中谷防衛大臣とヘグセス国防長官(2025年3月30日)。 防衛省写真
ペンタゴン(米国防総省)は、在日米軍を統合司令部に格上げする第一段階を開始したと、ピート・ヘグセス国防長官が3月30日の中谷元・防衛相との共同記者会見で発表した。
両防衛トップは東京の防衛省で初の直接会談を行い、日米同盟の抑止力強化に向けた取り組みを加速させることで合意した。
「国防総省は、在日米軍USFJを統合司令部に格上げする第一段階を開始したことを発表したい。この格上げは、日本独自の統合作戦司令部(JJOC)との作戦調整能力を向上させる」とヘグセス長官は述べた。またヘグセスは、「これにより、不測の事態や危機に対応し、米国の作戦を支援し、日本と米軍が日本の領土を防衛するのを支援する米国の即応性が高まる」と付け加えた。
ヘグセス長官は、二国間の結びつきを強化し、作戦協力を深めるための活動を行うため、東京とUSFJ本部で近日中に増員が行われると述べた。USFJは「戦争遂行」司令部に改組され、人員を増やし、司令官に新たな任務達成に必要な権限を与える。再編成の期間や、再編成に伴って追加される人員の数など、詳細は明らかにされなかった。
日本の同意を得てUSFJを改編する計画は、2024年6月にバイデン政権が発表していたが、CNNは3月19日、USFJの改編計画は国防総省の経費削減策の一環で中止が提案された項目のひとつだと報じていた。
ヘグセスはまた、日米同盟と中国に立ち向かう決意を強調した。「アメリカと日本は、中国共産党による攻撃的で強圧的な行動に直面しても、断固として共に立ち向かいます。さらに、米国は台湾海峡を含むインド太平洋において、強固で準備の整った信頼できる抑止力を維持することにコミットしており、日本は西太平洋で直面するあらゆる有事の最前線に立つ」と付け加えた。
ヘグセスは、日米同盟はこの地域の平和と安全の礎だと述べ、日米両国の目標は抑止力の強化、力による平和、敵を推測させないことであると語った。これは、恒久的であれ一時的であれ、日本前方に配備された適切な能力とともに、米国が日本における適切な態勢を確保することを意味する。「それはまた、南西諸島のような第一列島の重要地点へのアクセスを拡大することを意味し、重要な場所で一緒に演習することを意味する」とヘグセスは発言した。
中谷は、日本の南西地域における二国間のプレゼンス拡大は、日米同盟の最優先事項の一つであると述べた。「日本独自のイニシアティブで、南西地域における防衛態勢を強化し、地域社会の理解を得ながら、より高度で現実的な二国間訓練・演習の実施に努めていく」と述べた。
日本の南西地域は近年、東京の防衛上の懸念において北日本を追い越しつつある。近年、空母打撃群を含む人民解放軍海軍(PLAN)が日本の南西諸島周辺の国際水域を定期的に通過して、作戦を実施し、尖閣諸島の領有権を主張し、中国軍が台湾の空海封鎖を模擬した演習を実施し、ロシアと中国がこの地域で合同海・空訓練を実施していることから、東京は島嶼防衛に向けた兵器システムの開発を推進するとともに、この地域における軍事力とプレゼンスの向上を推進している。
米国は、沖縄の嘉手納基地から海兵隊と米空軍のMQ-9リーパー無人航空機と米海軍のMQ-4トライトン無人航空機を運用し、情報・監視・偵察任務を遂行している。2023年、海兵隊と陸上自衛隊の「アイアン・フィスト鉄の拳」演習は米国から日本の南西部に移り、海兵隊と陸上自衛隊の「レゾリュート・ドラゴン2024」演習の一部も南西部で実施された。日米両国は、南西部での演習の増加が新たなものなのか、それとも既存の訓練を基にしたものなのかは明らかにしていない。 昨年、アメリカは通常グアムで行われるバリアント・シールド演習を拡大し、南シナ海と日本での演習も含めた。
南西地域における軍事力増強の一環で、日本は日曜日、大分県にある陸上自衛隊湯布院駐屯地を拠点とする陸上自衛隊の地対艦ミサイル(SSM)第8連隊を再活性化し、SSM連隊を合計7個配備する計画を完了させた(SSM第6連隊は2011年に活動停止していた)。SSM連隊は12式SSMを配備し、最終的には、より高度な能力と射程距離を持つ改良型12式SSMを配備する予定だ。
日曜日の午後、午前中の中谷との会談を終えたヘグセスは石破茂首相を45分間表敬訪問した。 両首脳は、拡大抑止の強化、在日米軍再編の着実な実施、志を同じくする国々とのネットワークの強化などの努力を続けていくことで一致した。首相官邸の発表によれば、ヘグセスと石破は事件・事故の再発防止を含め、地域社会への影響を軽減する努力にも合意したという。■
Pentagon Set to Upgrade U.S. Forces Japan Headquarters
March 31, 2025 3:24 PM
https://news.usni.org/2025/03/31/pentagon-set-to-upgrade-u-s-forces-japan-headquarters
理想は抑止力が機能して戦争を回避できること。
返信削除だがアメリカの核の傘に入っているだけでは最早それは期待できそうにない。
歴史的に言って韓国は同盟国として全く当てにならず、「敵にさえ回らなければいい」程度の存在だろう。
兵器の製造・開発など無視し難い存在感を誇ってはいるが計算に含められないのが現実だ。
実際に戦争になったとしたら、ウクライナ-ロシアの戦いから学ぶ限りでは中国とは弾道ミサイル・巡航ミサイル・長距離ドローンの消耗戦になる(勿論それだけではないが)。
パトリオットなどの配備は重要だが、安価なドローンを安価に叩き落とす能力はもっとも重視される必要がある。
それから国中のあちこちを爆撃されても中国が音を上げるまで報復する体力が必要になる。
これらは国家としての防御力、耐久力の話になる。
その上で日本は……中国のどこを攻撃すればいいかのインテリジェンスはアメリカの協力が得られるとして(これは致命的に重要な問題で大変にありがたいことだ)……極超音速ミサイルなどでキャッチアップして、中国の戦略拠点を破壊する攻撃力を備えなければならない。
これらは単純に軍事的な話で、実現するために色々な政治上の困難を解決する必要がある。
重要なのは、アメリカに部分的に依存することはできるが、単独で戦い抜く決意と実力もまた同時に求められているということだ。
端的に言えばウクライナを反面教師に、ロシアをお手本とするべきである(もちろんロシアを真似することはできない)。
政治は、窮極的に国力の向上を志向するべきで、もはや(体力のない)高齢者に甘い顔ができる時代は終わったのだと思う。
医療費は削減され、慢性疾患よりも予防と救命救急にリソースが割かれるべきだ。
介護に関しては言うまでもない。
逆に言えばこうした政治的な努力、矛盾を超えて前進すること無しに、抑止力つまり平和を手にすることは難しい。
そういう時代になってしまった。
アメリカと中国が関税を巡って火花を散らしている間に準備を進める必要がある。
形勢が明らかになってから取り掛かるのでは、遅い。
戦後の日本はアメリカと一蓮托生なのだから。