ではない。米国はシリアに関わるべきではない。これは我々の戦いではない。成り行きを見守ろう。関わるな!」

 一方、イスラエルはシリアとの国境にある占領地域ゴラン高原の防衛を強化したと発表した。エルサレムは、HTSやその他の反政府勢力がイスラエルに対してどのような姿勢を取るのかを警戒している。

 イスラエル国防軍(IDF)はテレグラムで、「参謀本部長は、攻撃と防御の準備態勢の高度化、国境沿いの部隊の増強、情勢の継続的な監視を強調した」と述べた。また、「これらの取り組みと並行して、シリアでの事態には介入せず、同地域における脅威の阻止と防止に努め、さまざまな選択肢を視野に入れた計画を準備している」とも強調した。事態の進展に伴い、IDFは情報部や偵察部隊を含む国境沿いの配備を強化した。地上部隊と航空部隊は国境沿いで増強され、各セクターの即応態勢も強化されている。

 イスラエル軍が予防措置として「緩衝地帯」を設けるためシリア国内にも進出したという未確認情報もあるがIDFはこれについてまだコメントしていない。

 今日の展開は驚くべきものに他ならない。2011年に始まり、数百万人を避難させ、30万人以上の民間人を殺害した内戦を含む、24年間にわたる(父親の時代と合わせると50年以上にわたる)残忍な支配の後、アサドの治世は終わったが、現時点では彼の地位は不明ばなままだ。次に何が起こるのかが大きな問題だ。一部反アサド勢力は反政府勢力から政権与党へ立場を変えることになるが、どのような立場を取るのか不明だ。


更新:米国東部時間午前1時15分

Il-76の墜落の可能性については、さらに議論する価値がある。現時点では状況についてほとんど不明だが、シリア上空での誤射事件の前例がある。2018年、シリア防空部隊はロシアのIl-20偵察機を撃墜し、搭乗員全員が死亡した。この事件は、イスラエルがシリア領空またはその近辺で活動していたと思われるタイミングで発生した。複雑な状況であった可能性はあるが、この24時間における混乱状態は、まさに前例のないものであり、ロシアとシリアの防空部隊は、防空網が途切れたり、存在しなかったりする悪化する状況下で活動しており、このようなミスを犯すリスクは極めて高い。さらに、はるかに有利な状況下でも、近年、ウクライナ国境付近のロシア上空で複数回発生した自国機撃墜や、イラクの米軍基地への弾道ミサイル攻撃の直後にイランが旅客機を撃墜した例など、誤爆による撃墜が発生している。

 また、アサド政権打倒派が複数の地対空ミサイルシステムを含むの地対空システム多数を捕獲している。捕獲することと、それらを運用することは別問題だが、もし運用することができた場合、その空域を飛行するものすべてに極めて大きな危険をもたらすことになる。これは、より広範な防空ネットワークと、それによって得られる状況認識の欠如、および訓練不足のオペレーターやストレス下にあるオペレーターの存在の可能性を考慮すると、特に真実味を帯びてくる。

 IL-76は、ロシア軍基地と同じ地域で、反アサド勢力に攻撃されていない地域(沿岸地域)にある反政府勢力の支配地域の上空またはその近くで墜落した。

 また、イラン航空機が目的地に向かって飛行中に、イスラエル空軍によって撃墜の脅威にさらされ、シリア西部への進入を拒否されたという報告があったことも注目に値する。

 繰り返しになるが、これらは追加の背景情報に過ぎない。航空機が墜落した理由は他の可能性もあり、その運命は依然として不明だ。今後数時間で、航空機に何が起こったのか、そしてアサド大統領に何が起こったのかさらに詳しいことが明らかになるだろう。

 一方で、ダマスカスからの映像は歴史的なものだ。反体制派の軍勢によって、像が倒され、政権の施設が探索されている。

 イスラエルはシリアでの緩衝地帯作戦の実行を確認した。■


The Assad Regime Has Fallen, Claims Swirl Around Possible Crash Of His Escape Jet

In a stunning 12-day blitz, anti-regime forces have ousted Bashar al-Assad from Syrian rule.

HOWARD ALTMAN, TYLER ROGOWAY


https://www.twz.com/news-features/the-assad-regime-has-fallen-claims-swirl-around-possible-crash-of-his-escape-jet