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F-22対イラン空軍F-14の交戦が実現すればこうなる

ランへの全面作戦が現実になれば、イラン空軍の撃滅が必要となる。イラン空軍は米国製機材を供用中で、なかでもグラマンF-14トムキャットが老兵ながら健在だ。帝政イラン空軍が同型機を1979年のイラン革命前に80機調達し、79機が納入された。イランはヒューズ(現レイセオン)AIM-54Aフィーニックス長距離準アクティブ/アクティブレーダー誘導空対空ミサイル714発を入手した。同ミサイルの射程は100カイリ程度だ。

F-14Aは1960年代末の開発時に米国戦闘機で最高性能とうたわれていた。米海軍での供用は1974年からでAWG-9長距離パルスドップラーレーダーを搭載し115カイリ以内の探知能力があり、米製レーダーで初のスキャンモード追尾が可能となり、複数標的の撃破能力が実現した。6機に同時対処できた。理論上はトムキャットで艦隊防空能力が実現したが、実際は海軍の広報資料どおりではなかった。

イランはトムキャットに新型エイビオニクスと新型兵装を導入し性能向上させたが、飛行可能なのは20機程度だろう。イランにはMiG-29が20機あるが、トムキャットは最高性能の機体のままだ。開戦となれば、イラン防空の第一線はF-14が担うはずだ。

ステルス性能を有するロッキード・マーティンF-22Aラプター制空戦闘機が米攻撃部隊の先陣を飛ぶのは確実だろう。旧式F-14に対し、ラプターは技術面で優れ、最高水準のセンサー能力を有する。

F-22はステルスと長時間超音速飛行性能の上に統合エイビオニクスと高機動性も加わる。搭載するノースロップ・グラマンAN/APG-77 (V)1アクティブ電子スキャンアレイレーダーとALR-94パッシブ電子支援装備によりF-14を先に探知でき、トムキャットにはF-22が付近にいることに気づかない。

ラプターがF-14を先に探知し交戦許可が下りていればレイセオンAIM-120D AMRRAMミサイル(射程96カイリといわれる)を発射するだろう。その時点でF-22はマッハ1.5超、高度50千フィートを飛行している。F-14編隊は攻撃を受けたと分かる前に空から一掃される。

AMRAAMを打ち尽くすとラプター編隊は視界内交戦に移り、ステルス性能を活用し1000フィートまで探知されず接近し、レイセオンAIM-9Xサイドワインダーまたは20mmヴァルカン砲でF-14を撃破する。レッドフラッグやノーザンエッジ演習でのF-22は機関砲の有効射程まで気づかれずに接近しており、ステルス性能を発揮している

だが、尋常ではない状況でF-14とのドッグファイトに巻き込まれるF-22が出る。その場合、米パイロットがよほどの悪運に見舞われたり、誤った選択をしないかぎり、ラプターはトムキャットを楽々駆逐するはずだ。ラプターには高機動性を活かした旋回性能があり、毎秒30度を維持できるといわれる。ラプターの推力には余裕があり、AIM-9Xミサイルを高機動操縦中に発射すれば事態はF-22に一方的に有利となる。生まれたばかりのアザラシを撲殺するようなものだ。

もちろん以上はイラン指導部が米国との対決という愚かな選択に進んだ場合の想定に過ぎない。イランが米国と開戦すれば、非対称戦術を取るはずで、空中戦は避けるのが賢明だろう。■

この記事は以下を再構成したものです。
June 19, 2020  Topic: Security  Blog Brand: The Reboot  Tags: F-22F-14MilitaryTechnologyTrump

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