スウェーデンと言えば独自に開発した優秀な装備で中立を力をもって維持している国と理解していましたが、ロシアの動きに呼応して自らの政策を大胆に検討しなおしているようです。中国といいロシアといい自分勝手な行いが自らを孤立化させている現象が東西で見られるのは興味深いことですね。
Sweden, US Agree to Closer Defense Collaboration
WASHINGTON — スウェーデンと米国が国防協力の推進をうたう意向書に署名した背景にはロシアの動きに神経をとがらせる北欧諸国の問題意識がある。
合意書は拘束力がなく各論での課題はほとんど出ていないが、Defense News TVの独占インタビューでスウェーデン国防相ペーター・フルトクビストPeter Hultqvistは文言よりも米国との防衛関係の現実の方が重要だとの認識を示した。
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「スウェーデンにとって極めて重要な声明であり、大西洋を挟んだ連携がスウェーデンのみならずヨーロッパ全体で重要だと示すもの」とフルトクビスト国防相は述べている。「これまで米国とこのような仕組みはなかった。両国は多くの点で合意は見てきたがこのような総括的な傘はなかった」
フルトクビスト国防相は今回の声明文の背景にロシアとの安全保障関係であることを堂々と述べた。その事実が文書に反映され、8日に米国防長官アシュ・カーターとの署名に臨んだ。
「安全保障の課題はこれまでにまして深刻かつ複雑化している」と合意声明文の冒頭は述べている。「地域内勢力は隣国相手に公然と力を試しており、その他各国や国際機関ならびに我が国自体の安全はテロ活動や過激な暴力集団により影響をますます受けている」
今回の文書が取り上げた主要分野は次の七つ。
- 両国間で「対話と情報共有」を進め、「北欧における安全保障の環境のよりよい理解」に焦点をあてること
- 両国の軍組織間で対話を増やすこと
- 演習や訓練を通じ相互作戦態勢を深める一方で「演習訓練が政治的なシグナルを送る」と認識すること
- 二国間、多国間で幕僚レベルの演習を開発すること
- 現時点の戦闘に対応する戦力を整備し中心を「航空戦と水中戦の装備協力ならびに関連センサー技術、兵装、機材」に置くこと
- 将来の戦闘に対応できる戦力を整備し中心を航空戦力、水中戦ならびにサイバー戦に置くこと
- 現状の多国間協力体制を国連やNATO通じさらに強化すること
インタビューでフルトクビスト国防相は情報共有を特に強調し、情報機関のみならず二国間で解析の課程での共有が重要だと述べた。米国との共同演習の回数が増えていること自体が「力強い安全保障の声明文」だと発言している。
技術についてフルトクビスト国防相は将来の二国間協力では自信をもって「進めていく」と答えたが、スウェーデンが開発を進めている新型センサーについて明言を避けた。■
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