PLAの戦力が実際に脅威なのか、開戦とならないとわからないというのが現実ですが、一様にペンタゴンでは中国製装備品の性能について低く見る傾向があるようです。第二次大戦前も「人種的に劣る」日本が高性能装備品など作れるはずがないと見ていた英米の傾向を想起してしまうのですが....Breaking Defence記事を見てみましょう。
H-20のシステム設計を見ると、米国のLO(低観測性)プラットフォーム、特に今後の高度な機材と比べ、優位性はおそらくない、と国防総省の情報当局者は見ている
西安H-20として知られる中国の新型長距離ステルス爆撃機について国防総省の情報当局者は、アメリカの設計にかなわないと確信している。
「H-20のシステム設計を実際に見てみると、アメリカのLO(低観測性)プラットフォーム、特に我々が開発中の先進的なプラットフォームには到底及ばないだろう。
「彼らは、B-2やB-21のようなシステム能力を実際にどのように機能させるかという点で、工学設計上の多くの課題にぶつかっている」と、高官は付け加えた。
H-20は、新型B-21レイダーのようなアメリカのプラットフォームに対する北京の回答として期待されているが、国家機密のためほとんど知られていない。
3月、ある中国軍関係者は国営紙『香港商報』に対し、H-20は近々発表されると語ったとされる。
「軍事大国であることを誇示したいがために公開を選ぶかもしれない。だからといって、実際に必要な能力を、必要な数だけ提供できるとは限らない」と国防総省の諜報部員は語った。
H-20が懸念材料になるのか訊かれて、同高官は「そうでもない」と答えた。
国防総省高官が、中国の軍事航空近代化計画の重要な部分を口頭で否定したのはこれが初めてではない。2022年9月、ケネス・ウィルスバック元太平洋空軍司令官は記者団に対し、J-20ステルス戦闘機は "寝耳に水"ではないと語った。(国防総省の情報当局者は今日、J-20は「依然として高い能力を持つシステム」だが、「(中国の)当初のパラメーターをすべて満たすものではない」と述べた)。
米国との「長期戦」に備える
国防総省の情報当局者の今日の発言は、中国ブリーフィングとは銘打たれていないものの、北京がもたらす軍事的脅威に焦点を当てたもので、国防総省当局者はこれをアメリカの "ペーシング・チャレンジ "と呼んでいる。中国はアメリカとの "長期にわたる"紛争に備え、社会のあらゆるレベルを準備することに真剣に取り組んでいる、と同高官は述べ、北京はアメリカの軍事的弱点を突くことを狙い人民解放軍(PLA)を意図的に装備していると強調した。
中国の急成長する軍事近代化で重要な点のひとつは、核兵器ポートフォリオの拡大だ。北京はすでに500発の核弾頭を運用可能な兵器庫に蓄積しており、2030年までに1000発を超える可能性があると当局者は警告している。しかし、汚職が蔓延し、燃料の代わりに水が充填されたミサイルや、発射蓋がおそらく機能しないミサイルサイロのような結果を招いたことから、この国の実際の軍事力のいくつかの要素には疑問があるとブルームバーグは報じている。
ブルームバーグ報道について質問された政府関係者は、中国の軍事力全体について、「一部にはおそらく水で満たされていたり、ドアの蓋が開かなかったりしたのだろうが、すべてではない」と述べた。
「中国側にとって最大の課題は、実際のシステムの能力よりも、それらのシステムを効果的に使用する人員の能力だと思う。注目すべきことに、中国のロケット部隊はここ数カ月で指導者多数が公の場で職を追われている。習近平国家主席による反腐敗の動きは、腐敗の事例を(標的にしているように)見える」。
とはいえ、政府関係者は、北京の軍事力の大部分が非常に効果的であるというシナリオに備えている。米政府高官は、中国との戦争は避けられないものでも差し迫ったものでもないと公言しているが、習近平と「中国共産党(中共)」が戦争は回避できないと考えているのはほぼ間違いない、と同高官は言い、中共指導部は、米国が紛争を起こすと考えている、と付け加えた。
国防総省の情報部員は、国防総省幹部の考えを説明し、「中国が(戦闘に)長けていないことを当てにしたくない。というのも、彼らが私たちを撃ってくるまで、こちらは彼らの実力を知ることができないからだ。それは問題だ」と述べた。■
“The thing with the H-20 is when you actually look at the system design, it's probably nowhere near as good as US LO [low observable] platforms, particularly more advanced ones that we have coming down,” said a DoD intelligence official.
on April 22, 2024 at 4:20 PM
結局のところ、盗んだ情報で作った先端兵器は、情報を理解する技術水準が低いならば、十分な性能を発揮できないと言うことだろう。それらしいものを作ることができても、それは外見だけだ。そのため、中国のステルス機は、他国がレーダー等で探知できる範囲を、恥ずかしくて飛べないのかもしれない。
返信削除実際に例えばJ-20について、ロシアは第4世代機と評価し、インドはSu-30のレーダーに捉えることができると言われており、真実がバレないため国外での飛行は厳禁なのだろう。また、怖くて紛争などに使用できないかもしれない。
このような事例は、航空機に限ったことでなく、他の装備、例えば、空母、艦船、ミサイル等でも同様なのかもしれない。
PLAは、不思議なことに、米軍の編成等を模倣しようと努力してきたが、内実が伴わず、「張り子」であるのかもしれない。これでは、米軍との戦争は、とんでもない結果になりそうだ。