Tyler Schlitt Photography / LiveStormChasers.com
米軍は米本土を横断飛行した中国の偵察気球を撃墜し、海上で回収作業中だ
米国はサウスカロライナ州沖で中国の監視気球を撃墜し、その残骸を回収するため部隊が現地に入っている。
2月1日にモンタナ州ビリングス上空に現れた気球は、土曜日の爆発とその後の高度低下でクライマックスに達した。F-22ラプターが気球に空対空ミサイルを発射し、気球を破壊する映像が公開された。これはF-22最初の「キル」となった。
撃墜後の声明で、ロイド・J・オースティン三世国防長官は、米北方軍所属の戦闘機が 「サウスカロライナ沖の海上に中華人民共和国(PRC)が打ち上げ、米国領空を侵犯した高高度監視気球を撃墜した」と述べている。
「水曜日にバイデン大統領は、気球の進路下にあるアメリカ人の生命に過度の危険を及ぼすことなく、任務が達成され次第、監視気球を排除する認可を与えた」とオースティンは述べてた。「慎重に分析した結果 米軍司令官は」 「監視気球の大きさと高度のため」 「陸地上空で墜落させることは」 「広範囲に渡る人々に過度の危険を及ぼすと判断した」 「そして ... 今日の慎重かつ合法的な行動は、バイデン大統領と国家安全保障チームが常に米国民の安全と安心を第一に考え、中国による容認できない主権侵害に効果的に対処する姿勢を示した」。
オースティン長官はまた、北米航空宇宙防衛司令部で気球を追跡したカナダ政府の支援に感謝した。バイデン大統領は記者会見で、付随被害を生むことなく撃墜できるのであれば、撃墜するよう水曜日に指示したことを明らかにした。
KC-135ストラトタンカー給油機、F-22ラプター、米海軍P-8Aポセイドン哨戒機などが周辺に展開しているのが確認されている。米国沿岸警備隊のHC-130捜索救助機もウィルミントン沖を飛行していた。
F-22は コールサイン"FRANK01 " "FRANK02 "で飛行した。第一次世界大戦のエースでアメリカ陸軍航空隊から名誉勲章を受けたフランク・ルークJr少尉へのオマージュだろう。少尉はドイツ気球14機のと航空機4機を破壊した「アリゾナ・バルーン・バスター」として知られる。
土曜日未明、連邦航空局はカロライナ州の空港3箇所に「国家安全保障の取り組み」のため運行停止を命じ、気球が海岸線に接近したため海岸沖空域に一時飛行制限(TFR)を設定した。
この指示でチャールストン国際空港、マートルビーチ国際空港、ウィルミントン国際空港の飛行業務が停止された。これらの動きと軍の航空活動増加は、ジョー・バイデン大統領が土曜日未明にニューヨーク州シラキュースで気球について質問され「対処する」と述べた後のことだ。FAAは、東部時間午後3時過ぎに飛行制限と地上運行停止を終了させた。
The War Zoneは、気球は東海岸沖の国有空域でF-22により墜落させられる可能性が高いと結論づけていた。これによって、気球は海中に落下し、下界の人々や財産に危険を及ぼすことなく、航空兵器を使用できる。また、気球の破片や積載物を回収するため待機している船舶の活動も可能になる。また、国内空域で気球を撃ち落とすことで、国際空域より問題が少なくなる。
2月4日4:30 p.m.(米国東部時間)で判明している新しい情報は以下のとおり。
確定的な情報ではないが、映像を見ると、AIM-9サイドワインダーが至近距離で使用されたようだ。F-22は現在、主にAIM-9Xを使用しているが、長年使用してきたAIM-9L/Mの運用も可能だ。ミサイルはF-22の発射後、F-22の強力なAN/APG-77レーダーの助けで、の助けを借りてデータリンクでロックオンされ、ターゲットに対処できる。
ミサイルに弾頭がついていたかは明らかではない。特に他のF-22が過去数日間に収集した情報を使って、事前にターゲットを「ウェポナー」する時間があった。信管が問題なら、あるいは降下速度を落としたいなら、実弾に不活性弾頭を搭載することも考えられる。弾頭を搭載すれば、レーダー信管を搭載するAIM-120より、ミサイルの中点をリング状にするレーザー信管を搭載するAIM-9の方がはるかに良い選択だろう。気球の外周はレーダーのエネルギーに対しほぼ透明だからだ。
いずれにせよ、これはF-22の最初のキルとなった。また、史上最高高度での空対空キルである可能性もあるが、現時点では未確認だ。
米軍と国防総省の高官は、土曜日の午後の記者会見で、この撃墜について以下の情報を共有した。
空軍はAIM-9Xサイドワインダーミサイルを1発発射し、高度58,000フィートから気球を墜落させた。気球は高度65,000フィートまで上昇していた。
撃墜は、地上にいる人たちを脅かす可能性がなくなり、最初に可能となった時点で実行された
米国は、気球の情報収集を停止させる措置を講じており、機密場所上空の通過時に中国へのデータ送信を阻止していた
中国の監視カメラが米国領空に侵入したことは、これまで3回あったが、ここまで長期間にわたり行われたのは初めて。2回はドナルド・トランプ大統領政権時代、3回目はバイデン政権時代の初期に発生した。今回の気球飛行に関する中国側の説明には信憑性がない
気球は1月27日にアラスカ共同作戦区域に、30日にカナダ領空に、31日にアイダホ州北部上空から米国本土に進入した
西半球で活動する監視気球はこれ以外にもあり、人民解放軍の機材は5大陸にまたがり、南米や中米で活動する気球もある
気球撃墜の航空作戦では、現在、破片の保管経路について連邦捜査局と連携して回収作戦を展開中
気球の破片の着水地点は水深47フィートで、予想より浅い。現地には海軍と沿岸警備隊の複数艦船が展開しているが、7マイルに及ぶ瓦礫場からの回収のスケジュールは未発表
筆者注:本記事冒頭の素晴らしい画像は、LiveStormChasers.comの写真家Tyler Schlittにより撮影されたものです。
F-22 Shoots Down Chinese Spy Balloon Off Carolinas With Missile (Updated)
BYHOWARD ALTMAN, TYLER ROGOWAY AND STETSON PAYNE|PUBLISHED FEB 4, 2023 3:46 PM
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