スキップしてメイン コンテンツに移動

★★F-15+F-22編隊が仮想敵機と交戦したら41-1で大勝



戦闘機命派には胸のすくニュースでしょうね。ただし今回の演習の条件、敵機役の機種は不明ですし、条件は近接航空戦の想定だったようですね。いずれにせよ現役戦闘機各機種を組み合わせて運用する構想の有効性が実証されましたね。そこでF-15が引退したらどうなるのでしょうか

Combined Force of 4 F-15s and 4 F-22s achieves 41-1 kill ratio against 14 “Red Air” fighters at WSEP


F-15、F-22各4機合同部隊が41-1キルレシオで「レッドエア」14機編隊に対抗したWSEP演習成果発表へのコメント
Apr 04 2017

  1. ラプターとイーグルの混合編隊が敵に数的に劣勢でも問題なく威力を証明した。

  2. ウェポンシステムズ評価事業 Weapons Systems Evaluation Program (WSEP) でフロリダのティンダル空軍基地に派遣されたのはマサチューセッツ州軍航空隊(ANG)の第104戦闘飛行隊のF-15イーグル9機だ。
  3. 「コンバットアーチャー」として知られるWESPは空対空演習で第53ウェポンズ評価集団が主催し、空対空戦技術やウェポンシステムズの実効性引き上げを目指す。実弾ミサイル発射は戦闘機パイロットに貴重な機会だ。
  4. 「WESPの狙いは二点」とジェフリー・リヴァース大佐(第83戦闘機隊司令)は米空軍公表資料で述べる。「戦闘航空部隊(CAF)に練習と即応性維持の機会となります。乗員の知見を維持し、ミサイルを発射したらどうなるかを五感で学ばせます。シナリオは現実を直接反映している点で通常訓練と同じですが、実目標に実弾を発射する点が違います」
  5. コンバットアーチャーで使うミサイルは弾頭を外し遠隔データ送信装置をつけている。AAMはメキシコ湾上空でMQM-107Dストリーカー他各種無人標的機に発射される。QF-4は最近引退した。
  6. マサチューセッツANGのイーグル編隊はのべ221ソーティー中212ソーティーで機関銃合計14,461発を発射し、各銃は100パーセント作動し、ミサイル17発が目標捕捉し命中率は83%だった。
  7. 「ティンダル基地展開には課題がふたつありました。まずWSEPでキルチェーンの演習と実効性の確認が主眼で、ミサイルが目標を確実に撃破するのを見ました。二番目に大規模展開演習としてイーグル4機編隊の訓練を行いました。演習は敵に数で劣勢なシナリオで演習最終日には当方のイーグル4機とF-22四機編隊が『レッドエア』戦闘機部隊14機と交戦しました。訓練想定でレッドエアには被撃墜後も生き返る設定としました。最終結果はブルーエアは敵機41を撃墜し、損失は一機だけでした。大きな成果ですが、完璧をめざすのが目標で、デブリーフィングはどうしたら41-0が実現するかが中心でした」
  8. 目を引く成果だ。ROE(交戦規程)やシナリオ、敵の構成、シミュレーション条件などは不明だが。イーグル/ラプター編隊の相手がどの機種だったのか、アメリカ最強のニ機種がどのように協調して敵機をすべて撃墜したシミュレーションなのかも知る由もない。
  9. 撃墜被撃墜率からWVR(視程内)の直接交戦だったのではないか。ただしBVR(視程外)航空戦が将来の主流になりそうだ。この場合航空優勢は明確に確保できない。
  10. ステルスF-22が対抗軍の情報を収集、融合、配給した状況認識を高性能敵勢力との交戦に投入した。ステルス性こそないがF-15搭載のAESA(アクティブ電子スキャンアレイ)レーダーの威力が実証された。
  11. 仮想敵編隊の機種は不明と書いたとおりだが「ティンダル空軍基地のエプロン上には104飛行隊の他にカナダCF-18、F-35、F-16、F-22があった」と空軍報道資料にある。この一部がレッドエア役だったのだろう。

Top image: file photo of a U.S. Air Force F-22 and F-15, 104th Fighter Wing, flying together during Cope Taufan 14 exercise.


