スキップしてメイン コンテンツに移動

★米海軍の考える2030年代以降の航空優勢確保の手段としてのNGAD構想



米海軍の方が空軍より複雑思考なのでしょうか。この記事は何度見ても理解が大変です。機体に依存しないとは機体開発あり機の開発を脱却して攻撃等の目標が達成できれば機種を問わないという発想? でもスーパーホーネットは早晩設計寿命の時間数に達するはず。であれば高速大型の機種は必要ですよね。これに比べれば先日お伝えした空軍の構想の方がはるかにわかりやすいのですが。

 The U.S. Navy's Plan to Dominate the Sky in the 2030s (And Beyond)

June 6, 2016

米海軍がボーイングF/A-18E/FスーパーホーネットおよびEA-18Gグラウラー電子攻撃機に替わる将来の機材で正式にAoA代替策検討を開始した。
  1. 次世代航空制圧機(NGAD)構想は最近までF/A-XXと呼ばれ、超大国同士の対決の時代が復活し脅威が増大する中で対応できる機材開発を目指す。だがこれまでのペンタゴンのやり方と異なりNGADは単一機材でなく各種システムのファミリー構成になる可能性がある。
  2. 「AOAは2016年5月16日に正式に開始されて約18か月が期間です」と海軍N98航空戦部門の広報官カーラ・インリン大尉が本誌に語った。「海軍は考えられる選択肢をすべて検討し、性能、威力、価格、残存性のバランスを求めます。解決策はシステムのファミリー構成で多方面の機能を追い求めるものとなり、これまでの単一機材と異なるはずです」
  3. NGADは最終的に各種の機材になり、兵装や投入技術も多様となるだろうが、中心はF/A-18 各型の退役後に生まれる性能ギャップを埋めることにある。
  4. 「 F/A-18E/Fや EA-18Gが耐用年数の終わりに到達した際の必要な性能内容をAoAチームが検討しています」(インリン大尉)
  5. 「F/A-18E/FとEA-18Gは空母打撃群(CSG)や統合作戦を支援しており、艦隊防空、航空優勢確保、攻撃まで幅広い任務についています。検討では脅威が変化してもCSGの威力効果を維持できる性能を定義づけます」
  6. 今後の脅威では新型機として中国の成都J-20、J-31、新型防空装備ではロシアのS-400やS-500がある。
  7. 問題は敵の個別機材やミサイルだけではない。ロシアと中国はそれぞれネットワークで自軍を結び、全体最適化を目指しているとマイク・ダラー少将(海軍の無人機システム、攻撃兵器システム開発の責任者)は海軍連盟主催の5月シンポジウムで語っている。さらに海軍機だけが脅威を受けるわけではない。ロシア、中国には超距離対艦巡航ミサイル、弾道ミサイルがあり、特に中国のDF-26が空母に脅威となっている。
  8. そこで米海軍はNGADをシステムファミリー構想で実現し、各種の脅威に打ち勝ち、空母の兵力投射能力を維持することを目指している。
  9. ただし現時点で海軍はNGADファミリーがどんな新技術を採用するかは断言しておらず広く検討して最も有効なイノベーションの採用を目指すとだけ述べている。
  10. 「AoAチームは既存技術に加えこれから出現する技術でも産業界や開発技術の専門家と検討しています。ONR(海軍研究機構)、DARPA(国防高等研究プロジェクト庁)、その他軍の研究施設などが加わり最適案を見つけ2030年代にF/A-18E/FやEA-18Gが退役した後のギャップをどう埋めるかを考えています。焦点を当てるのは次世代の推進方式、高性能データリンク、通信装置、兵装、有人機と無人機の協調運航等です」(インリン大尉)
  11. 空軍や海兵隊と異なり海軍はステルス機を熱心に推進してこなかった。前海軍作戦部長のジョナサン・グリナート大将は「ステルスは過大評価されている」とまで公言していほどだ。だがNGADではステルス技術も検討する。「ステルスも考慮しますが、必須条件ではないでしょう。AoAでステルスをどこまで重視するかはまだ見えていません」(インリン大尉)
  12. 海軍と共同してペンタゴンの次世代制空戦闘機案件にかかかわる空軍関係者によるとNGADでは防御性と安全性が中心の狙いのようで、空軍の侵攻制空機構想(PCA)と異なるとのコメントが出ている。PCAの前にこれも混乱を招きやすい次世代制空戦闘機という表現があったが海軍、空軍で別個に推進している。空軍の狙いは強力な防空体制に侵入し、敵防空装備を破壊し、航空優勢を確保することにある。
  13. 米海軍も空軍同様にNGADの仕様を有人機、無人機あるいはその両方とするのか決めかねている。
  14. 「AoAチームがそれぞれのコンセプトの内容を吟味しますが、コンセプトからどんな形が生まれるのかはまだわかりません」とインリン大尉は述べ、海軍はそもそもNGADが新型機になるのかも決めていないという。「AoAチームが検討で答えを出してくれるでしょう。何らかの機体が必要になるとしてもまだ未定です」
  15. 初期作戦能力の樹立を2030年代中頃と海軍は想定するが、NGAD開発は比較的早くスタートしたいという。
  16. 「分析が終わり次第、最終報告書が生まれ検討内容を列挙し、提言を述べるはずです。検討が十分と判断されれば提言に基づいて海軍は開発を始めるはずです。この流れは分析開始から六か月以内に始まります」(インリン大尉)
  17. 海軍と空軍はロッキード・マーティンF-35共用打撃戦闘機の苦痛に満ちた経験から次の機体を共同開発することに辟易となりながら、実際には協力しあっている。
  18. 「海軍は今後もAoAで空軍と協力していきます。海軍のAoAチームは検討内容を公開し将来の共同作戦の実現を目指し、両軍の知識ベースをうまく活用してきます。モデリングとシミュレーションの共同実施もその一つで同じ脅威対象を想定し、共同作戦態勢を強調していきます」(インリン大尉)
  19. だがNGADの予算を海軍はどこから捻出するのだろうか。答えは出ていない。■


