先日のT-X競合でもノースロップはいち早く脱退を表明しており、ビジネス決断が迅速な会社ですね。米海軍の要求内容では同社の得意分野が生かせないと判断したのか、要求内容を実現するのは無理と判断したのでしょう。そうなると残る三社の去就が注目され、受注してもKC-46のボーイングの例のように大きな負担になってしまう可能性はないでしょうか。そうなるとノースロップの決断が優秀だったことになってしまうのですが、もともとは海軍の要求内容に問題があるようですが、給油機が喉から手が出るほど欲しい米海軍としては悩ましいところでしょうね。しかし給油機なのにMQ呼称には別用途にも投入したいという海軍の色気があるのでしょうか。二兎を追う者一兎も得ず、とならなければいいのですが。
Northrop Grumman Drops Out of MQ-25A Stingray Competition
ノースロップ・グラマンがMQ-25スティングレイ競争提案から脱落
An X-47B during a March 2015 test flight. US Navy Photo
October 25, 2017 4:47 PM
- ノースロップ・グラマンが米海軍MQ-25スティングレイ給油無人機競合に加わらないことがわかった。同社首脳部が今期営業報告で明らかにした。
- 「当社の目標は受注を勝ち取ることではありません。無論勝つことは重要で気持ちよくなりますが、実際に執行できず納入できなければ株主にも誤った選択になります」と同社CEOウェス・ブッシュWes Bushが10月25日に語ったとDefense Newsがいち早く報じている。
- 「米政府あるいは別の同盟国から頼りにされるのは信頼の証で、当社としては信頼を裏切ることは許されず、提案内容から当社として実施可能か検討して参りました」
ノースロップ・グラマンX-47B無人戦闘航空システム実証機(UCAS-D)は2014年も空母着艦テストを行っている。US Naval Institute Photo
- ブッシュによれば今月初め発表の提案要求内容から同社は参加を断念した。ボーイング、ロッキード・マーティン、ジェネラルアトミックスの三社は競合に残り2018会計年度末までに受注社が決まる見込みだ。
- 2013年7月10日に同社製造のX47Bソルティドッグ502がUSSジョージ・H・W・ブッシュに自律着艦している。
- ただし着艦後に海軍の求める初の艦載UAVの姿は高性能低視認性無尾翼機から単純な空中給油機に変貌してしまった。
- ブッシュは発言で各論に触れていないが、海軍がUAVで優先順位を変えたことがノースロップの競合他社に有利に働いているのは事実だ。X-47Bは全翼機形状で低視認性と燃料効率を追求していた。
- 海軍の要求では既存D-704型バディタンク給油システムの採用を想定している。
- 8月にAviation WeekがX-47BにD-704バディタンクを主翼左右下に装着した写真を公表していた。X-47Bはペイロードは機内搭載の設計で外部に装備をつければステルス性が犠牲になる。
ジェネラルアトミックスのMQ-25スティングレイ想像図。GA Image used with permission
- 海軍がスティングレイによる空中給油能力を必要としているのは事実で、スーパーホーネットが唯一の給油機として2割から3割におよぶ空母発着艦ミッションを給油に使ってりうことが機体損耗を招く一因になっている。
- 「MQ-25はライノ(スーパーホーネット)より効率がよくなり4機ないし6機への給油で行動半径を伸ばせるでしょう」と米海軍航空隊司令マイケル・シューメーカー中将Commander of U.S. Naval Air Forces Vice Adm. Michael Shoemaker が米海軍協会Proceedings9月号で語っている。”
- 「スーパーホーネットの機体を給油任務で痛めつけることがなくなればいいのですが。現在この任務に投入できるのはライノしかないのです」
- 海軍はスティングレイに空母から500マイル地点で15千ポンドの給油能力を与え、有人機の行動範囲を700カイリ以上延長することを望んでいる。
- 海軍は新型機の就役予定を明示していないが、作戦部長ジョン・リチャードソン大将は早ければ2019年の実現を期待している。■
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