ここ数週間、M142高機動砲ロケットシステム(HIMARS)は、徐々にしかし着実にウクライナを有利に近づけている。さらに多くのHIMARSをウクライナが受け取る準備が整いつつあり、ロシアのウクライナ侵略の命運が確実になりつつある。
死の雨を降らせるHIMARS
M142 HIMARSは3名(運転手、砲手、指揮官)しか必要ない。ミサイル6発を搭載し、弾薬にもよるが、最大43マイル離れた目標に発射できる。HIMARSがさらに優れているのは、対砲撃回避能力です。HIMARSは各弾頭を発射し数分で移動できるため、敵に対応する時間をほとんど与えない。
ウクライナ軍はHIMARSを有効活用している。ウクライナ軍は計画的に目標選定し、正確に攻撃することで、巻き添えを食わずにロシアの軍事力と補給線を徐々に低下させている。
ウクライナ軍は自国に殺傷力の高いミサイルを打ち込み、弾薬庫や補給路など、学校や建物に隣接することが多い軍事目標を標的にしている。しかし、民間人目標に近いにもかかわらず、ウクライナ側は大きな巻き添え被害を出さずにやり遂げている。ターゲット情報に加え、HIMARSの精度も証明している。
ザポリージャ州でウクライナ軍HIMARSが発射された。(ウクライナ軍参謀本部)
ウクライナ軍指導部は、HIMARSの有効性について、ウクライナ軍の防衛に極めて重要であったと述べている。HIMARSはドンバス前線を安定させ、ロシアの進攻を食い止めるのに役立っている、と言う評価だ
ウクライナ軍のHIMARSはロシアの最前線部隊ではなくロシア軍弾薬庫や兵站庫を標的にしている。
これまでのところ、わずか数週間で、ウクライナ軍はHIMARSを使い、ドネツクやルハンスクの親ロシア派の飛び地を含む占領下の各地にある弾薬・物流基地30箇所以上を破壊した。その結果、ロシア前線部隊は基本的な必需品や弾薬が不足し始め、1日2万発の砲弾を無造作に発射していた砲兵隊も、今はより慎重に発射任務をこなさなければならなくなっている。
「HIMARSは最近導入されたばかりなので、ウクライナ側は運用を開始してまだ日が浅い。しかし、同システムは精密かつ射程が長いので、ウクライナ側はより体系的にロシアの努力を損えるターゲットを注意深く選ぶことができる」と米国防関係者が評している。
ザポリージャ州でのウクライナ軍HIMARS。(ウクライナ軍参謀本部)
ジョン・カービー国家安全保障会議戦略コミュニケーション調整官は2日、記者会見で、米軍は大統領令によるあらたなドローダウンパッケージ(16回目)として、ウクライナにHIMARSを追加派遣すると明らかにした。
「今週末、政権はウクライナ向け武器・装備の次期大統領令を発表する。大統領就任以来、ウクライナ支援の16回目のドローダウンとなる」とカービーは述べた。
「このパッケージには、ウクライナ軍が戦場で効果を発揮しているHIMARS追加が含まれる。さらに、多連装ロケットシステムと砲弾の追加も含む」。
水曜日にロイド・オースティン米国防長官は、国防総省がウクライナに追加で4台のHIMARSを送ると発表した。これで、ウクライナのHIMARSは合計16台となる。
HIMARSに関しては、米国は侵攻開始以来同じアプローチを取っている。HIMARSの初回パッケージは、わずか4台だった。主に2つの理由からだ。一つは、ウクライナ軍が大量の新兵器に振り回されるず兵器システムを導入できるようにする、もう一つは、ウクライナ軍が兵器システムに適応し、有効に活用できるかを判断するためだ。■
HIMARS: How an advanced US artillery system is winning for Ukraine - Sandboxx
Stavros Atlamazoglou | July 20, 2022
Stavros Atlamazoglou
Greek Army veteran (National service with 575th Marines Battalion and Army HQ). Johns Hopkins University. You will usually find him on the top of a mountain admiring the view and wondering how he got there.
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