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ウクライナへの戦闘機供与案が不調。米軍経由で機材提供のポーランド構想をペンタゴンが拒否したため。これはどうなのか。

 A Polish MiG-29 Fulcrum fighter jet.

OLEG V. BELYAKOV/AIRTEAMIMAGES VIA WIKIMEDIA

 

 

旧ソ連機材ならウクライナで即戦力になるとの触れ込みで供用中のNATO加盟国からウクライナ壁材を提供する構想が浮上したものの、実施を検討したら、米国が腰砕けになった格好です。ペンタゴンは戦闘機より対空ミサイルを供与するほうが効果がすぐ出るという考えなのでしょうか。

 

ンタゴンはポーランド空軍所属のMiG-29フルクラム戦闘機を米国に移管してからウクライナへ供与する案を公式に却下した。国防総省報道官ジャック・カービーによれば機材を移せばロシアの報復を招く深刻な事態になりかねず、ウクライナ空軍には地上配備防空装備を追加送付したほうが効果が大きいと述べた。

 

 

カービーが触れたのはポーランド政府による提案で残る28機のMIG-29を米国経由でウクライナへ供与する構想のことだ。同構想は昨日急浮上したもので、米関係者も虚をつかれた格好だった。ポーランド外務省は構想についてフルクラムをいったん米空軍のラムステイン基地(ドイツ)に移動させ、米側は同数の中古機をポーランドが取得するのを助けるものと説明していた。EUで戦闘機の追加がウクライナに必要との発言が出て二週間がたってこの進展だ。

 

カービー報道官は「この時点で戦闘機をウクライナ空軍へ移管する案は支持できない。そのためポーランド機を米国が受領するつもりもない」としつつもポーランドのNATOへの貢献ぶりを称賛し、ウクライナへ同奥が軍事含む援助を提供していることに触れた。

 

「ウクライナの防衛の支援策でベストな方法は軍事装備品等ロシアを敗退させる手段の提供だ」「とくに対装甲、対航空機装備がある。米国は他国とともにこうした装備品を今後も提供する。効果がすでに生まれていると判明している」

 

カービー報道官はウクライナ軍の地上配備防衛装備として肩載せ地対空ミサイル(MANPADS)がロシア軍機に大きな効果を発揮していると付け加えた。

 

さらに、「ウクライナ空軍には飛行隊数個が残っており、完全に任務を遂行できる機材もある」とし、「ウクライナに航空機を追加してもウクライナ空軍の対ロシア戦力が大きく向上しそうにない。そのため、MiG-29機材を移譲しても効果は低いと評価した」

 

「情報機関の評価ではMiG-29をウクライナへ移管するとエスカレーションの危険が増え、ロシア側が過剰反応してNATOとの軍事対決に発展しかねないとある」とカービー報道官は「したがって、MiG-29をウクライナへ移管すればリスクが高くなると評価した」と述べた。

 

後半の発言が要注意だ。国務長官アントニー・ブリンケンの発言とまっこうからぶつかる。国務長官は先週末にポーランド軍MiG-29をウクライナへ移管すると発言していた。「進めてよいことになった」と長官はCBS News報道番組「Face The Nation」で米政府がクレムリンがNATOによる動きのエスカレーションと見る恐れから構想に反対するのではとの質問に答えるかたちで発言していた。リスク評価がいつ変わったのかは不明だ。

 

米議会の議員数名に戦闘機他軍用機のウクライナ移譲を公然と支持する動きがあった。また、バイデン大統領に提案の実現を働きかけていた。

 

カービー報道官はポーランド構想を完全に葬るつもりはないとした上で、その他国からMiG-29など軍用機をウクライナ空軍に米政府を関与させず移譲する想定に触れた。同報道官は主権国家には独自の政策判断を実施に移す権利があると述べた。

 

ただし、ポーランド政府関係者から本日早く単独でウクライナへ戦闘機材を送るのはリスクが高く、このため米政府を経由する形で機材をNATOの意思で譲渡したいと考えたとの説明が出た。さらにポーランド外務省からその他NATO加盟国に対し同様の動きで機材をウクライナに供与すべきだとの呼びかけがあった。この発言はこれまで検討対象となっていた。スロバキアのMiG-29、ブルガリアのフルクラムおよびSu-25フロッグフット対地攻撃機のウクライナ供与を指している。

 

ただし、ポーランド政府がMiG-29機のウクライナ移譲を繰り返し公式否定していたことを記憶しておく必要がある。スロバキア、ブルガリア両国からは自国機材を販売あるいは寄贈する意図はないとの発言が出ている。

 

可能性は遠のくばかりのように見えるが、ポーランド、スロバキア、ブルガリアあるいは他の国が戦闘機材をウクライナへ提供する案を検討しているのはたしかだ。カービー報道官は想定する戦闘機がウクライナのニーズに合うものかで疑問もあると述べている。

 

いずれにせよ、少なくとも今は米政府はウクライナへの戦闘用機材の提供は支持しない決定をしたようだ。■

 

Poland's "High Risk" Plan To Transfer MiG-29s To Ukraine Shot Down By US

The Pentagon says there are better ways to bolster Ukraine's air defenses that are less likely to provoke a Russian response.

BY JOSEPH TREVITHICK MARCH 9, 2022

 


コメント

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