コメント

  1. 初心者質問で申し訳ありません。
    現在、F22とF15とのデータリンクはスムーズ相互共有できる感じでしょうか?
    F22のミサイルキャリアとしてF15使ってるのかと妄想してみたりするのですが。

    返信削除
  2. F-22のデータリンクはその他機種が多用するLink 16と互換性がないと聞いています。
    もっと詳しい方の追加説明をお願いします。
    The Editor

    返信削除

コメントを投稿

コメントをどうぞ。

このブログの人気の投稿

漁船で大挙押し寄せる中国海上民兵は第三の海上武力組織で要注意

目的のため手段を択ばない中国の思考がここにもあらわれていますが、非常に厄介な存在になります。下手に武力行使をすれば民間人への攻撃と騒ぐでしょう。放置すれば乱暴狼藉の限りを尽くすので、手に負えません。国際法の遵守と程遠い中国の姿勢がよく表れています。尖閣諸島への上陸など不測の事態に海上保安庁も準備は万端であるとよいですね。 Pentagon reveals covert Chinese fleet disguised as fishing boats  漁船に偽装する中国軍事組織の存在をペンタゴンが暴露   By Ryan Pickrell Daily Caller News Foundation Jun. 7, 3:30 PM http://www.wearethemighty.com/articles/pentagon-reveals-covert-chinese-fleet-disguised-as-fishing-boats ペンタゴンはこのたび発表した報告書で中国が海洋支配を目指し戦力を増強中であることに警鐘を鳴らしている。 中国海上民兵(CMM)は準軍事組織だが漁民に偽装して侵攻を行う組織として長年にわたり活動中だ。人民解放軍海軍が「灰色」、中国海警が「白」の船体で知られるがCMMは「青」船体として中国の三番目の海上兵力の位置づけだ。 CMMが「低密度海上紛争での実力行使」に関与していると国防総省報告書は指摘する。 ペンタゴン報告書では中国が漁船に偽装した部隊で南シナ海の「灰色領域」で騒乱を起こすと指摘。(US Navy photo) 「中国は法執行機関艦船や海上民兵を使った高圧的な戦術をたびたび行使しており、自国の権益のため武力衝突に発展する前にとどめるという計算づくの方法を海上展開している」と同報告書は説明。例としてヘイグの国際仲裁法廷が中国の南シナ海領有主張を昨年7月に退けたが、北京はCMMを中国が支配を望む地帯に派遣している。 「中国は国家管理で漁船団を整備し海上民兵に南シナ海で使わせるつもりだ」(報告書) 中国はCMMはあくまでも民間漁船団と主張する。「誤解のないように、国家により組織し、整備し、管理する部隊であり軍事指揮命令系統の下で活動している」とアンドリュー・エリク...

