スキップしてメイン コンテンツに移動

米空軍>指向性エネルギー兵器の技術進展と実戦化の現状




Air Force has directed energy weapons; now comes the hard part

Phillip Swarts, Air Force Times12:16 p.m. EDT June 25, 2016

635736797419217976-photo-directed-energy-weapon(Photo: Air Force)
20年間にわたり、米軍は産業界とレーザーなど指向性エネルギー兵器の実用化をめざしてきた。装置は危険な化学レーザーから信頼性の高い半導体レーザーに変わり、出力は数ワットから数キロワットへ拡大している。
  1. これからが困難な部分だ。空軍はワシントンDCで第二回指向性エネルギーサミットを開催し大きな課題が改めて認識された。
  2. 主催は国防コンサルティング企業ブーズ・アレン・ハミルトンとシンクタンクの戦略予算評価センターで指向性エネルギー分野で業界最高の人材が集結した。
  3. 軍上層部は早く実戦化したいとじりじりしている。指向性エネルギー兵器は敵車両を止めたり通信を遮断し、飛んでくるミサイルを破壊したりと多様な用途の想定がある。
  4. だがレーザー兵器の実戦化は困難な課題だ。空軍が指向性エネルギー兵器をはじめて開発したのは2000年代初期で、装置は巨大なボーイング747の全長を必要とした。海軍の試験版は揚陸艦ポンセに搭載され重量は通常の航空機の搭載量を上回る。
  5. さらに新技術は通常通り試験、分析、予算手当、調達、運用構想の作成、立案、承認、訓練を経てやっと実戦化される。
  6. 「予算をたくさん確保するには書類がたくさん必要だ」とブラドリー・ハイトフォード中将(空軍特殊作戦軍団司令官)は軽口をたたく。「今はたくさんの書類に字を埋めているところ」
  7. 同中将によれば敵を警戒させず静かかつ迅速に敵のシステムを妨害する装備が空軍に必要だとし、音を立てず目に見えないレーザーは最適だという。
  8. 「指向性エネルギーを高密度レーザーの形でAC-130ガンシップに搭載できるようになった」とハイトホールド中将は述べる。「指向性エネルギー兵器こそ次代の兵器だ」
  9. ただし指向性エネルギーの実戦化には課題が残る。ハイトホールド中将によれば最大の課題はレーザー装置の寸法と重量だ。
  10. 「重量5千ポンドでパレットのサイズに合えばおさまる」と中将はC-130搭載を想定して語った。
  11. ウィリアム・エター中将もレーザー兵器実用化を望むが、想定ミッションはハイトホールドと異なる。第一空軍司令官として中将の任務は米本土上空の安全であり、ミサイル撃墜にレーザーを使いたいとする。
  12. レーザーでのミサイル迎撃には巻き添え被害の予防が必要だ。
  13. 「一般市民が被害を受けないようにせねば。本土上空には民間航空機も飛び、小型機もあり、衛星もあります。標的は精密に狙わないといけません」
  14. エター中将もレーザーは極力小型化し機体に搭載できればとよいと見る。F-22やF-35に指向性エネルギー兵器を搭載すれば米本土がミサイルに狙われていてもどの地点からも迅速に対応できる。
  15. 指向性エネルギーでミサイル防衛の穴を埋めるのは可能とエター中将は指摘し、高速飛翔する標的への対応を言及した。
  16. 「現時点で極超音速飛翔体への対応は不可能です」とし、マッハ5以上で飛行するミサイルに言及している。
  17. だがハイトホールドの言う一杯の書類作業のように指向性エネルギーには多数の関連規則や規制面での支援が必要だ。
  18. 「脅威に方針が対応しきれていない」とエター中将は指摘し、「技術対応より方針が難しい。交戦規則が欲しい。撃ち落としたいのは小型無人機なのかそれとも航空機なのか」
  19. 検討事項が他にもある。空軍隊員をレーザー装備に慣れるよう訓練するのは最も些少なことだ。
  20. 「信頼醸成が必要だ」とヘンリー・「トレイ」・オーバリング中将(退役)がAir Force Timesに語った。「机上演習、訓練、演習が必要です」
The amphibious transport dock Ponce conducts an operational揚陸ドック型艦ポンセに実証型の海軍レーザー兵器システムが搭載され、アラビア湾に投入されている。空軍もポンセでの運用実績に期待し航空機搭載レーザーとしてAC-130への応用を考えている。さらにF-22やF-35への搭載を想定している。 (Photo: John F. Williams/Navy)
  1. オーバリングは現在はブーズアレンハミルトンで指向性エネルギー事業に従事しており、空軍内部並びに軍組織全体で時間をかけた価値観の変化が必要だという。
  2. 「隊員がこの兵器の能力を十分理解し、教育訓練を受ければ実用化が可能となり、戦術や手順も実戦に対応できるようになります」という。
  3. 目に見えず音もほとんどしない兵器の照射を当たり前に思う隊員を作るのは簡単なのか。
  4. 「空対空ミサイル発射音に慣れたパイロットや爆弾投下の衝撃を経験したパイロットを新兵器に適応させる必要がありますね」(オーバリング)
  5. 「ミサイル防衛庁長官時代に空中発射レーザー実証機を運用していましたが、乗員がとまどっていたのはレーザー発射の瞬間がわかるのは機体後部で発電機の出す振動が聞こえるときだけでした」という。
  6. 解決策として指向性エネルギー兵器の訓練で「効果と有用性をパイロットの男女に理解させること」があるとオーバリングは指摘する。
  7. 国防企業数社が指向性エネルギーレーザー各種や高周波兵器開発に従事しており、軍へ
  8. の採用を円滑に進めるべく、オーバリングは「モジュラー化し標準化した構造」でシステム作動を保障する必要があるという。そうすれば空軍は契約企業が違うことがあっても装備のつぎはぎ状態を避けれるという。
  9. 一方でハイトホールド中将はAC-130は緑色照準レーザーが搭載されており、その消費電力量はレーザーポインター以下だとする。
  10. 「緑色光線で敵は怯えます」と中将は会場で語った。「光線が出ると標的地点で動きが止まります。緑光線の次に何が来るかわかっているからです。もう少し出力を上げて目に見えなくなるといいですね、相手に聞こえなくしたいですね」■

