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オールヴィン空軍参謀総長の発言から、米空軍の考えを理解すると今後登場する無人機は供用期間が極端に短くなり、次々に新型機が登場することになる。

 


前回のNGAD絡みの空軍参謀総長発言の記事に続き、The War Zoneがより広い視点で特にCCA絡みの短期サイクルで開発配備を進める米空軍の構想を詳しく伝えているのでご紹介します。この通りならF-35が最後の「巨大」プロジェクトになるのでしょうか。F-3開発を進める日本や相変わらず高性能機体の開発を目指す中露のような動きは時代の波に取り残されるのか、それとも米空軍が先走りすぎているのかはそれこそ時代が証明してくれるはずですが、少なくとも米空軍が将来の戦闘のあり方を変えようとしているのは明らかです。


The Air Force's top officer has argued against acquiring Collaborative Combat Aircraft that are built to last and for a fundamental re-thinking of how the service acquires future capabilities, especially in the face of tightened budgets.

Anduril’s Fury, one of the two designs competing now in the initial phase of Air Force’s Collaborative Combat Aircraft drone program. Anduril




米空軍は短期間の供用が前提の空中戦闘ドローンを倍増させる


米空軍の協調型戦闘機構想を実現するためには、これまでの調達慣行を克服することが重要になる


空軍の最高幹部は、協調型先頭航空機Collaborative Combat Aircraftドローンプログラムについて、何千時間もの飛行時間は想定せず、反復サイクルで迅速に取得できる設計に焦点を当てると強調している。また、予算が逼迫する中、空軍が戦いに確実に勝利するため、乗員・非乗員のチーム編成を含む構想を成功させるために、空軍の運営方法を根本的に見直すべきだと主張した。

 空軍参謀総長のデイヴィッド・オールヴィン大将は、本日未明に航空宇宙軍協会が主催したファイヤーサイドチャットで、協調型戦闘機(CCA)プログラムなどについて語った。CCAは空軍の最優先課題の一つで、より大きな次世代航空支配(NGAD)構想の一部となる。NGADには、新型の第6世代ステルス戦闘機の開発や、その他多数のサブプログラムも含む。

 空軍の現在の計画は、反復開発サイクル(インクリメント)を通じて、数百機のCCAドローンを取得することである。空軍はプログラムの最初のインクリメント1で約100機のCCAを購入する予定で、AndurilとGeneral Atomicsが現在対決している。未搭乗機は高度な自律性を持つが、将来のNGAD戦闘機含む有人機と密接に連携し、特に空対空戦闘ミッションで、少なくとも当初は連携することが期待されている。


A rendering of General Atomics' Increment 1 CCA design. <em>GA-ASI</em>

A rendering of General Atomics' Increment 1 CCA design. GA-ASI


 「能力開発の方法の再検討に入っている」とオールヴィン参謀総長は今日述べた。

 「私は、25年から30年も供用される戦闘機など望んでいない」。空軍参謀長はこう断言した。

 「それをやらなければ高くつく。高価なら、数機しか買えない。そして、そのスパイラルに陥る。『長持ちするように作られた』というのは、20世紀の大げさな表現だ。長持ちすれば何でもいいという前提があった。それが適切かどうかはわからない。

「だから我々は(CCAで)持続可能な構造は構築していない」とオールヴィンは説明する。10年経てば、技術の進歩でCCAはそれほど重要ではなくなるが、適応は可能だろう。そのために、モジュール化と適応性を組み込んでいる」。


 CCAでは、平均耐用年数が10年になるかもしれない。空軍の取り組みと深く関わる独自のCCAプログラムがある米海軍は、わずか数十回のミッションの後、無人機をミサイルや訓練の標的に使用するアイデアも持ち出している。空軍はCCAによって標準的な航空機の寿命の型を破ろうという考えのようだ。

 オールヴィン大将のコメントは、空軍がCCAの野望について以前に述べたことと一致しているが、同時に、空軍がその目標を実現する方法を非常によく理解していることも示している。

 CCAのインクリメント1で競合するデザインが判明している現在でさえ、空軍の無人機に対する実際の要件の詳細は曖昧なままである。また、これらの要件は、少なくともある程度は、インクリメントごとに変更されると予想される。2月に空軍関係者は、インクリメント2のパラメータを定義している段階であり、その作業は2025会計年度に開始される予定であると述べた。

