スキップしてメイン コンテンツに移動

4月7日のシリア空軍基地攻撃に発射されたトマホークは計59発だった


第一撃は化学攻撃の出撃基地を限定的に狙ったものでした。今後どこまで拡大するのかが関心事ですが、シリアが、またロシアが同対応するのか、またイランにも注意を払わねばなりません。アサド政権は墓穴をほったことになるのでしょうか。


VIDEO: U.S. Destroyers Fire 59 Tomahawks on Syrian Airfield in Retaliation for Chemical Attack

April 6, 2017 9:55 PM • Updated: April 7, 2017 12:04 AM


  1. 米海軍誘導ミサイル駆逐艦二隻がトマホーク陸地攻撃ミサイル59発を発射し、シリア航空基地を攻撃した。同基地がシリア北部を襲った化学攻撃の拠点だと複数の軍事筋がUSNI Newsに木曜日夜に語った。
  2. 駆逐艦USSポーター(DDG-78) およびUSSロス(DDG-71) が東地中海から4月7日午前4:40、東部標準時午後8:40にシリア攻撃を開始したとペンタゴンが発表。米ロ間の取り決めで米側からロシアに巡航ミサイル発射の事前通告があった。
  3. トマホーク巡航ミサイルによる攻撃は化学攻撃の航空機が発進したと思われるアルシャイラット空軍基地をねらった。
  4. 「今晩、軍に化学攻撃の拠点と思われる空軍基地の攻撃を命じた」とドナルド・トランプ大統領は声明を発表した。「国家安全保障上、米国の権益に死活的な意味があり、致死性のある化学兵器の拡散を食い止める意味もある。シリアが禁止令を無視し化学兵器を投入したことは間違いなく、化学兵器禁止条約に違反しただけでなく国連安保理にも逆らっている」
USSロス(DDG-71)がトマホーク陸地攻撃ミサイルを発射している。 April 7, 2017. US Navy Photo
  1. ペンタゴン報道官デイビス大佐は声明文で「今回の攻撃はトマホーク対地攻撃ミサイル(TLAMs)を駆逐艦USSポーターおよびUSSロスから東地中海から発射した。合計59発のTLAMsを航空機、強化航空機掩体壕、石油補給物資集積地、弾薬補給所、防空施設、レーダー拠点を目標に発射した。いつも通り米軍は民間人死傷者の発生を防ぎ、武力衝突原則に則って行動している。航空基地内の人命損傷を最小限にすべく最大限の注意を払った」
  2. 「今回の攻撃はアサド政権の邪悪な行為に対応するもの」と声明文にある。「シャイラット基地は化学兵器貯蔵とともにシリア空軍装備の格納に使われていた。米情報機関による評価ではシャイラットを発進した航空機が4月4日の化学兵器攻撃に使われている。今回の攻撃で同政権が再度化学兵器を投入しないことを狙っている」
  3. 米軍関係者からUSNI Newsに対しシリア国内のロシア軍にはミサイル攻撃の前に警告が与えられているとわかった。国務長官レックス・ティラーソンは声明文にてモスクワから攻撃の了承は取っていないと述べている。
Image courtesy of the Defense Department.
  1. 上院外交情報活動委員会所属のマルコ・ルビオ議員(共、フロリダ)はCNNのアンダーソン・クーパーに「これはメッセージにはならないだろう。これは戦術行動でさらに重要な目標を目指す一歩と見ている。アルシャイラット基地が化学攻撃の拠点で同時に北部シリアでISIS以外の反乱勢力を鎮圧する拠点になっている。そこで今回の措置は重要な一歩だ。単なるメッセージではなく、シリアの化学攻撃実施能力を削ぐ意味があり罪のない一般市民の殺戮を防ぐ。政権の空からの攻撃能力を削ぎ、望むらくは戦略方針を総合的に進めてシリア国内の混乱状態に終止符を打ちたい」と述べた。
  2. さらに大規模攻勢があるのかとの問にルビオ議員は「今回の成果で全てだとは思いませんが、同基地が化学攻撃の実施場所で将来の攻撃実施場所にもなると見ていたのは事実で罪のない一般市民を標的としたアサド政権は一方で支配地域を確保しながら国土を奪還出来ていないのです」と語った。
  3. シリア西部に展開するロシア軍についてルビオ議員はCNNに「今回の攻撃の対象ではなかったはずだがもしロシアが地上でアサド政権を支援し忌まわしい犯罪行為に手を貸していれば戦争犯罪に加担することとなり、当然の報いを受けるべきですし、自ら危険な道にはまりこんでいたわけです。ロシアの立場は馬鹿げていると思いますよ。真剣な顔をして化学兵器は反乱勢力の所有物だといっているのですから。全くおかしな言い分ですよ。三番目にロシアは今回立場がわるくなっていますね。世界に対して神経ガスは存在しないといい切ってきたのですから。化学兵器もシリア国内にはないと言っていました。こちらはアサド政権が塩素爆弾を一般市民を狙って投下しているのを知っておりますし、ついにサリンまで投入したわけです。ロシアはアサドをかばうあまり、アサドは図々しくついに化学攻撃を実施してしまったわけです」
USSロス(DDG-71)がトマホーク陸地攻撃ミサイルを発射している。 April 7, 2017. US Navy Photo
  1. 上院軍事委員会委員長ジョン・マケイン議員(共、アリゾナ)および委員のリンゼイ・グラハム議員(共、サウスカロライナ)からは次の声明文が発表された。「当方は今夜実施されたシリア攻撃に関し米軍関係者の技量およびプロ意識に賛辞を送る。最高司令官の命に従い、米国はもはやアサドを看過できない、プーチンのロシアに支えられたアサドがシリア市民を化学兵器や樽爆弾で殺傷するのを放置できないとの意思表示ができた。前政権と異なり、トランプ大統領はシリア情勢の重要局面に直面し、行動を選択した」
  2. 「大統領は全米国民の支援を期待してよい。今夜の作戦は第一歩で、最終的に歴史の教訓を学び、戦術的成功が戦略的進展につながる局面を目撃することになる。つまり新しい総合的戦略方針を同盟諸国と共有し、シリア内戦を終結させるのが目的だ。第一歩としてアサドの空軍力を壊滅させる。空軍が今回の化学攻撃以外に数知れない残虐行為をシリア国民を対象に実施してきた。飛行そのものを不可能にする。またシリア国内反乱勢力への支援を強化し、安全地帯を確立し現在進行中の人道上の危機状態を解消する。またISISについては最後の敗北まで作戦を継続していく」
USS Porter (DDG-78) on Jan. 6, 2017. US Navy Photo
USSポーター (DDG-78)  Jan. 6, 2017. US Navy Photo

