スキップしてメイン コンテンツに移動

水陸両用型C-130改造機の実証が無期延期された.....US-2へのAFSOCの関心度合いは?

 

AFSOC


資金難と「能力の再優先化」のため、C-130フロートプレーンの試験飛行が無期限に延期されている



水陸両用MC-130J特殊作戦輸送機の初飛行は今年の予想だったが、計画は変更された。

 「我々は当初、(2023年)に作戦能力実証を行うことを目指していた」と、空軍特殊作戦司令部(AFSOC)の広報担当、アリシア・プレモ空軍大尉は、木曜日に電子メールでThe War Zoneに語った。「しかし、さまざまな理由で、現時点で能力実証の予定はない。理由は、資金難から最近の能力の再優先化まで様々です」。

MACコンフィギュレーションの一例。(AFSOC)


 プレモは、MC-130J Commando II Amphibious Capability(MAC)と呼ばれる機体の計画変更理由について詳しく説明しなかった。どのような回答であれ、ゴールラインを2回ずらしたプログラムが、またしても後退だ。

 2021年9月のメディアラウンドテーブルで、当時のAFSOC司令官ジェームズ・スライフ中将は、飛行デモは2022年末までに行われることになっていたと述べた。


(AFSOC)


 1年後の2022年9月、スライフは試験飛行をさらにずらすと発表した。

 メリーランド州ナショナルハーバーで開催された航空宇宙軍協会(AFA)のAir, Space, & Cyber Conferenceで、スライフは記者団に「我々は今、議会での23(2023年度)予算プロセスの採決結果を待っているところだ」と語った。「しかし来年に飛行デモンストレーションを行うことを期待しています」。


MACの将来は不透明に

 12月、トニー・D・バウエルンファインド中将がスライフ中将からAFSOCの指揮を引き継いだが、MACプログラムの指揮をとっていたものの、現在はペンタゴンの空軍本部で作戦担当副参謀長として新しい仕事に就いている。

 MACは、特殊作戦装備MC-130Jにフロートを追加し、特に太平洋地域での空輸の柔軟性を高めるプログラムだが、空軍司令部トップの交代で、プログラムに死期が訪れたのかは不明だ。


デジタル・プルービング・グラウンドで使用されているMC-130JコマンドーIIの水陸両用改造機の予想図。(AFSOC photo)


 中国の脅威が懸念される中、AFSOCの上部組織である米特殊作戦司令部(SOCOM)は、紛争地域内や僻地に人員や機材を移動する方法を模索してきた。離着水能力には、利点が多くある。

 MC-130はこの能力を発揮する魅力的なプラットフォームとなっている。また、特殊作戦装備を完備しているのも大きな魅力だ。


The future of the

2021年1月6日、沖縄の沖合を飛ぶMC-130JコマンドーIIの編隊(Capt. Renee Douglas photo).


 中国との衝突の可能性がある場合、米軍は従来の航空・海上輸送では到達が困難な遠距離に分散し活動することになりそうだ。海兵隊司令官デイビッド・バーガー大将 Gen. David BergerのForce Design 2030コンセプトでは、中国兵器の有効範囲に部隊を前方配備するのを基本としている。昨年のAFA会議では、太平洋空軍司令官ケネス・ウィルスバック空軍大将が、中国補給線の遮断を想定し、地域全体に物資の事前配備を行うことを話した。水上運用は、こうした問題や懸念に対応できる可能性がある。滑走路がない離島でF-35Bや無人機の運用を支援する小規模な前方部隊を支援することも、この能力がいかに重要かを証明する一例だ。また、MACは戦闘時の捜索・救助、特に着陸した航空機の乗組員の救助を遠距離で行うのにも役立つ。

 先に述べたように、MC-130Jには、航法、通信、生存能力の強化のため、数十年にわたる進化的な開発と多額の資金が投入されている。そのため、例えばC-130を浮き輪に乗せて飛行艇にすると明らかにトレードオフになるが、敵地に生きて出入りすることを主眼とするMC-130の既存の能力でそのような機体を作れば非常に高価で時間がかかる。また、C-130は、後部ランプを備えており、大型の荷物も積み込める。


新型地形追従型レーダー「サイレントナイト」を搭載したMC-130J。MC-130Jは、高度に改良された絶大な能力を持つ機体だ。. (Lockheed Martin)


 昨年時点で、AFSOCは水陸両用MC-130の大まかな設計レイアウトを決めていたと、スライフは当時述べていた。

「すべてのモデリングとシミュレーションを行い、一般的な設計レイアウトに落ち着きました」とMACの設計についてスライフは言った。「選択した設計案が安定していて、運用可能であるか確認するため、波動タンクのモデリングを行っているところです」。

