戦争が新しい戦術や技術のテストの場となることはよくありますが、ウクライナではドローン対策として別のドローンが迎撃したりとドローン同士の戦いが展開されています。ここから次にどんな技術が生まれるのか、注目されますね。The War Zoneがウクライナ戦の最新状況をまとめてくれましたのでお知らせします。(元記事は6月19日に米国で発表されたものであり、ウクライナ現地時間で6月18日までの出来事をまとめているものと思います)
A screencap from the Signum unit’s First Person-View (FPV) drone encounter with a Russian Lancet drone. Via Telegram
wer, which you can see flaming in the video below.
ウクライナ情勢報告: ドローン対ドローンの空中戦が活発化
ウクライナは一人称視点ドローンでロシアのドローンを空から叩き出しており、ドローンの空対空戦闘が過熱してきた
ウクライナは、部隊の機動性や防衛線の設置、防空システムの構築を非常に困難にするドローンの蔓延に対抗するため、高機動性のFPV(First Person-View)ドローンを使い、ロシアの空中ドローンへの攻撃を強めている。
「ウクライナのチーム複数が、FPVを使用して敵の偵察ドローンを迎撃するシステムに取り組んでおり、実際に公開されている動画が増えていることから判断すると(常に公表されているのは実際の出来事の半分以下)、進展があるというだけでなく、体系的な現象になりつつある」とウクライナ最高議会ヴェルホヴナラーダの国家安全保障・防衛・情報委員会副委員長のユリイ・マイシャギンが先週、自身のテレグラム・チャンネルで述べた。
ウクライナの第93機械化旅団「シグナム」は火曜日、ロシアのランセット弾を発見したFPVドローンが、接近していく映像を公開した。FPVがランセットに衝撃を与えた視覚的証拠はないが、ビデオの最後には地上で破壊されたランセットの静止画が映っている。
このビデオには、空中のランセットの驚くべきクローズアップ映像があり、そのスクリーンショットを下に掲載した。
シグナム部隊のFPVドローンとロシアのランセットとの遭遇のスクリーンショット。テレグラム経由
「敵の神風ドローンは急降下中に検知され、爆風で損傷し、地上に墜落・分解したが、誰にも被害はなかった」と、シグナムは火曜日にテレグラム・チャンネルに書き込んだ。本誌はこの主張を独自に検証することはできない。
「ここ数カ月、国防軍が『ランセット』や『オルラン』タイプのUAVに対抗する防空手段として、FPVドローンを効果的に使用し始めたことは、もはや秘密ではありません(私たちは非常によくやっています)」と同部隊は指摘している。
ウクライナのFPVドローンがランセットを攻撃する動画が先月からソーシャルメディアに出回り始めた。
ロシア軍部隊から、こうした攻撃で状況認識を低下されていると不満が出始めている。
「多くの部隊や行動は、このようなISR(諜報・監視・偵察)ドローン(ザラ、スーパーカム、オーラン)に依存している」と、ある兵士はテレグラムで説明した。「空の "目"を破壊することは、私たちを一世代後退させ、敵が3Dで戦争を続けている間、私たちは2Dで戦うことを余儀なくされる。FPVドローンは安価だが、大型ISR専用UAVはそうではない」。
2022年10月、ウクライナ戦争で最初のドローン対ドローンの交戦がソーシャルメディア上に現れた。
本誌が長年にわたり訴えてきたように、ドローンを倒す最善の方法は別のドローンを向けることだ。本誌が最初にこのコンセプトを論じて以来、このようなシステムの市場は出現しただけでなく、今や急拡大している。ウクライナがこの種の能力を求めるのはまったく理にかなっており、ニーズは極めて緊急である。同盟国から対ドローン機は供給されていない。
低価格帯ドローンによって双方にどれだけの損害がもたらされているかを考えれば、両者のドローン空中戦はこれから洗練されていくだろう。
最新情報
ハリコフ州の戦況
ウクライナ第二の都市を目指すロシアの攻勢がほぼ停滞しているハリコフ州に、双方の大きな注目が集まっている。
ハリコフ作戦戦略グループ(OSG)のスポークスマンであるユリイ・ポフフがウクライナ・プラウダ紙に語ったところによると、ハリコフ市の北東約32マイルにある、ヴォフチャンスク市の破壊された骨材工場内にロシア軍数十名が閉じ込められているという。
この骨材工場はウクライナから頻繁に攻撃を受けている。
両陣営が通り単位で戦闘を続けているため、街全体が廃墟と化した。
ロシア軍は通りごとの熾烈な戦闘の間、建物に閉じ込められていた。
ロシア軍は、6月18日にヴォフチャンスク市内に進攻した。「6月18日に公開されたジオロケーション映像によれば、ロシア軍は最近、ヴォフチャンスク中心部のアグレゲート・プラントの敷地内にわずかに前進した。ヴォフチャンスク市内での戦闘は6月18日も続いており、ロシアのある軍事ブロガーは、ウクライナ軍とロシア軍は『数メートルの距離』に位置することができるため、ヴォフチャンスクの前線はしばしば不明瞭になると主張している。
