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AC-130ガンシップへのレーザー兵器搭載案は中止に。105ミリ榴弾砲も撤去か。対中戦での同機の位置づけに苦慮する空軍特殊作戦軍団。

大いに期待されていた空中レーザー兵器ですが、技術的に難航しているようです。さらに対テロ作戦では大いに実効性を発揮したAC-130も対中戦でどう運用できるのか疑問が呈されています。AがだめならBという臨機応変さも重要ですが、ブラックの世界で画期的な新兵器が開発され、驚くような短期間で既存装備に搭載される可能性もあります。またラピッド・ドラゴンのように既存装備に、新戦力を整備するアプローチもありますので、今回の計画変更に失望ばかりしていても仕方ないでしょう。The War Zone記事からのご紹介です。


The US Air Force no longer plans to flight test a laser directed energy weapon on an AC-130J Ghostrider gunship.USAFAC-130ガンシップのレーザー兵器は中止、105mm榴弾砲は撤去の可能性

AC-130Jに初の実戦型空中レーザー兵器を搭載する計画が中止へ


空軍は、レーザー指向性エナジー兵器で武装したAC-130Jゴーストライダーガンシップの飛行試験計画を、長年の遅れの末に破棄した。   AC-130J用の空中高エナジー・レーザー・プログラムは、米軍初の空中レーザー指向兵器として運用される予定だった。これはまた、対反乱作戦からハイエンドな戦闘計画への幅広いシフトの一環として、AC-130Jの現在および将来的な計画能力の見直しの中で、すべてが行われ、ガンシップが105ミリ榴弾砲を失う可能性がある

 空軍特殊作戦司令部(AFSOC)は、プロトタイプの空中高エナジー・レーザー(AHEL)システムをAC-130Jでテストする計画が中止になったのを確認し、プログラムの現状に関するその他の詳細を本日未明に本誌に提供した。

 AFSOCの広報担当者は声明の中で、「オープンエア地上試験で重要なエンドツーエンドの高出力動作を達成した後、AHELソリッドステートレーザーシステムは技術的な課題に直面した。このためAC-130Jブロック20への統合を遅らせた」。

 当初、AHELシステムを搭載したAC-130Jの飛行テストは2021会計年度中に行われる予定だったが、このスケジュールは何度も延期された。2023年11月、AFSOCは本誌に対し、レーザー武装したゴーストライダーが今年1月に空を飛ぶと伝えたが、それは実現しなかった。

 ロッキード・マーティンは2019年にAHELの初期契約を獲得し、その範囲にはシステムのレーザー光源の供給と、AC-130Jにシステムを統合するサポートが含まれていた。AHELシステム一式には、ビーム・ディレクターやその他のコンポーネントも含む。

 「その結果、このプログラムは、運用と信頼性を向上させる地上テストに再度焦点を当て、他機関による使用のための引渡しへの態勢を整えた」と声明は付け加えた。

 先週発表された国防総省の2025会計年度予算要求では、AHELへの新たな予算提供はない。公式の予算文書によれば、このプログラムは2024会計年度で終了する予定だからだという。

 AHELプログラムの研究成果から恩恵を受ける「他の機関」の動向や、同プログラムで開発された60キロワット級レーザー指向性エナジー兵器システムの正確な状況は不明である。AFSOCは、さらなる質問は米特殊作戦司令部(U.S. Special Operations Command)へと指示した。

 米海軍の海軍水上戦センター・ダールグレン部門(NSWCダールグレン)は、AHELプログラムに深く関与していた。海軍は、HELIOS(High-Energy Laser with Integrated Optical Dazzler and Surveillance)と呼ばれる60キロワット級のレーザー指向性エナジー兵器を含め、さまざまな種類の艦上指向性エナジー兵器の開発と実戦配備に非常に積極的である。ロッキード・マーティンは同システムの主契約者でもある。

 米陸軍と米海兵隊も、さまざまなタイプの空中・地上指向性エナジー兵器の開発と実戦配備に取り組んでいる。

 空軍は近年、空軍研究本部(AFRL)の自機防御用高エナジー・レーザー・デモンストレーター(SHiELD)プログラムの下で、別の空中レーザー指向性エナジー兵器に取り組んできた。SHiELDは、表向きは飛んでくるミサイルの防御を目的とした戦術ジェット機用のポッド型システムを中心に開発された。過去には、2025年にSHiELDポッドの飛行試験を開始する目標が掲げられていたが、現在の状況は不明である。

 空軍は、基地防衛用を含め、その他指向性エナジー兵器プログラムも追求している。より大きな次世代航空支配(NGAD)構想も含め、機密領域で作業が行われていると理解されている。

 現在の空軍AC-130J30部隊にとって、AHELプログラムの終了は、ゴーストライダーの武装パッケージやその他の現在および将来の能力の将来についてのより大きな疑問の中でもたらされた。ゴーストライダーは、能力の再評価の一環で、105ミリ榴弾砲を失うことになるという兆候が高まっている。

 米国防総省の最新予算要求によると、「後部兵器システム(105ミリ砲)を撤去し、後部セクションを改修し、米特殊作戦司令部(USSOCOM)の乗組員削減イニシアチブを支援するために乗組員の作業負荷を最適化するエンジニアリング分析と開発を開始する」と2024会計年度におけるAC-130Jの計画にある。本誌は、AFSOCにさらなる説明を求めている。

 空軍は当初、AC-130Jの兵装パッケージに105mm榴弾砲を含めない予定であった。その後、AC-130Jは方針を転換し、最近は改良型の榴弾砲をゴーストライダーに搭載する作業を進めていた。だが作業は、能力見直しが始まった昨年に中断した。昨年11月時点で、30機のAC-130Jのうち、このアップグレードを受けたのは17機だけだった。

 AFSOCは、AC-130Jが将来のハイエンドの紛争、特に太平洋における中国との紛争にどう貢献するかについての議論のため、ゴーストライダーの現在および将来の計画能力について、この新しい見方をとっている。AC-130Jは現在、主に地上の特殊作戦部隊の超近接支援を任務としており、ほとんど許可環境か半許可環境、夜間のみで活動している。

AHELはこれまで、対反乱タイプの低強度任務の支援に理想的に適していると発表されてきた。

 国防総省の予算関連文書によれば、空軍は同ガンシップに新しいアクティブ電子スキャンアレイ(AESA)レーダーを追加しようとしている。AFSOC所属のその他C-130は、ラピッド・ドラゴンと呼ばれるパレット化兵器システムのテストに大きく関与している。ラピッド・ドラゴンは、既存の貨物機をAGM-158 Joint Air-to-Surface Standoff Missile(JASSM)巡航ミサイルやその他のスタンドオフ弾の発射プラットフォームに容易に変更する方法を提供する。SOCOMは以前から、AC-130を高性能化する敵の防空網から遠ざけるためもあり、射程の長い精密誘導弾をAC-130に統合することに関心を示してきた。ゴーストライダーに関して言えば、精密誘導弾の採用に重点を戻すことは、その作戦上の妥当性を継続的に確保するために重要かもしれない。

 全体として、AC-130Jに見られる能力の正確な組み合わせは、近いうちに大幅に進化するようだ。しかし、ゴーストライダーにとって、レーザー指向性エナジー兵器搭載の可能性は消えた。■


AC-130 Gunship's Laser Weapon Cancelled, 105mm Howitzer May Be Removed


.BYJOSEPH TREVITHICK|PUBLISHED MAR 19, 2024 1:56 PM EDT

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