 AFSOCは、空軍研究本部(AFRL)の戦略的開発計画・実験(SDPE)部門と協力して、「プラットフォームの海上特殊作戦の支援を改善するために」MACを開発してきたと、AFSOCは2021年9月のメディアリリースで述べていた。

 しかし、本日のAFSOCの更新では、司令部がまだコンセプトを実行可能と考えているかどうか、そうでなければ、それに代わるもの何を考えているのかは不明だ。

 DARPAのリバティ・リフター構想のように、滑走路に依存しない大型空輸能力の開発が進行中だが、これははるかに大きな概念なのだ。MC-130フロートプレーンは、もっと早く、比較的成熟したパッケージで戦術空輸能力が提供できると期待されていた。

 MACの運命については、できるだけ早くお知らせする。


更新米国東部時間午後7時5分

プレモ大尉から追加情報が入った。

「AFSOCが将来と経路探索能力のためどのように資金を配分するか最終決定は、まだ確定していない。今のところ、デモは[2023年]には実現しそうにありません」。

 プレモは、明日に情報を更新すると言ってくれた。

「MACには未来がある」。


C-130 Seaplane Program Put On Back Burner (Updated) | The Drive

BYHOWARD ALTMAN|UPDATED FEB 2, 2023 6:57 PM


コメント

このブログの人気の投稿

フィリピンのFA-50がF-22を「撃墜」した最近の米比演習での真実はこうだ......

  Wikimedia Commons フィリピン空軍のかわいい軽戦闘機FA-50が米空軍の獰猛なF-22を演習で仕留めたとの報道が出ていますが、真相は....The Nationa lnterest記事からのご紹介です。 フ ィリピン空軍(PAF)は、7月に行われた空戦演習で、FA-50軽攻撃機の1機が、アメリカの制空権チャンピオンF-22ラプターを想定外のキルに成功したと発表した。この発表は、FA-50のガンカメラが捉えた画像とともに発表されたもので、パイロットが赤外線誘導(ヒートシーキング)ミサイルでステルス機をロックオンした際、フィリピンの戦闘機の照準にラプターが映っていた。  「この事件は、軍事史に重大な展開をもたらした。フィリピンの主力戦闘機は、ルソン島上空でコープ・サンダー演習の一環として行われた模擬空戦で、第5世代戦闘機に勝利した」とPAFの声明には書かれている。  しかし、この快挙は確かにフィリピン空軍にとって祝福に値するが、画像をよく見ると、3800万ドルの練習機から攻撃機になった航空機が、なぜ3億5000万ドル以上のラプターに勝つことができたのか、多くの価値あるヒントが得られる。  そして、ここでネタバレがある: この種の演習ではよくあることだが、F-22は片翼を後ろ手に縛って飛んでいるように見える。  フィリピンとアメリカの戦闘機の模擬交戦は、7月2日から21日にかけてフィリピンで行われた一連の二国間戦闘機訓練と専門家交流であるコープ・サンダー23-2で行われた。米空軍は、F-16とF-22を中心とする15機の航空機と500人以上の航空兵を派遣し、地上攻撃型のFA-50、A-29、AS-211を運用する同数のフィリピン空軍要員とともに訓練に参加した。  しかし、約3週間にわたって何十機もの航空機が何十回もの出撃をしたにもかかわらず、この訓練で世界の注目を集めたのは、空軍のパイロットが無線で「フォックス2!右旋回でラプターを1機撃墜!」と伝え得てきたときだった。 戦闘訓練はフェアな戦いではない コープサンダー23-2のような戦闘演習は、それを報道するメディアによってしばしば誤解される(誤解は報道機関の偏った姿勢に起因することもある)。たとえば、航空機同士の交戦は、あたかも2機のジェット機が単に空中で無差別級ケージマッチを行ったかのように、脈絡な

