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中国第一線戦闘航空機の現況


今のところは質的に優れているとはいいがたい中国の空軍力ですが、数の力にものを言わせ消耗戦で勝てるとの指導原理なのでしょうか。パイロットなど人的資源に限界がないのも中国の強みですが、ご覧のように国産技術に頼らない=外国技術を導入するため手段を選ばないのも中国の技術発展の特徴で、その分西側はセキュリティを強めないと技術が流出してしまいます。ここが中国技術の弱点ともいえるのですが、今後どんな非常識な戦力が搭乗しないとも限りません。今後も注視の必要が大いにありますね。



China's Air Force: 1,700 Combat Aircraft Ready for War

中国空軍力の現況 1,700機が作戦投入可能
October 28, 2017

中国人民解放軍空軍(PLAAF)は姉妹部隊の海軍航空隊(PLANAF)とともに戦闘用機材約1,700機を運用する。ここでは戦闘機、爆撃機、攻撃機を戦闘機材と定義した。この規模を上回るのは3,400機を擁する米軍のみだ。さらに中国は西側が把握していない機種も多数運用している。中国機多数はロシアやアメリカの機種を真似たあるいはコピーしたものであり、実力は把握できない。

[J-6/Q-5] ソ連と中国は1950年代に最も親密だった。ソ連は技術多数を供与し、そのひとつにJ-6があり、超音速MiG-19のクローンだった。数千機が生産されたが大部分退役している。ただし空気取り入れ口を改装した南昌Q-5の150機はまだ現役で精密誘導爆弾搭載用に改装されている。
[J-7] だが中ソ友好関係は1960年代に醜い結末を迎える。1962年にソ連は新型MiG-21を和解の一部として供与した。中国は和解は斥けつつ機体は確保しリバースエンジニアリングで頑丈だが重量の増えた成都J-7にした。生産は文化大革命のため遅れたが、1978年から2013年にかけ各型合わせ数千機を生産し今も400機近くがPLAAFとPLANAFに残る。
J-7は1950年代の新鋭機で操縦性と速度を実現した。マッハ2とF-16と同等ながら燃料、武装ともに搭載量が少ないし、小さなノーズコーン内のレーダーは能力不足だ。それでも中国はJ-7の性能強化を続けた。J-7Gは2004年導入でイスラエル製ドップラーレーダー(探知距離37マイル)と改良型ミサイルを視界外距離で運用できる。またデジタル式の「グラスコックピット」も備える。
この機体では探知能力に優れた敵の第四世代機に苦戦するはずだが、理論的には数で敵を圧倒する可能性はある。J-7で中国は大量のパイロットを養成し新型機の登場までパイロットを維持できる。
[H-6] もう一つソ連のクローン機が西安H-6双発戦略爆撃機で原型は1950年代のTu-16バジャーだ。B-52と比較すれば低性能だが、空中給油対応のH-6Kが戦力となっており、大型長距離巡航ミサイルで艦船あるいは地上目標を中国本土から最高4千マイル地点で攻撃できる。H-6は核爆弾投下を想定していたがPLAAFはこの任務に関心はないようだ。西安は新型H-20戦略爆撃機を開発中といわれるが詳細は不明だ。
[J-8] 中国は1960年代中頃から国産戦闘ジェット機開発に乗り出し、瀋陽J-8が1979年に登場した。大型双発ターボジェット超音速迎撃機としてマッハ2.2を出すが近代的エイビオニクスと整備性が欠如している。ただしJ-8II(約150機供用中)はイスラエル製レーダー搭載で改良しF-4ファントムに匹敵する重装備になった。
[JH-7] 200機ほどが供用中の西安JH-7飛豹は1992年に供用開始した複座対艦戦闘攻撃機で20千ポンドの兵装を搭載し、最高速度はマッハ1.75だ。対空格闘戦には不向きだが長距離対艦ミサイル発射が主任務だ。
[J-10] 成都J-10猛龍は中国版のF-16ファイティングファルコンで高度の操縦性を誇る軽量多用途戦闘機でフライバイワイヤ方式エイビオニクスで空力学的に不安定な機体を制御する。ロシア製AL-31Fターボファンエンジンを搭載し、J-10B型が21世紀型エイビオニクスで赤外線捜索追跡装備やアクティブ電子スキャンアレイ(AESA)レーダーの搭載で大きく改良された。AESAはF-16でも全機装備されていない。ただし、250機あるJ-10で深刻な事故数件が発生しており、フライバイワイヤ系の問題が原因と思われる。
[J-11/J-15/J-16]ソ連崩壊後のロシアは現金に飢えイデオロギー対立の暇はなく当時最新鋭のスホイSu-27戦闘機を求めてきた中国に応じてしまった。双発でF-15と比較される同機は航続距離とペイロードが優れる。この決断が運命を左右した。今日の中国戦闘機部隊ではSu-27を元にした機体が幅を利かせている。
Su-27で中国は国内生産ライセンス権を購入し瀋陽J-11を製造したが、その後高性能のJ-11BおよびDの生産に発展しロシアを動揺させた。