コメント

このブログの人気の投稿

★★★★北朝鮮ミサイルが中国衛星で誘導されている可能性

中国も北朝鮮関連では叩けば埃がどんどん出そうですね。北京が見切りをつければ平壌の現政権など簡単に転覆させるでしょうが、中国国内にある北朝鮮とのしがらみ(おそらく共産党内部の派閥争い)と東北部の軍の非合法ビジネスの問題があり、米国といったん話がついても実施が難しいのでしょう。そのうちにしびれを切らした米国が単独行動に出るかもしれません。
Record China Is North Korea Using China's Satellites to Guide Its Missiles? 北朝鮮は中国衛星を使ってミサイル誘導をしているのか
Peter J. Brown May 23, 2017 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/north-korea-using-chinas-satellites-guide-its-missiles-20810?page=show

北朝鮮がミサイル発射を繰り返し米本土を狙うICBM開発に走る中、ひとつ見落とされている点がある。ミサイルに衛星誘導を使っているのではないか。北朝鮮に衛星航法ネットワークはないため、中国衛星を利用しているとの観測がある。 2014年報道で北朝鮮技術者が中国国内で北斗Beidou衛星航法システムの運用を研修中とある。同年の別の記事で中国軍専門官から中国は北朝鮮による北斗の軍事利用を止められないと発言している。 北斗以外に北朝鮮の選択肢として米露両国のGPSがあり、ロシアはグロナスGlonasと呼んでいる。 「グロナスの可能性もありますが、ミサイル誘導に北斗を利用している可能性の方が高い」と小泉 悠(未来工学研究所特別研究員、ロシア安全保障問題)がメールで述べており、ロシアは北の核実験後に武器および軍事関連技術の北朝鮮向け禁輸措置を取っているがグロナスが対象かは不明と小泉は述べる。 北斗衛星群打ち上げは1994年に始まり、現在は東アジア以遠まで展開している。北斗は民生商業用途と軍用の両面で利用され、軍用では妨害を受けず正確にデータが利用できる。 北朝鮮が北斗の軍用機能を利用しているか不明だが、民生用機能で精密誘導兵器を運用しているとは考えにくい。というのは北斗の民生機能は日米韓の電子妨害に弱く有事の際に北朝鮮が利用するのは困難になるためだ。 「特別のチップならびに中国の協力がな…

