The A-10 Warthog Could Ravage North Korea. So Why Does the Air Force Hate It?
A-10ウォートホグは北朝鮮に猛威を振るえるのに米空軍が忌み嫌うのはなぜなのか。
January 26, 2018
北朝鮮と開戦となればA-10サンダーボルト対地攻撃機が救いの神になるはずである。しかし米空軍はそのA-10を処分しようと100機分の維持に必要な予算を要求せず、機体は廃棄処分されそうだ。
北朝鮮と対決となれば米韓連合軍の目的は北朝鮮核兵器、ミサイルの除去だ。当然戦略爆撃機やステルス機の出番となるが北朝鮮も韓国攻撃に踏み切るはずで国内の基地、空港、補給処がまず狙われる。
北朝鮮は350万もの兵力を有しているが、その実力には疑問がつく。装甲車両は相当の規模で、戦車4,200両、装甲兵員輸送車2,200両、火砲8,600門、多連装ロケット発射車両4,800両がある。大部分が旧式だが、北朝鮮が正しい位置に装備を移動させDMZを超えれば韓国を迅速に破るのは十分可能だ。
北朝鮮が本当にそう思っていれば米空軍力の存在を無視することになる。その場合に最大の損失を与えそうなのがA-10だ。
A-10はもともとNATO軍がソ連の攻撃に対応する想定で作られ配備されていた機体だ。戦車等装甲車両の撃破を目的に作られた。
ソ連の攻撃はソ連自体の崩壊で現実にならなくなった。そのためA-10は用途変更しCOIN(対ゲリラ戦)任務でアフガニスタン、イラクで大量に投入され地上部隊に近接航空支援を提供した。
北朝鮮の脅威は大量攻勢方式でソ連時代の想定とさして変わらない。A-10はこのミッションに完璧な機体だ。
A-10の中核はGAU-8 30ミリ機関砲の威力だ。GAU-8には「アヴェンジャー」の名称がつき、7本の砲をまとめたガトリング砲で一分間4,200発の発射でき二種類の銃弾を使う。装甲貫徹弾には劣化ウランを芯に入れる。もうひとつが焼夷弾で北朝鮮の有する装甲は全部撃破できる。
米空軍はA-10を処分しようとしてきた。空軍の主張では他機種で同機の役割が果たせるし、整備されている防空体制ではA-10は生き残れないとする。
もちろんA-10が生まれた段階でも敵の防空体制はあった。エジプト、シリアとの1973年の第四次中東戦争で大規模陸戦が発生し、航空制空権の確保がイスラエルに死活的となった。
イスラエル空軍はSA-6対空ミサイルとZSU23ミリ砲四連装に直面し、ともに移動式でエジプト装甲部隊が引き連れていた。これを除去しようとしたA-4は多大な損害を出した。(主にZSU対空砲の犠牲になった)A-4が爆弾投下後に上段階で一番脆弱なところを狙われた。
北朝鮮は近代的防空装備を有しており、とくにS-75とKN-06が手ごわい。S-75はロシアのSA-2にほぼ匹敵する。KN-06はロシアS-300初期型にほぼ匹敵すると見られる北朝鮮国産装備だ。
こうした装備はF-35やF-22の格好の標的となるが、妨害を受けたりB-1のような長距離爆撃機でも除去されそうだ。
空軍は議論を避けているが、米軍機は単独で飛行しない。F-22は長距離戦略ステルス戦闘爆機となる。F-35はステルス戦術機で北朝鮮ミサイル装備をねらうはずだ。その他北朝鮮の旧式装備はF-15やF-16で片を付ける。
なにごとも宣伝されるとおりには作動しないものだが、連合軍機材が制空権を確立して戦略目標に何の問題なく近づけれれば、A-10は北朝鮮戦略部隊攻撃に専念できる。
金正恩の朝鮮半島制圧構想を打破する手段としてA-10は完璧な機材だ。北朝鮮軍が撃滅され、金がまだ生き残っていればA-10の存在は忘れることができないだろう。■
This first appeared in AsiaTimes here.
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