Things heat up near South China Sea: two U.S. aircraft carriers, B-52s and EA-18G Growler detachment
Jun 19 2016
U.S. Navy
南シナ海の波が高い中、米軍は爆撃機、空母部隊、電子攻撃機でプレゼンスを増加させている。
- 問題発生中のインドアジア太平洋から興味深い写真が数点届いた。
- 最新の6月18日配信の写真ではUSSジョン・C・ステニス(CVN-74)とUSSロナルド・レーガン(CVN-76)の各空母打撃群(CSG 3およびCSG 5)がフィリピン海で近接航行しているのがわかる。
- CSG3には空母ステニスの他誘導ミサイル巡洋艦USSモビールベイ(CG-83)、誘導ミサイル駆逐艦船体(DESRN)21のUSSストックデール(DDG-106)、USSチュン・フーン(DDG-93)、USSウィリアム・P・ローレンス(DDG-110)が随行し、空母航空隊(CVW 9)を運用する。CSG3の西太平洋展開は2月4日に始まっている。
- CSG5は空母ロナルド・レーガンを中心に誘導ミサイル巡洋艦USSシャイロー(CG-67)、USSチャンセラーズヴィル(CG-62)と誘導ミサイル駆逐艦戦隊(DESRON)15のUSSカーティス・ウィルバー(DDG-54)、USSマッキャンベル(DDG-85)、USSベンフォールド(DDG-65)が随行し空母航空隊(CVW)5を搭載している。同群は前方配備として横須賀を母港とし定期的に西太平洋をパトロールしている。CSG5は今夏のインドアジア太平洋巡航を6月4日に開始している。
- 米海軍によれば両CSG(空母打撃群)は公海上で協調運用をすることで「米国のみが保有する空母打撃群複数を同海域で運用する能力」を示威しているのだという。
- 米海軍の空母二隻体制の運用は西太平洋ではフィリピン海以外に南シナ海、東シナ海で継続している。二隻運用訓練は米西海岸から第七艦隊責任区域に空母打撃群が移動した際に日本駐留の前方配備空母打撃群が加わり実施される。実施されれば乗員12千名、航空機140機、水上戦闘艦6隻が空母二隻を中心に偉容を誇ることになる。
U.S. Navy
- 2014年9月にはUSSジョージ・ワシントン(CVN-73)およびUSSカール・ヴィンソン(CVN-70)の両打撃群が西太平洋で合同作戦をしており、2012年9月には同様に南シナ海、東シナ海で実施。2009年にはジョージ・ワシントンとUSSニミッツ(CVN-68)がともに西太平洋で活動し、2001年にはUSSコンステレーション(CV-64)がカール・ヴィンソンと南シナ海に進出している。
- 空母二隻が共同作戦を展開する数日前に北マリアナ諸島の無人島ファラロン・デメディニーラで共同空爆演習が実施され、米空軍からB-52ストラトフォートレス爆撃機二機がグアムのアンダーセン空軍基地から飛来し、USSスプルーアンス(DDG-111)を標的に海上攻撃演習を行った。
- さらにフィリピンに海軍のEA-18Gグラウラーが初の臨時展開中だ。
- 電子攻撃機グラウラー編隊はクラーク空軍基地に6月15日到着した。公式には現地空軍のFA-50の訓練支援となっているが、機材4機人員120名の規模で第138電子攻撃飛行隊(VAQ)の分遣隊として「域内の海上領域認識能力を高め国際法に則り空海領域の自由航行を保証する」のが目的との説明だ。
- 配備地点は対立が続く南シナ海から遠くなく、米艦船やスパイ機に電子支援可能な最新機材の派遣は戦略的な意味がある。グラウラーなら中国の人工島各島のレーダーをジャミングも可能で中国が東シナ海でもADIZ防空識別圏を設定しても機能させず米軍機は活動を継続できる。
- となるとEA-18G編隊の存在で中国空軍PLAAFや海軍PLANは活動が制限されることになると中国空軍力の権威アンドレアス・ルプレヒト Andreas Rupprechtは「仮に有事発生の場合も常時空中戦闘哨戒や監視活動ができる」と見ている。ルプレヒトは“Flashpoint China: Chinese air power and regional security”の著者である。
- PLANAFは同地域で活動を強めており、H-6爆撃機やJH-7戦闘爆撃機に加えJ-11防空戦闘機が南シナ海に展開している。「長距離飛行可能なJ-11と空中給油機の配備でSCS(南シナ海)の大部分が事実上中国空域になった」(ルパレヒト)
- 数週間前に発生した米EP-3E偵察機が通常ミッション中に南シナ海上空で中国J-11二機編隊により「危険な」迎撃を受けたのも偶然ではない。
U.S. Navy
- 第138電子攻撃飛行隊は海軍航空基地ウィドベイアイランド(ワシントン州)を本拠とする遠征部隊で域内で広く展開している。今回のグラウラー部隊派遣は先回のA-10C五機、HH-60Gぺイヴホーク3機他200名が太平洋空軍からバリカタン演習に合わせ派遣されたのに次ぐものとなった。先回の部隊は4月28日で現地運用を終了していた。■
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