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RAND研究所が日本の防衛政策転換にあたり、実施上の懸念事項を指摘。正しい優先順位を示せるのは専門家だ。政治家ではない。

 


本政府は「国家安全保障戦略」「防衛戦略」「防衛力整備計画」という画期的な戦略文書3点を発表した。日本が米国と戦略的ビジョンを共有するにとどまらず、自国防衛のため従来より多くを行うと約束したことを示している。

第二次世界大戦後の日本の防衛政策は、漸進主義と非弾力性で定義されてきた。 1970年代以降の日本は防衛費をGDPの1%に抑制する傾向にあった。1990年代半ばにバブルが崩壊すると、日本の経済成長は著しく鈍化し、その結果、日本の防衛費も事実上停滞した。2021年の防衛費は、25年前の水準からわずか9%増加したに過ぎない。したがって、12月16日の東京の発表は、計画されている防衛投資の量と、日本が獲得をめざす能力の両方において、変曲点を意味する。これらの変化は、日本における抑止力概念とその維持が進化してきたことを反映しており、実施されれば、米国の同盟国として重要な戦力拡大役として、より高い能力を発揮するだろう。

冷戦後のほとんどの期間、日本の安全保障への貢献が経済的地位に見合っていないとの不満がワシントンにあったが、今回の新たなコミットメント表明は、日本にとって大きな前進となる。計画を実行に移せば、日本は今後10年間で強力な防衛力として台頭する可能性がある。ワシントンの国家安全保障と防衛戦略において日本が果たす役割がますます重要になっていることを考えれば、これは日米同盟にとって良いニュースだ。しかし、5年間で60%近い防衛予算の増額が計画されているように、支出が大幅増加しても、資源が効果的に使われ、競合する重点分野に薄く広がらないようにするには、明確な優先順位付けが不可欠なのだ。

日本の新しい防衛アプローチと背後にある資源は、地域、日米同盟、日本自身にとってプラスとなる。同時に、実施を遅らせたり変更する可能性のある課題や障害を予期しておくのが重要だる。この地域で中心に位置する同盟国として、日本が成功することはワシントンの政策立案者にとっても重要だ。これを念頭に置き、日本が今後数年間、戦略を実施する上で直面する可能性のある4つの主要な課題分野に焦点を当てよう。 

日本の新しいアプローチ

日本の安全保障環境を「第二次世界大戦後、最も厳しく、複雑」と表現した日本政府の国家安全保障・防衛戦略は、前例のない変革をめざした計画を打ち出している。まず、日本は2027年までに年間防衛費を60%近く増やし、GDPの約1%という長年の非公式な壁を打ち破る。計画の初年度である2023年度の防衛省の予算要求は、今年度比で20%以上の増加となり、それ自体、歴史的な変化を意味する。第二に、北朝鮮や中国の領土の奥深くまで攻撃可能な長距離精密攻撃陸上ミサイルなど、これまで敬遠してきた能力を獲得する。日本政府は、新戦略が現行憲法と戦後防衛戦略に合致すると主張しているが、伝統的に日本自身を武力攻撃する部隊の撃退に焦点を合わせてきた日本の防衛・抑止のアプローチに重要な進化をもたらす。今日、日本の戦略は防衛に軸足を置いたままだが、抑止の焦点は日本の領土をはるかに超え、日本への攻撃を支援する可能性のある施設への攻撃にまで及んでいる。その背景には、敵が日本を攻撃または侵略しようとする場合への対応として、防空・ミサイル防衛能力に依存するだけでは不十分であることを、日本の意思決定者が認識していることがある。反撃能力は、敵領土の奥深くにある軍事施設を標的にし、日本への侵略コストを高めることで抑止力を強化するものだ。

防衛戦略では、長距離精密打撃を含むスタンドオフ能力、統合防空・ミサイル防衛、無人システム、宇宙、サイバー、電磁能力を含むクロスドメイン能力、機動力と揚力、情報、弾薬在庫、即応性と整備、施設の強化などの分野を含む「持続性」というカテゴリーを設定し、防衛力増強に重点を置いた7つの大枠を定めている。うまくすれば、日本は今後10年間で、この地域の米軍にとって信頼できる戦力増強効果¥を果たす恐ろしい戦力を保有することができるだろう。しかし、ここまで焦点を幅広くしていることは、資源が増加した環境だとしても、実施と優先順位付けに懸念を抱かせる。

