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もし戦わば(18)F-22対J-20のステルス機対決!


もし戦わば(18)はF-22とJ-20の対決です。全く思想の違う両機ですが、両国の考え方の違いが出ていますね。直接両機が対決するというよりも米中空軍力の対決の一断面としてそれぞれの機体の活躍ぶりを想像するのがいいかもしれません。どちらかといえばJ-20の方が攻撃的で未来のコンセプトに近くなっている気がします。対決の場面がこれからも発生しないよう祈るばかりですが。



Stealth Showdown: America's F-22 Raptor vs China's J-20 (Who Wins?)

ステルス機対決 米F-22ラプター対中国J-20、勝つのはどちらか
The National InterestOctober 1, 2017


  1. 中華人民共和国はこのままだと米国と今後50年間にわたり互角の戦力を有する唯一の国家になりそうだ。直接対戦が発生する可能性は低いが、米国はたえず備えておく必要があるのは言うまでもない。
  2. 現代の通常戦では航空優勢確保がカギとなる。米国ではステルスのロッキード・マーティンF-22ラプターが最強機材として当面空を支配する役割を期待されているが、ゆくゆくは米空軍の進めるF-Xに交代するはずだ。
  3. 中国でラプターに最も近い存在が成都J-20だが、米国の最強戦闘機にどこまで対抗できるのだろうか。
  4. この中国機について分かっていることは少ない。伝統的な戦闘機の域を脱した特殊任務機かもしれない。米側が兵力投射機能を西太平洋で展開するのを妨害し中国全土で接近阻止領域拒否(A2/AD)を実現するための機材かもしれない。支援機材の給油機、AWACS、JSTARSへの攻撃に特化している可能性もあり、長距離巡航ミサイルを搭載し各地の米軍基地や空母を狙う構想なのかもしれない。
  5. J-20で判明している事実から同機はステルス機といわれるがラプターや同じロッキードのF-35共用打撃戦闘機から大幅に設計を参考にしているのがわかる。偶然ではない。中国がF-35の機密情報を大量に盗んだ可能性が高いことは知られている。
  6. J-20の基本が攻撃任務にありながら空対空能力も相当程度あることがわかる。F-35同様にJ-20試作型は電子光学式目標捕捉装備を機首下に搭載している。このセンサーはBeijing A-Star Science and Technology製のEOTS-89電子光学目標捕捉システム(EOTS)で、航空優勢を主任務とする機体にはこの種のセンサーは本来不要だ。
  7. またJ-20はアクティブ電子スキャンアレイレーダー(AESA)を搭載しているようだ。1475型レーダーと思われ、China Test Flight EstablishmentがツボレフTu-204に搭載してテストしていた。ただし、この情報の真偽を確認できないのは人民解放軍空軍(PLAAF)が情報開示する様子がないためだ。中国がSu-35に関心を示しているのはフランカー搭載のレーダーやエンジン技術の習得が狙いなのだろう。筆者は中国がAESAを自国でどこまで実用化しているのか疑わしいとみている。
  8. J-20が攻撃任務に特化していることの一番説得力のある証拠は機体は巨大だが主翼が比較的小さいことだ。兵装庫も相当の大きさがあるようだ。この設定は超音速攻撃機の想定であり、航空優勢戦闘機としては向いていないのは明らかだ。
  9. ただし中国はこれだけの大きさの戦闘機に十分な出力を確保するエンジン技術を実用化していない。国産WS-10エンジンの完成にてこずっており、次世代WS-15の開発もおぼつかない。また十分な信頼性がある国産エンジンの実用化にも至っておらず、ロシア技術を盗んだエンジンでも同様だ。だが攻撃機にとてつもない推力重量比は不要で、同機が現在搭載するロシア製サトゥルンAL-31F双発で中国の目的には十分なのかもしれない。
  10. だがF-22やF-35はともに短距離戦術戦闘機で西太平洋での作戦実施には不適だ。距離が長いわりに基地の数が足りないからだ。この地理的制約は中国にもあてはまり、中国は米軍他との直接対決の代わりに米側の継戦能力を奪おうとしてくるはずだ。そうなるとJ-20は中国にとって航空優勢の実現手段となり、F-22に対しても優勢となるかもしれない。
  11. もちろんすべては推測に過ぎない。PLAAFだけがJ-20がふさわしい戦闘状況を把握しているはずで手ごわい敵になりそうだ。■
Dave Majumdar is Defense Editor for The National Interest. You can follow him You on Twitter: @DaveMajumdar.

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