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リムパックで注目、金属対応3DプリンターがUSSワスプで実用テスト中。艦上で交換部品等の製造が可能となれば海上作戦に変化が生まれそう。

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  • A 3D printer conducts a diagnostic run aboard the Wasp-class amphibious assault ship USS Essex (LHD 2) on July 9, 2022. MASS COMMUNICATION SPECIALIST 3RD CLASS ISAAK MARTINEZ / U.S. NAVY

 

邦政府全般に3Dプリンターを導入するメリットは非常に大きいものがあるが、同技術が実用レベルに到達するまで時間がかかった。今回、米海軍が、信頼性の高い金属部品をプリントできる初の3Dプリンターを艦艇に搭載したことで、状況が変わりつつあるのかもしれない。

 

政府は、3Dプリンターに非常に長期間にわたり関心を示してきた。2015年、筆者はNextgovに説明記事を書き、専門家が3Dプリント技術に投資することで得られる多くの利点に触れた。しかし、初期のプリンターは物理オブジェクトを作成するのに使用する材料が原因で、用途が限定されていた。

 

初期の3Dプリンターは、プラスチックベース材料のみを長いスプールで供給し、溶かした後、クリエイターが望むオブジェクトにしていた。また、初期の3Dプリンターは、コンピューター支援設計の図面ファイルに対応し、高精度の作品を作ることができたが、プラスチック基材のため、用途は限られた。小型の燃焼機関や歯車、芸術作品のプリントはできたが、完成品を実際に使うと、溶けたり壊れてしまう。

 

政府での3Dプリンター活用で決め手となったのは、耐久性のある金属を扱えるようプリンターが改良されたことだ。アディティブ・マニュファクチャリング(積層製造)と呼ばれる3Dプリンターは、金属、複合繊維、コンクリートなど、あらゆる素材の製品をプリントできるようになった。

 

先日、筆者はアディティブ・マニュファクチャリング分野の専門家を招き座談会を開催した。各専門家は、3Dプリンターがここ数年で進歩を遂げたこと、行政サービスの新たな可能性を切り開いていることを説明した。

 

アディティブ・マニュファクチャリングの新しいリーダーの一人マークフォージドMarkforgedのトニー・ヒギンズTony Higginsは、「当社にはステンレス鋼、金属工具、銅をプリントするシステムがあります」と述べた。「当社の顧客は、機能的なツール、カスタム部品、治具固定具の作成に使用しています」。

 

複雑な建設作業分野の3Dプリントで米陸軍は、最大の推進者だ。「コンクリート、発泡体、その他種類の材料など、あらゆるものをプリントできるシステムがあります」と、米国陸軍技術者研究開発センター建設工学研究所の機械エンジニア、メガン・クライダーMegan Kreiderは述べた。同氏は最近、コンクリートなど重い材料でプリントした3D部品で橋をまるまる建設した。

 

「構造技術者を通さなければなりません。補強が必要な対象、プリント方法の概要を説明します。高度に学際的になっている」(クライダー)。その後、通常は現場でパーツをプリントし、組み合わせて構造物を形成する。

 

陸上では、軍用に構造物の3Dプリントで、大規模プロジェクトの時間とコストを削減できる。しかし、海上では、重要部品をオンデマンドでプリントできるかどうかが、任務を継続できる艦と修理のため帰港をせまられる艦との分かれ目になる。そのため、海軍は、単純な3Dプリントより進化したアディティブ・マニュファクチャリングへ大きな関心を寄せている。

 

昨年、カリフォーニア州モントレーにある海軍大学院にゼロックス製の液体金属プリンターが設置された。このマシンはElemX Liquid Metal Additive Manufacturingと呼ばれ製造テストや、海上での艦船支援用サプライチェーンの短縮化に使用されている。

 

陸上テストはうまくいったようで、海軍はワスプ級強襲揚陸艦USSエセックスにアディティブ・マニュファクチャリング3Dプリンターを搭載したと発表。このプリンタは、RIMPAC-2022でテスト中だ。エセックスは、洋上条件下で積層造形3Dプリンタの初期テストと評価に参加した最初の艦となった。

 

リムパックでエセックスの3Dプリンタは、海軍艦艇が作戦行動中に日常的に必要とする部品多数を印刷する任務を負う。ヒートシンク、ハウジング、ブリードエアバルブ、燃料アダプタ、バルブカバーなどを迅速に製造する。エセックスのプリンターは、最大10×10インチの金属部品を製造可能だ。

 

エセックスの航空機中間整備部(AIMD)担当のニコラス・バティスタ中佐Lt. Cmdr. Nicolas Batistaによると、「積層造形は優先事項となっており、艦隊全体の戦いの取り組みに大きな変化をもたらし、整備の強化で水上部隊強化に寄与することは明らかです」。

 

リムパック期間中にプリンターの性能が良好と証明されれば、海軍は活用を拡大する。バティスタ中佐は海軍報道発表で、「米太平洋艦隊海軍航空隊司令官と海軍航空システム司令官は、積層造形専用のAIMDワークセンターの設立も開始し、必要な航空機部品を3Dプリンタで製造する能力に向け努力中」と述べた。

 

3Dプリンターがリムパックで効果を発揮すれば、陸上からの支援や材料を必要とせず、乗員が公海上の艦上で複雑大型部品を製造する光景が見られそうだ。■

 

Heavy Metal on the High Seas - Nextgov

An amphibious assault ship is testing a shipboard 3D printer during RIMPAC exercises.

BY JOHN BREEDEN II

JULY 14, 2022 08:00 AM ET

 

John Breeden II is an award-winning journalist and reviewer with over 20 years of experience covering technology. He is the CEO of the Tech Writers Bureau, a group that creates technological thought leadership content for organizations of all sizes. Twitter: @LabGuys


 

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