日本の防衛産業が国際市場でプレイヤーになれるか試されている。防衛面の多国間協力を支える産業が真の国際化を迫られている。

  iStock illustration CHIBA, Japan —  インド太平洋地域での中国へのヘッジとして、日米含む多数国が新たな夜明けを迎えており、軍事面で緊密化をめざす防衛協力が進む 言うまでもなく日米両国は第二次世界大戦後、米国が日本に空軍、海軍、海兵隊の基地を設置して以後緊密な関係にある。 しかし、日本は昨年末、自国の防衛でより積極的になることを明記した新文書を発表し、自衛隊予算は今後10年間で10倍になる予想がある。 政府は、新しい軍事技術多数を開発する意向を示し、それを支援するために国内外の請負業者に助けを求める。 日米両国軍はこれまで同盟関係を享受してきたが、両国の防衛産業はそうではない。 在日米国大使館の政治・軍事担当参事官ザッカリー・ハーケンライダーZachary Harkenriderは、最近千葉で開催されたDSEIジャパン展示会で、「国際的防衛企業が日本でパートナーを探すのに適した時期」と述べた。 日本の防衛装備庁の三島茂徳副長官兼最高技術責任者は会議で、日本が米国ならびに「同じ志を持つ同盟国」で協力を模索している分野を挙げた。 防衛省の最優先課題のひとつに、侵略を抑止する防衛システムの開発があり、極超音速機やレイルガンに対抗する統合防空・ミサイル防衛技術があるという。 抑止力に失敗した場合を想定し、日本は攻撃システムのアップグレードを求めており、12式地対艦ミサイルのアップグレード、中距離地対空ミサイル、極超音速兵器、島嶼防衛用の対艦ミサイルなどがある。 また、高エナジーレーザーや高出力マイクロ波放射技術など、ドローン群に対抗する指向性エナジー兵器も求めている。無人システムでは、水中と地上無人装備用のコマンド&コントロール技術を求めている。 新戦略の発表以来、最も注目されている防衛協力プログラムは、第6世代ジェット戦闘機を開発するイギリス、イタリアとの共同作業「グローバル・コンバット・エアー・プログラム」だ。 ハーケンライダー参事官は、日本の新しい国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛予算の増強は、「時代の課題に対応する歴史的な資源と政策の転換」につながると述べた。 しかし、数十年にわたる平和主義的な政策と、安全保障の傘を米国に依存してきた結果、日本の防衛産業はまだ足元を固めらていないと、会議の講演者は述べた。 三菱重工業 、 川崎

海自の次期イージス艦ASEVはここがちがう。中国の055型大型駆逐艦とともに巡洋艦の域に近づく。イージス・アショア導入を阻止した住民の意思がこの新型艦になった。

  Japanese Ministry of Defense 日本が巡洋艦に近いミサイル防衛任務に特化したマルチロール艦を建造する  弾 道ミサイル防衛(BMD)艦2隻を新たに建造する日本の防衛装備整備計画が新たな展開を見せ、関係者はマルチロール指向の巡洋艦に近い設計に焦点を当てている。実現すれば、は第二次世界大戦後で最大の日本の水上戦闘艦となる。 この種の艦船が大型になる傾向は分かっていたが、日本は柔軟性のない、専用BMD艦をこれまで建造しており、今回は船体形状から、揚陸強襲艦とも共通点が多いように見える。 この開示は、本日発表された2024年度最新防衛予算概算要求に含まれている。これはまた、日本の過去最大の529億ドルであり、ライバル、特に中国と歩調を合わせる緊急性を反映している。 防衛予算要求で優先される支出は、イージスシステム搭載艦 ( Aegis system equipped vessel, ASEV) 2隻で、それぞれ26億ドルかかると予想されている。 コンピューター画像では、「まや」級(日本の最新型イージス護衛艦)と全体構成が似ているものの、新型艦はかなり大きくなる。また、レーダーは艦橋上部に格納され、喫水線よりはるか上空に設置されるため、水平線を長く見渡せるようになる。日本は、「まや」、「あたご」、「こんごう」各級のレーダーアレイをできるだけ高い位置に取り付けることを優先してきた。しかし、今回はさらに前進させる大きな特徴となる。 防衛省によると、新型ASEVは全長約620フィート、ビーム82フィート、標準排水量12,000トンになる。これに対し、「まや」クラスの設計は、全長557フィート強、ビーム約73フィート、標準排水量約8,200トンだ。一方、米海軍のタイコンデロガ級巡洋艦は、全長567フィート、ビーム55フィート、標準排水量約9,600トン。 サイズは、タイコンデロガ級が新しいASEV設計に近いが、それでもかなり小さい。Naval News報道によると、新型艦は米海軍アーレイ・バーク級フライトIII駆逐艦の1.7倍の大きさになると指摘している。 武装に関して言えば、新型ASEVは以前の検討よりはるかに幅広い能力を持つように計画されている。 同艦の兵器システムの中心は、さまざまな脅威に対する防空・弾道ミサイル防衛用のSM-3ブロックIIAとSM