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米情報機関トップの考える脅威対象の序列が興味深いものになっています。


情報機関トップ二人が現在の課題、状況を国民にも伝わる形で述べる、これが民主主義でしょう。また行数の多さ、位置関係からどの問題を深刻に考えているかがよくわかります。北朝鮮についてもミサイル開発そのものよりもWMDの海外販売を米上院議員は憂慮していることがわかりますね。また北朝鮮に比べるとイランのほうが相当たちが悪いことがわかります。



National Intelligence Director Clapper: ISIS ‘Most Significant’ Non-State Threat to U.S., Allies

By: John Grady
February 9, 2016 5:36 PM

DIA Director James Clapper and Lt. Gen. Vincent Stewart on Feb. 9, 2016 before the Senate Armed Services Committee. C-SPAN Image
国家情報局長ジェイムズ・クラッパーと国防情報局局長ヴィンセント・スチュワート海兵隊中将が上院軍事委員会で証言した。2016年2月9日C-SPAN Image


米国や同盟国にとって最大の非国家勢力の脅威は依然イスラム国だと国家情報長官が上院軍事委員会で述べ、イスラム国が引き続き外国人戦闘員の勧誘やリビアはじめとする各地で勢力を拡大していることを理由に挙げた。

イスラム国
  1. イラク・シリアのイスラム国(ISISあるいはISIL)の脅威は「アルカイダを超えている」とジェイムズ・クラッパー長官は冒頭でまずこう述べた。
  2. これは2017年度予算案関連で委員会が初めて開いた公聴会で直面する脅威内容や軍事対応について意見を聞いた。
  3. 国防情報局長官ヴィンセント・スチュワート海兵隊中将はこう発言している。「もしイスラム国に立ち向かっているスンニ派を支援しないと、この人たちは死に絶えてしまう」 中将はシーア派が独占しているバグダッド政権にスンニ派も加えるべきだと主張。さもないと各派は「旗色を伺うか最悪の選択」としてイスラム国との協調に向かうだろうとした。
  4. 中将とクラッパー長官はともにイラクでの進展に楽観的な見方を紹介したが、スチュワートはモスルの今年中の奪回には否定的だ。モスルは人口250万人でイスラム国が占拠している。
  5. アラブ首長国とサウジアラビアから地上軍を派遣しイスラム国と対決すると発表が先週あったことについてクラッパー長官はUAEは「能力が高い軍部隊を保有しているが、規模が小さすぎる」とし、サウジにとっても介入は「課題になる」と紹介した。
  6. UAEとサウジはともにイランが支援するシーア派のフーシ反乱勢力とイエメンで戦っており、クラッパー長官は当面戦闘は続くとの見方を披露した。
  7. スチュワート中将からはロシアがシリアに軍事介入を開始してバシャル・アル・アサド政権の基盤が強化されたとし、「今後一年ほどは」この大勢に変化はないとの見方を紹介した。
  8. クラッパー長官はシリア内戦でこれまで25万人が死亡し、4.4百万人が難民になったと述べ、アサド政権側についたロシア、イランがこれまで以上にヒズボラはじめとする各派に矛先を向けていると発言。
イラン
  1. イランもロシアも現時点ではアサド政権のテコ入れで意見を共にしているが、クラッパー長官はロシアは「アサド以外に誰がいるのか」とアサドの延命を求め、ロシアの同盟国としてとどめおこうとするだろうと発言。
  2. イランが核兵器開発を制限する国際合意を守るだろうかとの問いにクラッパー長官は、肯定したものの「各情報機関」は「信用せず、確証を見守る」姿勢だと述べた。さらにもしイランが合意内容を違反すれば情報機関は探知することは確実とも答えている。さらにイランは遠心分離機などの開発も続けて合意の期限が来ればいつでも利用できるようにするはずとの見方を示した。
  3. イランの弾道ミサイル開発に関し、クラッパー長官は「制裁の実行が極めて重要」だとみており、同国が国連決議を繰り返し違反している事実を重視。国連決議ではミサイル開発のみならずテロリスト集団支援を禁じようとする。イランは2010年以降だけで140回のミサイル発射を行っており、その半分は核開発合意の交渉中だったという。直近の発射は国連決議へ「意図的な挑戦」したものと説明したが、弾道ミサイルは核兵器開発をめぐる交渉では対象になっていない。
  4. スチュワート中将からは制裁措置が解除になったがイランが直ちに新兵器開発に資金を投入するとは見ていないと発言。イラン政府のミサイル開発はすでに「すべての分野をカバーしている」がロシアの技術導入としてシリアで使用中の対空防衛システムの採用がありそうだと述べている。
ロシア
  1. ロシアについてはクラッパー長官は「プーチンはスターリン以降初めてロシア領土を拡大した指導者だ」とクリミア併合とウクライナ東部で分離派を支援していることを言及した。スチュワート中将もロシアの軍事活動は「引き続き歴史的な高水準」をシリア、ウクライナ、北極海で展開中と述べた。
  2. ただし原油価格の低落がロシア国内に少なからぬ影響を与えているとクラッパー長官は指摘し、ルーブル下落、失業の増加、インフレを例示したが、ロシアは依然として領土拡張政策を軍の近代化と併せて希求していると指摘。またロシアの軍装備近代化案では原油価格をバレル50ドルと想定していると紹介した。現在の原油価格はおよそ28ドル近辺だ。
  3. クレムリン指導部への支持は高水準なままだが、ロシア指導部が「大変憂慮している」のは経済動向が世論に影響し、指導層への大衆の態度が変化することだとクラッパー長官は述べた。また昨年のロシア経済は国内総生産で4%縮小していると紹介。
  4. 「ロシアはNATOに被害者妄想をいだき、封じ込められることを大いに憂慮している」とし、大国として米国と対等な地位を維持しておきたいモスクワの動きで「冷戦の悪循環に再度入りそう」と述べた。
北朝鮮
  1. 北朝鮮が衛星打ち上げ並びに核実験を実施したことで委員から北朝鮮が大量破壊兵器の海外販売に動かないか懸念が表明された。これに対しクラッパー長官はその懸念を共有しつつ、北朝鮮が今後数か月以内に原子炉運転を再開し、濃縮ウラニウム生産に入る可能性があると発言した。
  2. 長官は「心配なのはMANPADS(携帯防空システム)が航空部隊に大きな脅威になることだ」とし、サイバー分野ではロシアと中国が米国にとって最大の脅威だとも発言。
中国
  1. スチュワート中将は中国は引き続き南シナ海へ兵力投射をしており、軍装備も空と海を中心に近代化を進めていると指摘した。中将は中国は「世界最大規模かつ総合的なミサイル」開発をしており、対空母兵器や中距離弾道弾でグアムを標的にしようとしていると発言した。■

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