2016年2月13日土曜日

★★第三相殺戦略のカギとなるAIをDARPAはどう開発・活用しようとしているのか



ここにきてAI人工知能が良く出現するキーワードになってきました。第三相殺戦略ではマンマシンインターフェースが一つのカギなのでしょうね。それだけ戦闘状況が人智を超えた速さで進展する想定があるということでしょう。ロシアや中国は人体にチップを埋め込む手術を行っているようですが、米国は(今のところは)Aiによる最適選択肢の提示を目指しているようです。最後のオチはDARPAがインターネットの原型の開発元だということの反映ですね。それにしてもDARPAはすごいですね相当先の世界を見越しています。

Faster Than Thought: DARPA, Artificial Intelligence, & The Third Offset Strategy

By SYDNEY J. FREEDBERG JR.on February 11, 2016 at 4:00 AM

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ARLINGTON: 国防高等研究プロジェクト庁 (DARPA) が開発中の人工知能はデータの洪水状態からヒトによる判断を助ける。戦闘中でも。このような「ヒト-マシン連携」は非公式にケンタウロスモデル the centaur model と呼ばれ、ハイテク時代の聖杯として国防総省が進めるロシア・中国対抗策としての第三相殺戦略で要となる。
  1. 「副長官と中身の濃い意見交換ができました」とオフセット構想の提唱者ボブ・ワーク国防副長官を言及して語るのはDARPA長官アラティ・プラバカールだ。「当方の進める事業の多くでこの技術の応用が可能です」と同戦略との関連を示唆する。たが個別具体的な技術より技術へどう向き合うかのほうが重要だ。
  2. 「まず第三相殺戦略の背景に国防総省が当庁の高度技術開発能力を再活性化する必要があると認識しています。以前と同様のことを以前と同様のやり方で進めていては目標にいつまでたっても到達できないというとらえかたです」(プラバカール長官)
  3. 「今の組織は一枚岩で各サブシステムがそれぞれ複雑になっており、問題が発生してもどこが原因なのか判明しにくいほどだ」とDARPA長官は言う。一枚岩体質では開発時間が延び、問題解決も遅れ、改修も長時間必要となるので、敵方nの迅速な進歩に対抗できない。そこでDARPAは新構想として「複雑な軍事機構を再考する」根本策を打ち出した。
  4. 兵器開発では戦闘機にせよ艦船にせよ何十年もかけて専用ソフトウェアと専用ハードウェアを一体化してきた。各装備ではソフトウェアのデバッグ作業が悪夢となり、問題の所在をさぐるのは「スパゲッティ」をほぐすのと同じだとプラバカールは表現する。
  5. そこで専用の高度統合システムを多数作るよりモジュールでオープンな構造とし、簡単に必要な要素をソフトウェアでもハードでも交換してもシステム全体をそのまま動くようにしたくなってくる。
  6. 高価な有人装備を少数整備するより「不均一」な有人無人装備を各種とりそろえるほうが良いはずだ。全長130フィートの自律運転ボートから使い捨ての手のひらサイズの無人機までだ。特定の目的や一定の部隊規模専用の構成より拡大縮小が可能なシステム構成にしておけば変化に対応できる。また送信地点、中継地点がわずかで分断されやすいネットワークよりも高度分散ネットワークなら物理的な攻撃や、ジャミング、ハッキングに強靭性を発揮できるはずだ。
  7. ただしジャミングやハッキングへの対抗は難しい。ネットワーク規模が大きくなればサイバー攻撃はそれだけ簡単になる。ネットワークを無線で構築すれば、電子戦で送信元を探られ、システムの作動を止められる可能性が高くなる。DARPAはそこで最新の研究成果を応用しようとする。
  8. そのプロジェクトがHACMS(高信頼度サイバー軍事システムズ)で「形式手法」と呼ばれる数学手法でサイバー上の弱点を見つけ解決をめざす。最近の事例ではHACMSチームが特殊作戦用のAH-6リトルバードのミッションコンピュータのソフトウェアで新しい「カーネル」を上書きしたという。
  9. ハッカー経験者で構成したレッドチームが侵入できなず、HACMSのソースコードを部分公開したが、侵入個所を見つけられなかった。
  10. 「各システムは完全に『ハッキング不可能』ではない」とプラバカールは警告する。「だがあきらかに攻撃する側は数学的に証明可能な方法で封じ込めることができる」
  11. DARPAは電子戦にも新手法を応用する。航空機が未知の信号を傍受すると、例えば敵のレーダー、あるいは未知の無線交信でも、データを記録し、基地まで持って帰るのが通例だ。そこで専門家が数か月あるいは数か年かけて敵システムを理解し、対抗策を考え出す。レーダーが個別に作動し簡単に性能更新ができない時代はこれでよかった。だが今日では送信はデジタル化されており、ソフトウェアで簡単に波形変更が実施できる。信号がどんどん変化していくのに対応するために「認知電子戦」では人工知能がリアルタイムで送信を探知、分類、対抗措置づくりを進める。
  12. 「ヒトの対応よりずっと早くしたいのです」とプラバカールは言う。「このためにまずリアルタイムで全スペクトラムを走査し、つぎに人工知能のもっとも素晴らしい機能であるマシン学習能力も使い、『強化学習』reinforcement learningのような技法で敵が電磁分野で何をしているかを学び、搭載ジャマーに敵より先手を打たせるのです」
  13. 自動制御防衛は防空、ミサイル防衛で実用化ずみで、海軍イージス艦はヒトの頭脳では処理できないほど多数の目標が一度に高速で飛来するとミサイルを自動発射する仕組みになっている。
  14. ではヒトの役目は何になるのか。マシンに強力な兵器の使用を判断させたいと思う者はいない。すくなくとも米国には。だが戦闘があまりにも迅速に展開し、ヒトの頭脳では処理しきれないほど複雑化したら、戦闘の指揮を司令官が実施できるのだろうか。
  15. 「情報すべてを与えてヒトの頭脳に過負荷をかけたくないはずです。決断に必要な情報だけがほしいはずです」というのはDARPAのスティーブン・ウォーカー副局長だ。状況の推移に応じてコンピュータにすべてを追わせ、敵味方とわず、有人無人装備すべての動きを把握させる。解析させ、「とるべきアクションを二案ないし三案」提示させヒトが選ぶ。
  16. そこで記者が手をあげた。ちょっと待って、ワシントンに長くいれば、「意思決定者」とは実は幕僚や補佐官の操り人形にすぎず、彼らが選択すべき案を上司にまず示し、最適案の太鼓判を押しているではないのか。提案されている構想ではコンピュータに幕僚の役を振り、ヒトは不運な主犯となるのではないか。指揮官がコンピュータの言うことをそのまま聞くと限らないのでは。
  17. 「ご質問は問題の核心に触れています」とプラバカールは率直に発言した。「マシンシステムの能力を向上させれば、返ってくる答えに対するヒトの信頼の問題、実際の状況に即して観察しているのか、どんな選択の幅を提示してくるかが大事になります」
  18. 「この新しい波の背後にあるのがAIです」と局長は続け、ペンタゴンによるその活用が求められる。「しかし、深層学習deep learning の大部分で理論的な土台がまだ確立されていない事実もありますが、各種システムが従来の常識で受け入れられない解決策を提示しているのも事実です。なぜならシステムが文脈と無関係に作動しているからです」
  19. その例はアップルのSiri音声作動ソフトウェアだ。「最初はSiriに驚かされるものです」とプラバカールは言う。「でも質問を三つもすれば、つまらなく感じるはずです」(ちなみに記者の子供たちはSiriが返す意味のない答えを楽しんでいる始末だ)
  20. DARPAにはすでにこの問題に対処する案があるとプラバカール長官は述べたが、「AIで新しい基礎の開発が始まればこの分野でもっと問題が見えてくるでしょう」という。
  21. 人工知能の新しい基礎とは何か? スケールが大きい話題に聞こえる。だが、そこはDARPAである。「目標は本当に高いのです」とプラバカールはユーモアたっぷりに述べた。「開発主査のひとりにこう言うのが好きなものがいます。『この職場ではインターネットを開発しなければ優評価は取れないぞ』と■


