スキップしてメイン コンテンツに移動

前線のロシア軍はここまで苦労している。車両にまにあわせの丸太で待ち伏せ攻撃に耐える....プーチンの威勢のいい発言とあまりに対照的な姿からロシア軍の劣勢ぶりがわかる。

 Russian Trucks Wood Ukraine Armor

VIA @OSINTTECHNICAL

 

 

給活動の悪化が伝えられる中、ウクライナの道路がロシア軍殺戮の場と化している。重装甲車両や装甲兵員輸送車が対戦車兵器の餌食になる一方、非装甲車両は小火器にさえ脆弱だ。また、前進するロシア軍に人員物資を運搬する軽車両や非装甲車両の損失も増えている。そのため、ロシア運行要員は、ウクライナ内部へ続く危険なドライブでトラックを強化しようと工夫している。

 

土曜日公開されたロシアのKAMAZトラックの画像では、フロントバンパーに丸太を積み上げ、即席装甲としていた。ロシア車両に見られる「V」マークも残ったままだ。前面部分の保護に、木の板やジャンクメタルを使う車両もある。

 

VIA @OSINTTECHINICAL

 

車両は、貴重な燃料トラックと並んでPMP架橋の部材を積んでいるようだ。PMP橋は、開戦直前にチェルノブイリ立入り禁止区域のベラルーシ側でプリピャチ川Pripyat Riverに架けられたと思われる。

丸太は背後の森から切り出し、小銃の攻撃からラジエーターを保護するためだろう。ロシア乗員にとって、待ち伏せにあい、トラックがオーバーヒートで動けなくなるのは最も避けたい事態だろう。

 

ロシア軍がウクライナ侵攻で車両防御を改良した例は、これ以外にもある。鹵獲したT-72戦車の1台は、爆発反応装甲ブロックを強化するために砲塔に土嚢を載せていたが、これは無駄な試みだった。また、オフロード走行で脅威となる泥から車両脱出させる手段として、丸太を搭載した部隊もあった。さらに、無人機や対戦車誘導弾による攻撃に対抗するべく、侵攻前から戦車には檻のような即席装甲も搭載されている。

 

ロシア軍のウクライナ進攻に伴い、ロシア、クリミア、ベラルーシの友好国への補給線が長くなったため、安全性確保がより必要になった。西側の国防関係者やロシアのリーク情報によると、補給線は混乱しており、衛星画像で見られるキーフ北部のトラックと装甲車の数キロに及ぶ渋滞もその一例だ。ウクライナでは、ロシア軍を混乱させ、待ち伏せの罠に誘い込むべく、道路標識を取り外している。

 

ウクライナ側の攻撃を受け黒焦げになった残骸のビデオや画像が大量に出回っている。こうした攻撃は、ウクライナ地上軍、抵抗勢力、戦闘機、ヘリコプター、ベイラクターBayraktar製TB-2無人機が行っている。待ち伏せにより、車両多数が損傷を受け、道路に放置されている。

 

丸太がロシアのラジエーター防御にどれほど効果があるのか、火炎瓶攻撃にトラックがどこまで脆弱なのかは不明だ。しかし、木材を装甲材とする発想は前からあり、ロシア軍部隊が待ち伏せ攻撃に弱いことを考えれば、何もないよりはましと言う程度だ。

 

 

PUBLIC DOMAIN

硫黄島でM4A3 が木材で防御していた.

 

つまるところ、必要は発明の母であり、たとえ丸太がラジエーター防御に何がしかの効果があるのなら試す価値があるのだろう。■

 

 

Desperate Russian Rear-Area Troops Are Armoring Their Vehicles With Wood Logs

ssian drivers are doing whatever they can to survive Ukrainian ambushes.

BY STETSON PAYNE MARCH 5, 2022


コメント

  1. 写真に写っている太さの丸太に射程200mで7.62mm弾を撃ち込んだら、なにもなかったかのように貫通するでしょうね。爆弾の破片とか、ピストル弾とか、その他流れ弾の類なら防げるかも。

    返信削除

コメントを投稿

コメントをどうぞ。

このブログの人気の投稿

漁船で大挙押し寄せる中国海上民兵は第三の海上武力組織で要注意

目的のため手段を択ばない中国の思考がここにもあらわれていますが、非常に厄介な存在になります。下手に武力行使をすれば民間人への攻撃と騒ぐでしょう。放置すれば乱暴狼藉の限りを尽くすので、手に負えません。国際法の遵守と程遠い中国の姿勢がよく表れています。尖閣諸島への上陸など不測の事態に海上保安庁も準備は万端であるとよいですね。 Pentagon reveals covert Chinese fleet disguised as fishing boats  漁船に偽装する中国軍事組織の存在をペンタゴンが暴露   By Ryan Pickrell Daily Caller News Foundation Jun. 7, 3:30 PM http://www.wearethemighty.com/articles/pentagon-reveals-covert-chinese-fleet-disguised-as-fishing-boats ペンタゴンはこのたび発表した報告書で中国が海洋支配を目指し戦力を増強中であることに警鐘を鳴らしている。 中国海上民兵(CMM)は準軍事組織だが漁民に偽装して侵攻を行う組織として長年にわたり活動中だ。人民解放軍海軍が「灰色」、中国海警が「白」の船体で知られるがCMMは「青」船体として中国の三番目の海上兵力の位置づけだ。 CMMが「低密度海上紛争での実力行使」に関与していると国防総省報告書は指摘する。 ペンタゴン報告書では中国が漁船に偽装した部隊で南シナ海の「灰色領域」で騒乱を起こすと指摘。(US Navy photo) 「中国は法執行機関艦船や海上民兵を使った高圧的な戦術をたびたび行使しており、自国の権益のため武力衝突に発展する前にとどめるという計算づくの方法を海上展開している」と同報告書は説明。例としてヘイグの国際仲裁法廷が中国の南シナ海領有主張を昨年7月に退けたが、北京はCMMを中国が支配を望む地帯に派遣している。 「中国は国家管理で漁船団を整備し海上民兵に南シナ海で使わせるつもりだ」(報告書) 中国はCMMはあくまでも民間漁船団と主張する。「誤解のないように、国家により組織し、整備し、管理する部隊であり軍事指揮命令系統の下で活動している」とアンドリュー・エリク...