戦場の他の場所では、ドネツク、ルハンスク、ザポリツィア各州で戦闘が続いている。
先週、ジョー・バイデン米大統領が、将来的に防空システムを納入する場合は、どこよりもまずウクライナに納入すると述べたと報じた。そして今、ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領との記者会見で交わされたその誓いが実現しそうだ。
スイス向けだったペイトリオットミサイルをウクライナへ回す
スイスの報道機関『Blick』が火曜日に報じたところによると、アメリカはスイスにペイトリオット・アドバンスト・ケイパビリティ(PAC)3ミサイル・セグメント・エンハンスド(MSE)72基を納入する3億3900万ドル契約を延期する予定だという。これは、昨年11月に米国務省が発表した、部品やスペアパーツなどを含む7億ドル規模のスイスの要求の一部であった。
その代わりに、迎撃ミサイルはウクライナに渡ることになる。昨年秋にアメリカとの調達契約が結ばれた。しかし現在、ウクライナでの戦争が国防総省の計画に水を差している。
ワシントンとの協定によれば、異例な理由ややむを得ない理由があり、アメリカの国家安全保障上の懸念が影響する場合は、合意した条件から逸脱することも可能なはずと同誌は付け加えた。「アメリカは今、ウクライナ戦争が原因だと主張しているようだ」。
ブリック記事はペイトリオットやスペアパーツの納入については触れていない。
火曜日に国務省に問い合わせたが、詳細が明らかになり次第、この記事を更新する。
プーチンと金正恩
フィナンシャル・タイムズ紙は、平壌を訪問したロシアのプーチン大統領は水曜日、北朝鮮の専制君主金正恩(キム・ジョンウン)に対し、ウクライナ戦争への支援に感謝した、と報じた。プーチンは北朝鮮を訪問し、両国の貿易と軍事関係を深める戦略的パートナーシップに署名した。
プーチンは協定の内容について詳細は明らかにしなかったが、ウクライナがロシア領内で使用することを許可された、あるいは許可される予定の長距離兵器やF-16戦闘機のNATOからの供給と比較した、と同紙は報じた。ロシアが北朝鮮との軍事関係を拡大すると暗に示唆したのだ。
本誌が今月初めに報じたように、プーチンはモスクワが長距離兵器を世界中の「地域」に供給する検討中と述べた。北朝鮮はロシアに、対ウクライナ用の短距離弾道ミサイルと100万発以上の砲弾を提供している。
火曜日、米国務省報道官は、ここ数ヶ月間に、ワシントンは北朝鮮が「ロシアの戦争努力を支援するために、弾道ミサイル数十発と11,000個以上の軍需品のコンテナを不法に移送している」と述べた、とAP通信は報じた。
ロシア、中国、北朝鮮からの脅威の高まりに直面し、NATOは核兵器(米国経由の共有協定で提供される)をさらに配備することを検討している、と同盟のトップは述べた。
NATOが核兵器配備数を増強し、脅威に対応
NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長は日曜日、テレグラフ紙に対し、核弾頭をより多く保管庫から出すことで、NATOが「核同盟であるという直接的なメッセージを伝える」ことが重要だと語った。
「どれだけの核弾頭を運用し、どれを保管すべきかについて、運用上の詳細には立ち入らないが、これらの問題について協議する必要がある」とストルテンベルグ事務総長は語った。
デンマークがF-16供与にむけ実務協定を含む軍事援助パッケージを提供
デンマーク国防省は水曜日、ウクライナに19回目の軍事援助パッケージを提供すると発表した。これには、「デンマークのF-16寄贈を支援するための追加物資」と、キーウの防衛産業への長期投資が含まれる。
パッケージには、「同盟国との間で、同盟国防衛産業からの購入や寄贈に関する協定を締結する」ことが含まれている。とりわけ、デンマークのF-16寄贈を支援するためのより多くの資材が含まれる。
この発表には、"軍自身の保有資産からの寄付 "も含まれている。その保有品や支援物資については明記されていない。デンマークは19機のバイパーをウクライナに寄贈することを約束している。
ウクライナ国内で西側が弾薬製造へ
ノースロップ・グラマンは、ウクライナの資金によって運営されるプロジェクトの下で、ウクライナ国内で中口径弾薬を生産することを計画している、と同社関係者が火曜日にブレイキング・ディフェンスに語った。
欧州の防衛企業数社は、ウクライナ国内で大規模な製造プログラムを約束している。しかし、ノースロップの共同製造契約は、「ウクライナ国内での製造プロジェクトに関し、米国の防衛関連企業とウクライナ政府との間で公に認められた初めての契約である」と同誌は報じている。
「ご存知のように、我々はウクライナで中口径弾の製造に取り組んできた。これはウクライナの保有するドルで支払われる最初のプロジェクトだ。革新的なプロセスが見つかれば、戦車弾薬や155ミリ弾、その他にも拡大したいと考えています」とノースロップの防衛システム部門の国際ビジネス担当ディレクター、デイブ・バーテルは語った。