★★★真偽は?日本もUCAVを開発していた

日本にもブラック事業がある(あった)のでしょうか。映像公開したのは機密解除になったのか、事業がもっと先に進んでいるからでしょうか。各務原での目撃がないことから別の場所で秘密裏に開発されたのでしょうか。川崎重工関係者は口がさけても語れないと思いますが、事実なら日本もUAV-UCAVを開発していることがわかりますね。判断は読者の皆さんにおまかせします。
This is the combat drone Japan has been building in secretこれが秘密裏に開発していた日本の戦闘無人機だ 川崎重工ブースのビデオでUCAV試作機の飛行状況を写していた (Photo by Harold Hutchison) By Harold HutchisonOct. 06, 05:10 AM http://www.wearethemighty.com/news/this-is-the-combat-drone-japan-has-been-building-in-secret
無人戦闘航空機、つまりUCAVはこれからの軍事航空のカギを握ると言われる。米国、ロシア、フランスが開発中と判明している。 だが本誌We Are The Mighty (以下WATM)はこのたび日本も秘密裏にUCAV開発を進めていたことを知った。 ワシントンで先ごろ開催された空軍関係のイベントでWATMは川崎重工業のブースでビデオ画像を見た。それは同社によるUCAV研究開発の様子で、画像内のUCAVはボーイングX-45やノースロップ・グラマンX-47に似ているようだった。 会場で詳しく聞こうとしたが、同社係員が日本政府の意向だとしてやんわりと断ってきた。翌日も別の係員はこの件は存じていないと答えてきた。 結局三番目に会った川崎重工の小林タクミ氏が「試験機で10年近く前のもの」とし、「防衛省予算による実験事業だった」と説明してくれた。同氏はさらにメールで「2008年ごろのプロジェクト」と述べている。 WATMが当時空軍の筆頭参謀次長として情報監視偵察分野を担当し現在は航空宇宙研究にあたるミッチェル研究所の所長をしているデイブ・デプチュラ退役空軍中将に日本がUCAV開発をしていた事実を知っているか聞いたところ、即座に「知らない」との答えが返ってきた。 このことから日本のUCAVは秘密のベールに隠されていたことがわか…

★★ロッキードが極超音速技術の完成に近づいている模様、SR-72との関連へ注目

Amid SR-72 Rumors, Skunk Works Ramps Up HypersonicsSR-72の噂と関連か、スカンクワークスの極超音速技術が加速中
Sep 27, 2017Guy Norris | Aerospace Daily & Defense Report http://aviationweek.com/technology/amid-sr-72-rumors-skunk-works-ramps-hypersonics
SR-72: Lockheed Martin FORT WORTH, Texas—ロッキード・マーティンが極超音速技術開発を加速化しており、初の実証機を目撃したとの報告もあり、スカンクワークスが進めるSR-72高速機開発との連関が注目される。 「詳細は言えませんが、スカンクワークスのあるカリフォーニア州パームデールで超高速飛行実現の動きを倍増しています」とロッキード・マーティンで航空力学執行副社長オーランド・カバルホOrlando CarvalhoがSAE 国際航空技術学会で語っている。「端的に申し上げれば米国は極超音速革命まであと一歩まで来ています」 Darpaと米空軍研究実験部門が共同で進める推進滑空兵器および極超音速空気取り入れ式兵器コンセプト研究に言及して、カバルホは「この十年で研究は大幅に進み、極超音速技術で状況が一変する意味があることが明らかになってきました。今後も研究テストを進め、極超音速飛行の実現にDarpaとのプロジェクト二件を活用します。国家安全保障ではスピードが肝心です」 SR-72への言及はなかったが、同社が極超音速機として退役済みの高速SR-71ブラックバードの後継機を提案中であることは広く知られており、カバルホの前向きな発言はロブ・ワイスRob Weiss(ロッキード・マーティンの高性能開発事業体執行副社長兼総支配人)の発言に重なる。6月にワイスはAviation Weekに選択的に有人操縦となるSR-72の前身となる飛行研究用機体(FRV)が予定通り進行中と暗に述べていた。 スカンクワークスはFRV開発を来年から始めるといわれ、初飛行予定は2020年だ。FRVはF-22ほどの機体サイズで推進力はフルスケールのコンバインドサイクルエンジン一基だ。しかし実証機に先立ち、ロッキードは各種技術の地上・飛行テスト…