 スタンドオフ防衛能力

最も注目されるのは、日本が長距離反撃能力の整備を決定し、るミサイルの在庫を増やしたことである。日本列島全体を脅かす中国や北朝鮮のミサイル能力の急速な進展を考えれば、この決定は戦略的に意味を生む可能性がある。日本の統合防空・ミサイル防衛力は強固で、新計画の下でもさらに拡充されるが、日本上空のミサイルを迎撃することだけに焦点を当てていては、ほぼ確実に不十分となる。日本がミサイル攻撃に対応可能になれば、平壌と北京の意思決定に新たな変数が加わり、両国は投資を増やさざるを得なくなる可能性がある。

したがって、今回の反撃能力を獲得する決断は重要で、それ自体、かなりの資源を消費する。日本の予算案では、様々な射程のスタンドオフ能力に2027年までに5兆円(約500億ドル)の支出を想定している。これには、統合打撃ミサイルや統合空対地スタンドオフ・ミサイル-エクステンデッド・レンジのように、これまでコミットしてきた短射程兵器への投資、トマホーク対地攻撃巡航ミサイルの取得、12式巡航ミサイルの強化、国産の極超音速ミサイルの開発などを含む。

日本の攻撃能力整備計画の信頼性を左右する可能性がある要因として、以下2つを今後数年間追跡することが重要である。第一は数量だ。歴史的に、日本の軍需品投資は低く、軍需品に確保されたわずかな予算でさえ、他の優先事項のため共食いの犠牲となってきた。日本の攻撃能力を象徴的な存在にするためには、備蓄と貯蔵に専心する必要がある。5カ年計画で示された資源量は、日米で未決定のトマホーク巡航ミサイルを除く各システムに関連する具体的な支出額を含んでおり、ミサイル基地の充実が実効性のある抑止に不可欠だとの認識を反映していると思われ、2023年度予算要求では軍需品貯蔵に重点が置かれている。実際の調達・備蓄数は非公表のため、政府は目標を縮小したり、目標に充てる資金を流用する誘惑に負けてはいけない。

第二が、キルチェーンアーキテクチャと日本の反撃能力の運用概念だ。東京とワシントンは、日本の能力、特にトマホークを米国の情報、監視、偵察、標的、戦闘被害評価のアーキテクチャに統合するため努力する。これは賢い戦略で、日本のコストを削減し、日本が2026年までに実現したいと考えている能力を稼働開始するスケジュールを早めることができる。しかし、防衛大綱は、日本が最終的に独自の自律型キルチェーンアーキテクチャ開発を目指すのかという問題を残したままだ。防衛力整備計画では、陸上と海上の目標を「高い頻度で」観測・追跡する宇宙ベースの能力を強化する「必要性」を指摘しており、日本のメディアでも報道されたように、反撃作戦を支援する強固な国産衛星アーキテクチャの開発への関心を指摘している。独自の衛星アーキテクチャを開発する努力は、予算の枯渇する可能性がある。また、衛星群開発にはかなりのコストがかかるため、長期的には米国とアーキテクチャ統合を含む戦略が最も賢明だ。

 サイバー能力

日本側文書では、多方面でのサイバー能力の強化に大きな重点を置いている。計画にある取り組みとして、日本政府全体のサイバーセキュリティ基準を設定し、重要インフラに対するサイバー脅威に関する官民の情報共有を促進するため、より広い権限を持つ新しい国家事故対応センターの設立が含まれている。文書では、敵のコンピュータネットワークに侵入し、破壊する能力を持つ「積極的防衛」サイバー能力を開発するよう求めている。日本の防衛戦略では、自衛隊のサイバー部隊を大幅拡大し、現在の約800人から2027年までに約4000人、サイバー機能を担う部隊の総人員は2万人に増やし、重要ネットワークのサイバー防衛強化に注力するとある。