Su-34の生産がほぼストップ
ロシア航空宇宙軍とつながりのあるファイターボマー・テレグラム・チャンネルは、重要な武器であったSu-34フルバック戦闘爆撃機の生産について苦言を呈している。
この半年で生産されたのはわずか2機だった。ファイターボマーによれば、ロシア空軍は2日前に2機、4月に2機のフルバックを新たに受領したという。テレグラム・チャンネルは、4月の納入が新型機なのか改修機なのかは不明だと付け加えている。
「これでは本質を変えることは不可能だ。少なすぎる」。
オープンソースの追跡グループ「オリックス」によれば、ロシアは約140機のフルバックのうち少なくとも32機を失い、30機が破壊され、2機が損傷したという。
オリックスは、2機のSu-34は6月14日のウクライナの大規模なドローン攻撃で損傷したと指摘している。これは、この攻撃に関する本誌のレポートを裏付けるものである。
ロシアがA-50の喪失をウクライナによるものと認める
ウクライナの防空将校の逮捕状を発行することで、ロシアの捜査当局はキーウが2月にロシア領空でA-50メインステイ空中早期警戒管制機(AEW&C)の1機を撃墜したことを確認した。
モスクワ地方裁判所は、ウクライナのニコライ・ドゥジャマン大佐wp「拘留し欠席予防措置を課すとのロシア連邦調査委員会主要軍事調査部の調査官の請願を認めた」と、同委員会はテレグラム・チャンネルに書いた。大佐はウクライナ軍第138対空ミサイル旅団の司令官である。
「調査によると、ドゥジャマン大佐は、対象機が戦闘作戦用ではなく、非武装で、ロシア連邦の領空内のみで飛行していることを知りながら、部下人に違法な破壊命令を下した。これらの行為により、10名の乗組員が死亡し、機体が破壊された」。
ロシア連邦調査委員会は、撃墜に使用された航空機の種類やミサイルの種類を明示していないが、当時お伝えしたように、ウクライナはこの日、メインステイを撃墜したと主張していた。本誌はペイトリオットにより撃墜された可能性を示唆していた。
ウクライナ情報筋によれば、前線から約100マイル離れた場所での撃墜は、ウクライナ軍とウクライナ情報機関の共同作戦だったという。
ドゥジャマンは欠席裁判で、刑法第205条第3部「b」の罪を犯したとして起訴された。ロシア連邦刑法205条(人の死をもたらすテロ行為)第3部「b」項の罪を犯したとして欠席裁判で起訴され、連邦で指名手配された。
なお先週、米陸軍防空将校が1月の事件で、ウクライナがドイツ提供のパトリオット・システムでメインステイを撃墜したと述べていた。
ロシア南部のアゾフにある石油ターミナルで、ウクライナ無人機による空爆によって引き起こされた火災が、消防士の努力にもかかわらず36時間以上燃え続けていると、ロストフ州のワシーリー・ゴルベフ知事が水曜日に自身のテレグラム・チャンネルで語った。
「残念ながら、前日にUAVの攻撃によって火災が発生したアゾフの石油貯蔵所の状況は安定させることはできない。「まだ鎮火していない。現地時間午後4時40分)、第2タンクが減圧された。緊急事態省の専門家が消火活動を続けている」。
ロイター通信によると、ドローンによる攻撃はウクライナ治安局(SBU)によろ行われた。
炎上中のタンクの写真には、ドローン型の穴のようなものが写っている。
ウクライナは、MiG-29フルクラム戦闘機の1機が、米国から供与された統合直接攻撃弾(JDAM-ER)精密誘導爆弾でスタンドオフ攻撃を行う映像を初めて公開した。ビデオでは、パイロットが高高度で上昇し、左翼下のパイロンから武器を放つ様子が映っている。スクリーンショットでは、パイロンの前端にGPSアンテナがあり、爆弾のGPS/INSガイダンスを調整してから放出する様子が映っている。5月に、米空軍はJDAM-ERがGPS妨害装置を狙い撃ちできるようにするアドオン・シーカーの調達に取り組んでいると書いた。ロシアのジャミングがJDAM-ERを含む西側から供給されたGPS誘導弾の効果を著しく低下させていることを考えれば、これは大きな進展である。
ウクライナはまた、フルクラムの1機が米国から寄贈されたAGM-88高速対放射線ミサイル(HARM)を発射するビデオも公開した。ミサイルが飛翔中にパイロットが左にバンクしたため、この交戦の結果はわからない。■
Ukraine Situation Report: Drone-On-Drone Aerial Engagements Ramp-Up
Aerial drone air-to-air combat is heating up with Ukraine pivoting to using its first person-view drones to swat Russian drones out of the sky.
POSTED ON JUN 19, 2024 7:27 PM EDT
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