噂が噂を呼びそうですが、中東の空は込み合っており、事実誤認の可能性は十分あります。また情報戦の様相もあり、今後もこの話には尾ひれがついて当分話題に上りそうです。
Did a Russian Missile Really Hit an Israeli F-35?
ロシアミサイルがイスラエルF-35に命中していた?
October 26, 2017
ロシア製対空ミサイルがイスラエルの新鋭F-35ステルス戦闘機に命中していたのか。
- ロシア寄りメディアによれば今月S-200地対空ミサイルがシリア上空でイスラエルF-35Iに命中したという。イスラエルはF-35一機が損傷を受けたことを認めている。ただし、バードストライクとしている。
- 発生したのは10月16日でイスラエルはシリアSAM陣地をダマスカス郊外で攻撃したと発表。レバノン上空を飛行中のイスラエル偵察機にシリアがSAMを発射した2時間後の攻撃だった。陣地は破損し、イスラエル空軍に被害なしとイスラエルは発表。偶然の一致なのか同日にロシア国防相セルゲイ・ショイグSergei Shoiguがイスラエルに到着しベンジャミン・ネタニヤフBenjamin Netanyahu首相、アヴィグドル・リーバーマンAvigdor Lieberman国防相と会談している。
- SouthfronはF-35が原型が1960年代のミサイルの命中を受けたと報じている。「ソ連製ミサイルはシリア軍が運用する中で最高性能の長距離劇劇手段だ。今回は近代戦で旧式装備が活躍したことになる」
- ただし同サイトの裏付けは弱い。イスラエルがシリアミサイル陣地攻撃を発表して数時間後にイスラエルメディアがF-35一機が二週間前にバードストライク被害にあっていたと報道。同機は無事着陸したが、イスラエル空軍は同機の飛行復帰は困難と認めた。イスラエルが受領したF-35Iはまだ7機で発注総数は50機だ。
- 「確かに事件は『2週間前』だが公表は10月16日になってからだ。イスラエル筋は『鳥と衝突』したF-35の写真は公表していない」とSouthfrontは伝える。
- Southfrontは損傷機の写真をイスラエル空軍が公表する必要がどうしてあるのか伝えていない。米国防関連ウェブサイトThe Driveはイスラエルで供用開始したばかりのF-35をシリアにいきなり投入されるとは緊急時以外は考えにくいと指摘。(イスラエルにはF-15やF-16が相当数配備されており、すぐ投入できる) さらにF-35はレバノン上空の偵察ミッションには向いていない。
- The Driveの結論はこうだ。「可能性はすべて捨てきれないが、フロイドがいうようにバードストライクはバードストライクにすぎないのだろう」
- いずれにせよ、今回の事案で興味を惹かれるのはF-35がロシアミサイルの命中を受けたのかどうかだ。UFOと同様で、事実かもしれないし事実ではないかもしれないが状況証拠以上の何かがないと信ぴょう性は低いままだ。
- F-35は米技術力の象徴であり同時に、F-35が戦闘中に損傷あるいは撃墜されたとあれば当然関心の的となる。ロシアやその取り巻き勢力はF-35命中に一斉にとびつきF-35支持派が反論してくるのは必至だ。
- イスラエルF-35部隊が実戦投入されているとの報道がすでに出ているがあくまでも報道だ。米空軍と並びイスラエル空軍が世界で最も活発に作戦行動しているので、遅かれ早かれF-35が実戦の試練を受けるのは確実だ。ただし今のところ噂の域を出ない。
- 事態は今始まったばかりなのだ。
Michael Peck is a contributing writer for the National Interest. He can be found on Twitter and Facebook.
Image: An F-35A Lightning II Joint Strike Fighter takes off on a training sortie at Eglin Air Force Base, Florida in this March 6, 2012 file photo. Canada is poised to buy 65 Lockheed Martin Corp F-35 Joint Strike Fighter jets, sources familiar with the process told Reuters, marking a major renewal of Canada's fighter fleet and helping contain costs of the expensive defense program. REUTERS/U.S. Air Force photo/Randy Gon
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