ボーイング一択だったこうした機種の調達が今や全く違う構図になったのがわかります。契約を獲得したシエラ・ネヴァダコーポレーションはISRなど専門技術のソリューションの機材への改装が得意な会社なので、ベース機を調達せねばならず、空軍の要求から747一択になりそうです。結局ボーイングが協力企業になるのではないでしょうか。予測がはずれたらごめんなさい。Breaking DefenseとThe War Zone記事から構成しました。
SNCホームページに掲載された契約受注を伝える記事
航空宇宙大手のボーイングが敗退を喫した一方、SNCにとって大きな勝利となった
米空軍はシエラネバダ・コーポレーション(SNC)に対し、E-4B「ドゥームズデイ」の後継機を納入する130億ドルの契約を交付したと今夜発表した。
発表によると、新しいサバイバル・エアボーン・オペレーション・センター(SAOC)の契約は2036年7月まで続く。このプログラムは、ナイトウォッチやナショナル・エアボーン・オペレーション・センターとして知られる、空軍の老朽化したボーイングE-4B機4機を置き換えるもので、通常、国防長官を輸送するが、移動式の核指揮統制前哨基地としても機能する。
国防総省発表によると、インセンティブ含むSNCの契約受注額は130億8,089万6,647ドル。空軍が合計何機のSAOCを購入する予定かは不明。空軍は現在4機のE-4Bを保有しているが、8機から10機のSAOCを購入する話もあった。SNCによる作業はコロラド州エングルウッド、ネバダ州スパークス、オハイオ州ビーバークリーク、オハイオ州バンダリアで行われ、2036年7月10日までに完了する予定である。
確定ではないが、SNCは中古の後期型747-8iを改造すると推測されている。昨年8月、オハイオ州デイトンで行われた、747-8を格納するための90,000平方フィートの整備・修理・オーバーホール格納庫のテープカットも、この考えを裏付けるものだ。
SNCにコメントを求めたが、返答はない。
今回の受注は、SNCの歴史上で最大規模の仕事となる。SNCによる作業では、空中給油や安全な通信といった軍事システムを組み込むだけでなく、電子攻撃や核攻撃に対する民間航空機の強化も期待されている。エイビエーション・ウィーク誌によると、空軍はSAOCプログラムのため8機から10機の航空機を取得したい意向だが、747が候補に選ばれた場合、中古機を取得しなければならない。
空軍はSAOCにエンジン4基を搭載するよう定めており、運用上の安全保障やその他の要件とともに、747以外の航空機をベースにした提案は不可能と思われている。2022年に747の生産ラインが閉鎖されたため、747の新規製造機材を使用する選択肢はない。ボーイングは現在、廃業したロシアの航空会社向けに製造された未納入だった747-8のペアを新しいVC-25B大統領専用機に改造中である。
空軍の広報担当者によると、「作戦上の要件を満たすため、兵器システムを軍事的要件向けに硬化・改造された民間派生機で構成される」。同報道官はさらに、モジュール式のオープン・システム・アプローチで開発され、付随する地上支援システムは "SAOC兵器システムのライフサイクル全体にわたって運用、維持、将来の修正を可能にする"設定となるとも付け加えた。
「この重要な国家安全保障兵器システムの開発により、核兵器省の核指揮統制通信能力は今後数十年にわたり、運用上適切かつ安全であることが保証される」と広報担当者は述べた。
SNCの勝利は、現在のE-4Bフリートの製造元であり、エアフォース・ワン後継機のような大規模プログラムでの実績から、有力候補であったボーイングがまさかの落伍をしたことで、大方予想されていた。ボーイングと空軍がSAOC契約の構造やデータの権利について合意に達しなかったとロイターが以前報じていた。
SNCが契約を獲得したことは、防衛と商業双方のポートフォリオで挫折に苦しむボーイングには新たな打撃だ。
2024会計年度の議会予算で空軍は今年7億4400万ドルをSAOCプログラムに投資することができる。FY25要求では、空軍はおよそ17億ドルを求めている。SAOCプログラムは、新しい核弾道ミサイルから長距離ステルス爆撃機に至るまで、空軍が核ポートフォリオの近代化で取り組んでいる数十億ドル事業の一部となる。
One of the Air Force's four E-4B Nightwatch aircraft. USAF
SNCのSAOC構成に関する具体的な詳細は乏しいが、先進的で高度に安全な通信スイートと電磁パルスに対する硬化、その他の能力を持つ必要がある。この航空機は、現在空軍の4機のE-4B(別名、国家空中作戦センター(NAOC)機)の役割を果たすことになる。E-4Bのうち3機は、1970年代にE-4A上級空挺指揮所(AACP)として就役し、その後、1980年代にNAOC規格に引き上げられた。その後、NAOC構成の4機目も取得された。
E-4Bの今日の中核的な任務は、国家指揮権限(NCA)として知られるメカニズムを介し、米国大統領が世界のどこからでも核攻撃を開始するための堅牢で生存可能な空中司令部となることである。これが、これらの航空機が一般的に「終末の日の飛行機」と呼ばれる理由である。ナイトウォッチ・ジェットに見られる安全な通信やその他の能力は、厳しい自然災害への対応を含め、他の種類の軍事作戦や有事対応活動を指揮する空中プラットフォームとしても必要に応じて使用できる。
そのため、最高司令官が使う必要がある場合に備え、E-4Bは大統領の海外訪問に同行している。国防長官はじめ米国高官の外国訪問の際にナイトウォッチ機を使用することが多い。
SAOCプログラムは、核指揮統制能力の近代化をめざす米軍の広範な取り組みの一部に過ぎない。米海軍も、TACAMO(Take Charge and Move Out)任務で、潜航中の核弾道ミサイル潜水艦への通信を担当する『終末の日の飛行機』としてC-130Jハーキュリーズの獲得に取り組んでいる。
現在はボーイング707ベースのE-6Bマーキュリー機16機がTACAMO任務を遂行している。SAOCがルッキング・グラスの任務を引き継ぐ可能性もある。
いずれにせよ、SNCへの契約交付により、2030年代半ばまでに「終末の日」機材部隊の外観が大きく変わりそうだ。■
Air Force awards SNC $13B contract for new 'Doomsday' plane - Breaking DefenseBy MICHAEL MARROW
on April 26, 2024 at 6:02 PM
Job Of Building The Air Force's Next Doomsday Planes Falls To Sierra Nevada Corp.BYJOSEPH TREVITHICK|PUBLISHED APR 26, 2024 7:43 PM EDT
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