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ウクライナにミラージュ2000戦闘機をフランスが供与へ。マクロンがまたもや独自路線を発表し、米国を困惑させている


フランスがウクライナ支援にこれまで以上に積極的になっています。マクロン大統領がフランス地上部隊をウクライナへ将来派遣する案を示しましたが、今回はミラージュ戦闘機を供与すると公式に発表しました。F-16の運用が予定より遅れているのは事実ですが、エコシステムが異なるフランス製戦闘機も追加することでウクライナ側には逆に負担が増えてしまいかねませんが、一方的に攻撃されているウクライナ側からすれば喉から手が出るほどほしい装備なのでしょう。あるいは英米主導のF-16供与へのアピールなのでしょうか。The War Zone記事からのご紹介です。


France has formally announced plans to transfer Mirage 2000-5 fighters to Ukraine and to try pilots to fly them.

Alan Wilson via Wikimedia






ミラージュ2000がF-16に次いでウクライナで運用されることになる


ランスのエマニュエル・マクロン大統領は、ウクライナにミラージュ2000-5戦闘機を譲渡する計画を明らかにした。これは、ウクライナ空軍がスウェーデンからサーブ340空中早期警戒管制機のペアを手に入れるという、最近の予想外の発表に続くものだ。また、米国製F-16ヴァイパー戦闘機をウクライナに供給する多国籍の取り組みが進行しているなかでのことである。


フランス24によると、「明日、我々は新たな協力を開始し、フランスのダッソー製ミラージュ2000-5戦闘機をウクライナに供与し、ウクライナのパイロットをフランスで訓練することを発表する」とマクロンは今日のテレビインタビューで語った。マクロン大統領は、第二次世界大戦中のノルマンディー上陸作戦から80周年を記念して行われた式典に出席していた。


「マクロン大統領は...ウクライナとの新たな協力プログラムの開始を発表した。これには、ウクライナ兵4500名の訓練、パイロット養成、ミラージュ2000戦闘機の譲渡が含まれる」と、在ワシントンD.C.のフランス大使館は声明で本誌含む報道陣に確認した。


A pair of French Mirage 2000-5Fs. <em>Alan Wilson via Wikimedia</em>

A pair of French Mirage 2000-5Fs. Alan Wilson via Wikimedia


フランス空軍は現在30機近くのミラージュ2000-5Fを運用している。フランスの-5Fジェット機は、ミラージュ2000の派生型を改造したもので、旧式のフランス製防御対策システムを保持するなど、輸出用の-5バージョンとは異なる点があると言われる。


のミラージュ2000-5Fは、他の-5バージョンと同じRDYレーダーを搭載している。RDYはルックダウン/シュートダウン機能を備えた機械走査パルスドップラータイプである。RDYは、ミラージュ2000の初期バージョンで使用されていたRDIレーダーやRDMレーダーに比べて、より多くの目標を同時に追跡する能力や空対地機能の向上など、重要な追加機能を実現した。低空を飛ぶロシアの巡航ミサイルや神風ドローンの砲撃による絶え間ない脅威に直面するウクライナにとって、特に貴重な機能となるだろう。


ウクライナ向けのミラージュ2000-5Fには、目視範囲を超える空対空ミサイルMICAのバージョンなど、貴重な新弾薬が搭載される可能性もある。5F型は空対空用に最適化されているが、ステルス性のSCALP-EG巡航ミサイルやハンマー・ロケット支援精密誘導爆弾など、フランスがウクライナ送付済みの空対地攻撃装備の使用も容易にできる。


フランスのミラージュ2000-5Fは現在、国内空域を防衛するための常時警戒態勢を含め、最前線で活躍している。これらの戦闘機は2020年代後半、あるいは2030年代前半まで現役を続けると予想されてきた。本誌は以前、フランスからミラージュ2000が譲渡される場合、2022年にフランスが退役させた2000C型のような旧型になる可能性が高いと推測していた。


フランスは、ウクライナに送ることができる追加のミラージュ2000-5Fを保管しているかもしれないが、フランス当局がウクライナに譲渡するためにミラージュ2000-5を他国から調達する可能性があるかどうかという疑問も提起している。ギリシャは今年初め、同国の戦闘機隊の合理化策の一環として、ミラージュ2000-5を売却する可能性を発表したばかりだ。台湾がミラージュ2000-5の一部または全部を退役させる動きがあるかどうかについては、何年にもわたり議論されてきた。本誌は、フランスの現在のミラージュ2000-5の譲渡計画について追加情報を求めている。


フランスがウクライナへのミラージュ2000戦闘機の派遣を検討していることは、2023年1月時点で示唆されていた。同時に、フランス当局が昨年、アラブ首長国連邦(UAE)からミラージュ2000-9戦闘機を買い戻し、ウクライナに再派遣する検討中途の報道を否定したことは注目に値する。また、ウクライナ軍パイロットがミラージュ2000の操縦訓練を受けているとの報道も否定している。


正式に確認されたとはいえ、フランスがウクライナにミラージュ2000-5を譲渡する計画については、そのスケジュールも含めて疑問が残る。ウクライナは、このジェット機を操縦するパイロットの訓練に加え、ジェット機の運用と維持ができるようにするため整備士やその他要員、そして新たなロジスティクス・チェーンが必要となる。


ウクライナに米国製F-16を供給する多国間計画は、同じようなハードルの多くに直面しており、ウクライナ当局はその取り組みの進行速度に不満を表明している。パイロット訓練の遅れが、ヴァイパーをウクライナ空軍に提供するプロセスを遅らせていると報じられている。フランスは、アルファジェット機での訓練をウクライナ軍パイロットに先行させることで、ウクライナへのF-16導入に向けたの連合国全体の努力を支援している。


フランス政府が今日、ミラージュ2000-5について発表したことは、ウクライナが2種類目の西側戦闘機を手に入れることを意味する。これにより、他国が戦闘機を提供する道が開けるかはまだ分からない。スウェーデンがウクライナ空軍へのグリペン供与を検討していると報じられている。イギリスがユーロファイターを派遣する可能性も過去に浮上したが、その前にイギリス当局がF-16パイロット養成プログラムを支援していることが明らかになった。


ウクライナへの新型戦闘機供与計画だけでなく、物資供与や訓練プログラムなど、西側の軍事援助の流れに対する懸念や批判もある。特にウクライナ北部のハリコフ地方におけるロシアの新たな攻勢で、ウクライナ政府と外国の支援者との間の緊張を悪化させている。


マクロン大統領はまた、ウクライナの地上部隊の訓練を強化すると新たに発表された計画について、フランス24が「能力的な課題がある」と述べたと伝えている。「そのため、ウクライナの大統領と国防相は、48時間前の公式文書で、すべての同盟国に対し、『より迅速に訓練してほしい』と訴えた」。


マクロンはここ数カ月、ウクライナ支援に積極的になっている。先月には、フランス軍をウクライナに派遣する可能性を否定しなかった。


いずれにせよ、フランスがウクライナの空戦能力を強化するためにミラージュ2000-5を派遣する予定であることが公式発表された。■


Mirage 2000 Fighters To Be Sent To Ukraine From France | The War Zone

Mirage 2000 Fighters To Be Sent To Ukraine From France


BYJOSEPH TREVITHICK|PUBLISHED JUN 6, 2024 6:16 PM EDT

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