Russia's New PAK-FA Stealth Fighter Might Have a Fatal Flaw (or Two)
June 17, 2016
合同航空機製造企業UACのスホイT-50 PAK-FA第五世代ステルス戦闘機が量産に向け準備中とロシア報道が伝えている。試作第八号機はロシア当局の要求内容に沿った形で完成しており、6月20日初飛行の予定だ。
- 「八号機は最初からシステム、装備が完全で仕様を満たしており、このまま第一線の防空任務に投入できる」との防衛筋の発言がロシア語日刊紙イズベスチアに掲載されている。「T-50は実戦投入段階に到達し大量生産の準備が整えばロシア航空宇宙軍での活躍が期待される」
- 現在ロシア極東部にあるコムソモルスク・オン・アムル航空機製造協同企業でさらに四機のT-50が最終組み立て工程にある。通算九号機が9月にフライトテスト機材に加わる。だがフライトテストが完了していないのにUACはロシア航空宇宙軍から契約交付を期待しており、今年秋にも量産を開始したいとしているとイズヴェスチア記事が伝えている。機体納入は2017年に始まる予定だ。
- ロシア国防省はまず10数機の調達を考えており、ロシア航空宇宙軍が運用テストに投入する。その結果で追加調達を決める。ロシア情報筋によれば軍部内でT-50が金額に見合った機体なのか論争があるという。さらにロシア経済の不振のためロシア航空宇宙軍は当面は調達に走らず静観すると見られる。
- ロシア航空宇宙軍を悩ませるのはエンジンだ。T-50はサトゥルンのイズデリエ117エンジン(別名AL-41F1)を二基搭載し、アフターバーナー使用時に31,967lb (142kN)の推力を生む。同エンジンはAL-31FP(Su-27やSu-30フランカー各型に搭載)を元にした高価格エンジンで、もともとSu-35の最新版S型フランカーE向けに開発されたものだ。
- AL-41F1はフランカーE用に最適化されており、第五世代戦闘機には不十分と判明している。ロシア筋によればAL-41F1は超音速飛行を持続する推力を実現しているが、ロシア航空宇宙軍の求める推力重力比や燃料消費率水準に達していないという。
- しかし、AL-41F1はあくまで当面の解決策でしかない。サトゥルンは40,000lbs級のエンジン開発に取り組んでおり、これをイズデリエ30と呼称し、新型戦闘機用の決定版エンジンとしたい考えだ。だが開発には課題が残っている。イズヴェスチアはT-50に新型エンジン搭載のは2025年ないし2027年と伝えている。開発を妨げているのはロシアに旧ソ連時代から続く資金不足で技術開発が十分に行えない状況だ。
- エンジン開発は技術的に複雑度が一番高く、特に戦闘機用となれば難易度が高い。米国もグラマンF-14トムキャットやマクダネル・ダグラス(現ボーイング)F-15イーグルで1970年代に苦労している。当時ペンタゴンはF119エンジンとジェネラルエレクトリックYF120エンジンも代替策としてロッキード・マーティンF-22ラプターに先行して開発させている。
- だが成熟度が高いエンジン設計でも想定外の用途に投入すると初期段階で問題を発生する。プラット&ホイットニーF135が例で、F-22で完璧に作動しているF119が原型だが、ロッキード・マーティンF-35共用打撃戦闘機に搭載したところアフターバーナーの異音問題であり、タービンブレイドがケーシングと摩擦して機体喪失が一件発生している。
Dave Majumdar is the defense editor for the National Interest. You can follow him on Twitter: @davemajumdar.
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