2016年6月9日木曜日

★米海軍の考える2030年代以降の航空優勢確保の手段としてのNGAD構想



米海軍の方が空軍より複雑思考なのでしょうか。この記事は何度見ても理解が大変です。機体に依存しないとは機体開発あり機の開発を脱却して攻撃等の目標が達成できれば機種を問わないという発想? でもスーパーホーネットは早晩設計寿命の時間数に達するはず。であれば高速大型の機種は必要ですよね。これに比べれば先日お伝えした空軍の構想の方がはるかにわかりやすいのですが。

 The U.S. Navy's Plan to Dominate the Sky in the 2030s (And Beyond)

June 6, 2016

米海軍がボーイングF/A-18E/FスーパーホーネットおよびEA-18Gグラウラー電子攻撃機に替わる将来の機材で正式にAoA代替策検討を開始した。
  1. 次世代航空制圧機(NGAD)構想は最近までF/A-XXと呼ばれ、超大国同士の対決の時代が復活し脅威が増大する中で対応できる機材開発を目指す。だがこれまでのペンタゴンのやり方と異なりNGADは単一機材でなく各種システムのファミリー構成になる可能性がある。
  2. 「AOAは2016年5月16日に正式に開始されて約18か月が期間です」と海軍N98航空戦部門の広報官カーラ・インリン大尉が本誌に語った。「海軍は考えられる選択肢をすべて検討し、性能、威力、価格、残存性のバランスを求めます。解決策はシステムのファミリー構成で多方面の機能を追い求めるものとなり、これまでの単一機材と異なるはずです」
  3. NGADは最終的に各種の機材になり、兵装や投入技術も多様となるだろうが、中心はF/A-18 各型の退役後に生まれる性能ギャップを埋めることにある。
  4. 「 F/A-18E/Fや EA-18Gが耐用年数の終わりに到達した際の必要な性能内容をAoAチームが検討しています」(インリン大尉)
  5. 「F/A-18E/FとEA-18Gは空母打撃群(CSG)や統合作戦を支援しており、艦隊防空、航空優勢確保、攻撃まで幅広い任務についています。検討では脅威が変化してもCSGの威力効果を維持できる性能を定義づけます」
  6. 今後の脅威では新型機として中国の成都J-20、J-31、新型防空装備ではロシアのS-400やS-500がある。
  7. 問題は敵の個別機材やミサイルだけではない。ロシアと中国はそれぞれネットワークで自軍を結び、全体最適化を目指しているとマイク・ダラー少将(海軍の無人機システム、攻撃兵器システム開発の責任者)は海軍連盟主催の5月シンポジウムで語っている。さらに海軍機だけが脅威を受けるわけではない。ロシア、中国には超距離対艦巡航ミサイル、弾道ミサイルがあり、特に中国のDF-26が空母に脅威となっている。
  8. そこで米海軍はNGADをシステムファミリー構想で実現し、各種の脅威に打ち勝ち、空母の兵力投射能力を維持することを目指している。
  9. ただし現時点で海軍はNGADファミリーがどんな新技術を採用するかは断言しておらず広く検討して最も有効なイノベーションの採用を目指すとだけ述べている。
  10. 「AoAチームは既存技術に加えこれから出現する技術でも産業界や開発技術の専門家と検討しています。ONR(海軍研究機構)、DARPA(国防高等研究プロジェクト庁)、その他軍の研究施設などが加わり最適案を見つけ2030年代にF/A-18E/FやEA-18Gが退役した後のギャップをどう埋めるかを考えています。焦点を当てるのは次世代の推進方式、高性能データリンク、通信装置、兵装、有人機と無人機の協調運航等です」(インリン大尉)
  11. 空軍や海兵隊と異なり海軍はステルス機を熱心に推進してこなかった。前海軍作戦部長のジョナサン・グリナート大将は「ステルスは過大評価されている」とまで公言していほどだ。だがNGADではステルス技術も検討する。「ステルスも考慮しますが、必須条件ではないでしょう。AoAでステルスをどこまで重視するかはまだ見えていません」(インリン大尉)
  12. 海軍と共同してペンタゴンの次世代制空戦闘機案件にかかかわる空軍関係者によるとNGADでは防御性と安全性が中心の狙いのようで、空軍の侵攻制空機構想(PCA)と異なるとのコメントが出ている。PCAの前にこれも混乱を招きやすい次世代制空戦闘機という表現があったが海軍、空軍で別個に推進している。空軍の狙いは強力な防空体制に侵入し、敵防空装備を破壊し、航空優勢を確保することにある。
  13. 米海軍も空軍同様にNGADの仕様を有人機、無人機あるいはその両方とするのか決めかねている。
  14. 「AoAチームがそれぞれのコンセプトの内容を吟味しますが、コンセプトからどんな形が生まれるのかはまだわかりません」とインリン大尉は述べ、海軍はそもそもNGADが新型機になるのかも決めていないという。「AoAチームが検討で答えを出してくれるでしょう。何らかの機体が必要になるとしてもまだ未定です」
  15. 初期作戦能力の樹立を2030年代中頃と海軍は想定するが、NGAD開発は比較的早くスタートしたいという。
  16. 「分析が終わり次第、最終報告書が生まれ検討内容を列挙し、提言を述べるはずです。検討が十分と判断されれば提言に基づいて海軍は開発を始めるはずです。この流れは分析開始から六か月以内に始まります」(インリン大尉)
  17. 海軍と空軍はロッキード・マーティンF-35共用打撃戦闘機の苦痛に満ちた経験から次の機体を共同開発することに辟易となりながら、実際には協力しあっている。
  18. 「海軍は今後もAoAで空軍と協力していきます。海軍のAoAチームは検討内容を公開し将来の共同作戦の実現を目指し、両軍の知識ベースをうまく活用してきます。モデリングとシミュレーションの共同実施もその一つで同じ脅威対象を想定し、共同作戦態勢を強調していきます」(インリン大尉)
  19. だがNGADの予算を海軍はどこから捻出するのだろうか。答えは出ていない。■


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