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ウクライナ東部で不穏な動き。ロシア軍がウクライナ侵攻への準備を始めた模様。NATOも巻き込み、一気に情勢がエスカレーションするのか。

 Russian Military

 

 

 

シア、ウクライナ国境で緊張が高まっている。ウクライナ東部ドンバスで戦闘が激しくなっているためだ。

ロシアは部隊を国境地帯に集結させており、ドンバス内戦でかねてから出ていた疑問が再び強まっている。ロシアはウクライナ侵攻に踏み切るのだろうか。

 

ドンバス内戦は2014年に始まっている。ウクライナ国内の混乱を受けてロシア語を話すドンバス地方がドネツクおよびルハンスク人民共和国を独自に立ち上げ、ウクライナからの独立を宣言した。その後、数回にわたり休戦協定が結ばれたが、いずれも履行されていない。分離主義勢力はウクライナ軍の攻撃を受けてきた。さらに都市部でのゲリラ戦で民間人軍人数千名が命を落としている。一方で、ウクライナはトルコからバイラクタルTB2戦闘無人機の購入を決めている。

 

ロシアとウクライナはともに挑発行為だと非難合戦をしている中で、ドンバス地方での軍事行動がエスカレーションしそうだ。ロシアの兵力増強ではクレムリン報道官ドミトリ・ぺスコフが報道記者の懸念に対し、「わが法の対応は完全に前向きなもの」と繰り返しつつ、「ウクライナ軍の挑発が発生している。しかも大規模になっている」と述べた。

 

ロシアのプーチン大統領発言を反映し、セルゲイ・ラヴロフ外相がウクライナおよび西側諸国に警告を出した。「プーチン大統領の発言は今も有効だ。新たにドンバスで戦闘状態を発生させればウクライナ崩壊につながる」。これに対し北大西洋条約機構(NATO)は「ロシアによるゆさぶりは緊張緩和に向けた動きに逆行する」と懸念を表明した。ジョー・バイデン大統領はウクライナのヴロジミール・ゼレンスキ大統領と本日早朝に電話会談し、「ドンバス、クリミア両地方へのロシアによる侵攻行為が続く中、ウクライナの主権ならびに領土保全の護持に米国は確固たる支援」を確約した。

 

とはいえ、現状でロシアがウクライナ領土に大規模進軍を開始する兆候はない。すくなくとも先制攻撃はないようだ。ミンスク議定書によりドネツク、ルハンスクの両人民共和国のウクライナ統合に向けた政治面の手続きが決まって以降、ロシアはドンバス分離主義勢力を間接支援しつつ、ウクライナが武力で両地方を再統合する動きを示せば強力な軍事力の行使をいとわないと警告していた。いずれの側が先に攻勢をしかけたとしても、他方から同議定書違反を非難されることになり、ロシア、ウクライナともにこの外交リスクは避けたいところだ。

 

ロシアのドンバス対応戦略はウクライナが先に軍事行動を取るまで待つことにある。この記事の執筆時点でこの方針が変更された兆候はない。ロシアは部隊をウクライナへ移動させた場合に国際社会から受ける非難が激しくなることを承知しており、あくまでも先に行動されてからの報復作戦を誇示したまドンバスの危機状況は新たなエスカレーション段階に入りつつある。■

 

Is Russia Getting Ready to Invade Ukraine?

April 2, 2021  Topic: Russia Ukraine  Region: Europe  Blog Brand: The Buzz  Tags: Ukrainian ConflictUkraineDonbassRussiaNATOMilitary

by Mark Episkopos

 

Image: Reuters.

Mark Episkopos is the national security reporter for the National Interest


コメント

  1. ぼたんのちから2021年4月4日 10:11

    ウクライナ政権は、ロシアに占領された地域の回復を目指し、米国、及びNATOの支援を求め、それに対抗してロシアは、軍を集結し、さらなるウクライナ侵攻の態勢を取っている。これは危険な状況である。しかし、戦争が始まる場合はいつもそうだが、双方とも戦争をするつもりはない。
    今後、どのような展開になるか、主にバイデン政権の姿勢によるのかもしれない。ロシアは、米国の顔色を窺い、チャンスがあれば占領地域の拡大を目論むかもしれない。
    バイデン政権の外交政策は、オバマの時代に戻るのだろう。ロシアのクリミアとウクライナ東部の占領はオバマ政権時であり、また、今、中国はスプラトリー諸島に不法な建造物を作っているが、過去南シナ海の島嶼に大規模な基地建設を行ったのも、オバマの時である。これは偶然の一致ではない。ロシアも中国も米国の足元を見て、バイデン政権は「掛け声(「戦略的忍耐」とも言う)外交」に終始すると、判断しているのだろう。
    中国は、反米国家を糾合し、「北京枢軸」同盟を画策している。過去、中国主軸の反米国家・勢力間の隠微な武器、核兵器、及び運搬手段の裏流通ルートを個人的に「北京ブロック」と呼んだが、今やそれが公然化されようとしている。中国は、北朝鮮と結束を固め、イランと政治・経済面で協定を結んだ。当然、このような中国との結び付きは軍事にまで及ぶだろう。さらにロシアは、この「北京枢軸」同盟と連動している。これらの動きは、世界をより危険な状態に陥りさせることになるだろう。
    バイデン政権発足から3ヵ月も経たずにこの有様になったことに注意しなければならない。武漢肺炎の流行は、世界の流れを加速したと言われるが、バイデン政権の政策によりさらに加速させそうに見える。その行き着く先は決して明るいもので無いかもしれない。

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