本当にウェルシュ参謀総長はF-22生産再開が望ましい選択と信じているようです。気になるのは改良型開発-生産再開の前提として米議会は海外国の参画を考えている様子があることで、想定される同機の導入国がイスラエルとわが日本ですが、イスラエルはうまく逃げるでしょうから日本が相当の負担を迫られることが容易に想像できますね。そこまでしてF-22改がほしいとしたらF-35はどうなるのでしょう。これまでの投資が無駄にならないことを祈るばかりですが、考えれば考えるほど厄介な機体ですね、F-35は。
USAF warms to F-22 Raptor revival proposal
26 MAY, 2016
BY: JAMES DREW
WASHINGTON DC
予算制約のため新たに導入するロッキード・マーティンF-35より多くの旧型機を退役させざるを得ない米空軍だが、任期が残りわずかになった参謀総長マーク・ウェルシュ大将はF-22ラプター制空戦闘機改良版の生産再開は「突飛な案」ではないとする。
- ペンタゴンの最新の装備調達予算案によれば議会が求める作戦機材1,900機体制の実現に必要な予算が2021年度以降に不足する。
- 第一線戦闘機と飛行隊の規模は2022年から2026年にかけて「実質的に縮小」し、フェアチャイルド・リパブリックA-10「ウォートホグ」他長期にわたり稼働してきた機体が2031年に退役して最低規模になる。
- そこで対策が必要だが、5月26日に空軍協会主催のフォーラムでウェルシュ大将はこの点を問われ予算が課題だと認めた。ウェルシュ自身はF-16およびA-10を操縦した経験がある。グローバル展開できる超大国の地位を今後20年、30年、50年にわたりアメリカが堅持する決意があるのなら空軍に相応の予算配分を講じるべきと述べた。
- 現時点でF-35A多用途戦闘機、ボーイングKC-46A空中給油機、ロッキードC-130J戦術輸送機が空軍の機材調達予算のほとんどを消費しているが、このうちライトニングIIの生産規模は2010年代通じ年間48機のまま推移し、2021年に60機に増える予定だ。空軍には第四世代機のロッキードF-16やボーイングF-15の追加調達予定はなく第六世代機開発も厳しい予算を考慮して減速させている。
- そこで解決策の一つがラプター生産の再開で、ロッキードがボーイング、ジェネラルダイナミクスと共同して生産したF-22はマリエッタ(ジョージア州)での生産を195機で2012年に終了している。エンジンにはプラット&ホイットニーF119を搭載した。
- 生産を終了させた当時の国防長官ロバート・ゲイツの決定を現在の空軍航空戦闘軍団司令官は「史上最大の過ち」と評している。ウェルシュは空軍長官デボラ・リー・ジェイムズとともにF-22生産ライン再開案は「負担不可能なコスト」になり、「ものの役に立たない」と決めつけてきた。だが空軍は論調を変えたようだ。
- 「突飛な発想ではない」とウェルシュは生産再開の功罪検討に加え正確なコスト見積もり作業をロッキードと共同で開始したと紹介し、「同機の性能は実証済みであり、今は新しく別用途に投入しています。そこでも素晴らしい成功を収めており、潜在可能性には大きなものがあります」と述べた。
- 議会は2017年度国防政策法案で空軍にコスト構成と合わせて海外国による事業参画可能性の検討を2017年1月1日までに完了させる旨の追加条項を検討中だが、ウェルシュ大将はコストについて早々に答えが入手できると見ている。
- 「突飛な構想ではありません。皆さんも長官の発言はお聞きでしょうし、空軍も実施すれば費用が膨大になると主張していました。そこでもう一度出発点に戻り、詳細を見ることにしました」
- F-22は1980年代に構想され、F-15の後継機種として1997年に初飛行している。数々の技術的難題に悩まされ、コストは急上昇し、ペンタゴンの調達要求は当初の749機が、381機になり、最終的に187機になった。
- F-35共用打撃戦闘機含む案件の予算を優先するため同機事業は打ち切りとされた経緯があるが、F-35の初期作戦能力獲得は今年後半にやっと実現する見込みだ。
- ステルス各機が高額案件になり、ノースロップ・グラマンB-2やロッキードF-22、F-35が空軍予算に構造的な問題になったため戦闘機調達数が減ったのではとの5月24日の問いに国防総省で調達事業のトップ、フランク・ケンドール副長官は2011年度予算管理法および予算強制削減が原因であり、もっと上位の予算問題が発生していると答えている。
- 「予算状況の解決策を講じないと米軍事戦略の維持が非常に困難になります。F-35は購入価格に対して戦闘性能が一番高い機材で機数より性能が重要です。F-35を実際に運用している現場から聞いたのですが、第四世代機に対して圧倒的な性能を示しているそうです。同機より低価格だが性能も落ちる機材を導入しても問題解決になりません」
- ロッキードのスカンクワークスはF-X事業を担当しているが、既存のF-22やF-35を性能改修して2030年代の航空優勢を確保する構想を提案している。
- 改良型F-22が望ましい選択であり第六世代戦闘機より価格でも有利とウェルシュは言いたいのだろう。
- 「第六世代戦闘機の代わりにF-22を改修し生産ラインを再開したほうが費用を抑えつつ機数をもっと確保できるのでは。すでにその方向で作業開始しています。20年先の世界で必要な仕事の実現手段は広く考えるべきです」■
確かに、気付きもせず背後を狙われるステルス機。
返信削除でも、第4世代機には通用と言っても、迎撃体制の評価はどうなんだろう
要するに空中戦だ。
まして、ステルス塗料の整備で、相当な維持費らしい。
故障率も多いだろう近代アビオニクス。
初期経費も維持する経費も膨大なF22.整備員が相当数必要だ。
ロッキード等の高給配当だけが恩恵を受ける。