1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

指揮通信統制のためのAIとは異なりますが,AIの戦闘と聞いて,これを思い出しました。
https://www.youtube.com/watch?v=CcPwZHVxp_o

F35のDASは対地攻撃モードのみの実装になるのではないかと私は考えます。空中戦,なかんずくドッグ・ファイトをDASで行えるほどにCGやチップや通信速度の向上が実現した時には,本当に夢のようなAI戦闘,AI指揮通信が現実のものになるのかなと。もちろん現状においてもDASは無人機技術開発には十分に貢献していると考えています。

もし私に米空軍の予算編成の全権があるとしたら,F35プロジェクトの即時全廃します。
全廃したした上で,予算を振り分けます。振り分け先は,LRS-Bの数年内の配備に向けた開発促進,日本と協力してF-22の生産を再開(日本のライセンス生産許可),UAVの開発促進と大規模配備,加えて既存機に対する大々的な改修(能力向上と延命措置),さらに砂漠に放置しているストック中の退役機を早期復帰再就役させるために必要とされる技術および体制構築に向けた研究を同盟国と連携して行います。
それであれば,ハイエンドであれ,ハイローミックスであれ,ハイブリッドであれ,フルスペクトルであれ,あらゆる局面で最も現実的で効率的な実戦力が早急に実現できると私は考えました。