海自の次期イージス艦ASEVはここがちがう。中国の055型大型駆逐艦とともに巡洋艦の域に近づく。イージス・アショア導入を阻止した住民の意思がこの新型艦になった。

  Japanese Ministry of Defense 日本が巡洋艦に近いミサイル防衛任務に特化したマルチロール艦を建造する  弾 道ミサイル防衛(BMD)艦2隻を新たに建造する日本の防衛装備整備計画が新たな展開を見せ、関係者はマルチロール指向の巡洋艦に近い設計に焦点を当てている。実現すれば、は第二次世界大戦後で最大の日本の水上戦闘艦となる。 この種の艦船が大型になる傾向は分かっていたが、日本は柔軟性のない、専用BMD艦をこれまで建造しており、今回は船体形状から、揚陸強襲艦とも共通点が多いように見える。 この開示は、本日発表された2024年度最新防衛予算概算要求に含まれている。これはまた、日本の過去最大の529億ドルであり、ライバル、特に中国と歩調を合わせる緊急性を反映している。 防衛予算要求で優先される支出は、イージスシステム搭載艦 ( Aegis system equipped vessel, ASEV) 2隻で、それぞれ26億ドルかかると予想されている。 コンピューター画像では、「まや」級(日本の最新型イージス護衛艦)と全体構成が似ているものの、新型艦はかなり大きくなる。また、レーダーは艦橋上部に格納され、喫水線よりはるか上空に設置されるため、水平線を長く見渡せるようになる。日本は、「まや」、「あたご」、「こんごう」各級のレーダーアレイをできるだけ高い位置に取り付けることを優先してきた。しかし、今回はさらに前進させる大きな特徴となる。 防衛省によると、新型ASEVは全長約620フィート、ビーム82フィート、標準排水量12,000トンになる。これに対し、「まや」クラスの設計は、全長557フィート強、ビーム約73フィート、標準排水量約8,200トンだ。一方、米海軍のタイコンデロガ級巡洋艦は、全長567フィート、ビーム55フィート、標準排水量約9,600トン。 サイズは、タイコンデロガ級が新しいASEV設計に近いが、それでもかなり小さい。Naval News報道によると、新型艦は米海軍アーレイ・バーク級フライトIII駆逐艦の1.7倍の大きさになると指摘している。 武装に関して言えば、新型ASEVは以前の検討よりはるかに幅広い能力を持つように計画されている。 同艦の兵器システムの中心は、さまざまな脅威に対する防空・弾道ミサイル防衛用のSM-3ブロックII...

次期高性能駆逐艦13DDXの概要が明らかになった 今年度に設計開始し、2030年代初頭の就役をめざす

最新の海上安全保障情報が海外メディアを通じて日本国内に入ってくることにイライラしています。今回は新型艦13DDXについての海外会議でのプレゼン内容をNaval Newsが伝えてくれましたが、防衛省防衛装備庁は定期的にブリーフィングを報道機関に開催すべきではないでしょうか。もっとも記事となるかは各社の判断なのですが、普段から防衛問題へのインテリジェンスを上げていく行為が必要でしょう。あわせてこれまでの習慣を捨てて、Destroyerは駆逐艦と呼ぶようにしていったらどうでしょうか。(本ブログでは護衛艦などという間際らしい用語は使っていません) Early rendering of the 13DDX destroyer for the JMSDF. ATLA image. 新型防空駆逐艦13DDXの構想 日本は、2024年度に新型のハイエンド防空駆逐艦13DDXの設計作業を開始する 日 本の防衛省(MoD)高官が最近の会議で語った内容によれば、2030年代初頭に就役開始予定のこの新型艦は、就役中の駆逐艦やフリゲート艦の設計を活用し、変化する脅威に対し重層的な防空を提供するため、異なるコンセプトと能力を統合する予定である。  防衛装備庁(ATLA)の今吉真一海将(海軍システム部長)は、13DDX先進駆逐艦のコンセプトは、「あさひ」/25DD級駆逐艦と「もがみ」/30FFM級フリゲート艦の設計を参考にすると、5月下旬に英国で開催された海軍指導者会議(CNE24)で語った。  この2つの艦級は、それぞれ2018年と2022年に就役を始めている。  13DDX型は、海上自衛隊(JMSDF)が、今吉の言う「新しい戦争方法」を含む、戦略的環境の重大かつ地球規模の変化に対抗できるようにするために必要とされる。防衛省と海上自衛隊は、この戦略的環境を2つの作戦文脈で捉えている。  第一に、中国、北朝鮮、ロシアが、極超音速システムを含むミサイル技術、電子戦(EW)を含むA2/AD能力の強化など、広範な軍事能力を急速に開発している。第二に、ウクライナにおけるロシアの戦争は、弾道ミサイルや巡航ミサイルの大規模な使用、EWやサイバー戦に基づく非対称攻撃、情報空間を含むハイブリッド戦争作戦、無人システムの使用など、新たな作戦実態を露呈したと説明した。  新型駆逐艦は、敵の対接近・領域拒否(A2/A...