2026年8月12日水曜日

攻撃型潜水艦をミサイル潜水艦に呼称変更するだけで戦力が増強するはずがない―ヴァージニア級新造艦がSSGNとなり、オハイオ級退役の穴を埋める期待があるが

 

USSジョージア」(SSGN-729)が、退役に向けた準備のため、ジョージア州キングスベイに入港した。米海軍は4隻のSSGNを段階的に退役させているが、後継艦艇は就役の準備が整っていない。(米海軍/広報専門兵1等トラヴィス・S・アルストン)

潜水艦の区分変更だけで米海軍が強くなるわけではない

https://nationalinterest.org/blog/buzz/relabeling-submarines-wont-make-us-navy-any-stronger-ps-080526

海軍は既存のSSNをSSGNに再指定するより新型艦の建造を急ぐべきだ

海軍は今後数年のうちに、最も強力な水中プラットフォームを失うことになる。この能力のギャップに対処するため、新型潜水艦の建造を発注すると予想されるかもしれない。しかし実際は、既存の潜水艦を単に再分類しそのギャップを覆い隠し、米国の即応態勢への差し迫った脅威を隠蔽しようとしているに過ぎない。

1993年、冷戦終結直後、米国とロシアは戦略兵器削減条約(START II)に署名した。同条約の規定の一つとして、米国とロシアの両国は、核兵器を搭載可能な弾道ミサイル潜水艦(SSBN)を14隻に制限することとなった。当時、米国はオハイオ級弾道ミサイル潜水艦を18隻保有する見通しであった。しかし、旧式の潜水艦を廃棄したり保管状態に置いたりする代わりに、そのうち4隻から核ミサイル関連の装備を取り外し、誘導ミサイル潜水艦(SSGN)へ転用した。

非核化のため、これら4隻のSSBNからは、トライデント型潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を収容していたミサイル発射管24基が撤去され、それぞれ7発(非核)のトマホーク対地攻撃ミサイル(TLAM)を収容できる22基のミサイル発射管に置き換えられ、合計154発のミサイルを搭載できるようになった。また、改造された潜水艦には、最大66名の特殊部隊(SOF)要員を収容するスペースと必要な改修が施され、2基のミサイル発射管はドライデッキシェルター(DDS)用のロックアウト・アウトチャンバーに改造された。

USS オハイオ(SSGN-726)、USS ミシガン(SSGN-727)、USS フロリダ(SSGN-728)、USS ジョージア(SSGN-729)の4隻の非核化により戦力が何らかの形で弱体化したことを意味すると言うのは誤りである。各艦はその後数十年にわたり、膨大な通常兵器を搭載した極めて強力な水中プラットフォームとしての実力を証明した。

問題は、海軍が先月からUSSジョージアを皮切りに、老朽潜水艦の退役を開始したことだ。海軍は、将来のヴァージニア級高速攻撃型潜水艦(SSN)ブロックV型でその穴を埋めようとしている。同型には「ヴァージニア・ペイロード・モジュール(VPM)」が装備される予定で、これは全長84フィートの中部船体セクションであり、追加火力を提供し、潜水艦の能力を大幅に向上させる。VPMは、ブロックVIおよびブロックVIIの調達契約においても維持・継承される予定である。しかし、新型潜水艦の生産遅延により、米海軍は今後数年間、現在の火力水準を維持できなくなる見込みだ。

これは早急に解決すべき課題である。潜水艦産業基盤(SIB)の改善に向けた取り組みには、最近発表された50億ドル投資も含まれており、これらは各新型潜水艦の建造期間を短縮することを目的としている。しかし、プログラムを軌道に戻すには数年を要する可能性がある。

海軍の解決策:SSN型潜水艦をSSGNに再分類

米海軍は、懸念される能力ギャップに対処することをまだ確約していない。その代わりに、同海軍は今週、VPMを搭載した潜水艦を、従来のSSNではなく、SSGNとして再分類すると発表した。海軍省は、VPMを搭載したヴァージニア級高速攻撃型潜水艦のブロックV以降をSSGNに再指定することを確認した。これは、各艦の新たな能力を強調するための措置である。

