2026年8月20日木曜日

ロシアの不穏な動きを受け、米NATOが警戒態勢を強化―新鋭EW機材EA-37BコンパスコールIIがカリーニングラード付近を飛行―ロシアがなんらかの挑発行動をNATO加盟国に試みるとの予想。日本も心配になる事態です

 A U.S. Air Force EA-37B Compass Call electronic warfare jet was part of a specialized air package flying near the Russian Kaliningrad enclave on Tuesday.

(Matt Belcher)

EA-37Bが偵察・電子戦パッケージでロシアの飛び地カリーニングラード国境沿いを飛行した

EA-37B Flew Along Kaliningrad Border As Part Of “Specialized” Recon, EW Flight Package

米空軍の新型電子戦機EA-37B「コンパス・コール」は、ロシアの戦略的軍事前哨基地のすぐそばを飛行し、NATOによる大規模な作戦の一環として参加した

国空軍の新型EA-37B「コンパス・コール」電子戦機が火曜日、ロシアのカリーニングラード飛地付近に姿を現した。この飛行は、ポーランドとリトアニアに隣接する戦略的なバルト海突出部付近で展開された、米国およびNATOの偵察・電子戦機、ならびにポーランド陸軍による大規模な部隊展開の一環であった。同地域におけるロシアの侵略的行動の増加に対する懸念の高まり――NATO加盟国に対する限定的な軍事行動の可能性への懸念や、バルト海におけるロシア海軍の作戦活動への懸念を含む――を背景に行われた。しかし、NATOはこの航空任務を「日常的なものであり、特定の事象への反応ではない」としている。

「2026年8月18日、NATOはカリーニングラード州近郊のバルト海上空に、専門的な偵察・電子戦飛行部隊を展開した」と、ポーランド軍当局者は水曜日に本誌に語った。「この作戦には、ギリシャからポーランドのポヴィツへ移送された、めったに見られない米国の電子戦機EA-37B『コンパス・コールII』が投入され、E-3 AWACSおよびARTEMIS II監視機と共同活動した。」

「オペレーション・エピック・フューリー」に参加した後、英国のRAFフェアフォードに到着する電子戦機EA-37B「コンパス・コール」。(マット・ベルチャー)

作戦の詳細について話すため匿名を条件としたこのポーランド軍関係者は、ポーランド陸軍の役割やその兵力、装備状況などに関する追加情報の提供を拒否した。

水曜日、NATO当局者は当メディアに対し、現在も継続中のこの活動は同盟国によるものであり、NATOではなく米国が指揮を執っていると明らかにした。本誌は、さらなる詳細について、在欧州・アフリカ米空軍(USAFE)に問い合わせをした。

火曜日にオープンソースのフライトトラッカーがカリーニングラード近郊での航空活動の増加を検知したことを受け、本誌はNATOの広報担当官マーティ・オドネル大佐にコメントを求めた。

「NATOは防衛同盟であり、同盟国は常に防衛能力を磨き続けている」と大佐は説明した。「本日、バルト海地域で行われている、米国およびノルウェーの戦闘機、ポーランドの地上部隊、NATOのE-3A空中早期警戒管制機(AWACS)などが参加し、米国が統括する同盟軍の活動は、この取り組みの一例である。」

カリーニングラード近郊でのNATO機の活動は、決して珍しいことではない。ロシア本土から隔絶され、2つのNATO加盟国とバルト海に挟まれたこの飛び地は、ロシア軍の重要な前哨基地で、核搭載可能な弾道ミサイル、対艦ミサイル、数個飛行隊の戦術戦闘機、そして数千人の兵士が駐留している。また、この地域は、ロシアによ電子戦活動の拠点としても悪名高い。

しかし、この上空でEA-37Bが活動していることが注目に値する。報道によると、高度に専門化された機体がこの飛び地の近くに出現したのは今回が初めてだという。オンラインのフライトトラッカーによると、火曜日に同機はカリーニングラード近郊のポーランド領空で2時間近く周回飛行を行っていた。