以下はペンタゴン報道官ジェフ・デイヴィス大佐発表の声明の全文。

 大統領指示により米軍は巡航ミサイル攻撃をシリア空軍基地に対し本日東部標準時8:40 p.m. EDT (シリア現地時間4月7日4:40 a.m.)に実施した。攻撃目標はシャリアット空軍基地でホムズ地方にあり、シリア政府が化学兵器による攻撃を4月4日にハンシーホウンに行い、罪のない女性子供含むシリア国民数百名の殺害障害に対応するものだ。
 今回の攻撃にはトマホーク陸地攻撃ミサイル(TLAMs)を駆逐艦USSポーターおよびUSSロスから東地中海上から発射した。合計59発のTLAMsは航空機、強化航空機掩体壕、石油補給物資貯蔵地点、弾薬補給所、防空施設およびレーダーを目標とした。今回も米側は特別の注意を払い民間人死傷者の発生を未然に防ぎ、武力衝突法に則って行動した。考えられる注意事項をすべて実施し、目標地点の人的損傷を最小限に抑えた。
 今回の攻撃はアサドが行った非人道行為に呼応するものだ。シャイラット空軍基地が化学兵器貯蔵場所となり、シリア空軍が運用している。米情報機関の評価により同基地から4月4日の化学兵器空爆が実施されたと判明している。今回の攻撃は同政権にこれ以上の化学兵器使用をさせないための攻撃だった。
 ロシア軍には攻撃を事前通告しており、ロシアあるいはシリアの軍関係者の生命を無駄に奪うことのないよう事前に配慮した。
 攻撃効果は今後評価検討する。一次報告では攻撃によりシリア航空機に甚大な損害が生まれており、支援施設やシャリアット基地の装備にも同様の効果があり、シリア政府の化学兵器運用能力は低下した。一般市民への化学兵器の使用は看過できない。■

コメント

このブログの人気の投稿

★★★★北朝鮮ミサイルが中国衛星で誘導されている可能性

中国も北朝鮮関連では叩けば埃がどんどん出そうですね。北京が見切りをつければ平壌の現政権など簡単に転覆させるでしょうが、中国国内にある北朝鮮とのしがらみ(おそらく共産党内部の派閥争い)と東北部の軍の非合法ビジネスの問題があり、米国といったん話がついても実施が難しいのでしょう。そのうちにしびれを切らした米国が単独行動に出るかもしれません。
Record China Is North Korea Using China's Satellites to Guide Its Missiles? 北朝鮮は中国衛星を使ってミサイル誘導をしているのか
Peter J. Brown May 23, 2017 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/north-korea-using-chinas-satellites-guide-its-missiles-20810?page=show

北朝鮮がミサイル発射を繰り返し米本土を狙うICBM開発に走る中、ひとつ見落とされている点がある。ミサイルに衛星誘導を使っているのではないか。北朝鮮に衛星航法ネットワークはないため、中国衛星を利用しているとの観測がある。 2014年報道で北朝鮮技術者が中国国内で北斗Beidou衛星航法システムの運用を研修中とある。同年の別の記事で中国軍専門官から中国は北朝鮮による北斗の軍事利用を止められないと発言している。 北斗以外に北朝鮮の選択肢として米露両国のGPSがあり、ロシアはグロナスGlonasと呼んでいる。 「グロナスの可能性もありますが、ミサイル誘導に北斗を利用している可能性の方が高い」と小泉 悠(未来工学研究所特別研究員、ロシア安全保障問題)がメールで述べており、ロシアは北の核実験後に武器および軍事関連技術の北朝鮮向け禁輸措置を取っているがグロナスが対象かは不明と小泉は述べる。 北斗衛星群打ち上げは1994年に始まり、現在は東アジア以遠まで展開している。北斗は民生商業用途と軍用の両面で利用され、軍用では妨害を受けず正確にデータが利用できる。 北朝鮮が北斗の軍用機能を利用しているか不明だが、民生用機能で精密誘導兵器を運用しているとは考えにくい。というのは北斗の民生機能は日米韓の電子妨害に弱く有事の際に北朝鮮が利用するのは困難になるためだ。 「特別のチップならびに中国の協力がな…