モスクワはそれでも改良型の対地対艦攻撃用のフランカーSu-30MKK、Su-30MK2を合計76機売却した。F-15Eストライクイーグルに匹敵する機体だ。中国はSu-30から瀋陽J-16紅鷹を生んだ。瀋陽J-15飛蛇は空母運用型で原型はロシアSu-33をウクライナから取得した。空母遼寧で20機が運用中だ。J-16Dはジャミングポッドを搭載した電子戦機で米海軍EA-18グラウラーに相当する。
中国製スホイ機は理論上は第四世代戦闘機のF-15やF-16に相当するが、国産WS-10ターボファンエンジンが制約で保守点検性が劣り推力も不足気味だ。エンジンが中国製軍用機の足かせで、2016年にSu-35を24機購入したのもAL-41Fターボファンエンジンが目当てと見られる。
[J-20/J-31]極めて短期間で中国はステルス戦闘機二型式を開発した。成都J-20が20機2017年にPLAAFで供用開始した。F-22ラプターは究極の制空戦闘機を目指したが、J-20は大型双発機で速力、航続距離、重武装に特化し操縦性は二の次にした点が違う。
J-20の主目的は対地対艦の奇襲攻撃だろう。レーダー断面積が大きいのは問題なので敵戦闘機と交戦を避けつつ脆弱な支援機材やAWACSレーダー機を撃破するのかもしれない。任務を限定したステルス戦闘機なら技術難易度が高いステルス機運用経験が浅い同国にはぴったりだろう。
小型自社開発の瀋陽J-31鶻鷹(別名FC-31)はF-35ライトニングそっくりで、ロッキード社コンピュータをハッキングした可能性がある。中国は空力特性を追求し垂直離着陸性能を省略したが、ライトニングのセンサーとデータ融合機能はないようだ。
J-31は今後就航する002型空母での供用を目指すようで、輸出向けには破格価格のF-35代替策となる。試作機のエンジンはロシア製だが国産WS-13ターボファンエンジンの生産が安定しないと機体生産は始まらないだろう。
[今後の展望]
PLAAFおよびPLANAFの機材のうち三分の一は旧式機で戦闘能力は敵側より劣るので大量の機数で攻撃を図るのだろう。28パーセントに戦略爆撃機と第三世代機が含まれる。残る38パーセントが第四世代機で理論上はF-15やF-16に匹敵する。ステルス機は1パーセント相当だ
ただし、機体性能がすべてではない。重要なのは訓練、組織運用原理や支援機であり、衛星偵察能力や空中給油機材、地上レーダーや空中指揮機材も重要だ。
例えば中国には空母を捜索する情報機材として航空機があり、攻撃用のミサイルもある。ただし、各要素をつなぎ合わせてキルチェーンを構成するのは容易ではない。2016年のRAND報告書では中国は現実を想定した訓練の不足に取り組み、地上部隊や海軍部隊tの共同運用の経験づくりに取り組んでいるとする。
ともかく中国は旧式機を新型機に全部更改することを急いでいないようだ。第四世代機やステルス機の問題を解決してから大々的に新型機を導入する構えのようだ。■
Sébastien Roblin holds a Master’s Degree in Conflict Resolution from Georgetown University and served as a university instructor for the Peace Corps in China. He has also worked in education, editing, and refugee resettlement in France and the United States. He currently writes on security and military history for War Is Boring.
Image: A "Guying" stealth fighter participates in a test flight in Shenyang, Liaoning province, October 31, 2012. China's second stealth fighter jet that was unveiled this week is part of a programme to transform China into the top regional military power, an expert on Asian security said on Friday. The fighter, the J-31, made its maiden flight on Wednesday in the northeast province of Liaoning at a facility of the Shenyang Aircraft Corp which built it, according to Chinese media. Picture taken October 31, 2012. REUTERS/Stringer

コメント

  1. 数で圧倒するといってもエリートであるパイロットをほいほいと育成出来てるように思えないんですがね
    一人当たりの飛行時間も非常に少ないとよく言われますが最近はどうなのでしょうか

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