「この再分類は、VPMが水中戦での戦闘能力の向上を明確に認めるものである」と、米海軍潜水艦プログラム担当のロブ・ゴーシェ海軍中将は述べた。「VPM搭載SSGNにより、海軍は今後数十年にわたり、水中領域での優位性を維持し続けることができるでしょう。この追加の搭載能力を統合することで、我々は攻撃力を急増させ、同盟国を安心させ、侵略を阻止し、いかなる敵にも打ち勝つ能力を獲得するとともに、艦隊司令官たちに、極めて汎用性が高く、強力な国家力の手段を提供することになります。」

海軍省はさらに、この分類変更により潜水艦の能力がより的確に示され、各艦が「分散型海上作戦(DMO)およびハイエンドな戦闘における極めて重要な礎となる」と述べた。

この点は、海軍作戦部長のダリル・コードル提督も強調しており、「ヴァージニア型ペイロード・モジュールを搭載した潜水艦をSSGNに再分類することは、これらのプラットフォームが艦隊にもたらす並外れた攻撃能力、作戦上の柔軟性、そして世界規模の行動範囲を正確に反映している」と述べた。

「この移行は、海軍のオハイオ級誘導ミサイル潜水艦4隻のうちの1隻SUSS『ジョージア』が、40年以上にわたる卓越した就役を経て、退役手続きを開始する重要な時期に実施されるものだ」とコードル提督は付け加えた。「ジョージアと姉妹艦は、水中ステルス性と比類なき秘密攻撃能力を組み合わせることの永続的な価値を証明した。次世代のヴァージニア級SSGNは、その遺産を継承しつつ、より高い生存性、適応性、そして持続的な戦闘力を備えている。」

コードルとゴーシェ両提督の述べたことはすべて100%正しい。問題は、ブロックV潜水艦をSSGNに再分類したところで、その就役時期が早まるわけではないということだ。『ザ・ナショナル・インタレスト』をはじめとする各メディアは、将来のヴァージニア級SSNでは、現行の4隻のSSGNが退役することで生じる空白を完全に埋めることはできないと、長年にわたり報じてきた。どれも新しい話ではない。

ペンタゴンの指導部は「スタイル」には長けているが、「実質」に欠ける

今回の発表は、米海軍が直面している火力低下という脅威には全く触れていない。問題を曖昧に覆い隠すことさえしていない。むしろ、これは国防総省がいかに過大な誇張表現に執着しているかを示す最新の事例である。

これは、裏付けとなる実質がほとんどない過激な戦略的主張に基づいた、大げさなレトリックに大きく依存した高官たちのメッセージの、また一つの例に過ぎない。

昨年、国防総省は、1789年から第二次世界大戦直後まで使われていた名称である「戦争省(Department of War)」へ名称を変更した。この名称変更の目的は、「致死性」と「戦士精神」への取り組みを強調することにあった。皮肉屋たちが指摘したように、この名称変更は、第5世代戦闘機の納入を早めることにも、米海軍のどのプログラムも予定通りかつ予算内で完了できていないという失敗に対処することにも、あるいは将来の戦争における軍の立場を改善することにも、何ら寄与しなかった。

米海軍は、オハイオ級SSGNが退役しつつある中で、極めて深刻な能力のギャップに直面している。それに対する対応は、すでに就役予定だったSSNの再分類だった。これは解決策というよりは、目をそらすための手段のように思える。■

著者について:ピーター・スシウ

ピーター・スシウ寄稿を行い、30年にわたるジャーナリズムのキャリアの中で、数十の新聞、雑誌、ウェブサイトに記事を寄せてきた。彼は定期的に、軍事装備、銃器の歴史、サイバーセキュリティ、政治、国際情勢について執筆している。ピーターはまた、 寄稿ライターとして『フォーブス』および 『クリアランス・ジョブズ』にも執筆している。ミシガン州を拠点としている。


0 件のコメント:

コメントを投稿

コメントをどうぞ。