国家安全保障戦略と国家防衛戦略がサイバー戦力の強化に焦点を当てるのは、日本政府のサイバーセキュリティの脆弱性への米国政府の懸念があるためだが、重要な疑問は未解決のままだ。想定される形でサイバー部隊を成長させるには、高度なスキルを持つ人材が必要になるが、人材確保に課題があるため、目標達成は難しいかもしれない。また、政府の能動的な防衛力をどこに置くかも不明確である。マスコミ報道では、2024年までに策定されるサイバー防衛に関する新たな法的枠組みの一環として、自衛隊の任務を拡大し、民間企業の重要インフラ一部の防衛を含む計画があるとされている。これらのイニシアチブを進めるために関連する新しい法律が必要となる。日本におけるプライバシー問題への敏感さや、政府がサイバースペースに深く関与することに関連する問題を考えれば、この問題の進展に相当な政治的資本が必要となりそうだ。

防衛省の計画は、間違いなく政府内で先行したもので国家安全保障の役割を担う他省庁も同様に歩み寄る必要があるかもしれない。日本政府で最優先すべきは、システム全体に共通するネットワーク・セキュリティ基準とサイバーセキュリティの実践を強化することだ。この文脈で、「能動的防衛」能力を開発する計画は、二次的な優先事項である。

非搭乗員装備品

日本は今後10年間で、情報収集や監視だけでなく、戦闘支援を含む任務を遂行するため、3自衛隊で非搭乗員能力の規模と種類を増やす。つまり、意思決定を遠隔地の人員や脆弱な通信回線に大きく依存するのではなく、部分的にコンピュータに依存することになる。これは、日本が中国という量的に大きな敵に直面していることや、自衛隊での採用が遅れたままであることを考えれば、理にかなっている。非乗員型プラットフォームは、乗員型プラットフォームより広い範囲と持続的なプレゼンスを提供でき、より多く調達でき、より手頃で消耗しやすいオプションを日本に提供できるため、両方の課題を解決することができる。また、非搭乗型プラットフォーム用の施設はは一般に小規模で、列島各地に分散できるため、維持管理の問題にも対処できる。

今日まで、グローバル・ホークのような非搭乗型プラットフォームへの暫定的なステップはあったものの、日本は非搭乗型オプションを真剣に追求してこなかった。このため、現在の3機のグローバル・ホークから、10年後にはAIを組み込んだ幅広い非搭乗員型プラットフォームに移行する計画は、野心的に見える。

課題のひとつは、プラットフォームや領域を超えた統合だ。別々の領域にある無人システム間のコミュニケーションと、これらのプラットフォームをレガシーシステムと使用する方法の両方がある。統合を成功させ、複数プラットフォームを協調動作させることは合理的な目標ではあるものの、非常に破壊的な戦闘環境でうまく行うことを10年後に実現するのは困難かもしれない。また、日本がこれらのプラットフォームを制御する信頼できる方法をどのように確立しようとしているのかについても疑問がある。日本がこれらの兵器を配備することに最も関心がありそうな地域は、日本本土から遠く離れており、海中など地図データが乏しい場所で運用したり、敵の妨害電波で運用できなくなる可能性のある衛星に依存する必要がある。日本は、こうした懸念に対応できる衛星群の配備を望んでいるものの、現在の軍事通信衛星は慢性的に負荷が高く、帯域の取り合いになっているのが現状だ。

もう一つの課題は、これらのシステムにAIを組み込むことだ。AIは、自律性を実現し、作業を自動化し、乗組員による対応より迅速な意思決定を行えるため、魅力的だ。今後10年以内に、AIは画像認識やマルチタスクなど、人間より優れたタスクを実行できるようになるかもしれない。しかし、AIシステムが機能するにはデータが必要で、多くのAIシステムは、人間が入力した制御環境下のデータを使って訓練されている。AI搭載の無人プラットフォームが、激しく変動する環境下でうまく機能するようになるのは、文書が示唆するよりずっと先のことかもしれない。決定的なのは、日本が長年にわたり武力行使に制限を加え、自衛隊に厳しい交戦規定を課してきたことを考えれば、武力行使の交戦判断を自動化に委ねるとは考えにくいことだ。非殺傷任務であっても、指揮系統に意思決定を委ねてきた慣行のある日本では、意思決定者が軍事作戦をコンピュータに委ねることに抵抗があるだろう。

日本が推進する無人プラットフォームやAIが、将来の軍事利用において重要な役割を果たす可能性で間違っていると言っているのではない。むしろ、日本の計画は非常に楽観的である可能性がある。AIと無人プラットフォームをあらゆる軍事システムに統合することは、10年以内で達成できるものではなく、むしろ漸進的な変化になるかもしれない。

