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歴史に残る艦(4) USSレキシントン、珊瑚海海戦で戦没したが、現在の超大型空母の出発点となる艦だった。

 

歴史に残る艦(4)USSレキシントンは今日のスーパー空母の祖先だ

 

 

2018年3月4日、慈善家ポール・アレンの資金援助で空母USSレキシントンの痛々しい姿が珊瑚海の深度2マイルで発見された。初の艦隊型航空母艦として米海軍に就航したレイディ・レックスは史上初の空母対空母対決で撃破され、海底の墓地に76年もの長きにわたり眠っていた。

 

独立戦争諸端のレキシントン会戦にちなむ米海軍軍艦として5番目の艦がUSSレキシントンだった。姉妹艦サラトガとともに巡洋戦艦として企画された。しかしながら、建造は第一次大戦で遅れ、さらに1922年のワシントン海軍条約の制限対象となった。

 

当時建造は四分の一程度進展していたが、米海軍は廃艦せず、二隻を空母に改装することとした。費用は各艦28百万ドルについた。当時生まれたばかりの空母は第一次大戦中にめぼしい活躍がなく、条約では各国は排水量33千トン以下の空母を二隻まで保有できた。

 

米海軍は初の空母USSラングレイ(排水量14千トン、給油艦を改装)で空母運用を経験済みで、レキシントン、サラトガはこれに対し全長270メートル、36千トン(条約違反である)と相当大きな艦容で、「アイランド」上部構造を導入し、艦橋と航空機管制塔機能を一つにまとめ、今日に続く形状の先駆けとなった。海軍二番目の空母としてCV-2の艦番号がつき、偵察、爆撃、雷撃、戦闘の各飛行隊VS、VB、VT、VFを搭載した。

 

レキシントンの鉱区格納庫は3平方キロの広さがあり、当時最大の広さを誇り、80機から110機の航空機をエレベーター2基で移動させた。飛行甲板には拘束ワイヤーを巡らせ、機体着艦時に利用した。同艦は「耐雷撃装備」を特徴とし、膨大な量の航空燃料が爆発しないように区画を隔離していた。

 

「グレイレイディ」と呼ばれた同艦には巡洋戦艦の名残も残り、装甲帯には7インチの厚さがあり、対艦攻撃には8インチ砲連装が4門あったが、射撃で飛行甲板に影響が出る恐れがあった。さらに5インチ対空砲で補強し、機関銃多数を備えた。

 

レキシントン、サラトガ両艦は1927年就役し、太平洋で演習に動員された。その時点で空母が実戦に投入された事例はなく、海軍は三隻そろった空母の使い道を模索していた。ここから偵察機を順次発艦させ、連続で行う戦闘航空哨戒(CAP)の概念が生まれ、敵偵察機を排除し、敵空母の位置をつかみ、これを撃破する作戦につながった。レキシントンの艦載機は少なくとも三回にわたり真珠湾を「奇襲」した。演習の教訓が生かされなかったのは明白だ。

 

演習の合間にレキシントンはターボ電気発電機能でワシントン州タコマに一カ月にわたり給電した。同市は干ばつで水力発電が使えなくなっていた。また、1931年に地震被害を受けたニカラグアへ物資輸送した。さらに、洋上燃料補給実験にも使われ、これが第二次大戦中で広く用いられた。

 

サイエンスフィクションの巨匠ロバート・ハインライン(スターシップトルーパーズ、異星の客等)はレイディレックスに通信士官として勤務し、艦内コンテストで短編小説を書いたが選外となった。若い少尉として艦長アーネスト・キングの娘とデートした。キングは大戦中に海軍作戦部長をつとめた。

 

大戦初期の運用実態

 

日本が真珠湾奇襲を実行した際にはその他米空母と同じく被害を免れた。フレデリック・シャーマン艦長の指揮下でウェイク島守備隊援護を試みたが同島はその前に陥落し、同艦は日本潜水艦との遭遇を警戒していたのが1942年1月の状況だった。

 

