イスラエルがイランの大規模攻撃にどう対応したのか、断片的にせよ情報が出てきました。今回はWarrior Maven記事からご紹介します。
弾道ミサイルなど数百発のを使用したイランのイスラエル攻撃は、ミサイル防衛の進化の前に大部分が撃破された
イランが数百発の弾道ミサイルでイスラエルを攻撃したことは、ミサイル防衛の進化、イランの兵器庫の状態と有効性、そして、スタンドオフの距離で飛来するミサイルの脅威を感知し、追跡し、破壊することができる新技術を活用する新たな作戦コンセプトの可能性について、重要な新たな問題を提起している。
イランの弾道ミサイル兵器のどの部分が、最近の大規模な「青天の霹靂」のようなイスラエル攻撃に使用された可能性があるのか。このような防衛に成功した防衛システムはどのようなものだろうか?
イスラエル国防軍は、イランのミサイルの約99%を破壊できたと発表している。どうやってこれを達成したのか?
というのも、アイアンドームや最近米国から供与されたペイトリオットミサイルのような精密な迎撃ミサイルは、個々の攻撃ミサイル、あるいは数発の攻撃ミサイルを追跡して破壊することは確かに可能であるが、イランのミサイルの一斉射撃からの防御は、最新鋭の精密な迎撃ミサイルでも難しいかもしれないからである。
ペイトリオットやアイアンドームのようなIDFの防衛は、複数の攻撃目標を同時に破壊する能力を高めているが、IDFはミサイル防衛モードで作動する戦闘機で防空を補った可能性があるようだ。CNNに公開されたイスラエル空軍のビデオには、イスラエル戦闘機がイランの弾道ミサイルを迎撃、あるいは「打ち落とす」様子が映っているという。驚くべきことではないが、高度な戦闘機のセンサーと兵器の新たな戦術的利用法を示唆している。
「イスラエル空軍が日曜日未明に公開した写真には、F-35とF-15戦闘機が、"迎撃 "と "空中防衛 "のミッションを成功させ、イスラエルの基地に帰還する様子が写っていた」、とCNNのエッセイが伝えている。
イスラエル国防軍は、アイアンドームとペイトリオットをうまく使っただけでなく、戦闘機を使って飛来する弾道ミサイルを追跡し、「打ち落とす」ことにも成功したようだ。
イスラエル国防軍は、F-35Iアディール型を使用した可能性が高い。アディール型は、イスラエル固有の技術、電子機器、エイビオニクスを補完した独自の特殊な統合打撃戦闘機である。F-35のセンサーの射程距離と精度は、飛行中のイランの弾道ミサイルがイスラエル領内に着弾する前に、安全なスタンドオフ距離で識別し「破壊」するのに適しているかもしれない。F-35は、作戦上有利な上空から弾道ミサイルを確認、追跡、破壊するのに十分な空対空、空対地センサーを備えている。レッドフラッグのような米空軍のウォーゲームでは、F-35はそれ自身が探知されないまま多数の第4世代航空機を追跡し、破壊する能力を示している。F-35の分散開口システム360度センサーと電気光学照準システムによって可能になったこのような技術的特性は、F-35が空中で安全なスタンドオフ距離からイランのミサイルを追跡し、迎撃することを可能にしたと思われる。
F-35が使用した兵器の種類は?
F-35は、AIM-9XサイドワインダーやAIM-120Dなど、イランの弾道ミサイルを破壊するのに十分と思われる幅広い空対空兵器を装備している。また、イランのミサイルを「妨害」しコースから外し、効果的に目くらましをするために、EWのような非キネティック・ソリューションが使われた可能性もある。
F-35Aは現在、BAE社製のAN/ASQ-239 EWシステムを運用している。開発者によれば、このEWシステムは360度の探知、より広い探知範囲と信号の忠実度、高度な対抗措置を導入しているという。高度なEWシステムは、多数の周波数で同時に作動したり、妨害したりすることができ、脅威と信号を正確に識別し、周波数ホッピングなど重要な対抗策を可能にする。
イランの戦略は、大規模な不意打ちの「青天の霹靂」弾道ミサイル攻撃で、イスラエルの防空、装備保管施設、指揮統制を単純に「圧倒」し、破壊しようとしたのかもしれない。■
Israeli Defense Force Uses F-35I Adir & "Fighter Jets" To Destroy Iranian Ballistic Missiles
By Kris Osborn, President, Center for Military Modernization
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