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ロールアウトしたKFX改めKF-21ホークは来年初飛行予定。韓国はどんな任務を想定しているのか。

 

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MBC NEWS SCREENCAP

 

 

朝鮮が次世代国産戦闘機KF-Xの試作機をロールアウトした。公式にはKF-21ボラマエ(鷹)と呼称される。同国で最大級の野心的事業で初飛行を来年実施し、同国大統領は2026年までに初期型開発を完了する日程を発表している。

 

韓国空軍(ROKAF)は2028年までにKF-21を40機導入し、最終的に120機を2032年に運用する。老朽化進むF-4EファントムIIおよびF-5E/FタイガーIIの後継機として、さらに60機調達予定のF-35A以外にF-15KスラムイーグルやF-16C/Dの補完役も期待されている。

 

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A ROKAF pilot disembarks the first prototype KF-21 at today’s ceremony in Sacheon.

 

ロールアウト式典は韓国航空宇宙工業(KAI)のサンチョン工場(道)で行われ、文在寅大統領が出席し、「自国防衛新時代」を開き、「航空宇宙産業の歴史的一歩」となったと述べた。大統領は2030年代に世界7大航空産業強国の一角になる目標を表明した。

 

同機の本格開発は2015年に始まり、2019年に国防調達事業庁 (DAPA)が試作機製造にゴーサインを出した。

 

試作機には単座型4機、複座型2機を製造し、米国製ジェネラルエレクトリックF414-GE-400Kエンジン二基を搭載する。2016年にF414エンジン240基に予備部品合わせ導入を決めた。同型エンジンはF/A-18E/Fスーパーホーネット、EA-18Gグラウラー、スウェーデンのJAS39E/Fグリペンが採用しており、インドのテジャスMk.2も搭載予定だ。

 

KF-21量産生産契約は2024年交付との観測があり、空対空戦対応のみのブロック1引き渡しが2026年開始となる。対地攻撃能力はブロック2で実現する。

 

国産多任務戦闘機の開発・生産は大きなチャレンジだが、KAIにはFA-50軽攻撃機含むハイエンド軍用機製造の知見があり、F-16C/Dの現地生産実績もある。

 

KF-21には低視認性を目指した特徴もあり、尾翼が角度をつけていること、胴体形状などにF-22、F-35に通じる特徴がみられる。ただし、米ステルス機並みの全方位ステルス性能は有しない。むしろ、同機はF-35とF-16のギャップを埋める存在を目指し、F-35より安価な運用コストの実現を狙う。KF-21の兵装は機体外部に搭載し、主翼と胴体下に合計10点のハードポイントがある。

 

MBC NEWS SCREENCAP

The flags of South Korea and Indonesia appear on the forward fuselage of the KF-21.

 

同機が実戦配備となる2026年ごろに開発が期待される派生型で機内兵装庫の実現が想定される。KF-21のレーダー断面積はユーロファイター・タイフーン程度とみられるが、今後登場する発展型で削減を図る。非武装でも重要なセンサー機材として友軍に貴重な情報を提供できる。

 

総額79億ドルといわれるKF-21開発ではインドネシアも参画しており、開発費用の2割を負担し50機調達する予定だった。だがインドネシアは分短期払い込みを滞っており、事業に暗雲を与えている。

 

ただし、インドネシア国防相プラボウォ・スビアントはロールアウト式典に参列しており、韓国関係者も両国協力体制は健在と述べている。その他国への輸出構想もある。

 

海外諸国にKF-21は魅力ある商品になりそうだ。F-16Cを上回る飛行性能があり、アクティブ電子スキャンアレイ(AESA)レーダーを採用し、ラムジェット推進方式のミーティア空対空ミサイル(MBDA製)を運用する。実証機のフライトテストはボーイング737試験機を使い、もう始まっている。

 

KF-21ブロック2では搭載兵装の組みあわせが決まっており、GBU-12ぺイヴウェイII、GBU-31/38共用直接攻撃弾(JDAM)、GBU-54/56レーザーJDAM、GBU-39/B風向き補正弾薬ディスペンサー(WCMD)がある。各兵装はROKAFで供用中で今後は機体との統合が中心となる。

 

同機のペイロードは16,975ポンドになる見込みで、最大離陸重量は56,400ポンドだ。最高速力は時速1,400マイル(約マッハ1.83)で航続距離は1,800マイルとなる。もちろん、これはカタログ値で実戦運用では大幅に下がることがある。

 

ステルス性能を備えた同様の高性能戦闘機開発プロジェクトはヨーロッパ、インド、日本、トルコ、英国で進行中だが、KF-21はKAI初の高性能機材かつ迅速開発案件となっており、今後輸出が成立すればこれまでの投資を回収できる。

 

KF-21は兵器国産開発を目指す南朝鮮の技術水準を示す。部品の65パーセントを国産で調達し、KAIは重要エイビオニクスとしてミッションコンピュータ、飛行制御コンピュータも担当する。その他にもAESAレーダー、電子戦装備、赤外線捜索追跡センサー、電子光学標的捕捉ポッドも国産化する。KF-21が量産に入れば10千人の雇用が生まれると文大統領が述べた。ここには2016年以降に生まれたプロジェクト関連雇用12千名は含まれていない。

 

KAI

The first prototype during its final assembly at KAI. 

 

KF-21でROKAFは核装備を有する北朝鮮の軍事脅威に対し質的優位性を確保できそうだ。北朝鮮の朝鮮人民空軍(KPAF)に対しROKAFは現在でも大きな差を確保している。

 

KPAFで最新鋭の戦闘機は冷戦末期のMiG-29フルクラムが少数機あるだけで、ROKAFはF-35Aを先鋒に展開するはずで、F-35Aはすでに20機が配備されている。またF-15Eストライクイーグル60機のほか、F-16C/Dも134機がF-16V仕様に改修しAESAレーダーを搭載する。さらにF-35Bの導入も検討中で、次に建造する強襲揚陸艦で運用する。

 

こうした第一線戦闘機に加え、ROKAFには戦力効果を増幅させる支援機材がそろっている。まず、ボーイングE-737(E-7ウェッジテイル)ピースアイ空中早期警戒統制機(AEW&C)があり、北朝鮮空域を監視できる。またレイセオンRC-800情報収集機、ダッソー・ファルコン2000EXにL3コミュニケーションズによる情報集機材を搭載している。こうした機材がKF-21を支え、リアルタイムで北朝鮮の空地海の脅威対象の情報を提供する。

 

KBS NEWS SCREENCAP

 

南北朝鮮が開戦となれば、KPAFは旧型機多数を動員するが、火砲部隊、移動式ミサイル発射装置の威力を前面に出してくるはずだ。さらに核兵器が北朝鮮にあるほか、化学兵器、生物兵器も備蓄している。朝鮮人民軍の固定式、移動式の地対空ミサイル多数は、対空火砲とあわせ、まっさきに制圧する必要がある。

 

このため、KF-21ブロック2で対地攻撃能力の実現をROKAFは目指すはずだ。

 

KF-21により南朝鮮は国産次世代多任務戦闘機の配備を目指し独自の道で一歩を記したといえる。同機開発の進捗には目を見張るものがあり、初飛行に向けカウントダウンが始まった。■

 

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Meet South Korea's New KF-21 "Hawk" Indigenous Fighter


Developed under an ambitious timeline, the fighter will complement F-35s and older fighters as part of a revamped Republic of Korea Air Force.

BY THOMAS NEWDICK APRIL 9, 2021


 

Contact the author: thomas@thedrive.com



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