大戦勃発時のレキシントン艦載航空部隊はとても最強と言えない陣容で、時代遅れの機体のF2Aバッファロー戦闘機(海兵隊パイロットは「空飛ぶ棺桶」と呼称)、不運の三人乗りTBDディヴァステイター雷撃器は時速206マイルの低速で敵機や火砲の絶好の標的となり、装甲も薄く、勝ち目のない機材だった。

 

とはいえ、二人乗りSBDドーントレス急降下爆撃機隊は良好な戦績を残した。装甲貫徹1000ポンド爆弾を急降下中に比較的正確に投下できた。同機も250マイルと低速だったが、敏捷性を生かし、緊急時には防空任務にも投入された。

 

レキシントンは間もなくバッファローをグラマンF4Fワイルドキャットに交代させた。同機は330マイルの最高速度を誇った。ずんぐり形状で青色塗装の同機は敵のA6Mゼロ戦闘機より機敏性、速力で劣ったものの装甲と降下速度を生かし奮戦できた。

 

さらに真珠湾攻撃五カ月前に第一世代レーダー装備CXAM-1が搭載され、ワイルドキャット隊を助けた。50から100マイルを走査し、海上目標の探知は12マイル有効だった。同レーダーにより米空母部隊は敵襲を直前で警戒できた。

 

1942年2月にレキシントンはニューブリテン島ラバウルの日本軍基地攻略に出撃した。日本飛行艇に発見されたため奇襲攻撃は失敗した。戦闘機隊が飛行艇2機を撃墜したものの、海上位置を通報された。シャーマン艦長は攻撃を断念し、そのまま洋上にとどまり、日本機をひきつけ、これを撃破する作戦に変更した。これは危険な賭けで、敵機がレキシントンCAPを潜り抜ければ、初の喪失空母になるおそれもあった。

 

実際にレキシントンのレーダーはG4Mベティ双発爆撃機(一式陸攻)の9機(第四航空隊所属)が西から接近するのを4:25p.m.に探知した。慌ててワイルドキャット隊19機さらにSBDまで動員し発艦させ迎撃させた。

 

迎撃隊が空戦を展開する中、15分後にさらにベティ8機がレーダーでわずか12マイル東方に探知された。発艦可能なワイルドキャットはわずか2機、しかもうち一機の機関銃はすぐに詰まってしまった。

 

残るワイルドキャットはエドワード・「ブッチ」・オヘア大尉が操縦し、劇的な成果を上げた。オヘアは三機を撃墜し、三機を損傷させた。これだけの戦果をオヘアは.50口径450発で達成した。

 

それでも残るG4M隊は必死にジグザク航行するレキシントンに爆弾投下したが一発も命中しない。一機は体当たり攻撃まで試みたがこれも成功しなかった。帰投できたG4Mは3機のみで、ワイルドキャットに2機喪失が発生した。オヘアに名誉勲章が授与され、ワイルドキャットのメーカー、グラマンからはタバコ数千箱が贈られた。自身は1943年にG4Mとの夜間空戦で友軍の誤射を受け撃墜されたが、1949年にその名がシカゴ空港につけられた。オヘア国際空港である。レキシントンは日本軍偵察機を振り切り、3月10日に攻撃隊を発艦させ、パプアニューギニア沖で日本軍輸送艦3隻を撃破した。

 

16日後、同艦は真珠湾に戻り、8インチ砲を撤去し、代りに高速射撃可能な対空砲を搭載した。ついに海軍も大型砲よりも遠隔地を攻撃可能な航空隊を運用し、航空機で艦を防御する方が重要と理解するに至った。

 

直後の5月にレキシントンは初の空母対空母の対決となった珊瑚海海戦で没することになったのである。■

 

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Meet the USS Lexington: America's Original Supercarrier

by Sebastien Roblin

 

April 26, 2021  Topic: Aircraft Carriers  Region: Americas  Blog Brand: The Reboot  Tags: LexingtonCarrierAircraft CarrierU.S. NavyWorld War IIFighterJapanMilitaryTechnology

 

Sébastien Roblin holds a Master’s Degree in Conflict Resolution from Georgetown University and served as a university instructor for the Peace Corps in China. He has also worked in education, editing, and refugee resettlement in France and the United States. He currently writes on security and military history for War Is Boring.


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