スキップしてメイン コンテンツに移動

スーパーボウルで次世代爆撃機CMを流すノースロップの狙い





Northrop Ad To Run During Super Bowl: Hints At Next-Gen Bomber

By COLIN CLARKon January 31, 2015 at 2:59 PM
 21世紀有数の大型案件となる長距離打撃爆撃機をめぐりノースロップ・グラマンは、ボーイング/ロッキード・マーティン合同チームと競っている。同社は第六世代戦闘機の設計チームを社内に立ち上げ、空軍、海軍に売り込もうとしている。(CMは次のリンクで見られます)
WikimediaNorthrop XB-35あ
ペンタゴンが2月2日(月)に提出する予算案では次期爆撃機事業が大きな目玉となる見込みだ。ノースロップ・グラマンは全米最高の視聴率となるスーパーボウルで新作コマーシャルを放映する。最後に登場する機体は布をかけられているが、明らかにLRSBあるいは次世代戦闘機のいずれか、あるいは両方のヒントだろう。
CMでは同社の無尾翼の全翼機旧作YB-35がまず登場する。、次にB-2があらわれ、その後、空母無人発着艦をやってのけたX-47Bが紹介される。
140817-N-CE233ATLANTIC OCEAN (August 17, 2014) – The Navy’s unmanned X-47B conducts flight operations aboard the aircraft carrier USS Theodore Roosevelt (CVN 71). The aircraft completed a series of tests demonstrating its ability to operate safely anNorthrop X-47 carrier landing
LRSBは厳しく秘密が守られなかなか実態がわからないが、任意で有人操縦可能となるといわれ、高度のステルス性を実現し、高性能センサーを搭載し、無人機を発進、操作可能となるという。
ノースロップは素晴らしい性能を誇り素晴らしく高価な現行のB-2を生産している。B-2は全21機が生産された。
では新規事業の規模はどれくらいか。国防予算の専門家トッド・ハリソンTodd Harrisonによると調査開発費用だけで250億ドルがかかるという。空軍は計100機調達する意向だが、2010年度のドル換算で単価は5.5億ドルになる。ハリソンはインフレを考慮した現時点の価値で6億ドルになると指摘。
ハリソンはF-35がフル生産に達する2020年頃にLRSB事業も相当の規模になると見ており、同時に次世代ミサイル原潜もテンポを早め、KC-46給油機もフル生産に入る他、次世代空軍練習機T-Xも相当数の調達に入っているはずだと見る。
そうなると空軍内部で予算の争奪となる他、他軍とも予算をめぐる緊張が高まるだろう。民間防衛産業各社も当然競争は激化する。ノースロップは先手をうち、納税者に同社の姿勢を見せることで全体が縮小傾向の国防予算で大きなパイを獲得することを正当化しようとしているのであろう。
スーパーボウルで国防産業がCMを放映した前例があるのか不明だが、ノースロップの大胆な一手は同社にとって次期爆撃機や次世代戦闘機案件の落札がどれだけ死活的かを示すものだろう。なお、B-2パイロットがLRSBをどう見ているかは下の記事を参照されたい。

コメント

このブログの人気の投稿

フィリピンのFA-50がF-22を「撃墜」した最近の米比演習での真実はこうだ......