コメント

このブログの人気の投稿

★★★★北朝鮮ミサイルが中国衛星で誘導されている可能性

中国も北朝鮮関連では叩けば埃がどんどん出そうですね。北京が見切りをつければ平壌の現政権など簡単に転覆させるでしょうが、中国国内にある北朝鮮とのしがらみ(おそらく共産党内部の派閥争い)と東北部の軍の非合法ビジネスの問題があり、米国といったん話がついても実施が難しいのでしょう。そのうちにしびれを切らした米国が単独行動に出るかもしれません。
Record China Is North Korea Using China's Satellites to Guide Its Missiles? 北朝鮮は中国衛星を使ってミサイル誘導をしているのか
Peter J. Brown May 23, 2017 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/north-korea-using-chinas-satellites-guide-its-missiles-20810?page=show

北朝鮮がミサイル発射を繰り返し米本土を狙うICBM開発に走る中、ひとつ見落とされている点がある。ミサイルに衛星誘導を使っているのではないか。北朝鮮に衛星航法ネットワークはないため、中国衛星を利用しているとの観測がある。 2014年報道で北朝鮮技術者が中国国内で北斗Beidou衛星航法システムの運用を研修中とある。同年の別の記事で中国軍専門官から中国は北朝鮮による北斗の軍事利用を止められないと発言している。 北斗以外に北朝鮮の選択肢として米露両国のGPSがあり、ロシアはグロナスGlonasと呼んでいる。 「グロナスの可能性もありますが、ミサイル誘導に北斗を利用している可能性の方が高い」と小泉 悠(未来工学研究所特別研究員、ロシア安全保障問題)がメールで述べており、ロシアは北の核実験後に武器および軍事関連技術の北朝鮮向け禁輸措置を取っているがグロナスが対象かは不明と小泉は述べる。 北斗衛星群打ち上げは1994年に始まり、現在は東アジア以遠まで展開している。北斗は民生商業用途と軍用の両面で利用され、軍用では妨害を受けず正確にデータが利用できる。 北朝鮮が北斗の軍用機能を利用しているか不明だが、民生用機能で精密誘導兵器を運用しているとは考えにくい。というのは北斗の民生機能は日米韓の電子妨害に弱く有事の際に北朝鮮が利用するのは困難になるためだ。 「特別のチップならびに中国の協力がな…