 また、CCAドローンの取得と運用にどれだけのコストがかかるのか、そしてそれが大量かつ迅速に配備したい空軍にどのような影響を与えるのかについても、大きな疑問が残ったままだ。フランク・ケンドール空軍長官は過去に、CCAの初期生産機の単価はF-35ステルス戦闘機の機体価格の4分の1から3分の1になると予想していると発言していた。公開情報に基づけば、インクリメント1のCCAの価格はおよそ2050万ドルから2750万ドルになる。

 空軍は、CCAドローンを、将来の紛争、特に中国のような米国の戦力に近い相手との大規模戦闘で成功するため必要となる「手頃な質量」を獲得する鍵と見ていることを明らかにしている。また最近では、開発・取得サイクルを加速させる必要性、すなわち「スピード・トゥ・ランプ」に言及し始めており、タイムリーかつ費用対効果の高い方法でこの「質量」を獲得し、実戦投入することを支援している。


A head-on view of Anduril's Fury design. <em>Anduril</em>

A head-on view of Anduril's Fury design. Anduril


 オールヴィン大将は今日、少なくとも短期的には、軍の予算見通しを考えれば、すべてがより重要になるように見えると強調した。

 「財政的な津波が押し寄せ、コストギャップ、インフレ、2桁の賃上げがあるかもしれない。センチネル(大陸間弾道ミサイル計画)を実行するためには、あと400億ドルか500億ドルを確保しなければならない。空軍の戦闘方法はどのように変わらなければならないのだろうか?」とエア&スペース・フォースのジョン・ティルパックが今日、オールヴィンに尋ねた。「ケンドール長官は、26年度予算には本当に難しい選択が必要だと言っている。あなたは今、その予算を作ろうとしている。過去80年間のやり方を変えなければならないのか?インサイドフォースからスタンドオフフォースに撤退するのか?NGADはできるのか?資源状況に合わせて物事をどのように変えなければならないのか、お考えください」。

 これに対してオールヴィンは、「効果的な空軍とは将来どのようなものになるのか、根本的な問いを立てなければならない」とし、空軍の2026会計年度予算は "全体的に非常に薄い"ものになりそうだと付け加えた。

 今年初め、国防総省は、2023年財政責任法で課された歳出制限の影響もあり、2025会計年度の予算要求をほぼ横ばいで提出した。議会は国防費を増やす方法を検討しているが、いつ、どのように増やすかはまだわからない。

 「では、何に賭けるのか?」オールヴィンは続けた。「人間とマシンのチーミングがそのひとつで、安全な賭けになると思います」。



 空軍参謀総長は、すすめているマン・マシンチーミングの一例として、CCAプログラムがあると強調した。


A rendering of a notioanl sixth-generaiton stealth combat jet flying together with a trio of drones. Collins Aerospace


 本日のオールヴィン発言は、NGADの将来に疑問を投げかけるものではないかという指摘もある。確かに、資金的な制約から、程度の差こそあれ、空軍が野心を縮小する可能性はある。空軍の2025会計年度予算要求では、CCA含むイニシアチブとそのさまざまなサブコンポーネントに重点を置き続けると指摘しており、他の部分の削減により支えられている。

 すでに述べたように、CCAプログラムの中核目標は、費用対効果が高く比較的迅速な方法で空軍の空戦能力を向上させることにある。これは、より高度な、しかし高価な絶妙なプラットフォームを購入すれば、空軍が機能的に破綻するという懸念で推進されている。オールヴィン大将は今日、無人機の開発、獲得、実戦配備で避けるべき落とし穴について語った。

 それでも、「今後2、3年はチャレンジングな年になるだろう」。

 総じて米空軍は、CCAのようなプログラムに大きく賭けて、厳しい予算での選択を最小限に抑えつつ、将来の戦いに勝利するために不可欠と思われる能力の獲得に努めるようだ。■


Top Air Force Officer Doubles Down On Aerial Combat Drones With Short Life Spans

BYJOSEPH TREVITHICK|PUBLISHED JUN 13, 2024 9:49 PM EDT

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