マンパワーが包括的な課題

日本が直面する課題の中で、マンパワーの制約が最も大きなものだろう。日本は前例のない防衛力増強に着手する構えだが、自衛隊の規模を拡大せずに、任務を遂行させようと考えている。陸上自衛隊から海上自衛隊や航空自衛隊に約2,000人の人員配置を行うが、自衛隊全体の規模は拡大しない。日本の人口減少という現実と、採用目標を達成するための従来の課題から、実質的な成長は不可能になる可能性がある。未搭乗員装備の導入に加えて、この戦略はいくつかの人事的アプローチを想定している。隊員の定年退職年齢の引き上げ、女性勤務の条件の改善、訓練や人材開発のため退職者の活用、契約や業務委託などがある。マンパワーの制限を考えれば、これらの手段は理にかなっているが、効果については議論の余地がある。

まず、定年退職年齢の引き上げと退職者の活用だ。2020年のRAND研究所報告が指摘したように、これらの選択肢は兵力の高齢化を招き、地域的な有事の際の日本の支援能力に悪影響を及ぼす。なぜなら、高齢者は健康上の問題が大きく、新しい技術を取り入れることに若年者より不慣れとなる可能性が高いからだ。民間企業との契約や外部委託は、平時には自衛隊が訓練や自然災害への緊急対応で船舶や飛行機による輸送サービスを利用すできるため有効だが、戦闘状況下で民間の能力の利用がどれほど現実的であるかは不明である。また、無人化能力の導入を推し進めることが、人員問題の部分的な解決策と考えられるとしても、こうした装備にも人員を必要とする。実際、これらのプラットフォームの性質とAIの組み込みを考えると、日本は、レガシーシステムの運用に現在採用されている人材より高度な訓練を受けた人材を必要となる可能性がある。

サイバー部隊の増強、非乗員型プラットフォームのオペレーター養成、弾道ミサイル防衛に特化した艦艇の導入、既存の統合幕僚監部と異なる常設の統合作戦本部の設置など、戦略の他の要素と組み合わせると、人材を十分確保することが戦略目的で大きなハードルになる可能性がある。例えば、陸上自衛隊の歩兵部隊の人員不足で、他の部隊に任務を移すことができるが、海上自衛隊や航空自衛隊の人員不足は、一定の人数を必要とする艦船や航空機の運用問題に発展しかねない。防衛戦略大綱では、マンパワー問題への認識を示しているものの、大綱で想定するより強固で抑止力のある戦力を整備するため提案された解決策がどれほど有効であるかは不明だ。もし、実現できなければ、戦略の実行は困難となる可能性がある。

結語

日本の新しい戦略文書は、前例のない安全保障上の課題に直面している日本が、自国防衛のためもっと努力しなければならないと日本政府が認識していることを示しているように思われる。資源の投入、新しい能力の追求、より強固な防衛への包括的なコミットメントはすべて、米国の重要な同盟国として画期的な変化を示す重要な動きであり、実際、この地域におけるここ数年で最も重要な戦略的進展の一つだ。このようにポジティブに見える一方で、資源、人員、技術、政治的な意志の不足びのため、文書に示されたスケジュール通りに、いくつかの野望が実現できなくなるリスクもある。

課題に取り組む日本を支援することは、米国の利益となる。米国は、技術支援、主要装備品の販売、コンセプトやドクトリンの開発、現実的な訓練などを通じ、可能な限り日本を支援できる。また、限りある資源が薄く行き渡らないよう、日本の取り組みに優先順位をつける手助けも可能だ。今、こうしたステップを踏めば、10年後、米国は強固な防衛同盟国になった日本を得ることになる。■


Japan’s Strategic Shift Is Significant, but Implementation Hurdles Await - War on the Rocks

JEFFREY W. HORNUNG AND CHRISTOPHER B. JOHNSTONE

JANUARY 27, 2023


Jeffrey W. Hornung is a senior political scientist at the RAND Corporation and adjunct professor at Georgetown University.

Christopher B. Johnstone is Japan chair and a senior adviser at the Center for Strategic and International Studies. He served on the staff of the National Security Council during the Biden and Obama administrations, and in the Office of the Secretary of Defense for more than a decade.


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