★★ロッキードが極超音速技術の完成に近づいている模様、SR-72との関連へ注目

Amid SR-72 Rumors, Skunk Works Ramps Up HypersonicsSR-72の噂と関連か、スカンクワークスの極超音速技術が加速中
Sep 27, 2017Guy Norris | Aerospace Daily & Defense Report http://aviationweek.com/technology/amid-sr-72-rumors-skunk-works-ramps-hypersonics
SR-72: Lockheed Martin FORT WORTH, Texas—ロッキード・マーティンが極超音速技術開発を加速化しており、初の実証機を目撃したとの報告もあり、スカンクワークスが進めるSR-72高速機開発との連関が注目される。 「詳細は言えませんが、スカンクワークスのあるカリフォーニア州パームデールで超高速飛行実現の動きを倍増しています」とロッキード・マーティンで航空力学執行副社長オーランド・カバルホOrlando CarvalhoがSAE 国際航空技術学会で語っている。「端的に申し上げれば米国は極超音速革命まであと一歩まで来ています」 Darpaと米空軍研究実験部門が共同で進める推進滑空兵器および極超音速空気取り入れ式兵器コンセプト研究に言及して、カバルホは「この十年で研究は大幅に進み、極超音速技術で状況が一変する意味があることが明らかになってきました。今後も研究テストを進め、極超音速飛行の実現にDarpaとのプロジェクト二件を活用します。国家安全保障ではスピードが肝心です」 SR-72への言及はなかったが、同社が極超音速機として退役済みの高速SR-71ブラックバードの後継機を提案中であることは広く知られており、カバルホの前向きな発言はロブ・ワイスRob Weiss(ロッキード・マーティンの高性能開発事業体執行副社長兼総支配人)の発言に重なる。6月にワイスはAviation Weekに選択的に有人操縦となるSR-72の前身となる飛行研究用機体(FRV)が予定通り進行中と暗に述べていた。 スカンクワークスはFRV開発を来年から始めるといわれ、初飛行予定は2020年だ。FRVはF-22ほどの機体サイズで推進力はフルスケールのコンバインドサイクルエンジン一基だ。しかし実証機に先立ち、ロッキードは各種技術の地上・飛行テスト…

★★真偽は?日本もUCAVを開発していた

日本にもブラック事業がある(あった)のでしょうか。映像公開したのは機密解除になったのか、事業がもっと先に進んでいるからでしょうか。各務原での目撃がないことから別の場所で秘密裏に開発されたのでしょうか。川崎重工関係者は口がさけても語れないと思いますが、事実なら日本もUAV-UCAVを開発していることがわかりますね。判断は読者の皆さんにおまかせします。This is the combat drone Japan has been building in secretこれが秘密裏に開発していた日本の戦闘無人機だ 川崎重工ブースのビデオでUCAV試作機の飛行状況を写していた (Photo by Harold Hutchison) By Harold HutchisonOct. 06, 05:10 AM http://www.wearethemighty.com/news/this-is-the-combat-drone-japan-has-been-building-in-secret
無人戦闘航空機、つまりUCAVはこれからの軍事航空のカギを握ると言われる。米国、ロシア、フランスが開発中と判明している。 だが本誌We Are The Mighty (以下WATM)はこのたび日本も秘密裏にUCAV開発を進めていたことを知った。 ワシントンで先ごろ開催された空軍関係のイベントでWATMは川崎重工業のブースでビデオ画像を見た。それは同社によるUCAV研究開発の様子で、画像内のUCAVはボーイングX-45やノースロップ・グラマンX-47に似ているようだった。 会場で詳しく聞こうとしたが、同社係員が日本政府の意向だとしてやんわりと断ってきた。翌日も別の係員はこの件は存じていないと答えてきた。 結局三番目に会った川崎重工の小林タクミ氏が「試験機で10年近く前のもの」とし、「防衛省予算による実験事業だった」と説明してくれた。同氏はさらにメールで「2008年ごろのプロジェクト」と述べている。 WATMが当時空軍の筆頭参謀次長として情報監視偵察分野を担当し現在は航空宇宙研究にあたるミッチェル研究所の所長をしているデイブ・デプチュラ退役空軍中将に日本がUCAV開発をしていた事実を知っているか聞いたところ、即座に「知らない」との答えが返ってきた。 このことから日本のUCAVは秘密のベールに隠されていたことがわか…