海自の次期イージス艦ASEVはここがちがう。中国の055型大型駆逐艦とともに巡洋艦の域に近づく。イージス・アショア導入を阻止した住民の意思がこの新型艦になった。

  Japanese Ministry of Defense 日本が巡洋艦に近いミサイル防衛任務に特化したマルチロール艦を建造する  弾 道ミサイル防衛(BMD)艦2隻を新たに建造する日本の防衛装備整備計画が新たな展開を見せ、関係者はマルチロール指向の巡洋艦に近い設計に焦点を当てている。実現すれば、は第二次世界大戦後で最大の日本の水上戦闘艦となる。 この種の艦船が大型になる傾向は分かっていたが、日本は柔軟性のない、専用BMD艦をこれまで建造しており、今回は船体形状から、揚陸強襲艦とも共通点が多いように見える。 この開示は、本日発表された2024年度最新防衛予算概算要求に含まれている。これはまた、日本の過去最大の529億ドルであり、ライバル、特に中国と歩調を合わせる緊急性を反映している。 防衛予算要求で優先される支出は、イージスシステム搭載艦 ( Aegis system equipped vessel, ASEV) 2隻で、それぞれ26億ドルかかると予想されている。 コンピューター画像では、「まや」級(日本の最新型イージス護衛艦)と全体構成が似ているものの、新型艦はかなり大きくなる。また、レーダーは艦橋上部に格納され、喫水線よりはるか上空に設置されるため、水平線を長く見渡せるようになる。日本は、「まや」、「あたご」、「こんごう」各級のレーダーアレイをできるだけ高い位置に取り付けることを優先してきた。しかし、今回はさらに前進させる大きな特徴となる。 防衛省によると、新型ASEVは全長約620フィート、ビーム82フィート、標準排水量12,000トンになる。これに対し、「まや」クラスの設計は、全長557フィート強、ビーム約73フィート、標準排水量約8,200トンだ。一方、米海軍のタイコンデロガ級巡洋艦は、全長567フィート、ビーム55フィート、標準排水量約9,600トン。 サイズは、タイコンデロガ級が新しいASEV設計に近いが、それでもかなり小さい。Naval News報道によると、新型艦は米海軍アーレイ・バーク級フライトIII駆逐艦の1.7倍の大きさになると指摘している。 武装に関して言えば、新型ASEVは以前の検討よりはるかに幅広い能力を持つように計画されている。 同艦の兵器システムの中心は、さまざまな脅威に対する防空・弾道ミサイル防衛用のSM-3ブロックII...

次期高性能駆逐艦13DDXの概要が明らかになった 今年度に設計開始し、2030年代初頭の就役をめざす

最新の海上安全保障情報が海外メディアを通じて日本国内に入ってくることにイライラしています。今回は新型艦13DDXについての海外会議でのプレゼン内容をNaval Newsが伝えてくれましたが、防衛省防衛装備庁は定期的にブリーフィングを報道機関に開催すべきではないでしょうか。もっとも記事となるかは各社の判断なのですが、普段から防衛問題へのインテリジェンスを上げていく行為が必要でしょう。あわせてこれまでの習慣を捨てて、Destroyerは駆逐艦と呼ぶようにしていったらどうでしょうか。(本ブログでは護衛艦などという間際らしい用語は使っていません) Early rendering of the 13DDX destroyer for the JMSDF. ATLA image. 新型防空駆逐艦13DDXの構想 日本は、2024年度に新型のハイエンド防空駆逐艦13DDXの設計作業を開始する 日 本の防衛省(MoD)高官が最近の会議で語った内容によれば、2030年代初頭に就役開始予定のこの新型艦は、就役中の駆逐艦やフリゲート艦の設計を活用し、変化する脅威に対し重層的な防空を提供するため、異なるコンセプトと能力を統合する予定である。  防衛装備庁(ATLA)の今吉真一海将(海軍システム部長)は、13DDX先進駆逐艦のコンセプトは、「あさひ」/25DD級駆逐艦と「もがみ」/30FFM級フリゲート艦の設計を参考にすると、5月下旬に英国で開催された海軍指導者会議(CNE24)で語った。  この2つの艦級は、それぞれ2018年と2022年に就役を始めている。  13DDX型は、海上自衛隊(JMSDF)が、今吉の言う「新しい戦争方法」を含む、戦略的環境の重大かつ地球規模の変化に対抗できるようにするために必要とされる。防衛省と海上自衛隊は、この戦略的環境を2つの作戦文脈で捉えている。  第一に、中国、北朝鮮、ロシアが、極超音速システムを含むミサイル技術、電子戦(EW)を含むA2/AD能力の強化など、広範な軍事能力を急速に開発している。第二に、ウクライナにおけるロシアの戦争は、弾道ミサイルや巡航ミサイルの大規模な使用、EWやサイバー戦に基づく非対称攻撃、情報空間を含むハイブリッド戦争作戦、無人システムの使用など、新たな作戦実態を露呈したと説明した。  新型駆逐艦は、敵の対接近・領域拒否(A2/A...