パズルの最後のピースとなるのが「SHOCK55」、すなわち米空軍所属のEA-37Bコンパス・コールだ。

重要な点として(そして常に誤解を招きやすい点だが…)、これは電波偵察機ではなく、電子戦機である。4/ pic.twitter.com/RIUbdw41Xf

— Dawid Kamizela (@DawidKamizela) 2026年8月18日

大幅に改造されたガルフストリームG550ビジネスジェットのこの機体は、当初イスラエル国防軍向けに開発されたコンフォーマル空中早期警戒(CAEW)構成を採用している。同機は強力な能動型電子走査アレイを搭載し、敵のレーダーや通信システムに対するものを含め、重要な遠距離妨害支援を提供する。また、EA-37Bは、さまざまな種類の発信源を検知・追跡し、その位置を特定する能力を備えているため、副次的な情報・監視・偵察(ISR)機能も有している。

空軍は、老朽化が進み、機数が減ってきたターボプロップ機EC-130H「コンパス・コール」(現存はわずか4機)を置き換えるため、このジェット機を10機調達する。第43電子戦飛行隊は、2025年5月2日にEA-37Bによる初の訓練飛行を実施し、「オペレーション・エピック・フューリー」において初の戦闘任務を遂行した。

「コンパス・コール」は、世界最強とまでは言わないまでも、強力な空中電子戦プラットフォームであり、この飛び地にいるロシア軍を「目隠し」し「耳を塞ぐ」ことは、不測の事態において同地に配備された戦力が及ぼし得る軍事的影響を最小限に抑える上で極めて重要となる。

「オペレーション・エピック・フューリー」への参加を終え、英国のRAFフェアフォードに着陸する電子戦機EA-37B「コンパス・コール」。(マット・ベルチャー)

本記事の前半で述べたように、NATOはこの活動を軽視しているものの、同地域におけるロシアの行動に懸念が高まる中、ウクライナで依然として激化する戦争を背景に行われている。

今週初め、ロシアのフリゲート艦『アドミラル・カサトノフ』が、ロシアの浮体式貯蔵・生産船『ポルトヴィイ』を護衛しバルト海を通過したとザ・テレグラフが伝えている。これはここ数週間で同地域におけるロシア軍艦の2度目の通過であり、欧州当局によるロシアの「影の船団」船舶の差し押さえを受けて、エナジー輸送を保護するモスクワの取り組みの一環であると、ロシアの独立系ニュースメディア『ザ・インサイダー』が指摘した

先週、『ウォール・ストリート・ジャーナル』は以下報じた。「サイバー攻撃から小規模な陸上侵攻に至るまでのシナリオを想定した新たな米情報報告書によると、ウラジーミル・プーチン大統領は、今後数年のうちに同盟国に対する限定的な攻撃を行い、NATOの決意を試す可能性がある」。

同紙はさらに、「米国や欧州の指導者たちは、ポーランドに落下したロシア製巡航ミサイルやルーマニアに侵入したドローンなど、NATOの決意を試すロシアによる探査攻撃の兆候をますます強く認識している」と付け加えた。

先月、リトアニア大統領はロシアがバルト三国やポーランドの重要インフラに対する攻撃を計画している可能性があるとの見解を情報機関分析を元に示した。

「ギタナス・ナウセダ大統領は、当局が、リトアニアと欧州の電力網を結ぶ施設を含め、同国のエナジー・交通システムを混乱させる可能性のある攻撃のリスクを監視していると述べた」と、『ザ・ヒル』が報じた

NATOは、現在行われている航空活動と具体的なロシアの脅威や艦船の動きとの間に関連性はないとしているが、ポーランド軍当局者は異なる見解を示した。

「NATOの公式声明は演習を米国の監督下で行われる通常の防衛能力強化措置として位置づけている」と同当局者は指摘した。「しかし、専門家の分析によれば、この展開はバルト地域におけるロシアの潜在的な挑発行為を阻止することが目的だ。」

カリーニングラード周辺で現在行われている米国・NATOによる航空活動が、あとどれほど続くかは不明だ。いずれにせよ、戦略的に極めて重要なこの飛び地の国境沿いで「コンパス・コール」が実施されたことは、ロシアに対する明確なメッセージとなる。■

ハワード・アルトマン

シニア・スタッフライター

ハワードは『TWZ』のシニア・スタッフライターである。紛争について頻繁に執筆しており、特に中東とウクライナに重点を置いているほか、世界中の軍事・諜報当局者や業界リーダーへのインタビューも行っている。彼は、米中央軍および米特殊作戦司令部の本拠地であるフロリダ州タンパ近郊に住んでいる。


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