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米国は台湾防衛できるのだろうか。シナリオを検討すると米空母喪失が必至。中国も相当の損失を覚悟すべきだ。

  

 

Al Jazeera

 

国は、中国が台湾を攻撃した場合にどう対応するかについて、長年にわたり戦略的な曖昧さを維持してきた。今、ジョー・バイデン米大統領は、この問題に新たな関心を寄せている。バイデンは9月18日、60ミニッツのインタビューで、米国は中国から台湾を守るため戦うと述べた。これは、5月の東京での発言に続くもので、バイデンは、米国は台湾を守るため戦闘に参加すると述べた。現在、アメリカは台湾に武器を提供しているが、アメリカは北京の「一つの中国」政策も認めている。攻撃が現実になった場合、アメリカはどう軍事対応するだろうか。

 

 

言論戦がミサイル戦にかわる

台湾は中国大陸の沖合約110マイルに位置する。北京は同島を自国領と主張している。習近平国家主席は、完全な統一は避けられないと考えており、「一つの中国」政策を維持するため武力行使を否定していない。米国を巻き込んだ銃撃戦は、双方で死と破壊を生み、血生臭いものになるだろう。

 台湾で戦争が始まると、中国は台湾の軍事目標に衝撃と畏怖のミサイル攻撃を行うだろう。陸上、船舶、航空機から発射されたミサイル数百発が台湾で炸裂する。

 アメリカ海軍は、空母戦闘団と、駆逐艦、フリゲート、巡洋艦が護衛するスーパー空母、潜水艦でこの地域に臨む。中国の対艦ミサイルの射程圏内に入らないように、台湾を攻撃する艦船や飛行機に向け水平線超えミサイルを発射する。

 米国はF-35のようなステルス戦闘機も飛ばすだろう。中国はレーダーを回避する特性を持つJ-20戦闘機などで対抗するだろう。両者の間でミサイル交戦がとなる可能性が高く、海軍はイージス戦闘システムで敵ミサイルを追い払うだろう。

 

グアムを死守する 

グアムもまた、中国攻撃にさらされる可能性がある。中国に最も近い米国領土であるグアムは、東アジアで最も戦略的な島だ。グアムを守らなければ、台湾防衛は難しい。中国はH-6爆撃機で、グアムまで到達可能な極超音速兵器含む巡航ミサイルや弾道ミサイルを発射するだろう。グアムでは現在、長距離対ミサイルシステムの「終末高高度防衛システム」を運用している。現在進行中のミサイル防衛の近代化は、グアムに追加の防空を想定しているが、アップグレードの完了は2026年と予想されている。

 米国はまた、中国にサイバー攻撃を行い、レーダーやセンサーシステムを無効化し、ミサイルの標的や誘導システムを妨害するはずだ。中国はおそらく、台湾に対して独自のサイバー作戦を行うだろう。

 

揚陸作戦に備える

台湾に部隊派遣する前に、中国は同盟国の武器輸送を阻止するため、おそらく台湾を封鎖するだろう。また、台湾の飛行禁止区域や船舶航行禁止区域を巡回し、領空領海の支配を固めるだろう。中国は潜水艦を台湾付近に配備し、台湾に陸上攻撃用の巡航ミサイルを発射する。その後中国の揚陸攻撃作戦が始まる。

 

 

Taiwan

(U.S. Air National Guard photo by Tech. Sgt. Ryan Campbell)

 

中国は陸、海、空からアメリカの空母をミサイル攻撃できる。つまり、アメリカは空母の1隻が損傷したり破壊されたりする想定で立案しなければならない。考えられないことだが、米海軍はこの事態が起こりうると覚悟すべき時期に来ている。このような事態が発生した場合、海軍はもう1隻の空母を動員して穴を埋めることになる。一方、アメリカの空母1隻を破壊または損傷させた中国は、台湾に揚陸攻撃を続ける。

 これはアメリカにとって最悪のシナリオだが、どちらにもあてはまる。アメリカは、中国空母と支援艦多数を撃沈できる。これは中国の決意を強めるか、あるいは抑止し外交のとりかかりになる。

 

 

China-Taiwan Invasion

ROC M60 tank. Image: Creative Commons.

 

台湾の国防予算が足りない 

台湾はもっと国防費を増やすべきだ。台北は国防予算を14%増額し、来年は194億ドル(約1兆円)とした。一方、中国は2021年から6.8%増の2,294億7,000万ドルを支出する。米国も今月、台湾に11億ドル相当の防空ミサイル対艦ミサイルを売却すると発表した。上院外交委員会は9月14日、さらに多くの金額を承認し、45億ドルの軍事支援を解除した。

 

 米国にとって、台湾防衛で良い選択肢はない。中国攻撃の各シナリオは、米海軍の損失につながる。最善の希望は、各軍のコミュニケーションで被害を減らし、外交と停戦の余地を作ることだ。バイデンは、まず軍事的オプションを確立せずに台湾を保護する方法を考え直した方がよい。国防総省は、台湾防衛で支払われるはずの代償をホワイトハウスに理解させる必要がある。■

 

Could the U.S. Military Really Defend Taiwan from an Invasion by China? - 19FortyFive

ByBrent M. Eastwood

 

Expert Biography: Serving as 1945’s Defense and National Security Editor, Dr. Brent M. Eastwood is the author of Humans, Machines, and Data: Future Trends in Warfare. He is an Emerging Threats expert and former U.S. Army Infantry officer. You can follow him on Twitter @BMEastwood. He holds a Ph.D. in Political Science and Foreign Policy/ International Relations.


コメント

  1. ぼたんのちから2022年9月20日 21:22

    老いぼれバイデンの「台湾侵攻時、米国は介入する」との発言は、間違いなくCCP中国に対する挑発的なものであり、過去の民主党政権が第2次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争等を誘発させたように、バイデンも第3次世界大戦を引き起こそうとしているのかもしれない。
    バイデンの発言は、「台湾の独立を促し、それを支持する」と取られかねないものであり、習とCCPの忍耐力を試しているようにも見える。プーチンを罠にかけてウクライナ戦争を引き起こし、次に習の短慮を誘えば、これは第3次世界大戦となる。
    記事のような米中の損害は、あくまで想定するシナリオとそれによるゲーム結果に基づくものであり、現実的でない。米中間の軍事力の差は、無責任なメディアが流布するものよりはるかに大きく、PLAなんぞ太刀打ちできるものでない。しかも、米国は戦う同盟国を随伴するつもりだ。
    台湾は、独立のためにバイデンの罠に付き合う必要はなく、CCP中国の崩壊を待てばよい。
    台湾の地政学的攻略の困難さは、台湾の当事者の考え方と防衛方法にもよるが、一般に考えられているより深刻であり、PLAにとり台湾は死地となる可能性が極めて高い。
    また、台湾防衛方法は、日米にとっても容易であり、それを防衛音痴の習に学ばせることができるかが、戦争の分かれ目になりそうだ。
    このように見てみると、老いぼれバイデンの戦争を引き起こしかねない危険性が垣間見えるかもしれないが、この状況は任期終了まで続くことになる。何も起きなきゃ良いが。

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