「によど」(FFM-7)で初めて搭載された16セルMk 41 VLSのクローズアップ写真。 写真提供:たもたん/Twitterユーザー @tamotaro
日本は、海上自衛隊(JMSDF)が計画する「もがみ」級マルチロール・フリゲート(FFM)12隻でMk 41垂直発射システム(VLS)の搭載を開始した。
地元の写真家でシップスポッターのたもたん(@Tamotaro)がNaval Newsに提供した新しい画像によると、三菱重工業(MHI)は、長崎造船所で、「もがみ」クラスの7番艦であるJSによど(FFM-7)に最初の16セルMk 41 VLSを搭載した。当初の予定通り艦橋前板に設置された。
防衛省は2021年度補正予算で、「もがみ」級の8番艦であるJSによろどとJSゆうべつに搭載するVLS2基の取得に84億円を計上した。
海上自衛隊の広報担当者が本誌に確認したところによると、7番艦と8番艦以降のFFMはすべてVLSが搭載されて就役することになる。
これら2つのVLSセットは、2025年3月31日に終了した昨年2024年度中に防衛省に引き渡された。
長崎造船所(長崎県)での「によど」フィッティングアウト。写真提供:たもたん/Twitterユーザー @tamotaro
「によど」は2023年9月進水し、2024年度に就役する予定だったが、スケジュールは延期され、現在は2025年度の前半に試運転が行われる予定だ。 試運転の遅れで、「によど」がVLSを試運転時に装備できるようになったのか、それともVLSを装備する必要があるために試運転が遅れているのかは定かではない。
海上自衛隊呉地方総監部は3月7日、Mk41VLSを含む「によど」の各種機能を検証する試験を実施する民間企業を公募した。
海上自衛隊の「もがみ」級の説明資料によると、三菱重工は当初、「もがみ」級の9番艦「JSなとり」以降のすべてのフリゲート艦に、VLSを後から搭載するのではなく、すでに搭載した状態で就役させる計画だった。しかし今回、7番艦「によど」の就役に合わせてVLS搭載を開始した。
「なとり」は2024年6月に進水しており、2025年度中の就役を予定している。
合計12隻の「もがみ」型FFMが建造される。また、防衛省は2023年度予算で、「もがみ」級残り10隻のMk41 VLSなどの取得に787億円を確保している。これら10基のVLSのうち、3基が2025年度、4基が2027年度、3基が2028年度に防衛省に引き渡される予定であることが、本誌が入手した防衛省文書で明らかになっている。
三菱重工は、ロッキード・マーチンと直接商業販売契約を結び、米国政府の承認の下、Mk 41 VLSのライセンス生産と試験を行っている唯一の日本企業である。
もがみ級フリゲート艦は、東シナ海を含む日本列島周辺海域での偵察任務を目的とした、海上自衛隊のステルス・マルチ・ミッション・フリゲートである。 海上自衛隊によると、このフリゲート艦は、これまで海上自衛隊の外洋掃海艇が行ってきた対機雷戦活動を行う能力を含む、強化されたマルチロール能力を備えている。 標準排水量3,900トン、満載排水量約5,500トン。
もがみ級は、ヘリコプター1機と無人潜水艇(UUV)を搭載できるほか、VLSと無人水上バイク(USV)を装備する。
海上自衛隊は当初、海軍力強化の取り組みを強化する中、合計22隻の「もがみ」型フリゲート艦を建造する計画だった。しかし、2023年度までは合計12隻にとどめ、2024年度以降に12隻の新型フリゲート艦を建造する。新型フリゲート艦は基本的に、三菱重工が提案した設計で建造される「もがみ」級の改良型となる。
新型FFM計画
新型FFM(上)と就役中のもがみ級(下)。三菱重工のビデオからのスクリーンショット。
国防省は2024年度から2028年度にかけて、12隻の新型FFMを取得する予算配分を開始した。新型FFMの1番艦は2028年度に就役する予定で、建造が順調に進めば5年後の2032年度に12隻が就役する。
新型フリゲート艦は基本的に、三菱重工が提案した設計で建造される「もがみ」級の改良型となる。
画期的な動きとして、オーストラリア政府は、オーストラリア海軍(RAN)のSEA 3000要件の一環としての将来の汎用フリゲート艦の建造について、スペインや韓国の候補者を抑え、日本の三菱重工とドイツのティッセンクルップ・マリン・システムズ(TKMS)を最終候補に挙げた。三菱重工は「新型FFM」、すなわち「もがみ」級フリゲートの改良型をオーストラリア政府に売り込んでおり、一方TKMSは「MEKO A-200」設計を提案している。
日本には、コンパクトでスピードがあり、マルチ・ミッションをこなすステルス・フリゲートがこれまで以上に必要となっている。中国が海軍の規模と能力を拡大する中、日本は日本沿岸海域での監視任務を増やすことで、鹿児島から沖縄まで約1,200kmに及び、台湾に向かい南西に伸びる南西諸島を防衛する必要がある。また日本が支配しているが中国と台湾も領有権を主張している尖閣諸島と釣魚島が含まれている。さらにロシアは、中国が日本海やその他の場所で行う演習に海軍や空軍を派遣することが増えている。■
First Mogami-class FFM fitted with Mk 41 VLS emerges in Japan
Published on 11/04/2025
By Kosuke Takahashi
高橋 幸助
日本在住の防衛ライター。 Janes Defence Weekly、Jane's Navy International、Monch Publishingなどで執筆。 ハフポスト日本版の元編集長で、朝日新聞とブルームバーグの元スタッフライター。1993年慶應義塾大学経済学部卒業。 朝日新聞社、ダウ・ジョーンズを経て、コロンビア大学ジャーナリズム・スクールおよび国際公共問題大学院(SIPA)に留学し、2004年にジャーナリズム修士号および国際問題修士号を取得。 1993年に朝日新聞に記者として入社する以前は、ボルチモア経済開発公社で川崎市の姉妹都市プログラムへの交換研修生として勤務し、日米間の貿易問題を調査した。1988年にはその功績によりボルチモア名誉市民権を授与された。
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