  Wikimedia Commons フィリピン空軍のかわいい軽戦闘機FA-50が米空軍の獰猛なF-22を演習で仕留めたとの報道が出ていますが、真相は....The Nationa lnterest記事からのご紹介です。 フ ィリピン空軍(PAF)は、7月に行われた空戦演習で、FA-50軽攻撃機の1機が、アメリカの制空権チャンピオンF-22ラプターを想定外のキルに成功したと発表した。この発表は、FA-50のガンカメラが捉えた画像とともに発表されたもので、パイロットが赤外線誘導(ヒートシーキング)ミサイルでステルス機をロックオンした際、フィリピンの戦闘機の照準にラプターが映っていた。  「この事件は、軍事史に重大な展開をもたらした。フィリピンの主力戦闘機は、ルソン島上空でコープ・サンダー演習の一環として行われた模擬空戦で、第5世代戦闘機に勝利した」とPAFの声明には書かれている。  しかし、この快挙は確かにフィリピン空軍にとって祝福に値するが、画像をよく見ると、3800万ドルの練習機から攻撃機になった航空機が、なぜ3億5000万ドル以上のラプターに勝つことができたのか、多くの価値あるヒントが得られる。  そして、ここでネタバレがある: この種の演習ではよくあることだが、F-22は片翼を後ろ手に縛って飛んでいるように見える。  フィリピンとアメリカの戦闘機の模擬交戦は、7月2日から21日にかけてフィリピンで行われた一連の二国間戦闘機訓練と専門家交流であるコープ・サンダー23-2で行われた。米空軍は、F-16とF-22を中心とする15機の航空機と500人以上の航空兵を派遣し、地上攻撃型のFA-50、A-29、AS-211を運用する同数のフィリピン空軍要員とともに訓練に参加した。  しかし、約3週間にわたって何十機もの航空機が何十回もの出撃をしたにもかかわらず、この訓練で世界の注目を集めたのは、空軍のパイロットが無線で「フォックス2!右旋回でラプターを1機撃墜!」と伝え得てきたときだった。 戦闘訓練はフェアな戦いではない コープサンダー23-2のような戦闘演習は、それを報道するメディアによってしばしば誤解される(誤解は報道機関の偏った姿勢に起因することもある)。たとえば、航空機同士の交戦は、あたかも2機のジェット機が単に空中で無差別級ケージマッチを行ったかのように、脈絡な

主張:台湾の軍事力、防衛体制、情報収集能力にはこれだけの欠陥がある。近代化が遅れている台湾軍が共同運営能力を獲得するまで危険な状態が続く。

iStock illustration 台 湾の防衛力強化は、米国にとり急務だ。台湾軍の訓練教官として台湾に配備した人員を、現状の 30 人から 4 倍の 100 人から 200 人にする計画が伝えられている。 議会は 12 月に 2023 年国防権限法を可決し、台湾の兵器調達のために、 5 年間で 100 億ドルの融資と助成を予算化した。 さらに、下院中国特別委員会の委員長であるマイク・ギャラガー議員(ウィスコンシン州選出)は最近、中国の侵略を抑止するため「台湾を徹底的に武装させる」と宣言している。マクマスター前国家安全保障顧問は、台湾への武器供与の加速を推進している。ワシントンでは、台湾の自衛を支援することが急務であることが明らかである。 台湾軍の近代化は大幅に遅れている こうした約束にもかかわらず、台湾は近代的な戦闘力への転換を図るため必要な軍事改革に難色を示したままである。外部からの支援が効果的であるためには、プロ意識、敗北主義、中国のナショナリズムという 3 つの無形でどこにでもある問題に取り組まなければならない。 サミュエル・ P ・ハンチントンは著書『兵士と国家』で、軍のプロフェッショナリズムの定義として、専門性、責任、企業性という 3 つを挙げている。責任感は、 " 暴力の管理はするが、暴力行為そのものはしない " という「特異な技能」と関連する。 台湾の軍事的プロフェッショナリズムを専門知識と技能で低評価になる。例えば、国防部は武器調達の前にシステム分析と運用要件を要求しているが、そのプロセスは決定後の場当たり的なチェックマークにすぎない。その結果、参謀本部は実務の本質を理解し、技術を習得することができない。 国防部には、政策と訓練カリキュラムの更新が切実に必要だ。蔡英文総統の国防大臣数名が、時代遅れの銃剣突撃訓練の復活を提唱した。この技術は 200 年前のフランスで生まれたもので、スタンドオフ精密弾の時代には、効果はごくわずかでしかないだろう。一方、台湾が新たに入手した武器の多くは武器庫や倉庫に保管されたままで、兵士の訓練用具がほとんどない。 かろうじて徴兵期間を 4 カ月から 1 年に延長することは、適切と思われるが、同省は、兵士に直立歩行訓練を義務付けるというわけのわからない計画を立てている。直立歩行は 18 世紀にプロ