★★★真偽は?日本もUCAVを開発していた

日本にもブラック事業がある(あった)のでしょうか。映像公開したのは機密解除になったのか、事業がもっと先に進んでいるからでしょうか。各務原での目撃がないことから別の場所で秘密裏に開発されたのでしょうか。川崎重工関係者は口がさけても語れないと思いますが、事実なら日本もUAV-UCAVを開発していることがわかりますね。判断は読者の皆さんにおまかせします。
This is the combat drone Japan has been building in secretこれが秘密裏に開発していた日本の戦闘無人機だ 川崎重工ブースのビデオでUCAV試作機の飛行状況を写していた (Photo by Harold Hutchison) By Harold HutchisonOct. 06, 05:10 AM http://www.wearethemighty.com/news/this-is-the-combat-drone-japan-has-been-building-in-secret
無人戦闘航空機、つまりUCAVはこれからの軍事航空のカギを握ると言われる。米国、ロシア、フランスが開発中と判明している。 だが本誌We Are The Mighty (以下WATM)はこのたび日本も秘密裏にUCAV開発を進めていたことを知った。 ワシントンで先ごろ開催された空軍関係のイベントでWATMは川崎重工業のブースでビデオ画像を見た。それは同社によるUCAV研究開発の様子で、画像内のUCAVはボーイングX-45やノースロップ・グラマンX-47に似ているようだった。 会場で詳しく聞こうとしたが、同社係員が日本政府の意向だとしてやんわりと断ってきた。翌日も別の係員はこの件は存じていないと答えてきた。 結局三番目に会った川崎重工の小林タクミ氏が「試験機で10年近く前のもの」とし、「防衛省予算による実験事業だった」と説明してくれた。同氏はさらにメールで「2008年ごろのプロジェクト」と述べている。 WATMが当時空軍の筆頭参謀次長として情報監視偵察分野を担当し現在は航空宇宙研究にあたるミッチェル研究所の所長をしているデイブ・デプチュラ退役空軍中将に日本がUCAV開発をしていた事実を知っているか聞いたところ、即座に「知らない」との答えが返ってきた。 このことから日本のUCAVは秘密のベールに隠されていたことがわか…

★★ロッキードが極超音速技術の完成に近づいている模様、SR-72との関連へ注目

Amid SR-72 Rumors, Skunk Works Ramps Up HypersonicsSR-72の噂と関連か、スカンクワークスの極超音速技術が加速中
Sep 27, 2017Guy Norris | Aerospace Daily & Defense Report http://aviationweek.com/technology/amid-sr-72-rumors-skunk-works-ramps-hypersonics
SR-72: Lockheed Martin FORT WORTH, Texas—ロッキード・マーティンが極超音速技術開発を加速化しており、初の実証機を目撃したとの報告もあり、スカンクワークスが進めるSR-72高速機開発との連関が注目される。 「詳細は言えませんが、スカンクワークスのあるカリフォーニア州パームデールで超高速飛行実現の動きを倍増しています」とロッキード・マーティンで航空力学執行副社長オーランド・カバルホOrlando CarvalhoがSAE 国際航空技術学会で語っている。「端的に申し上げれば米国は極超音速革命まであと一歩まで来ています」 Darpaと米空軍研究実験部門が共同で進める推進滑空兵器および極超音速空気取り入れ式兵器コンセプト研究に言及して、カバルホは「この十年で研究は大幅に進み、極超音速技術で状況が一変する意味があることが明らかになってきました。今後も研究テストを進め、極超音速飛行の実現にDarpaとのプロジェクト二件を活用します。国家安全保障ではスピードが肝心です」 SR-72への言及はなかったが、同社が極超音速機として退役済みの高速SR-71ブラックバードの後継機を提案中であることは広く知られており、カバルホの前向きな発言はロブ・ワイスRob Weiss(ロッキード・マーティンの高性能開発事業体執行副社長兼総支配人)の発言に重なる。6月にワイスはAviation Weekに選択的に有人操縦となるSR-72の前身となる飛行研究用機体(FRV)が予定通り進行中と暗に述べていた。 スカンクワークスはFRV開発を来年から始めるといわれ、初飛行予定は2020年だ。FRVはF-22ほどの機体サイズで推進力はフルスケールのコンバインドサイクルエンジン一基だ。しかし実証機に先立ち、ロッキードは各種技術の地上・飛行テスト…